2012/4/6:
●どうしようもないただのオッサン…ネガティブな矢野博丈社長
●ダイソーは倒産する?矢野博丈社長のネガティブ名言集
●人事を尽くして天命を待つ…は単に諦めるためのことわざじゃない
●ダサかったダイソーが大変身、コスメ雑誌に出るような店に
●本来なら真似される側のリーダー企業なのに真似する戦略
●どうしようもないただのオッサン…ネガティブな矢野博丈社長
2012/4/6:
オシャレなダイソー、開花 ブランド・ジャパン2012(日経ビジネスDigital 日経ビジネス2012年4月2日号)によると、ダイソーは12年目を迎えたブランド力調査「ブランド・ジャパン」において9位になりました。
日本経済がバブル崩壊後の激しいデフレに見舞われ、ダイソーが「デフレ時代の寵児」ともてはやされた2000年代前半でさえ、20位以内がやっとだったそう。前年は39位でしたから一気に30ランクもアップしていますね。
記事はなぜそんなにアップ?って話だったのですが、おもしろかったのが
ネガティブすぎて逆に凄いダイソー社長の発言にあった大創産業の矢野博丈社長発言集です。順番は入れ替えており、まず以下は自身に関するネガティブな発言。
私はどうしようもないただのオッサンです。
私はインターネットも分からないし、時代遅れな人間ですから。
わしは劣化した。もうしょうがない。
生きるということは、基本的に楽しいことではありません。
良いことはもう起こらないかもしれないけれども、生きることに感謝するしかない。
●ダイソーは倒産する?矢野博丈社長のネガティブ名言集
また、ダイソーに関する発言が以下。やはりネガティブなもので、「潰れる」という言葉が何度も出てきています。
6年ぐらい前まで「ダイソーはつぶれる」という確信を持っていました。
そもそもダイソーなんて底の浅い商売ですから。
お客様にはすぐ飽きられるものです。ずーっとずーっと恐くて、眠れなかったんですよ。
お客様はよう分からん。
やってきたことがいいか悪いかは、ダイソーが潰れる時にならんとわかりません。
セリア(引用者注:他の百均ショップ)には店でも商品でも負けた。
イトーヨーカ堂の会長に自社商品を見せたらものすごい怒られた。「こんなもの作ってたら後3年で潰れるぞ、商品に魂を込めろ」と。
この前みずほ銀行の頭取とメシを御一緒した時、「これからうちもどうなるかわかりません。御迷惑をかけるかもしれません」と伝えた。
ダイソーはつぶれる。そうしないために、一緒にがんばりましょう、と社員に言っている。
最近はやっと、なるようになるかという気がしてきました。いずれはどこかに買い取ってもらえることもあるじゃろうと…
急成長してきたセリアや、キャンドゥのおかげで「潰れるかもしれない」と思えた。その危機感があったから持ち直すことが出来た。
新しい店舗は社員たちが決めて作り上げました。
私にはとても、こんな店作りはできません。
経営計画、戦略、そんなもんないです。目標ないです
人間は、先を見通す能力なんてないんです。
もう安さや質では売れん時代になってきた。これからはどうなるかわからんです。
●人事を尽くして天命を待つ…は単に諦めるためのことわざじゃない
最初の方で紹介した「生きるということは、基本的に楽しいことではありません」と関連するものだと思いますが、「楽しさと言うものは、努力した結果、味わえるものです」ともおっしゃっています。こちらなんかは普通に名言的ですね。
「先を見通す能力なんてないんです」などもそうですが、「ネガティブ」と言うよりは「達観」と言った方がより適切かもしれません。ここでは、「こういうこと言いつつガンガン動くからなこの社長。会社的には業績伸びてるし。知り尽くし、やり尽くしてのこの発言」というコメントもついていました。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。この言葉の「天命を待つ」だけ見て、諦めるためのことわざだと勘違いしてはいけません。「人事を尽くして」という、やれることをすべてやって…というところがが重要なのです。矢野博丈社長もおそらく「やることはやって、その上でダメならしかないじゃない」といったタイプだと想像します。
ただ、そういう教訓的な話は抜きにして、普通に愛着の湧くキャラクターと捉えても構わないでしょうね。以下のような真面目なコメントを書いていた方は、一方で「ギャグも底抜けでした」とも書いていました。
<かつて取材させていただいた者ですが…「ネガティブを徹底して貫くことで達した、神のごとき凄み」を纏った方というか。うまく言えませんが、とにかく人間外のオーラを感じさせます>
●ダサかったダイソーが大変身、コスメ雑誌に出るような店に
冒頭の記事は、ダイソーが突然ブランドランキングでジャンプアップしたという話でした。どうもこの原因は、発言集に出てきたような店舗の模様替えであったようです。
ごちゃごちゃとして、生活感溢れる商品が所狭しと並ぶかつてのダイソーは姿を消し、新店や改装店の内装は明るい色調に変更、照明と大きなアクリル板をふんだんに使った什器(じゅうき、小売業界で陳列棚のこと)は、店内に清潔感と高級感を与えるようになりました。
近年ダイソー商品を取り上げる雑誌も、「節約アイデアを紹介する生活情報誌」ではなく"コスメ雑誌の「美的」や、育児中の若い女性向けの「ILOVE mama」「nina’s」などが目立つというわけで、驚くほどうまく大変身を遂げたようです。
●本来なら真似される側のリーダー企業なのに真似する戦略
発言集にも出ていたライバルのセリアは、すべてのPOS(販売時点情報管理)データを精緻に分析したうえで売り場作りをし、増収増益という路線。ただ、2007年からブランドを作り直し、店内を明るい基調で統一しているところということで、ダイソーはこちらをお手本にしたようでした。
また、矢野博丈社長がランクアップの立役者と評価する青野美恵子専務は、パッケージのデザインや色を徹底的に作り替えることに強くこだわりました。目指す姿の1つに「北欧の輸入文具などのように、色や形状が洗練されたイメージ」があるそうです。そして、こちらもお手本がありました。
<世界最大規模のSPA(製造小売り)、スウェーデンのH&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)や「ユニクロ」のファーストリテイリングの強さを見るまでもなく、「手頃な値段だがオシャレ」なものに消費者の嗜好は移行している。遅ればせながらダイソーもその流れに乗ったというわけだ>
これ、おもしろいと思うのは、業界大手なのに後追い戦略的なところがあるということ。普通、業界最大手はリーダー企業であり、他の企業がリーダー企業を真似していくってパターンなんですよ。ダイソーは変わっていると思いました。
このように真似する戦略であるために、他店とも被る部分が多そうです。今年に入ってからは、「北欧の100円ショップ」と報道されたデンマークの人気雑貨チェーン店「タイガー」も日本に進出。発言集では「潰れる、潰れる」と何度も出てきて笑いましたが、本当に潰れないといいですね。(私はセリアでもキャンドゥでもなく、ダイソーを愛用してますよ!)
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