中国のトイレはその政治体制と違って、極めて開放的なことで有名です。
中国のトイレ事情に詳しかった
中国トイレ四方山話(ゴーデンどんのアジア・オセアニア放浪記)では、
「蘇州で日本語教師をしていた友人が話してくれるには、なんでもドアが無いから、おばちゃんたちは用を足しながら世間話をするということ。すごいカルチャーショックでした」
と書かれており、「私もついにそれを体験することとなったのでした」と経験を語っていらっしゃいます。
「本当にドアがありません」と書かれていますが、ドアがないというか「真ん中に溝があるだけ」で、申し訳程度に背の低い柵があるといった代物もあるようです。
さすがに「上海では大体ドアがある」らしいのですけど、「地方に旅行に行ったりするとこういうトイレによくお目にかかります」とのことです。
「おばちゃんと向かい合って用を足しながら、おしゃべりした」経験もあるそうです。中国を満喫していますね。
また、驚いたのが「ここ中国では道端でトイレする人をよく見かけます」という文章。
そうなるともう本当にどこでも用が足せます。地球がトイレです。
子供には「自分の家の玄関の前(本当に目の前)で用を足させてしまう」し、横向きになっている土管があると「タクシーの運転手にとって格好のトイレ」と化すそうです。後者なんかは隠す気があるので、多少文明的ですね。
作者はまだ未経験とのことですが、屋根がない青空トイレというのもあるそうです。
で、日本の話なのですが、正直先にこういうすごい話を書いてしまうったので、インパクトが薄いです。
最初に読んだときは笑ったんですが、中国には全然敵わないなぁ……。
ただ、ツッコミどころもちゃんとあるので、それはそれで。
グダグダ書きましたが、記事は
千葉・市原市の小湊鉄道飯給駅前に「自称世界一大きなトイレ」がオープンしました。(フジテレビ系(FNN) 4月6日(金)20時0分配信)というものです。
菜の花に囲まれた千葉・市原市にある小湊鉄道飯給駅前に6日、「自称世界一大きなトイレ」がオープンしました。
風情のあるローカル線小湊鉄道飯給駅前に6日、オープンした「自称世界一大きなトイレ」。 このトイレは、女性専用で、広さは200平方メートル。 畳121畳分もあり、全面ガラス張りとなっている。 目の前には、季節の花々も広がり、自然を満喫することができる。 しかし、ちょっと恥ずかしいという人には、カーテンを閉めれば完全個室になる。 このトイレにかかった費用は、およそ1,000万円。 市原市の三橋 さゆり副市長は「これが、本当に観光の窓口になると期待しています」と話した。 観光の目玉としても注目されるトイレ。 今やトイレは、集客の重要なポイントとなっている。 |
最初につければ何でも許される感のある「自称」つきですが、「世界一大きなトイレ」を名乗っています。しかし、個室は極めて小さいです。

このガラス張りの個室部分がカーテンを締められるのですが、外を工事中の場所みたいに味気ない塀で囲っており、この塀の中全部をトイレと定義しているようです。
地球がトイレの中国には敵いませんが、まあ、そうすれば確かに広いトイレだとは思います。

記事中の「トイレは、集客の重要なポイントとなっている」というのは、以前
きれいなトイレで売上増加? ローソン、平塚駅の駅ビル「ラスカ」などのトイレマーケティングでも書きましたが、意味を完全に履き違えています。
「トイレが集客の重要なポイント」というのは、気に入って使ってもらえるトイレを作りましょうという意味であり、決して
イロモノトイレを作りましょうという意味ではありません。
これに1,000万円かけたんですよ。アホです、アホ。
中国はお金をかけないトイレでめちゃくちゃなのですが、日本では1,000万円をかけて意味のわからないトイレを作っています。ここは「中国に負けてないぞ、日本」と思いました。
私が笑っちゃったのが、個室から眺められる「季節の花々」の話。

花壇でも作ってきれいに飾っているのかと思ったら、四角いプランターを住宅団地のようにただ並べただけ。やっつけ仕事すぎで、全然癒されません。
きっと1,000万円はほとんど他で使っちゃったんでしょうね。
↓参考のために市原市の住宅団地の航空写真
大きな地図で見る さんざんいじくってきましたが、こうやって私のハートをがっちり掴んでわざわざ紹介させることとなりましたし、元ネタはどうやらテレビの放送のようです。
広告費としては、1,000万円以上の効果があったかもしれません。
(10/19追記:
雑記帳:「世界一大きなトイレ」ギネス認定ならず
毎日新聞 2012年10月17日 18時46分(最終更新 10月17日 19時21分)【斎川瞳】
(略)英ギネス社に申請したが、同社は「興味をひかれず、審査に値しない」と門前払い。観光振興の起爆剤と期待した市の担当者は落胆の表情。
ただし、中央の便器のあるガラス張りの小屋が草花に囲まれた開放感のある設計は観光客には好評。担当者は「落選」にも「きれいさっぱり水に流し、さらなる観光振興を」と踏ん張っている。
http://mainichi.jp/select/news/20121018k0000m040019000c.html あらら、世界で恥をかいちゃっています。もう一つ、経緯の載っていた記事。
現代アートの一大聖地に 千葉県に世界一大きな女子トイレ誕生
2012/04/06 18:00 産経新聞
(略)同駅は、1時間に約1本という典型的なローカル駅だ。春には菜の花や桜が咲き乱れ、訪れるカメラマンが年々増えているという。昨年出版された「小暮写眞館」(宮部みゆき作)の表紙の風景としても話題を呼んだ。
「でも、トイレは汚かった」と市原市の三橋さゆり副市長。(中略)そこで、同市の女性職員で構成する委員会が発足。「きれいなトイレでおもてなし」をモットーに、トイレ作りに取り組んだ。
一方で、同市は現代アートで町おこしを図ろうと昨年11、12月にイベント「アート漫遊いちはら」を開催。市制50周年を迎える平成25年には、南市原アートフェスティバルも計画している。
そこで「どうせなら、芸術祭の起爆剤になるようなインパクトのあるトイレを」と三橋副市長。「台湾タワー」コンペで優勝するなど国際的に活躍する建築士、藤本荘介氏に設計を依頼し、総事業費987万円で建設した。
(略)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/555110/ ある市民のブログでは税金の無駄使いと激怒していました)
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