特に興味はなく、全然知らなかったんですけど、
橋下徹大阪市長のパチンコ発言は全廃?それとも、合法化?を見ていたら出てきたということもあり、「三店方式」というものを読んでみました。
参考にするのは、例によって
Wikipediaです。
日本において賭博は刑法で賭博罪として禁じられています。できる賭け事と言えば、特別法で認められた公営ギャンブルくらいのものであり、本来パチンコ屋さんもお金を賭けられないはずです。
実際、風俗営業法第23条というものがあり、遊技場営業者(パチンコ屋)には以下のことを禁止させているそうです。
1. 現金又は有価証券を賞品として提供すること
2. 客に提供した賞品を買い取ること(いわゆる「自社買い」)
3. 遊技の用に供する遊技球等を客に営業所外に持ち出させること
4. 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること
しかし、この風俗営業法の隙間をうまいことかいくぐって、パチンコ屋さんは営業しているようです。手順は以下。
1. 客がパチンコホールに来ると、遊技場営業者であるパチンコホールは客の現金と遊技球(いわゆる「出玉」)を交換する。
2. 客はパチンコで増やした出玉をパチンコホールに持参し、パチンコホールは出玉を特殊景品と交換する。(特殊景品には、ボールペンやライターの石、ゴルフボールなど様々な品物が使われる)
3. 客が特殊景品を景品交換所に持参すると、古物商である景品交換所は特殊景品を現金で買い取る。
4. 景品問屋が景品交換所から特殊景品を買い取り、ホールに卸す。
これで出玉を金銭と交換することが事実上可能になっているわけです。(後で図っぽいものを載せます)
三店というのは、パチンコホール(遊技場営業者)と景品交換所(古物商)と景品問屋ですね。ホール、景品交換所、集荷業者、卸業者と四店を経由する場合もあり、この場合は「四店方式」というそうです。
景品交換所は、ホールとは別の法人が各都道府県の公安委員会に古物商の許可を受けて営業する。これは前述の風俗営業法第23条であるように「自社買い」を禁止しているからである。よって三店方式により、あくまでホールが提供した「景品」をホールとは無関係な「古物商」が買い取っているに過ぎないという建前にしているのである。これによりパチンコ業界は違法性を逃れている。また、古物営業法第 15条第1項では古物商は客の住所や氏名等の確認を義務付けているが、古物営業法第15条第2項及び古物営業法施行規則第16条に規定された例外条項により1万円未満での取引については客の住所や氏名等の確認をする必要は無いため、特殊景品が1万円未満の取引であれば客の住所や氏名等の確認をしなくても違法にはならない。
実際はこの形式は形骸化しているが警察などはそれほど問題視しておらず、景品交換所に偽造景品が持ち込まれた詐欺事件の被害届がホールから提出された事例もあるが、賭博や風営法違反などの捜査は行われていない。ただ形骸化しているとはいえ依然「自家買い」等の明らかな違法行為は警察の摘発対象であり、2010年現在も摘発事例が存在する。 |
一応建前としては別会社なんでしょうけど、書き方見てると結構いい加減なこともありそうな感じですね。
客から見るとホールと景品交換所があれば、現金化は完了ってことでいいのかな?
パチンコホール(遊技場営業者)
現金 → 遊技球(出玉) → 特殊景品
景品交換所(古物商)
特殊景品 → 現金
景品問屋入れると現金と特殊景品の流れはこんな感じ?
現金→ パチンコホール
お客 (出玉を挟んで) (遊技場営業者)
←特殊景品
特殊景品↓↑現金 現金↓↑特殊景品
景品交換所(古物商) ←現金 景品問屋
特殊景品→
脱法のポイントとしては、以下のような感じでしょうか?
1. 現金又は有価証券を賞品として提供すること
パチンコホールが提供しているのは「特殊景品」であって、現金や有価証券ではありません…ということで、対策。
2. 客に提供した賞品を買い取ること(いわゆる「自社買い」)
買い取っているのは、建前上無関係である景品交換所(古物商)です…ということで、対策。
3. 遊技の用に供する遊技球等を客に営業所外に持ち出させること
パチンコ屋さん行ったことないのでわからないですけど、これは「遊技球」でなく「特殊景品」ですよってことで対策でしょうか?
まあ、これで一応「パチンコ業界は違法性を逃れている」ということになるんだそうな。
しかし、当然ながら異論があります。
法性に関する議論
三店方式が本当に適法か否かについては異論もあり、例えばジャスダックは「出玉の景品を換金する業界慣行の合法性があいまいなため、投資家保護を果たせない。」としてパチンコ店チェーンの上場を認めていない。だが、パチンコを賭博として起訴した例は過去に存在しないため、裁判所によってパチンコ及び三店方式が、刑法の賭博罪に当たるかどうかについての判断は示されていない。
鍛冶博之は、過去に三店方式が風適法違反として刑事訴追されたが、特殊景品の特定が困難なことを理由に無罪判決が出た(1963年6月、福岡高裁)ことを挙げ、この判決により、三店方式が判決上は非合法であるとは言い難いと判断され、以後正当化されることになったとしている。一方で、パチンコにおける換金行為は禁止されている(風適法52条2号、同23条1項2号)ことを指摘し、三店方式についても、風適法23条第1項2号の禁止事項(客に提供した賞品を買い取ること)に該当する可能性があり、必ずしも合法とは言い切れないと述べている。
風適法第23条第2項により、麻雀屋やゲームセンター等は遊技の結果に応じて賞品を提供してはならないため、三店方式はできない(鍛冶は、違反した場合は10日以上80日以下の営業停止となることを指摘している)。ただし、警察庁の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準により、小売価格が概ね800円以下であれば賞品の提供に該当しないという解釈から、ゲームセンター等では小売価格が概ね800円以下の物品を提供するプライズゲームが可能となっている。
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ジャスダックの話がありましたが、他の取引所はどうなんでしょうね?
大企業なのに非上場で驚く企業 メリットは何?でパチンコ屋さんは別に意外じゃないよって感想を書きましたけど、そりゃあそうですよね。
あと、「ゲームセンター等は遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない」ってのが出てきてびっくり。「小売価格が概ね800円以下であれば賞品の提供に該当しないという解釈」とかよくわかんない話がありますけど、とりあえず、クレーンゲームみたいなものは合法とみなされているようです。
もう一つ、問題点の記載がありました。
景品価格の問題
東京都では特殊景品として金地金をプラスチックパッケージに収めた景品(1gと0.3gの2種類)を使用しているが、2007年には金価格上昇のため、出玉を交換した結果として得られる特殊景品を景品交換所に持ち込むよりも通常の貴金属店に持ち込んだほうが価格が高くなる、という逆転現象が起きたため(このため一部では「単純に現金を玉(メダル)に交換して景品を受け取り売却するだけで儲かる」とも噂された)、急遽金地金景品の流通仲介を行う東京商業流通組合は1g景品の価格を値上げした。
しかしこの際に取られた対応は、旧価格で交換された景品の交換所への持ち込みを防ぐために「値上げ後の対象景品にシールを貼る」だけというものであり、今後金価格がさらに上昇した場合には同様の問題が再燃する可能性が高く、金価格のさらなる上昇に伴い2010年5月には1g景品を再値上げせざるを得なくなったほか、同年12月には0.3g景品についても値上げを行っている。
またこれらの値上げに伴い「シールの貼付により自動払い出し機に不具合が出る」「一部の問屋が金地金景品を抱え込み、それ以外の問屋の営業に支障が出ている」などの問題も報告されており、システムの運営が懸念されている。 |
こちらは違法性云々ってのじゃなかったですね。
三店方式のところに戻りますけど、妙な仕組みだなぁと思います。
でも、こういう妙ちくりんな理屈をこねて事実上成り立っているというのは、きっと他にもあるでしょうね。
確か風俗店とか、アダルトビデオとかもそういう類で、本当は違法な部分があるんだけど見え透いた言い訳を用意して合法と言い張っているんじゃありませんでしたっけ?
パチンコ屋さんも人気なので無くなったら嫌な人がたくさんいるでしょうけど、風俗店やアダルトビデオも禁止されたらもっと困る人がいっぱい出そうです。
何から何まできちんと線引きする労力を考えたら、曖昧決着な部分があっても良いのかなぁとも思います。ただ、何だか中途半端でスッキリしません。
また、こういった本当は違法なんだけどお目こぼし……というものは、利権や癒着などを生む可能性もあり、本来ならなるべく少ない方が良いのは確かです。
追加
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パチンコ換金脱違法の三店方式は大阪が発祥(コメントでいただいたものを読んでみました)
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