Appendix

広告

Entries

ホンダが燃費広告で賠償する訴訟社会アメリカでなぜか通用する割引詐欺


 長かったタイトルを無理矢理に縮めた(でもまだ長い)のですが、意味が通じているでしょうか?

 アメリカは訴訟大国、訴訟社会であると言われています。そして、好例としてホンダの話を持ってこようと思ったので、タイトルが長くなりました。

 とりあえず、ホンダのニュースは以下です。


米ロサンゼルス(Los Angeles)郡の裁判所は1日、購入したホンダ(Honda)のハイブリッド車の燃費が宣伝されていたより悪く、誇大広告であるとした女性の主張を認め、ホンダに損害賠償を支払うよう命じた。

 訴えが認められたのはロサンゼルス在住のヘザー・ピーターズ(Heather Peters)さん。損害賠償を求めて少額訴訟の訴えを起こしていたが、裁判所はホンダに対し、上限の1万ドル(約76万円)に近い9867ドル(約75万円)を支払うよう命じた。(中略)

 女性が所有していたのはホンダのハイブリッド車「シビックハイブリッド(Civic Hybrid)」で、宣伝では1ガロン(約3.8リットル)あたり50マイル(約80キロ)走行可能としていた。ピーターズさんによると、所有するシビックは1ガロンあたり最高で41~42マイル(約66キロ~68キロ)しか走行できず、さらにソフトウェアのアップデート後は1ガロン当たりの走行距離が同30マイル(約 48キロ)以下に落ち込んだという。

 当該車については集団訴訟が起こされており、和解案も示されているが、集団訴訟では受け取れる金額がかなり少額になることを知り、ピーターズさんは少額訴訟制度の利用を決めたという。和解案では、弁護士に支払われる費用が850万ドル(約6億5000万円)となる一方で、原告一人当たりが受け取れる金額は100ドル(約7600円)と新車購入時に充てることのできるクーポンにとどまる。


HV車のオーナー、小額訴訟でホンダに勝利 「広告より燃費悪い」 米国(2012年02月03日 07:26 AFPBB)

 なぜだか知りませんが、これを見て「ざまぁ見ろ。日本で通用してもそんな詐欺がアメリカで通用するか」みたいな声もありました。

 ただ、日本と同じくアメリカでも燃費の計算方法にはルールがあるんじゃないでしょうか?で、もし仮にルール通り計測した値を広告に使って損害賠償ってことだったらかなり理不尽です。

 そこらへんはよくわかりませんが、燃費が使用状況によって異なるのは当たり前です。家電製品のバッテリー持続時間や使用電力量なども同様です。問題があるかどうかは、制度に基づいた計測が行われているかとか、制度そのものの設計思想でしょう。

 以前書いたエアコンに関するエアコンの爆風モードとは?は計測のズルであり、爆風モード対策か? エアコン試験が見直しには概ねエアコンの消費電力性能を測る制度設計の不備の話でした。

 これが本来問題とすべき部分で、訴えるのなら単独メーカーではなく国や業界でしょう。


 まあ、細かい話は別として、こういう風にアメリカでは何でもかんでも訴訟……となっているのに、なぜか驚くほど悪質な詐欺に近い商法が横行していたことがあったようです。(今は不明)

 永久に受け取れない「特売の割引金」 【参照記事】『経営とIT新潮流』から再掲(要登録 日経ビジネスオンライン 2011年12月20日 上田尊江)になると、その詐欺がまかり通っていたのが「特売の割引金」です。

たまたま立ち寄ったオフィス・デポで(中略)ノートパソコンの特売が告知されていた。価格は699ドル、信じられないほど安い。(中略)

 (中略)レジに持っていったところ、会計係から「849ドルです」と、広告掲載価格より150ドル高い金額を請求された。

 849ドルでもかなりのお買い得なのだが、699ドルという数字が頭に入っているため、黙っているべきではないと思い、「値段が間違っていませんか」と聞いてみた。すると会計係は言った。「150ドル分はメール・イン・リベートになっています」。

 メール・イン・リベート? 何それ?

 とっさには何のことか見当が付かず、買い物に付き合ってくれていた主人に説明を求めなければならなかった。メール・イン・リベートとは、直訳すると「郵送による払い戻し」となる。

 対象商品をディスカウント前の価格(今回の場合は849ドル)で購入し、レシートのコピーや商品に付随しているクーポン、さらに必要事項を記載した用紙を、指定の住所へ郵送する。するとディスカウント金額分(今回の場合は150ドル)のチェック(小切手)が郵送されてくるという仕組みだ。

(中略)

 購入したパソコンのレシートには、リベートを受け取るためにやらなければいけないことが記載されていた。帰りの車中でよく読んでみると、リベート・プログラムへの応募期限は購買してから数日後になっており、非常に短い猶予しか与えられてないことが分かった。

 家に着いてすぐ、メール・イン・リベートの手続きをした。渡された書類に必要事項を記入、レシートを同封して郵送した。念のためにレシートはコピーしておいた。

 送ってしまってから、配達記録をとるべきだったかと若干後悔しながらも、「まあ大丈夫だろう」とつぶやき、再度レシートのコピーに目を通した。「リベートを発送するのに90日程度必要となります。ご了承ください」と書いてある。

 購買後、数日以内に応募しろと言っておきながら、チェックの発送に3カ月もかかるとは、と疑問を感じたものの、期限内に手続きをしたから大丈夫、と思い直した。

(中略)

 パソコン購入から3カ月以上たったある日、(中略)リベートの申し込みをしたにもかかわらず、未だにチェックが送られてこないことに気が付いた。(中略)

 3カ月前のレシートを探し出し、細かい字で書かれた説明文を読み直した。「90日以上経ってもリベートを受け取っていない場合には、以下のWebサイトまたはカスタマーサービスへお問い合わせください」とあり、URLと電話番号が記載されていた。

 早速、Webサイトへアクセスし、必要事項を入力してみたが、リベート申し込み記録を発見できない。そこで主人に頼み、カスタマーサービスへ電話をしてもらった。なかなかつながらなかったが、(中略)今度は、我々二人を驚愕させる言葉を聞くことになった。

 「お客様からの郵便は確かに届いているようですが、システムにきちんと入力されていなかったようです。これから登録するのでお待ち下さい」。

 電話を切った直後は、「3カ月も何をしていたの?信じられない」と呆れたが、ちょっと考えてみると、リベート・プログラムを展開している小売業の意図が分かってきた。(中略)小売業は、消費者に対し、メール・イン・リベートへの申し込みをしないで欲しい、と期待しており、わざわざ面倒な手続きにしている。

 それにもめげず、リベートに申し込んできた客に対しては、その事実をすっかり忘れて欲しいと願っている。米国に来てから、ついつい口に出してしまう、あの一言がまたしても頭に浮かんでしまった。

「これって詐欺じゃないの?」

 上田尊江さんはこときまで知らなかったわけですが、調べてみるとアメリカではかなり普及しているとのこと。


ビジネスウィーク誌によると、(中略)毎年4億件以上のリベートが提供され、金額にすると60億ドルにも上るマーケットが形成されている。米国で販売されているパソコン製品の3分の1にリベート・キャンペーンが付与されている


 この「メール・イン・リベート」においては、「払い戻しの申し込みがディスカウントを勝ち取るための第一の障壁だ」そうです。


 リベートの申し込みはできる限り「面倒くさい」と消費者に思わせるようにデザインされている。申し込みプロセスや条件が困難なほど、消費者はリベートの申し込みを諦め、その分、小売業の利益分が増す。

 (中略)製品パッケージについているバーコードを切り取って同封させる、製品のシリアルナンバーをコピーして送る、コピーではなくレシートやその他必要書類の原本を郵送しなければならない、といった具合である。バーコードを切り取ることができない商品であっても、このような無理難題を付随した上で、リベートを提供するとしている。

 前述した通り、一般にリベートへの申し込み期間は非常に短く、しかも詳細な条件が設定されている。リベート申込み書類を郵送した際の消印有効期間(Webサイトでの申し込みの場合には申し込み日)のみならず、商品購入期間の両方に条件が決められている。ほんのわずかでもこの期間から外れると「有効期限を過ぎているため、お取り扱いできません」と言われてしまう。

 「大抵の人はこの申込みの段階で、アウトとなり、リベートを諦めざるを得なくなる」そうですが、「次はリベートの処理プロセスという障壁」が待ち構えています。

 リベートの申込書はなぜかメキシコのマキラドーラ(免税制度の名前だが、その適用を受けている企業や工場群が点在する地域も指す)に向かいます。

 「米国企業はメキシコへこれらの作業をアウトソースすることで、リベート・プログラムにより発生する、人件費などの管理運営コストを大幅に削減できる」というもっともな理由もあるのですが、他にも訳があります。

 レシートや手書きで記載されているリベート申込み書類などを国境を超えたメキシコへ送る際に、紛失したり、手書きの文字が読めないのでデータ入力をしない、といった物理的な欠陥が発生する可能性は十分に考えられるし、言い訳にしやすい。

 さすがにそんなに悪徳会社ばかりじゃないだろうと思いますが、データ入力してもまだまだ支払いはされません。

 その次に待ち受けるのは我慢大会である。多くのリベート・プログラムは3カ月ほどの処理期間を設けており、申込書にもそう記載されている。だが、3カ月以内にリベートを送ろうという意欲は小売業にはなく、逆にできる限りリベート換金時期を遅らせたいという意図がある。

 顧客から得たディスカウント前の売上高を手元においておくことで、日々の利息収入を手に入れることができるためだ。また、リベートの発送を遅らせることで、顧客がリベートを申し込んだことを単純に忘れたり、「どうでもいい」と諦めてしまうことを期待している。こうなれば、たとえリベートが顧客のもとに届かなくても苦情の連絡が入ってこないからだ。

 というわけで、申込み書類を単に送るだけではリベートは獲得できない。書類を郵送してから、ある程度の期間が過ぎた頃に、カスタマーサービスへ電話をして問い合わせるか、文句の一つでも言わない限り、小売業は換金作業を行わないのではないか。あくまで仮説であるが、こう考えざるを得ない。

 アメリカで通用していると私は書きましたが、実は問題視している人はいました。

 シュマー上院議員は「メール・イン・リベート」と問題視している一人で、「リベートが申し込まれ、処理された後、換金分のチェックを送る際に、頻繁かつ意図的に、その郵便物がチェックと分からないようにされている」と言っているそうです。

 チェックとは小切手のことですが、つまり、


 チェックが入った封筒は、見た目はジャンクメールのようになっており、たいていの消費者は単なる広告だと勘違いし、中身を確認することなくチェックの入った封筒を捨ててしまう。せっかく送られたチェックも、結局は換金されることなくリベートの一連の流れは終了する。チェック(小切手)という旧態依然の決済システムがあるからこそ、メール・イン・リベートは可能になっている。

 ということです。

 「米国の家庭には、確かに膨大なジャンクメールが送られてくる。まとめてどさっと捨ててしまう家庭は多い」んだそうな。

 ただ、上田尊江さんは「間違って捨ててしまうことを期待しているというより、盗難防止のためかもしれない」とも追記しています。


 ともかくこういった企業努力もあって、「提供されている全リベートのおよそ40~60%は消費者に還元されないで終わっている」なんだそうです。すごいですね。

 リベートが還元されないことを見越して大きく割引すれば、それだけ引っかかるカモもさらに多くなるという寸法です。素晴らしい錬金術です。


 ちなみに上田尊江さんの場合、しつこく粘ったおかげで5カ月で無事小切手が届いたそうです。でも、それだけ手間をかけないと受け取れないというのがもう詐欺でしょう。

 この記事はもともと2007年8月9日に公開された記事だそうで、現在でも状況が変わっていないのかはわかりません。しかし、この方法が継続して隆盛したというだけで十分驚きに値します。

 同じ連載では、アメリカの返品制度の寛容さを紹介しており、“カスタマー・イズ・キング”である一方、このような詐欺まがいの割引が同時に存在していたというのは奇妙に思えます。

 アメリカの不思議な不合理さ、不便さの話としては、ちょっと出てきたチェック(小切手)についても、同じ連載の“オンライン決済不在”の驚くべき実態 【参照記事】『経営とIT新潮流』から再掲(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年1月26日 上田尊江)というもので書かれていました。

わたしがある商品を顧客に納めたとしよう。

1. 顧客は自分の取引銀行が発行しているチェックに金額を書き出し、わたしに郵送する。
2. チェックが届いた後、わたしはそのチェックの裏にサインをして当社の取引銀行に持っていく。
3. チェックに記載された金額を当社の銀行口座へ入金するように銀行へ指示する。
4. 銀行がチェックを受け取った後、口座残高を確認するとチェックの額面分増えている。

 日本人の感覚では、これで入金が完了したと思ってしまう。

 ところが!

 まだまだ決済のプロセスは続く。銀行はチェック処理のため、わたしから受け取ったチェックを決済サービス銀行を経由して顧客の取引銀行へメール便で送る。顧客の取引銀行にチェックが届き、口座を確認する。

 ここで残高があればいいのだが、足りなかった場合、支払い余力がないことが確認され、チェックに「支払い不可」とスタンプが押されて、わたしの取引銀行へ戻される。取引銀行は、わたしの口座から一度は入金されたチェックの額面金額を引き落とす


 (中略)苦労してようやく回収した売上金分のチェックを喜び勇んで銀行に持っていっても、数日後に銀行から「不渡りです。額面金額をお支払いできません」と伝えられるのである。

 いったん入金された後に不渡りになるという話は聞いていた。「まさか」と思ったが、実際に目の当たりにしたとき愕然とした。そして不渡りに直面しても「またか」と平然としている米国人の態度が信じられなかった。

 ここで極めつきの不合理を紹介しよう。チェックが不渡りになると、銀行はNSF(Non Sufficient Funds)という手数料を取り立てる。この金額は不渡り取引1件当たりにつき、最高で75ドルほどとかなり高い。

 衝撃的なのは、NSFは不渡りを出した振出人だけでなく、チェックの受取人にまでチャージされることだ。つまり、代金を回収できなかったわたしもNSFをとられる。不渡りが判明すると、いったん入金されていたチェックの額面金額とNSFチャージが引き落とされる!

 取引1件でこれだけ高額の手数料が取れる機会はそうはない。米国の銀行は認めていないものの、この不渡りチェック取引は明らかに収益源の一つとなっていると容易に想像できる。

 なんとも辛辣な実態である。合法であり、特に公に議論されることもなく、米国人は文句を言わずに従っている。米国人になったつもりで考えると、銀行は面倒な紙のやりとりをしているから、その対価をとって当然、ということなのだろう。

 ここらへんは文化的な価値観の差異なんでしょうね。


 関連
  ■エアコンの爆風モードとは?
  ■爆風モード対策か? エアコン試験が見直しに
  ■海外の反応 ~世界で愛される日本文化と美徳~
  ■アメリカニュース ~レジ前に食べる文化、アメリカ人は引き算ができない~
  ■アメリカ人の宗教観 ~ビッグバンより天地創造~
  ■その他の文化・芸術・宗教・海外との比較などについて書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由