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日本の物価の推移 ~消費者物価指数(CPI)~


 データ処理が必要なものってすごく面倒くさいんですけど、気になってしまったので日本の物価について調べてみました。

 見ることにしたのは総務省で発表している消費者物価指数(CPI)。いろいろ問題はあるんですけど、細かい話は後で。とりあえず、平成23年(2011年)の年報(PDF)から「表4 10大費目別年平均の指数及び前年比」の一部を載せます。

 100とする基準年は平成22年(2010年)。感覚としてわかりづらいと思うので、あとで加工したものも載せますが、まず未加工のもの。(ミスもあるかも)

年平均総合前年比生鮮食品除外前年比食料・エネルギー除外前年比食料前年比
平成3年(1991) 97.6 3.3 96.9 2.9 98.0 2.6 96.6 4.8
平成4年(1992) 99.3 1.6 99.1 2.2 100.5 2.5 97.1 0.6
平成5年(1993) 100.6 1.3 100.4 1.3 102.0 1.4 98.2 1.0
平成6年(1994) 101.2 0.7 101.1 0.8 102.8 0.8 99.0 0.8
平成7年(1995) 101.1 -0.1 101.1 0.0 103.5 0.7 97.8 -1.2
平成8年(1996) 101.2 0.1 101.4 0.2 104.0 0.5 97.7 -0.1
平成9年(1997) 103.1 1.8 103.1 1.7 105.6 1.6 99.5 1.8
平成10年(1998) 103.7 0.6 103.4 0.3 106.4 0.7 100.8 1.4
平成11年(1999) 103.4 -0.3 103.4 0.0 106.3 -0.1 100.3 -0.5
平成12年(2000) 102.7 -0.7 103.0 -0.4 105.9 -0.4 98.4 -1.9
平成13年(2001) 101.9 -0.7 102.1 -0.8 104.9 -0.9 97.8 -0.6
平成14年(2002) 101.0 -0.9 101.2 -0.9 104.0 -0.8 97.0 -0.8
平成15年(2003) 100.7 -0.3 100.9 -0.3 103.7 -0.3 96.8 -0.2
平成16年(2004) 100.7 0.0 100.8 -0.1 103.1 -0.6 97.7 0.9
平成17年(2005) 100.4 -0.3 100.7 -0.1 102.7 -0.4 96.8 -0.9
平成18年(2006) 100.7 0.3 100.8 0.1 102.3 -0.4 97.3 0.5
平成19年(2007) 100.7 0.0 100.8 0.0 102.0 -0.3 97.6 0.3
平成20年(2008) 102.1 1.4 102.3 1.5 102.0 0.0 100.1 2.6
平成21年(2009) 100.7 -1.4 101.0 -1.3 101.2 -0.7 100.3 0.2
平成22年(2010) 100.0 -0.7 100.0 -1.0 100.0 -1.2 100.0 -0.3
平成23年(2011) 99.7 -0.3 99.8 -0.3 99.1 -1.0 99.6 -0.4


 次にこちらの方がわかりよいと個人的には思ったので、表の一番最初である平成3年(1991)を100として計算し直したものを載せます。

年平均総合前年比生鮮食品除外前年比食料・エネルギー除外前年比食料前年比
平成3年(1991)100.0 3.3100.0 2.9100.0 2.6100.0 4.8
平成4年(1992)101.7 1.6102.3 2.2102.6 2.5100.5 0.6
平成5年(1993)103.1 1.3103.6 1.3104.1 1.4101.7 1.0
平成6年(1994)103.7 0.7104.3 0.8104.9 0.8102.5 0.8
平成7年(1995)103.6 -0.1104.3 0.0105.6 0.7101.2 -1.2
平成8年(1996)103.7 0.1104.6 0.2106.1 0.5101.1 -0.1
平成9年(1997)105.6 1.8106.4 1.7107.8 1.6103.0 1.8
平成10年(1998)106.3 0.6106.7 0.3108.6 0.7104.3 1.4
平成11年(1999)105.9 -0.3106.7 0.0108.5 -0.1103.8 -0.5
平成12年(2000)105.2 -0.7106.3 -0.4108.1 -0.4101.9 -1.9
平成13年(2001)104.4 -0.7105.4 -0.8107.0 -0.9101.2 -0.6
平成14年(2002)103.5 -0.9104.4 -0.9106.1 -0.8100.4 -0.8
平成15年(2003)103.2 -0.3104.1 -0.3105.8 -0.3100.2 -0.2
平成16年(2004)103.2 0.0104.0 -0.1105.2 -0.6101.1 0.9
平成17年(2005)102.9 -0.3103.9 -0.1104.8 -0.4100.2 -0.9
平成18年(2006)103.2 0.3104.0 0.1104.4 -0.4100.7 0.5
平成19年(2007)103.2 0.0104.0 0.0104.1 -0.3101.0 0.3
平成20年(2008)104.6 1.4105.6 1.5104.1 0.0103.6 2.6
平成21年(2009)103.2 -1.4104.2 -1.3103.3 -0.7103.8 0.2
平成22年(2010)102.5 -0.7103.2 -1.0102.0 -1.2103.5 -0.3
平成23年(2011)102.2 -0.3103.0 -0.3101.1 -1.0103.1 -0.4

 理由については後ほど述べますが、ここでは生鮮食品のみ除外した総合指数を見ます。

 1990年代初めは僅かずつですが物価は上昇しています。ピークは1998年、1999年。これ以降は逆に下降気味となっています。デフレが実感できますね。


 さて、生鮮食品のみ除外した総合指数を見た理由など、後回しにした消費者物価指数(CPI)についての説明です。

 Wikipediaの説明は以下のとおり。

消費者物価指数(しょうひしゃぶっかしすう、英: Consumer Price Index)は、消費者が実際に購入する段階での、商品の小売価格(物価)の変動を表す指数。英語の頭文字を取ってCPIと略す場合もある。(中略)


概要

総務省が毎月発表する小売物価統計調査を元に作成される指標で、物価指数の一つ。1946年8月より調査開始。

同省の定義では「全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの。すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもの。」となっている(総務省 消費者物価指数の説明より)。

国民の生活水準を示す指標のひとつとなっている。


作成方法

小売物価統計調査(総務省調査)の小売価格の平均から個別の指数を作成し、家計調査(総務省調査)からウェイトを作成、統合して全体の指数を作成している。

指数は、基準年の家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によってどう変化するかを基準年平均=100として表すラスパイレス算式である。基準年は他の指数と同様に西暦末尾が0、5年で、5年ごとに基準改定を行っている。

 * 小売価格調査:全国から167市町村を選び、小売価格はその中で代表的な小売店やサービス事業所約30,000店舗、家賃は約25,000世帯、宿泊料は約530事業者を対象として調査している。価格は実際に販売している小売価格(特別セール売り等は除外)。
 * 指数品目:消費者が購入する商品及びサービスの物価変動を代表できるように
  1. 家計支出上重要である
  2. 価格変動の面で代表性がある
  3. 継続して調査が可能である

という観点から選んだ平常小売価格596品目及び、持ち家の帰属家賃4品目の合計600品目を対象とする。


総合指数

総合指数として、2008年現在、通常の総合指数のほかに別掲として以下の三つを公表している。

 * 生鮮食品を除いたもの(コアCPI)
 * 持ち家の帰属家賃を除いたもの
 * 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除いたもの(コアコアCPI)

 私が総合指数以外に表に載せたのは、「生鮮食品を除いたもの(コアCPI)」と「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除いたもの(コアコアCPI)」と特殊ではあるけど身近かなと思った「食料」です。


・生鮮食品を除いたもの(コアCPI)

 生鮮食品の価格は天候等の条件によって大きく変わります。そのため、インフレ、デフレ基調の度合いを見るときには、生鮮食品を除いた指数 コア CPI が使われるそうです。

 先に比較する際にコアCPIを採用したのは、以上のような理由です。


・食料(酒類を除く)及びエネルギーを除いたもの(コアコアCPI)

 エネルギー価格の変動が コア CPI に影響を与えるため、食料及びエネルギーを除いた指数 コアコア CPI を用いるそうです。

 なお、先の表でコアコアCPIを見ても1998年頃がピークというのは変わりません。ちなみに普通の総合指数も同様です。

 挙動の違いが目立つのは2008年で、コアコアCPIは横ばいだったのに対し、コアCPIおよび総合指数は1.5%程度上昇しています。

 食料は前年比2.6%上昇、表に載せていない光熱・水道費が6%上昇と、他と比べて大きく跳ね上がっており、特にエネルギーの上昇が大きかったんだと思います。

 そのイレギュラーな動きを押さえ込んでいるという意味では、コアコア CPIが一番良いのかな?上がって頂上までついたら後は下がり続けていて、きれいに山になっています。


 ところが、この消費者物価指数という考え方そのものに弱点もあります。

平均価格・購入単価との違い

家計調査では、家計が支出した金額だけでなく購入数量も調査している。このため、個別の品目について家計が購入した平均価格や購入単価を知ることができる。消費者物価指数の個別品目の価格動向と、家計調査の平均価格や購入単価の動きとはかなり異なった動きをすることが知られている。 これは消費者物価指数では、品質や性能を一定とした商品やサービスの価格を調査しているのに対して、家計調査では家計が購入するものの品質が一定ではないからである。また、同じ品質・性能の商品であっても、購入する店によって価格が変わることがある。例えば、紳士服などではデパートで購入していたものを、ディスカウント店で購入するようになると、品質が同じであっても購入単価が下落することになる。消費者物価指数では、同一店舗における価格が変化しなければ物価は変わらないので、より価格の安い店で購入するようになるといった家計の行動の変化による平均購入価格の変動を捕らえることはできない。

 新しく安いお店ができてデフレを実感しても、それは消費者物価指数には反映されないようです。

 また、同じ値段でも高品質になったとか、逆に同じ値段でも質を落としているみたいなものも、わからないみたいです。(値段そのままで量を減らしたものは、どう評価されているんでしょうね?)

 ただ、私がこれを調べたのは経済関係の記事を読むときに気になることが多いという理由で、大体ならこの消費者物価指数でわかると思います。


 「インフレ、デフレ基調の度合いを見るときには、生鮮食品を除いた指数 コア CPI が使われる」とあったので消費者物価指数でも良いんでしょうが、デフレを見るときはGDPデフレーターという別の指標を用いるらしいという話も聞きました。あらら。

 GDPデフレーターではピークは1998年ではなく、結構ずれています。こっちについても別個に書くことにします。


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