相変わらずの遅筆でもう既に乗り遅れた気がしなくもないですが、
尖閣諸島所有者と交渉中と石原都知事が発表、狙いは国益?でも書いたように、尖閣諸島がちょっと話題になったのに乗じて未処理分の領土問題に関する記事をまとめて処理します。
ただ、わりと長くなったので分割しました。(すべて昨年やっていた気になった記事からの最掲載ですので、昨年またはそれより前のものです)
まず、全体に触れられている
竹島問題で韓国と交渉は不可能 民間の日韓専門家会議が必要(SAPIO2011年10月5日号)からです。
書いているのは、元外務省主任分析官の佐藤優さん。鈴木宗男さんとともに槍玉に挙がったことがありますので、アレルギー反応がある方もいらっしゃるかもしれませんけど、おもしろいです。
「もし自分が野田首相に提言する立場にいたら何を提案するか?」というテーマであり、特徴的なのは「交渉に優先順位をつけることが必要」として、具体的に書いていることです。
【1】中国による尖閣諸島奪取計画を阻止することを最優先の課題とする。中国は日本にとって顕在化した現実的脅威である。特に訓練用空母「ワリャーグ」を就航させ、海洋覇権を獲得しようとする中国の政治的意図を挫くことが日本の国益だ。
【2】日米同盟を盤石にする。中国を利する東アジア共同体路線との訣別を明確にする。その観点からTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉への参加を急ぐ。TPPの本質は、自由貿易ではない。アジア太平洋地域におけるゲームのルールを日米が構築し、中国に受動的立場を強いるという帝国主義的な発想がTPP根底になる。この発想に乗ることが日本の国益を増進する。
【3】領土問題をめぐる露韓の連携にくさびを打ち込む。その観点から、北方領土における共同経済活動を早期に実施する。(外務省発行のパスポートでなく)内閣府発行の身分証明書で北方領土に渡航できる枠組みをつくり、北方領土が日本領であるという立場を担保した上で、経済活動においてはロシアの管轄に服する。
現行のビザなし交流においても、日本の訪問団は事実上、ロシアの管轄に服している。その事実を過去の領土交渉でロシアが悪用したことはない。日本政府が本格的に梃子入れして北方領土の日本化を進め、日本なしに現地の経済が成り立たない仕組みを作ることが領土返還の環境整備につながる。ロシアにとって北方領土における現実的パートナーが日本になれば、ロシアにとって領土問題をめぐり韓国と提携する利益が失われる。
【4】「独島」(竹島の韓国名)をめぐる領土ナショナリズムは事実上、韓国の国家神話になっている。竹島をめぐる本格交渉を韓国と行なうことは不可能という現状認識の下で外交戦略を構築する。政府は一歩引いて、民間の学識経験者による竹島/独島問題をめぐる日韓専門家会議を実施し、韓国の有識者に「客観的に見て、独島をめぐる領土問題が日本との間に存在する」という認識をもたせることを当面の獲得目標とする。
最初は尖閣諸島。ただ、実はあんまりなかったのです。
尖閣諸島所有者と交渉中と石原都知事が発表、狙いは国益?でも触れた
「尖閣問題」の歴史を知らない民主党の罪(大前研一の「産業突然死」時代の人生論)は、どうやら以前気になった記事でも紹介していたようです。
自民党時代は、国内向けには「固有の領土」、中国向けには「領土問題は棚上げしているが、実効支配は日本」という二枚舌を使っていた。ちょうど非核三原則と似たような態度である。あれも国内向けには「米軍の核は国内には持ち込ませない」と言いつつ、米軍には「黙認する」としていた。
(中略)前原外務大臣はメドベージェフ大統領の北方四島訪問にも異論を唱え、(中略)完全に逆効果となった。 |
理解できないんですけど、政治家は国民に嘘をつくのも必要ということ?
ロシアの方はどうすればよかったんでしょう?黙認でしょうか?
尖閣諸島所有者と交渉中と石原都知事が発表、狙いは国益?でも言いましたけど、国民を騙すのが良い政治というのがどうも納得行かないですし、別の道もあったのでは?と思うのです。
尖閣諸島はこれだけ。北方領土は多かったので、単独で(
ロシアプーチン首相は北方領土問題棚上げで天然ガス狙い)。竹島をやります。
「独島は韓国領」とする韓国の主張は矛盾だらけと報道写真家 (NEWSポストセブン)より。
竹島といっても「3つの竹島」が存在する。整理すると以下の通りになる。 ・現在の日本名・竹島(かつての日本名・松島、現在の韓国名・独島) ・かつての日本名・竹島(または磯竹島、現在の鬱陵島) ・現在の韓国名・竹島(竹嶼)
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古来、韓国側も「鬱陵(武陵)島」と「于山島」という2つの島を領土としてちゃんと認知していたそうですが、
韓国側の文献に初めて「于山」の名が登場した『太宗実録』(1416年の項)には、こんな記述がある。 「武陵島(現在の鬱陵島)は周囲が七息で、傍らに小島がある。その田(畑の意味)は五十余結で、入る道は人ひとりがやっと通れるぐらいで、二人が並ぶことはできない」
(中略)日本側の史料『竹嶋紀事』によれば、対馬藩の取り調べに対して安龍福は次のように答えている。
「鬱陵島の北東に大きな島があり、この島を知っている者がこれを于山島だと言っているのを聞いた」
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となっているそうです。
こうなると後は自ずと答えは導かれるということでしょうか?報道写真家の山本皓一さんは以下のように書いています。
これらの記述を総合すると、「于山島」とは、「鬱陵島の北東にあって、人ひとりがやっと通れるぐらい狭い道の先に畑が広がっている島」ということになる。
韓国が主張する「独島」は、鬱陵島の「南東」92kmにあり、岩礁であるため「入る道」などろくになく、ましてや「畑」になるような土地もない。逆に、これらの特徴をすべて兼ね備えているのは“もう一つの竹島”すなわち「竹嶼」だと推測するのが自然だろう。つまり、韓国側が従来の史料・論拠から主張できる領土は「鬱陵島と竹嶼」であり、現在の日本名・竹島までは及ばないのである。
実際、18世紀以降、韓国側で発行された地図に記された「于山島」の形や大きさは、見事に「竹嶼」と合致する。
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なんかすごくすっきりした感じですが、最初の佐藤優さんによれば一番解決不能っぽいという奇妙なことになっています。
追加
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ロシアプーチン首相は北方領土問題棚上げで天然ガス狙い 関連
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尖閣諸島所有者と交渉中と石原都知事が発表、狙いは国益? ■
北方領土なんかいらない ~あるロシア人の本音~ ■
自民党ならこうした? 尖閣諸島中国漁船問題 ■
日本はそもそも「二島返還」を望んでいたのか? ■
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Appendix
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