企業の農業参入・植物工場に関しては、難しい…というニュースが多いです。なので、驚いたのですが、バイテックホールディングス(レスターホールディングス)は、異業種参入してからあっという間に生産量を増やして国内最大級にまで成長するほどに成功。これを見てしまうと、むしろ企業の農業参入は簡単なように見えてしまいます。今までの苦労はなんだったんでしょうね?
2019/02/02:
●企業の農業参入・植物工場は簡単?バイテックHDが速攻で業界最大級に
●さらに数年で3~4倍規模、栽培も全自動にするという構想掲げる
●植物工場がメインに?レスターホールディングスへと名前が変わる予定
2021/01/20:
●ファミマで全国展開 工場野菜の方がむしろ地球に優しいとアピール
●企業の農業参入・植物工場は簡単?バイテックHDが速攻で業界最大級に
2019/02/02:植物工場や企業の農業参入は応援しているものの、苦労しているケースが多いです。
6割赤字、植物工場の問題点 人工光と太陽光の大きな違いとは?や
オムロンの農業参入が失敗したのは、農業を舐めていたからといった話も書いています。
ですので、東証1部上場企業のバイテックホールディングスの話は驚きました。2016年4月に植物工場の第1工場を竣工した後、わずか2年で5工場体制を予定するところまで。1日の生産量は7万株以上で、一気に最大級の生産規模に躍り出たとのことです。
さらに驚きなのが、質より量ではなく、質においても業界水準以上だということ。普通の植物工場のレタスが80グラム程度なのに、バイテックでは110グラムまで大きくすることが可能になっており、さらに重くできそうだとのことです。こうなると、他の企業は何をやっていたのか?という話になってきます。
ちなみにバイテックホールディングスは、創業が1987年。半導体や電子部品の販売事業から出発した会社です。その後、2011年には環境エネルギー事業に進出し、全国各地で大規模太陽光発電所「メガソーラー」による発電や売電事業に進出。異業種参入という意味では、プロだったみたいですね。
●さらに数年で3~4倍規模、栽培も全自動にするという構想掲げる
このバイテックホールディングスの紹介があったのは、
植物工場で地殻変動「レタス日量25万株の衝撃」:日経ビジネス電子版(吉田 忠則 2018年3月30日)。話がうますぎて本当なのか?と思うのですけど、記事によると、まだまだ増やす予定だとのことでした。
2020年秋には8工場体制にして、すべてフル稼働なら日産25万株以上、2018年の3~4倍程度まで増やす予定。コケたら一気に会社が傾かない?と心配になるほど邁進。破綻するときも早そうです。ただ、この勢いはアメリカのベンチャー企業みたいで、良い意味で日本らしくないところも感じます。
また、バイテックは、「ビニールハウスでやっていることを工場の中に移しただけ」と表現される現行のやり方も変えたいみたいです。2019年に造る第6工場からは栽培を全自動に。生産コストを引き下げ、自社工場だけでなく、植物工場のフランチャイズ展開も考えているとのこと。本当かいな?という話です。
●植物工場がメインに?レスターホールディングスへと名前が変わる予定
なお、作者の吉田 忠則さんは、農業を取材していると、「日の光や澄んだ水、豊かな土」の価値を大切にし、植物工場のことを農業とは認めないという声を聞くことが少なくない、としていました。自ら田畑と向き合っている生産者だけでなく、研究者の中にもそうした意見があるとのこと。
また、以前書いた
日本の農業はこれ以上効率化できないから企業の参入が失敗する?は、農業の企業参入そのもに批判があることを伝えた話です。ということで、バイテックにもネガティブな話があるかも、と検索してみました。が、そもそもあまり情報がありませんね。
とりあえず検索していた中でわかったのは、社名が変わりそうであるということ。元ソニー系で、ソニー製イメージセンサーや半導体、電子部品を扱う東証1部上場のUKCホールディングスは、2019年4月 - 株式会社バイテックホールディングスと経営統合予定。UKCホールディングスはバイテックホールディングスを吸収合併した上で、商号変更するといいます。(
UKCホールディングス - Wikipediaより)
この変更後の名前は、株式会社レスターホールディングス。私は最初これを「(野菜の)レタス」と誤読して、植物工場メインで行くのかも…と書いていたのですが、「レスター」だと再投稿直前に気づきました。こういう派手なうっかりミスをちょくちょくやっちゃいますね…。(ここだけ2019/02/20に訂正)
●ファミマで全国展開 工場野菜の方がむしろ地球に優しいとアピール
2021/01/20:レスターホールディングスで何か新しい話はないかと検索。
ファミマ、植物工場の野菜を全国展開 - Impress Watch(加藤綾 2020年8月31日)という記事が出ていました。植物工場で栽培された野菜のファミリーマート商品への導入を拡大するとともに、全国約16,000店規模で展開するというニュースです。
レスターホールディングス(レスターHD)およびレスターHDの子会社で植物工場事業を行なうバイテックベジタブルファクトリー(VVF)は、植物工場で栽培された野菜の普及に向け、ファミリーマートと協業。最初のときに書いたように、植物工場の野菜は「本物ではなく偽物だ」と考える人もいるそうなのですが、以下のようなメリットがあるとされていました。
<植物工場の野菜は、天候や災害による影響を受けにくく、一年を通して安定した供給が可能。また虫がつかないため農薬を使用する必要がなく、安全・安心であることも特徴としている。野菜の洗浄などの手間が少なく済むことによる省力化・省資源化、捨てる部分が少ないことによるフードロス抑制、環境負荷軽減もメリットとして挙げる>
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