加計学園で隠蔽と公私混同認める 安倍首相の最側近・衛藤晟一首相補佐官

　自民党内でも特に右よりで、安倍首相の側近である衛藤晟一議員が、安倍首相の加計学園や森友学園における問題について、隠蔽と公私混同があったことを認めるような発言をしていて驚きました。


●安倍首相の最側近である衛藤晟一首相補佐官

　衛藤晟一首相補佐官は、安倍首相の側近として知られており、自民党内でも特に右よりな議員です。安倍首相の側近だというのは、マスコミだけが言っているわけではなく、ご自身でも「（首相の）周りにいる者」という言い方をしています。

　また、衛藤晟一さんを応援するページっぽい倉山満先生より強力応援メッセージ！... - えとうせいいち超会議【日本の熱源！衛藤晟一】 | Facebookというページでも、憲政史家の倉山満さんのメッセージとして、以下のような言葉を誇らしげに紹介していました。

「安倍総理の一番の側近であり、強さと優しさを併せ持った政治家」

　安倍首相の最側近(権力者などの側近のうち最もその 権力者に近い位置や立場にある者)という見方すらあるようですね。


●安倍首相の隠蔽と公私混同認める

　で、その衛藤晟一さんがとんでもないことをおっしゃっていました。先の「（首相の）周りにいる者」というのは、「大変な支持率になったことについて、（首相の）周りにいる者として申し訳なく思っている」という発言から取ったものなのですが、この発言そのものは別に大したことないんですよ。

　問題は、安倍内閣の支持率急落に関連して、安倍首相に対し、以下のように言っていたことです。

「隠蔽体質や公私混同による甘さがあったから、今の状況を招いた」
「友情を大事にしすぎる。最高権力者になったら個人の関係が表に出てはいけない」
(「隠蔽と公私混同が原因」　支持率急落で首相補佐官 - 共同通信 47NEWS　2017/7/29 21:45より)

　安倍首相は加計学園問題でも森友学園問題でも、隠蔽を行っていたことを認めていませんし、公私混同したことも認めていません。それなのに、側近中の側近が、それを認めてしまったのです。

　なお、「友情を大事にしすぎる」ってのは、ずいぶんと美化した言い方ですよ。要するに中国や韓国みたいに、仲間内に便宜を図ってだけなんですから。いつも書いているように、日本の保守派は、中国や韓国の悪い人たちとよく似ています。

　あと、「捏造だー！」「フェイクニュースだー！」と言い出す人たちのために、保守派御用達の産経新聞が報じていたことも記録しておきます。

衛藤晟一首相補佐官、内閣支持率急落は「隠蔽と公私混同が原因」 - 産経ニュース 2017.7.29 20:30

　衛藤晟一（せいいち）首相補佐官は２９日、安倍晋三内閣の支持率急落について「隠蔽体質や公私混同による甘さがあったから、今の状況を招いた」との認識を示した。安倍首相が会長を務める保守系の超党派議員連盟「創生日本」が長崎県佐世保市で開いた研修会で述べた。

　学校法人「加計学園」問題などを念頭に置いた発言。

●自民党内でも特に右よりな衛藤晟一議員

　それから、この発言は、安倍晋三首相が会長を務める保守系の超党派議員連盟「創生日本」が長崎県佐世保市で開いた研修会で述べたものでした。創生日本というのは、日本会議や神道政治連盟と似た保守系議員連盟で、安倍内閣に多いというところも共通点。安倍内閣の閣僚のうち95％が神道政治連盟、84％が日本会議に所属　みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会・創生「日本」なども多いで紹介したことがあります。

　衛藤晟一さんは「自民党内でも特に右より」だと書いたように、もちろん他の二つも所属。日本会議議連所属の政治家リスト 神道政治連盟のメンバーもでは、「日本会議国会議員懇談会・神道政治連盟の両方所属」のグループに入っています。

　衛藤晟一 - Wikipediaの「政策・主張」から、めっちゃ右とわかりやすいところを抽出…というか、ほとんど該当だったんですけど。たぶん「極右」って言われてしまうタイプですね。

政策・主張

・憲法9条の改正に賛成し,自衛隊を他国同様「国防軍」にすべき。
・集団的自衛権の行使容認に賛成。
・総理や閣僚の靖国参拝は問題ない。
・婚外子の相続差別撤廃に反対し、2013年12月5日に可決された婚外子の相続分規定改正案に、自民党の党議拘束に反して賛成票を投じなかった。
・教育問題の一環として歴史教科書問題にも取り組んでいる。2004年10月、イギリスにおける歴史教科書問題を当時のサッチャー政権が教育基本法を改正することで「自虐偏向」を「正常化」したとされる事例を現地調査するための、与野党合同の「イギリス教育改革調査団」を設立。2005年4月に、PHP研究所から中西輝政監修、自民党幹事長代理（当時）の安倍晋三らと共著で『サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道』を上梓した。
・慰安婦問題に関しては、1997年に結成された「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の幹事長に就任。存在肯定派と否定派の両派の有識者を招いて意見を聞く勉強会を主催した。
・2008年11月11日、自民党の国防関係合同部会にて、歴史認識に関して、日本国政府見解を否定する論文（「真の近現代史観」懸賞論文）を発表して航空幕僚長を更迭された田母神俊雄を擁護。「歴史認識を教育するなんてことを言ってもらったら困る」と述べ、日本の歴史教育の在り方を見直す考えを示すとした防衛省側を批判した。
・鳩山由紀夫内閣の選択的夫婦別姓法案に反対した。

　で、そういう人まで安倍首相を切り捨てにかかっている…という話でした。ただ、こうした苦言が、このタイミングでやっと出てくるというのはクソですよね。

　疑惑が濃くなったときに、「国民のためにならない」と潔く認めたならのなら格好いいのですけど、都議選で歴史的大敗・支持率急落というタイミングでの手のひら返しなのですから、要するに自分の次の選挙のため。クズですし、小物感全開です。まあ、自民党議員らしいと言えばらしいのですけど…。
(2017/09/20追記：思いついて調べたら、衛藤議員は2013年当選の参議院議員。次の選挙は2019年かな？だいぶ先でした。ただ、それまで安倍人気が続いてくれた方が良いのは確かで、選挙目当て発言という印象は変わりません)


【本文中でリンクした投稿】
　　■安倍内閣の閣僚のうち95％が神道政治連盟、84％が日本会議に所属　みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会・創生「日本」なども多い
　　■日本会議議連所属の政治家リスト 神道政治連盟のメンバーも

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