犬や猫が増えすぎて起きる多頭飼育崩壊についてまとめ。<限界がある…かわいそうだから保護という動物愛護が逆に虐待に>、<動物を飼うということは、命を選ぶということ…全ては救えない>、<餌不足でふんを食べる…8畳2間の平屋に犬164匹を飼う多頭飼育崩壊>、<民家に約170匹の猫が餌も与えられずに放置されていた理由とは?>などをまとめています。
冒頭に追記
2022/10/17追記:
●民家に約170匹の猫が餌も与えられずに放置されていた理由とは? 【NEW】
●民家に約170匹の猫が餌も与えられずに放置されていた理由とは?
2022/10/17追記:動物愛護団体「群馬わんにゃんネットワーク」によると、群馬県高崎市の民家に約170匹の猫が放置されていたそうです。飼い主の60代男性は病気で1カ月以上入院中であり、放置されたいたのには理由あり。ただ、1ヶ月でいきなり170匹に増えることはないので、それ以前から何らかの問題があった可能性が高いでしょう。
<同団体によると、飼い主は1人暮らしで、8月上旬から体調を崩していた。別居の親族から連絡を受けたスタッフが訪問すると、窓が閉まって熱気がこもった室内で、水も餌も与えられていない多くの猫がやせ細っていた>
(飼い主入院中の民家に猫170匹 群馬、避妊手術の寄付募る 共同通信 / 2022年10月17日 5時7分より)
https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2022101701000042/?tpgnr=poli-soci
「同団体はインターネットで避妊去勢手術に充てる寄付を募っている」とあったものの、記事ではリンク先などの情報はなし。検索してみると、
ご支援のお願いで振込先情報がありました。ただ、アドレスが変わる可能性もあるので、
トップページもリンクしておきます。
●多頭飼育崩壊!東京で100頭以上もの猫を飼っていた家が悲惨
2012/5/17:日刊スパの
【多頭飼育崩壊】100頭以上の猫が殺処分の危機に(2012.05.16)によると、ペットを複数頭飼っている飼い主が、避妊・去勢などを怠り、異常繁殖して飼育を放棄してまうことを「多頭飼育崩壊」と言うそうです。当然、現場は悲惨な状況。糞尿は垂れ流しにされ、部屋の中はズタズタ、あまりの悪臭で鼻がマヒするといいます。
<東京都内にある一軒家で、100頭以上もの猫の多頭飼育崩壊が現在進行形で起きている。このケースの場合、飼い主が5月25日までに立ち退きを迫られているため、それまでに猫の行き場所を探さなければ、多数は殺処分されてしまう可能性があるという>
動物保護団体「たんぽぽの里」(里親希望の方は代表番号042-707-4648まで)の石丸雅代さんによると、「多数の保護団体やボランティアが協力し、頭数は全部で105頭。なかにはしっぽが腐り、重症だったために治療を行っている猫もいます」という本当ひどいことになっていました。あと、このニュースは猫の例でしたが、当然、犬なども同じなので、多頭飼育崩壊は起きているみたいですね。
たんぽぽの里をはじめとする保護団体の捻出で、これ以上の繁殖が起きないよう、全頭の避妊手術を行いました。このような状況を招いたのは、飼い主の怠慢以外なにものでもないように思えるが、石丸雅代さんは「それだけじゃない問題もある」とのこと。「この飼い主だけが悪い」という単純でわかりやすい問題ではないのです。
「このお宅の場合、猫を多く飼っていることから近隣住民が『この家なら飼ってくれるだろう』と思い、玄関先などに飼えなくなった猫を捨てていくんです。私たちがレスキューを行っている間にも、子猫が5匹も軒先に置かれていました。飼い主さんはそうした猫を可哀そうだと保護し続けた結果、こういった惨状になってしまったのです」
●限界がある…かわいそうだから保護という動物愛護が逆に虐待に
「猫を可哀そうだと保護し続けた結果」となっていましたが、その結果が結局虐待になっています。さらに、たんぽぽの里のような保護団体が持つ、猫の「シェルター」にも収容限界があり、預かりすぎてしまってはここでもまた”連鎖崩壊”を招いてしまうという現実があります。
預かりきれない70頭ほどの猫はまだ現場に置いておかざるを得なく、他の保護団体やボランティアで一時預かり先を懸命に探している状況だとのこと。私は猫好きで猫の話をいくつも書いてきていますが、単純に「保護すべき」とは言えませんね。すべての猫を助け続けることができないというのも事実でしょう。
かわいそうだからといって猫を飼ったとしても、いつかは限界が来ます。1頭なら飼える、2頭なら飼える、5頭なら飼える、人によって限界は当然異なるでしょうが、絶対にどこかで線引きをしなくてはいけません。実際、この家では無事に飼える状態ではなくなっていますし、動物保護団体にしても限界があることが書かれています。当たり前の話です。
●動物を飼うということは、命を選ぶということ…全ては救えない
残酷な言い方をしますが、どこかで救う猫とと見殺しにする猫の線引きをしなくてはいけません。そうじゃないと、結局飼いきれずに不衛生な暮らしをさせたり、病気にしたり、最終的には残酷な死なせ方をしてしまうといった事態が起こり得ます。
以前、家族が「かわいそうだから」と新たに野良猫に餌をやり始めたと聞いて、私はそんなことしたらキリがなくなるよと忠告しました。今回の『この家なら飼ってくれるだろう』というのが、まさにその問題です。よく動物は罪がないのに…といいますが、罪がなくても死ぬというのが自然であり、人間の世界でも大体そうです。無論、動物を捨てて死なせるのは、自然とは違いますから、そちらは全く擁護できませんけどね。
救う命とそうじゃない命を選別するというのは残酷なことのように思えるでしょうが、動物を飼うというのはそういった残酷な面を持ち合わせています。もう「動物を飼うということは、命を選ぶということ」とまで、考えてしまった方が良いかもしれません。そういった面の覚悟とともに、飼うからには最後まで面倒を見るという覚悟も持った上で、動物を飼ってほしいと思います。
(最初、こういう厳しい話だけだったのですが、動物飼い初心者が手を出すことが難しすぎる…という問題がありました。そういった中で、猫飼い初心者を助けるおもしろい試みがあったので、
初心者向け 猫を飼わなくちゃいけない猫付きマンションがある!という話を書いています。ハードルが高すぎるくらいの方が猫にとってはむしろ良いとは思いますけどね)
●餌不足でふんを食べる…8畳2間の平屋に犬164匹を飼う多頭飼育崩壊
2021/05/04:たくさん飼いすぎて問題になるというのは猫だけの話ではないため、犬の多頭飼育崩壊の事例も追加。2020年11月頃、島根県出雲市の住宅街にある民家で、164匹の犬が8畳2間で飼われていることが判明したというニュースもあったんですよ。公益財団法人「どうぶつ基金」によると、「一般家庭での多頭飼育崩壊としては国内最大規模」とされていました。
<基金によると、犬は主に8畳2間の平屋で飼われており、飼い主の家族3人は平屋や隣の民家で暮らしているという。
基金の佐上邦久理事長は10月、飼い主の許可を受け飼育場所の平屋に立ち入ったという。犬は中型犬程度の大きさで、餌が足りないためにやせていて、一部の犬は他の犬のふんを食べていたという。「成犬のふんが出るのを子犬がお尻の後ろで待っている、悲しい状態だった」という。
基金によると、飼い主の家族は、40年ほど前に野良犬1匹を飼い始めたところから、次々に増えてしまったと話し、不妊手術などには協力する態度を示しているという>
(
犬164匹を8畳2間で 国内最大規模の多頭飼育崩壊か:朝日新聞デジタルより)
近隣住民によると、30年ほど前から多頭飼育の状態が続いていました。以前は問題なかったということはなく、頻繁に犬の鳴き声が聞こえ、洗濯物が干せないほど臭いがするときもあるなど問題はあった模様。県出雲保健所や出雲市はたびたび連絡したそうですが、状況は変わらなかったといいます。
2020年7月には署名が出て、ついに保健所が立ち入り検査するところまでは行きました。ところが、このときの立ち入り検査では汚物が適切に処理されていたなどとして、住民らには「虐待はなかった」と報告されており、「どうぶつ基金」が立ち入るまで問題なしとされていたようです。
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