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不正論文で辞任の加藤茂明教授、捏造防止を若手に訴えていた


 御用学者の巣窟東大で今度は論文捏造が発覚 加藤茂明教授は辞任を書いたところ、キーワード「加藤茂明」でいらっしゃる方がたくさんいました。

 でも、その投稿は加藤茂明さんのことはあまり詳しくありませんでしたので、申し訳なく思って少し内容を追加しました。

 それから随分と日が経ったのですけど、未だに加藤茂明さん目当てのアクセスが多いようですので、彼をメインに一本追加しておくことにしました。


 で、何を書こうかな?と迷いましたが、どうせ書くのなら他に人があまり書いていないことをということで、加藤茂明さんの語っていた不正・捏造防止に関するところを紹介しようかと思います。

 まず、御用学者の巣窟東大で今度は論文捏造が発覚 加藤茂明教授は辞任でも引用した日本分子生物学会 研究倫理委員会 若手教育問題ワーキンググループ 最終答申の「科学的不正を防止するための若手教育への方策について」(2008年4月30日 PDF)。

 これはワーキンググループであり、加藤茂明さん単独で書いたものではありません。

 しかし、6人名前があるうちの筆頭に、「加藤茂明(東京大学 分子細胞生物学研究所)」と書かれています。

 並びを見ても五十音順などではありません。単に格で並べたという可能性はなおありますが、最初に名前があるのですから責任も大きかったはずです。


 この冒頭は実は前回も引用した部分になりますが、もう少し広めに取ります。

 以前も書いたとおり、読んでいて悲しくなることが書かれています。

はじめに

 昨今相次いで報道されているように、国内外で専門分野を問わず、科学的不正が頻発しており、われわれ科学者には「自浄作用」を持つコミュニティの確立が求められている。科学的不正を防止するためには、過去の事例の検証と共に将来へ向けた具体的方策が必要であるし(過去と将来)、また別の視点から言えば、不正に対する処罰と共にそれを予防するための具体的方策も必要である(罰則と予防)。過去事例検証や罰則の策定は具体的でかつ即効的な作用を期待できるが、一方で将来に向けた予防的な方策はともすれば曖昧で抽象的な議論に陥りやすく、また慢性的な体質改善のように息の長い取り組みが必要とされる点で困難を伴う。本ワーキンググループ(以下WG)では、若手科学者の教育という観点から、将来に向けた研究倫理観の醸成を目指す方策について議論を重ねてきたが、そこで特に留意したのは単なる題目ではなく、実効性のある具体的な方策を考案することであった。従って本WG 答申においては、なるべく抽象論を避け、具体案についてのみ記述するように試みた。

 前回書いたとおり、結局「自浄作用」を発揮できなかったため、加藤茂明さんも報道される側になってしまいましたし、「実効性のある具体的な方策」の実効性にも疑問符がつきました。

1.若手教育における現状と問題点

(2)PI 教育の欠如と責任体制の不統一

 研究室主宰者(以下PI)は研究室運営に関する総合的な教育を受けておらず、自分の倫理観と出身研究室における経験のみに拠っているため、前項で指摘したルールの多様性が解消されていない。さらに論文や研究室の体制に対してどのような責任を有するのかという点に関しても、価値観がまちまちであり、それが科学的不正を助長する原因となっている。

 若手の教育の前に教授はどうだったの?という話です。

 加藤研究室では不正捏造疑惑のオンパレードだったらしいので、まず教授の倫理観のところから疑義が生じています。


 「具体的な活動」としては、

 年会におけるシンポジウムを中心として、その前後に「細胞工学」誌上にて座談会や学会探訪記事等で、多くの若手研究者に研究倫理問題に対して関心を持たせ、啓発を図った。

 としています。

 もちろん加藤茂明さんが参加しているものもあります。

● 「細胞工学」誌上座談会「メイキング・オブ・分生若手教育シンポジウム」

 若手教育WG6 名(加藤・水島・山中・上田・高橋・中山)による仮想座談会形式にて研究倫理に関する問題や若手教育に対する問題を提起した。(中略)これによって、分子生物学会が真剣にこの問題について取り組んでいる姿勢を打ち出すと共に、年会におけるシンポジウムの宣伝を兼ねる狙いがあった。

 加藤茂明さん名義のものとしては、微妙なデータをどう表現するか 骨研究分野での実験データ解釈を例として(PDF)というものがあり、「はじめに」で不正防止の大切さを訴えています。

 実験データの解釈は,研究をとりまとめるうえでの核心・肝心となる部分である.しかしながら,これまで,このシリーズ「正しい知識が捏造を防ぐ」で紹介されてきたように,この実験データの解釈に客観性を欠き恣意的に脚色されると,もはや正しいサイエンスからは遠のくことになる.実験データの解釈にも,実験系や分野によっておのおの流儀があり,それを知らないと投稿した論文が不当に評価されることにもなる.いちばんの問題は,これら“流儀”が大切な情報なのにもかかわらず,実際の論文には記載されておらず,また,実験書にも明確には書かれていないことが多いことである.

 「おわりに」ではこんな話もしていました。
 
主要な雑誌に公表された研究成果は大きな影響を及ぼすが,ときおり,間違った解釈や実験アプローチにより恣意的にねじまげられ再現性が得られなかったりすることもある.

筆者の所属する大学で起こった不幸な論文捏造事件の報告書を読むと,研究グループ内での議論に乏しく,
実験データに対する批判や評価が当事者どうし以外にはなされなかったようであり,これは筆者にとって驚きであった.ふだんから会話を心がけるだけで,実験データ解釈の鍛練になるのである.よい生命科学者は,一般に,人とのコミュニケーション能力が高い.

 最初のPDFにまた戻りますが、長期的な具体的方策の中に下記のようなものがありました。

● 研究倫理ガイドラインの作成とWEB 上での公開

 本WG における議論では、具体的なルールの不徹底が科学的不正の温床になっていることが指摘された。この問題に対処するため、具体的な問題を提起し、その原理と対応を示すWEB サイトを作成する。例えば「フォトショップ利用の問題点」「代表的なイメージの抽出」「大きくはずれた観察値が出た場合」「雌雄差や個体差の問題」等のよくあるケースを取り上げる。WG 委員が一テーマずつ担当し、WEB コンテンツを作成する。

 「フォトショップ利用の問題点」とありますけど、確か加藤茂明さんの件も画像ソフトを用いた疑いがあるんじゃなかったかと思います。


 検索していて新たに見つけたJapan MBSJ NEWS The 日本分子生物学会 2008.2No.89会報(PDF)でも加藤茂明さんがいて、なおかつフォトショップの話が出ていました。

 これは平成19年12月13日のシンポジウムだというので、さっきより前でしょうか?

 タイトルが分子生物学会・若手教育シンポジウム『今こそ示そう科学者の良心―みんなで考える科学的不正問題』ということで、先程のとは違うんじゃないかと思いますけど、内容をちょこちょこと引用しておきます。

 加藤茂明さんはどんな発言をしていたんだろうと気になりますが、発言者はすべて未記載です。


【第二部:パネルディスカッション】

 パネルディスカッションはワーキンググループの6名の委員(加藤茂明、(中略))で分生の将来と若手の教育について、相互および会場と意見を交換した。以下に主要な話題・意見を抜粋する。
・競争の激化が研究者にプレッシャーを与え、それによって捏造を誘発する危険があるのではないか。特に論文のリバイスのときが危険なのでは。
・研究室がタコツボ化している。自分の育ったラボの価値観しか知らず、ボスの規範意識がそのまま若手研究者に伝えられていく。
(中略)
・フォトショップの問題に関しても、例えばコントラストをいじっていいかどうかということは、ちゃんと投稿規程には書いてある(変更すること自体は捏造ではない)。
・corresponding authorが責任を取る仕組みを、きちんと科学者の中で確立していかないと、分野自体がしぼんでしまう。
・共同研究者の責任について、「自分は共同研究者だから知らない」と言ってそれで済むならそんなに楽なことはない。
(中略)
・corresponding authorは捏造事件があったら切腹(する位の覚悟)で臨むべき。
・倫理観の標準から完全に外れている人は教育する手段がない。
・科学者として間違ったことをやったら、次第に国際的に認められなくなり、やがて研究の世界では生きていけなくなるということを若い人達に伝えていくことが大切。
・我々思っているような普通のモラルと全然別なモラルで科学をやっている人がいて、こういう人は決して捏造を認めない。

 ラストは「研究不正をすることは、とても恥ずかしいことであるという意識を持てるようなコミュニティーを作りたい」という発言で終わっていましたが、現在そういうコミュニティじゃないってことが既に異常です。


 また、この最初に「競争の激化が研究者にプレッシャーを与え、それによって捏造を誘発する危険があるのではないか」というのがありました。

 どうもこういった不正が起きるのは激しい競争があるせいだという話で、今日の投稿でもこの点を取り上げようかと迷ったのですけど、競争を言い訳にしてはいけないってことは確かなことです。


 追加
  ■加藤茂明捏造論文撤回の筆頭著者は,北川浩史群馬大教授
  ■東邦大藤井善隆元准教授の全論文193本に不正・捏造の疑い、世界新記録か?

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