2012/5/26:
中国と韓国の領土・領海問題 蘇岩礁・離於島
岩が海面上に姿を現すことはない蘇岩礁は「島」と言えるのか?
韓国の海洋科学基地、当初はそれほど問題になっていなかった
中国の作戦で韓国のダブルスタンダードが露見…竹島問題で矛盾生じる
中国・韓国、正論なのはどっち?島なのか暗礁なのか…
●中国と韓国の領土・領海問題 蘇岩礁・離於島
2012/5/26:読んだ当初はブログに書こうと思っていなかったので、該当の記事を見つけ出すのに苦労しました。タイトルだけ見ても全然わからない
小さくなる米国に、変わるアジアの安全保障 日本経済新聞社編集委員 鈴置高史さんに聞く朝鮮半島情勢【番外編その3】(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年5月16日 池上彰)というものでした。これに「中国と韓国の領土・領海問題」の話が載っていたのです。
日本経済新聞社編集委員の鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)さんは、「中国と韓国の領土・領海問題」の重要性について以下のような説明をしていました。
鈴置:黄海は首都、北京の玄関。中国にとって極めて重要な海です。日清戦争も日露戦争でも、日本が開戦劈頭にこの海で清国やロシアの海軍を打ち破り、海上優勢を確保しました。海洋勢力が中国大陸に攻め入るには、黄海の海上優勢が必須だからです。逆に中国からすれば、国を守るためには黄海の海上優勢を維持するのが必須です。
黄海の西側は中国、東側には朝鮮半島があります。中国と韓国の間では黄海のEEZ(排他的経済水域)に関する主張が食い違い、まだ、境界線を画定していません。
そして今、黄海の入り口にある「Sokotra Rock」という暗礁を巡り、中韓がもめ始めました。この暗礁はそれぞれが自国のEEZ内にあると主張し、中国は「蘇岩礁」、韓国は「離於島」と呼んでいます。
●岩が海面上に姿を現すことはない蘇岩礁は「島」と言えるのか?
Wikipediaの場合は、蘇岩礁(そがんしょう)という項目名を採用。蘇岩礁は、東シナ海沖合に存在する暗礁で、韓国では、この暗礁を離於島、波浪島と呼称している他、英語名がソコトラ岩 (Socotra Rock) であると説明。また、以下のような説明がありました。
"東シナ海のユーラシア大陸棚に位置し、現在、中国と韓国が共同管理している排他的経済水域内にある。
蘇岩礁は、干潮時にもその岩頂は海面下4.6mの海中にあり、岩が海面上に姿を現すことはないため島ではない。しかし、韓国は、この暗礁を自国の島であり、済州特別自治道・西帰浦市に属すると主張している。韓国がこの暗礁を基礎に海上へ海洋調査施設を建設したため、中国は韓国に対し、一方的な建設を中止するよう抗議している"
●韓国の海洋科学基地、当初はそれほど問題になっていなかった
最初のインタビューによると、韓国は1990年代後半に、この上に海洋科学基地を作り、中国は抗議しましたが、大きな紛争にはなっていませんでした。ところが、最近になってこれが問題となってきます。
鈴置:それが今年3月、突然に中国政府高官が「蘇岩礁周辺を含め我が国のEEZ(引用者注:排他的経済水域)のパトロールを強化する」と語ったのです。韓国では「中国が空母を投入し攻めてくる」と大騒ぎになりました。4月下旬には中国とロシアの海軍が黄海で大規模演習を実施しました。黄海にも波風が立ち始めたのです。
池上:尖閣諸島の問題とまったく同じですね。日本が尖閣諸島を自国の領土だと主張する根拠のひとつに、日本は中間線、つまり排他的経済水域の境界を定める基準線より日本側にあるからと言っているのに対して、中国は、「大陸棚は自国の陸地の延長上にある」として、尖閣諸島は自国のものだとしている。
鈴置:中国は「パトロール宣言」で韓国を威嚇した直後、「EEZの確定を目指し、韓国と談判する」と言い出しました。李明博政権はこれに応じる方向と伝えられています。
●中国の作戦で韓国のダブルスタンダードが露見…竹島問題で矛盾生じる
ところで、この韓国との談判の件で、鈴置高史さんは「韓国は中国のワナにはまりかけています」としています。
鈴置:
中国は大陸棚理論をもってして蘇岩礁を含む黄海の広い範囲が自国のEEZであると主張しています。一方、韓国は中間線理論をもって離於島を含む海域を自国のEEZと主張しています。李明博政権は韓国メディアに「韓国の論拠である中間線理論は国際的にも認められつつあるから、談判したら我が方が必ず勝つ」と説明しています。
これだけだと何が問題なのかわからないのですが、これに日本との領土問題が絡んでくることによって一気に韓国の矛盾が露呈してしまうようです。
鈴置:
ところが韓国は日本に対しては中間線理論ではなく、大陸棚理論を主張しています。東シナ海にある第7鉱区と呼ばれるエリアは、中間線論では明らかに日本のものですが、大陸棚論では韓国のものにもなる。だからこの件については、韓国は大陸棚論に立っているのです。
池上:韓国は、領土に関してダブルスタンダードを展開してしまったわけですね。
鈴置:ええ。ですからEEZ画定交渉の場で中国が「日本に対しては大陸棚理論を主張しているじゃないか」と突くかもしれません。いずれにせよ、交渉は容易にはまとまらず、「EEZは未確定」という結論に落ち着くでしょう。となると韓国の科学基地は「未確定のEEZの中に作られた不法建築物」ということになりかねない。韓国にとって大きな後退です。日本外務省の半島専門家も「韓国は中国の挑発に乗り、釣り上げられた」と苦虫をかみつぶしていました。
池上:韓国は大失態ですね。
●中国・韓国、正論なのはどっち?島なのか暗礁なのか…
この問題について、Wikipediaも見てみます。
論争
国連海洋法条約(中国・韓国共に批准している)では海面下の岩礁(暗礁)は領土として認められていないため、基本的には両国の中間線が排他的経済水域(EEZ)の限界となる。この原則からすれば、蘇岩礁は韓国のEEZ内にあり、韓国の人工的建造物の設置は認められる(但し、その建造物に対しての領海やEEZは設定できない)[5]。
韓国は、「離於島(蘇岩礁)は明らかに韓国の領土」としてその領有を主張。国連海洋法条約が発効した翌年の1995年から2001年にかけて、中国政府の抗議を無視し、その暗礁から海上に『海洋調査施設』を建設した。中国は、中国側の大陸棚の延びるこの水域において韓国との間でEEZの確定をしておらず、中国側の大陸棚に位置する蘇岩礁への韓国の領有権主張や建造物の建設に対し抗議している。現在、蘇岩礁がある水域は両国間で暫定経済水域を敷いており、EEZの確定交渉を続けている。
韓国の中央日報によると、2006年9月、中国外務省の秦剛報道官は「蘇岩礁は(国際法上島ではなく)東中国海北部の水面下にある暗礁である」「東中国海北部海域の暗礁地帯であるこの海域をめぐって韓国との領土紛争は存在しない」と主張、韓国側の一方的な行動は全く法律的効力がないとしている。
とりあえず、島じゃないことはどうやったって確実な話で、したがって領土にもなりませんね。一方、尖閣諸島なんかは明らかに島ですのは、この件とはちょっと違う問題でしょう。
排他的経済水域(EEZ)としてはなお揉めるでしょうけど、海に数メートルも沈んでいるものを島とする韓国の主張は無理がありすぎです。
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