2018/08/27:
●ケンタッキーフライドチキンがヤバイ!連続で赤字が続いていた…
●実は売上は減っていない不思議…売れないわけではなく理由は別
●ケンタッキーには他のお店より難しい理由がある
●カナダではフライドチキン"で"ワッフルをサンドした珍品も
2018/11/27:
●日本のケンタッキーでもチキンで挟むネタ商品を発売
2020/05/02:
●新型コロナウイルス問題の中でもケンタッキーはむしろ好調?
●クリスマスの非日常食だったケンタッキー、日常食に大変身!
●実は外食企業ではなかったケンタッキー、家で食べるものを買うお店
●ケンタッキーフライドチキンがヤバイ!連続で赤字が続いていた…
2018/08/27:こういうのは栄枯盛衰がつきものではあるのですけど、最近は景気が悪いのか、低迷する外食産業のお店が多い気がします。ケンタッキーフライドチキン(KFC)も売り上げの減少で苦しんでいるんだそうです。
苦しんでいるというのは大げさな表現ではなく、日本KFCホールディングスの18年4〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比18.7%減の154億円、本業の儲けを示す営業損益は5.1億円の赤字でした。赤字なのですから、マジでやばいですね。前年同期も1億円の赤字だったそうです。
最終的な儲けを示す純損益は、前年は赤字ではなく、6.3億円の黒字。しかし、今期はこちらも3.2億円の赤字となっており、よりやばくなっているということです。
(
ケンタッキーフライドチキン、底なしの連続大幅客減少で赤字転落…復活は困難か Business Journal / 2018年8月27日 0時0分 佐藤昌司 店舗経営コンサルタントより)
●実は売上は減っていない不思議…売れないわけではなく理由は別
実を言うと、約370店を展開していたピザハット事業を2017年6月12日に売却しており、減収の大きな要因となっています。しかし、売上が減ったというだけでなく、営業損益や純損益が赤字なわけですからね。これはピザハット売却では説明ができません。普通にケンタッキーフライドチキン事業が不調だということです。
店舗数は長らく1100店台で推移し、売上高もここ数年、600億円台と概ね横ばいで推移。ケンタッキーフライドチキンが急に売れなくなったわけではないようです。むしろ売上は維持しています。
ただし、売上は減ってはいないのですけど、18年3月期のKFC事業は4.9億円の赤字。利益が出づらくなっているようです。今回の記事では、競争が激化したほか人件費などのコストがかさみ、利益を圧迫していったと解説されていました。
●ケンタッキーには他のお店より難しい理由がある
ケンタッキーフライドチキンはどうも難しいところがあるようです。主力商品のフライドチキンはハンバーガーなどと違い、アレンジがしづらい商材のため付加価値をつけづらく、競争力を高めることが難しいとの指摘。
そのため、KFC plusのようにフライドチキン以外の食事メニューを開発するといった斬新な施策が必要と見られていました。目新しい商品の投入というのは、最近の他のファーストフード系のお店の王道戦略です。
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すき家復活、松屋も順調で吉野家一人負け 牛丼以外のメニューがないせいか? ただ、この路線でもケンタッキーフライドチキンは難しいみたいですね。世界規模で展開するチェーンのため、統一したブランドイメージを世界全体で確立する必要があることから、日本だけ突飛なものは提供できないだろうとのこと。
なので、従来とはまったく異なる業態店を新たに開発したり、M&A(企業の合併・買収)によって新たな事業の柱を手に入れる必要があると、記事で指摘していました。
●カナダではフライドチキン"で"ワッフルをサンドした珍品も
ただ、そういえば、フライドチキンを生かしていて、なおかつ個性的なフライドチキンが海外であったことを思い出しました。フライドチキンをサンドするならわかるんですけど、フライドチキンでサンドするというものです。
すごいインパクトですよね。こういうのはフライドチキン的にもアリなようです。
ただ、SNSで話題にはなるものの、これで復活するか?となると、疑問な商品でもあります。飽くまでネタ商品でしかない感じでした。
●日本のケンタッキーでもチキンで挟むネタ商品を発売
2018/11/27:「フライドチキンでサンド」の話を書いていたら、ちょうどそういった商品が。「ザ・ダブル」は、チキンフィレ2枚をバンズ代わりにしてチェダーチーズやベーコンをはさみ、バーベキューソースなどで味付けしたもの。期間限定発売で発売していました。
「こんなことしているから赤字なんだ」という趣旨のツイートが人気でした。ただ、マクドナルドもネットで叩かれつついろいろやって、見事復活。ネガティブなことばかり言う人は必ずいるものの、どんどんやった方が良いのです。以下のようにSNSでもある程度拡散されています。
なお、ケンタッキー側は「これまでのサンドの常識を覆す商品」としていたものの、前述の通り、カナダでありました。さらに、
はてなブックマーク見ると、ケンタッキー自身がやるなど、日本でも例があったみたいですね。
QJV97FCr 6年ぶり2回目
https://japan.kfc.co.jp/news/news120116kfc.htmldc42jk 前にモスが肉で挟むバーガーやってたよね。
http://www.itmedia.co.jp/business/spv/1706/21/news090.html 最初の投稿でも書いたように、うまく行っている外食のトレンドは、期間限定などでメインではないサブの普段とは違う商品をどんどん出していくというもの。方向性としては良いチャレンジだと思われますので、継続的にいろいろやってほしいですね。
●新型コロナウイルス問題の中でもケンタッキーはむしろ好調?
2020/05/02:苦戦しているとされていたケンタッキーフライドチキンですが、多くの外食が苦しむ新型コロナウイルス問題の中でなんとむしろ売上を伸ばしてきました。日本KFCホールディングスは、2020年3月期の通期の見通しは、売上高744億円から800億円に上方修正を発表しています。
私は
コロナ禍でKFCが見せた底力…「新王者誕生」で外食の明暗はっきり V字回復の裏には歴史的大改革が! | PRESIDENT Online(馬渕 磨理子 テクニカルアナリスト 2020/04/10)というタイトルを見て、てっきり新型コロナウイルス問題がプラスに働いた…って話だと思ったのですけど、そうではないようです。
記事の無料部分であったのは、新型コロナウイルス問題の前の話。“非日常食”のイメージが強かったケンタッキーを“日常食”へのシフトさせてきたという戦略が成功したといいます。例えば、従来のキャッチコピーは「やっぱり、ケンタッキー」でしたが、今のCMでは「今日、ケンタッキーにしない?」というセリフが出てくるそうです。
●クリスマスの非日常食だったケンタッキー、日常食に大変身!
ケンタッキーフライドチキンの場合、“非日常食”というと、クリスマス需要が思い浮かびます。ケンタッキーはクリスマスが書き入れ時でした。一方で、初夏の時期である4~7月は需要が半分近くまで下がるという偏りがあったとのこと。そこで、ケンタッキーは年間を通じて食べられる外食に選ばれるべく、2つの改革を実行しました。
<500円ランチ>
<20年1月6日からレギュラーメニューとして定着しました。消費増税で家計が苦しくなる中、ワンコインで食べられる手軽さと美味しさを兼ね備えた500円ランチは、一年中選ばれる外食となったのです。
(中略)すべて単品で購入した場合、合計910円(税込み)するセットが、500円で食べられる>
<期間限定のキャンペーン商品>
<昨年6月、ケンタッキーは創業49年を記念した「創業記念パック」を発売し、こちらも売上に大きく貢献しました>
期間限定品は業界のトレンド。ただ、前述のコマーシャルに関して言えば、新メニューや期間限定メニュー開始のタイミングで集中的にCMを打つ業界の常識とは異なる戦略を取っています。ケンタッキーは日常食であることをアピールするために、恒常的にCMを流し続けたそうです。こっちの方が特徴ではないでしょうか。
●実は外食企業ではなかったケンタッキー、家で食べるものを買うお店
私は別記事でケンタッキーフライドチキンはむしろ新型コロナウイルスで売上を伸ばした…と読んでいたので、上記の話は想定と異なりました。ひょっとしたら記事の後半に書かれていたのかもしれませんけど、有料部分で読んでいません。で、別記事を検索。<3月のコロナ禍を乗り切ったKFCとモスバーガー 好調だった「シェアBOX」と「ライスバーガー」 ITmedia ビジネスオンライン / 2020年4月28日 7時15分 長浜淳之介>という記事が出てきました。
<3月、外食産業における上場企業各社の既存店売上高は、ほとんどの業種業態で前年同月を下回っており、非常に苦しんでいる。(中略)そうした中で、傑出した業績を上げたのが、日本KFCホールディングスだ。「ケンタッキーフライドチキン」チェーンの3月の既存店売上高は前年同月比108.2%と、2桁に迫る驚異的な伸びを見せた。また、モスフードサービス「モスバーガー」も、同100.9%と好調であった>
両社に共通するのは、テークアウト比率の高さ。私の地元なんかではケンタッキーフライドチキンのドライブスルーがえらいことになっているのを見ましたが、どうももともと持ち帰りが多いお店だったみたいですね。デリバリーも含めて、KFCが7割、モスバーガーも6割でした。
外食というカテゴリーでくくられるのですが、店内で食べるイートインより、テークアウトが中心であり、半分以上中食の業態だといいます。もちろん3月以降は400店ほどあるドライブスルーの売り上げが急増しており、ケンタッキーではテークアウトの比率がさらに上がって8割くらいになっているそうです。
こちらの記事によると、ケンタッキーは新型コロナウイルス問題にもうまく対応していました。持ち帰り需要の増加を見越したキャンペーン商品「シェアBOX」を投入。やはり嘘ではなく、マジでお得なセットとなっていたようです。緊急事態宣言があった4月はどうなるか不明ですが、今のところよくやっている感じです。
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