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口紅・化粧品として多用のカルミン、アメリカでは? コチニール色素とカルミン酸って違うものなの?


2012/5/30:
コチニール色素とカルミン酸って違うものなの?
カルミンとカルミン酸・コチニール色素がごっちゃになっている
日本で口紅・化粧品として多用されているカルミン アメリカでは?
アレルギーは化粧品由来だが、むしろリスクが低いと推察できる理由
アレルギー持ちが注意すべきもの 消費者庁が例示


●コチニール色素とカルミン酸って違うものなの?

2012/5/30:コチニール色素がアレルギーの原因というデマ 消費者庁の注意喚起が拡散に寄与?で書いた口紅について補足。

 Wikipediaを見ると、コチニール色素の「本質はアントラキノン誘導体のカルミン酸であることから、カルミン酸色素とも呼ばれる」と書かれています。本質は~などというわかりづらい書き方をしていますが、平たく言うとコチニール色素の主成分がカルミン酸だと言うことだと思われます。

 このカルミン酸については、さらに別名として「カルミン、カーミン、コチニール、Crimson Lake、Natural Red 4、C.I. 75470、E120」を挙げており、たくさん呼び名があるようです。ややこしいですね。

2018/10/21追記:キリヤ:コチニールでは、カルミンレッドK・カルミンレッドMK-40は、エンジムシから得られた、カルミン酸を主成分とするものと説明。「主色素はアントラキノン系カルミン酸」とも書いています。

 別名を「カルミン酸色素, Carminic acid」、簡略名を「カルミン酸 、コチニール」としていました。さらに食品への表示例として、「コチニール色素、カルミン酸色素、着色料(カルミン酸)、着色料( コチニール)」と列記。これらは基本的に同じだと考えられます。


●カルミンとカルミン酸・コチニール色素がごっちゃになっている

2012/5/30:ただ、この件に関して詳しく、前回も引用したわかりにくいコチニール色素問題を読み解く(2012年5月16日 フードコムネット 松永和紀)での書き方としては、以下のような感じ。
 消費者庁が問題にしているのは、コチニール色素(主成分カルミン酸)のほか、水溶性であるカルミン酸にアルミニウムを結合させて不溶化した「カルミン」、さらに、雲母チタンをカルミンで被覆したものです。

 重要なのはカルミン。エンジムシからカルミン酸を抽出し、アルミニウムを結合させてカルミンを製造する段階で、どうしても、虫にもともと含まれていたタンパク質が一緒にくっ付いてしまいやすく、カルミンは食品添加物であるコチニール色素に比べて、はるかにタンパク質が混入しやすい、というのです。つまりは、アレルギー症状を引き起こしやすい、ということです。

 カルミン酸にアルミニウムを結合させて不溶化したのが「カルミン」なのですから、カルミンとカルミン酸、あるいはコチニール色素とカルミンは別のものという書き方。厳密には別であるものの、一緒くたにされているのかもしれません。


●日本で口紅・化粧品に多用されているカルミン アメリカでは?

 以下、こちらに倣って別のものとして書いていきますが、日本でカルミンは食品添加物として認可されていないそうです。しかし、「諸外国では天然着色料として用いられて」おり、「食品安全委員会添加物専門調査会で、リスク評価の審議が行われている」ところだとされていました。

 一方、「化粧品としては、国内外で多く使われており、日本でも大手ブランドの口紅などに、ごく一般的に用いられて」いるということで、ここで口紅の話が登場してきます。

 アメリカなどは、"日本食品化学学会が編集した「食品添加物活用ハンドブック」によれば、米国で目の周囲に塗ることができる化粧紅はカルミンのみとされている"のですから、むしろ他のものは使っちゃダメなように読み取れます。


●アレルギーは化粧品由来だが、むしろリスクが低いと推察できる理由

 ただし、コチニール色素による食物アレルギー発症者の多くは20歳代~50歳代の女性で、男性は非常に少ないということがわかっているため、化粧品使用の影響が以下のように推察されています。

1.不純物であるタンパク質が混入しやすいカルミンを用いた口紅を、連日のように塗る。
2.タンパク質が皮膚から体に入り込む。
3.ごく一部の人は感作される(体がそのタンパク質に対して敏感な状態になる)。
4.その後に、食べ物でコチニール色素を摂取して、急性症状であるアナフィラキシーになる。

 こうやって書くとすごく恐ろしいのですが、コチニール色素がアレルギーの原因というデマ 消費者庁の注意喚起が拡散に寄与?で出てきたように、むしろ被害者は多くないアレルギーです。記事では、茶のしずく問題との類似性を指摘した上で、被害が少ないことも指摘していました。
 大手ブランドや、成分を吟味することで有名な化粧品メーカーの口紅にも、カルミンは使われています。しかし、多数の製品に用いられているにもかかわらず、現状では茶のしずく石鹸問題のように患者が多発しているわけではなく、症例報告も少ない、という事実があります。そのことをしっかりと把握しましょう。小麦タンパクに比べて食べる量が非常に少ないことが、症例が少ない一つの要因ではないか、と思われます。

 さらに、"コチニール色素は、(中略)安全性評価が手厚く行われ海外でも使われており、ほとんどの人たちにとって安全性の高い着色料と言えます"ともありました。ただ、少しでもリスクを回避したいという判断で使わないのはもまた自由。非科学的なデマを流さずに、自分の中で収まっている話ならそれで良いでしょう。


●アレルギー持ちが注意すべきもの 消費者庁が例示

 前回ちゃんと書いていなかったので、コチニール色素に関する注意喚起(PDF 平成24年5月11日 消費者庁)から「コチニール色素が原因と疑われる場合には、以下を参考に、コチニール色素を含む製品の使用や摂取を避けるようにしてください」として例示しているものを引用しますので、参考にしてください。

<製品の表示におけるコチニール色素の記載箇所と表示名>
○医薬品:添付文書や外箱などの「添加物」の項目
医薬部外品、化粧品:容器や外箱などの「成分」の項目
「コチニール」、「カルミン」、「カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン」、「カルミン被覆雲母チタン」

○食品:原材料名の欄
「コチニール色素」、「カルミン酸色素」、「着色料(コチニール)」、「着色料(カルミン酸)

(2013/1/13追記:コメントいただいたので追加しておきますが、「口紅"など"」ですので、口紅以外ももちろんあります。ピンク等の赤系シャドウでなったとのこと。その他、アセロラドリンクでという話もありましたが、こちらはカルミン酸色素が使われています)


【本文中でリンクした投稿】
  ■コチニール色素がアレルギーの原因というデマ 消費者庁の注意喚起が拡散に寄与?

【関連投稿】
  ■茶のしずく問題、悠香の対応は?厚労省の評価は?
  ■医療・病気・身体についての投稿まとめ

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