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オランダ病と資源の呪い、資源大国は不幸な国?


 資源に関しては、日本は資源大国であるって本当?
やシェールガスシリーズのシェールガス革命はアメリカの製造業の救世主となるかを書いたのですけど、資源があるのは悪いことだという記事も読みました。

 記事はかなり古いもので、時間ができたので2010年に読んでいなかった記事を今頃になって読んでいたものの一つです。


 アフガニスタンが唱える「明るい展望」に違和感を覚えるワケ 1兆ドル相当の鉱物資源は、「本当の富」をもたらすのか(要登録 日経ビジネスオンライン 2010年6月25日 谷口正次)というこの記事のメインの話はアフガニスタンですが、より一般的に資源の話があるのは終盤です。

 問題は、たとえその資源が実際に採掘されることになるとしても、アフリカ、アジアそして南米の多くの資源産出国が経験しているように、まんまと“資源は呪い”の餌食になる恐れがあるからだ。単純に「展望は明るい」と言えないのが、この世界である。

 ここで6月15日、ニューヨーク・タイムズの記事について論評したクリスチャン・サイエンス・モニター(The Christian Science Monitor: Donald Marron 2010-June 15、電子版)を要約して紹介しておこう。

 「貧しい国は、貧しい人々が宝くじに当たることを夢見ると同じように石油が発見されることを夢見る。しかし、その夢はしばしば悪夢に変わる。それは、彼らが見つけた宝物の新規輸出国として得るもの以上の災いをもたらすと言うことを悟ることになるからだ」

 ベネズエラの元石油相であるホアン・パブロ・ペレス・アルフォンソ氏は石油のことを“悪魔の排泄物”に例えた。サウジアラビアの元石油相であるアーメド・ヤマニ氏は「『我々は石油ではなく水を発見していたら良かったのに』と語った」と言われている。今は引退した彼らは、天然資源に依存することは1国の経済的・政治的システムを毒する道を辿るという苦い経験を回顧しての発言だ。

 そして、資源の悪い作用の典型を示す用語として最初に出てくるのが、タイトルにしたオランダ病であり、資源の呪い(谷口正次さんは「資源は呪い」と訳しています)です。


 なお、次の引用部で出てくるハードカレンシーとは国際通貨のことですので、そう置き換えて読んでください。

 代表的には米ドルですが、ユーロ、日本円、イギリスポンド、スイスフランなどもハードカレンシーとみなされることが多いようです。

“オランダ病”とは、1960年代に発見された北海の天然ガスで潤ったオランダが、1970年代になって見舞われた深刻な副作用のことを指す。

 すなわち資源の輸出によるハード・カレンシーの流入が物価を押し上げ、非オイルビジネスの競争力を損ない資本不足に陥る。結果として、製造業の生産性向上の芽を摘んでしまい、失業者が増加、若者の教育レベルが低下し、セーフティネットのための社会保障費が大幅に増えることになる。そして、資源を担当する政府関係当局者たちは利権漁りのために、民主的な手続きを避け、汚職が蔓延する。そして資源利潤を無駄に遣ってしまい、ブームが去ってみると国の債務は資源発見前より増えている始末。

 これが“資源は呪い”だ。これらの現象は、エネルギー資源でも鉱物資源でも全く同じである。


 オランダ病のWikipediaの説明も載せます。

天然資源と経済成長との関係において使われる言葉。天然資源の輸出によって通貨の為替レートが上昇して工業品の輸出が廃れ、国内製造業が廃れてしまう現象。

欧州における天然ガスの大産出国であるオランダでは、1973年に発生した第一次石油危機の後、エネルギー価格高騰に伴う天然ガス売却収入の増大が起こり、この収入を原資に高レベルの社会福祉制度が構築された。

しかし、天然ガス輸出拡大によって通貨ギルダーの為替レートが上昇し、同時に労働者賃金の上昇による輸出製品の生産コスト上昇も加わり、工業製品の国際競争力が急速に落ちたことから経済が悪化。経済の悪化に伴い、経済成長下で増大させた社会保障負担が財政を圧迫し、財政赤字が急増した。

 私は輸出企業が円高を敵視するのをいつも矛盾だと思いますが、輸出が増えれば通貨高が進みます(円安、円高のしくみ(受給要因)を参照)。輸出を至上とし、信奉すると、いつか必ず破綻します。


 続けてもう一つ、資源の呪いのWikipediaも。

資源の呪い(しげんののろい、英:resource curse、paradox of plenty)とは、資源の豊富さに反比例して工業化や経済発展が遅れる現象を指す経済用語である。豊富さの逆説ともいう。


一般に資源を豊富に有する国家は、その富を糧に経済活動を活発化させ、成長すると考えられている。しかし、実際そのような国家が必ずしもそのような結果に至っている訳ではなく、むしろ発展途上である場合が多い。


経済成長が進まない原因

豊富な資源が経済発展に結びつかない原因として、イギリスの経済学者リチャード・アウティは以下のような事例があるとした。

資源に依存し、他の産業が育たない
資源確保の為過度な開発が進み、土地が荒廃する
資源確保をめぐる内戦や政治腐敗の進行
資源の富が宗主国に吸収される


資源の呪いから抜け出す動き

このような傾向に陥らないように、資源国ではそれを回避する政策が取られている。例えば、カザフスタンでは国富ファンドを設立し、資源から得た富を積極的に投資に回し資源に依存しない収入源としている。このような動きはノルウェーやモーリタニア、イランでも行われているが、一方でベネズエラやナウルなどでは未だに資源に依存したモノカルチャー経済となっており、これの脱却が課題である。

 日本は資源大国であるって本当?などでは、日本人が資源大国になるかもしれなくても他力本願的に待っているだけじゃいけないといったことを書きました。

 これらを見ておくと、実際、バランスよく頑張らないとダメだですね。楽しようと思うとしっぺ返しを食らうのです。


 関連
  ■日本は資源大国であるって本当?
  ■シェールガス革命はアメリカの製造業の救世主となるか
  ■円安、円高のしくみ(受給要因)
  ■輸出、円高、デフレの嘘と日本の人件費
  ■実質実効為替レートや実質為替レートで見ると超円高は嘘
  ■その他の経済について書いた記事

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