2009/7/19:
●犯罪者にDQNネームが多いって本当?海外で研究論文があった!
●指名手配している凶悪犯リストに出ている名前を見てみると…
●日本では珍名と児童虐待が相関するという説も…差別偏見か?
●犯罪者にDQNネームが多いって本当?海外で研究論文があった!
2009/7/19:あまり一般的ではない、あるいは、異性的な名前を付けられた子どもと少年犯罪の関連性に関する研究が、Social Science Quarterlyに発表されました。シッペンズパーグ大学のデービッド・カリスト教授によるものです。
これは日本でよくある「犯罪者にDQNネームが多い」的なものだと考えられます。仮に関係があるという結論であった場合、差別に繋がりかねないものでかなり扱いの難しい研究だとも言えますね。
で、その肝心の結果はどうであったのか?と言うと、あまり一般的ではない、あるいは、異性的な名前を付けられた子どもは、少年犯罪に関わる傾向が強いという、一般的な予想通りの結果になってしまいました。
(以下、
奇妙な名前を付けられた子どもは犯罪に手を染めやすいことが統計で証明される(GIGAZINE、09/7/7)より)
●指名手配している凶悪犯リストに出ている名前を見てみると…
調査ではアメリカで見られる15000の名前について、Michael(マイケル)の知名度を100とした場合David(デイビッド)では50、Tyrell(タイレル)では1などのように知名度を設定しています。客観性がある良い分類ですね。
で、この知名度が10%上がると4%犯罪率が低下するということが分かったとのこと。逆に言うと、知名度が低くなるほど、犯罪率が上がるということです。もっとわかりやすく言うと、珍しい名前の人たちほど犯罪率が高いということになります。
ただFBIが指名手配している凶悪犯のリストには一般的な名前が並んでいます。知名度が低い名前ばかりではなく、逆に知名度が高い名前ばかりなんですね。差別・偏見だけでなく、この研究の結論はこうした面でも注意が必要でしょう。事実は単純ではありません。
また、カリスト教授は「名前が犯罪傾向の直接の原因というわけではなく、つけるべきではない名前のリストを作るのは統計的には問題がある」としています。珍しい名前をつけてはいけないと主張するわけでもないようです。
それでも、「例えば劣悪な家庭環境であったり、経済的不遇であったり、両親が離婚していることなど、あまり一般的でない名前の付け方と犯罪の要因となるような社会的環境には何らかのつながりがあるようだ」とも語っています。
●日本では珍名と児童虐待が相関するという説も…差別偏見か?
上記の研究は「犯罪」に関してですが、以前書いた
キラキラネームでも親に名前を決める権利がある?裁判所の見解は…で紹介した
ネーミングで、とりかえしのつかない一歩を踏み出さないために(INSIGHT NOW!)では「奇妙な名前」と「児童虐待」を関連付けていました。
もう1度紹介すると、「凝った名前を付ける親は児童虐待しやすい」(珍名にみる社会学)、「凝った名前に横やりを入れる人が周囲におらず、虐待のストッパー(歯止め役)がいないことの現れ」(大阪大学の西沢哲・助教授)などの意見です。
ただ、そのときも書きましたが、これはやや偏見が強すぎるようにも思えます。「奇妙な名前」との相関性よりは、直接「劣悪な家庭環境」との相関性を調べた方がずっと役に立つのではないかと思ってしまいました。
とりあえず、「犯罪」「児童虐待」といったネガティヴな要素と「奇妙な名前」とを関連付けて考える人が、日米共にいるというのは気になるところ。こう言った偏見を持たれることは、「奇妙な名前」を持つ人の宿命だとは言えるかもしれません。
差別・偏見を正当化するわけではないものの、差別・偏見を持たれやすいということからすると、奇妙な名前を避けた方が良いとは言えてしまいそうでした。
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