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春山哲也九州工業大教授が画期的なアンモニア合成法を開発


 二酸化炭素などでの画期的な新技術に関する話をまとめ。<春山哲也九州工業大教授が画期的なアンモニア合成法を開発>、<CO2削減の切り札CO2製プラスチック すごいけど、本当なのか?>、<「2011年前半には本格的な商用段階に入る」とされていた>などをまとめています。


●春山哲也九州工業大教授が画期的なアンモニア合成法を開発

2019/01/22:九州工業大大学院生命体工学研究科の春山哲也教授が、肥料の原料として世界中で生産されている水素と窒素の化合物「アンモニア」の新しい合成法を開発したそうです。

 現在の製造はほぼ100%、1913年に実用化された「ハーバー・ボッシュ法」を採用。天然ガスに含まれる水素を高温、高圧で窒素と合成し、アンモニアを生み出すというもの。ただし、大規模な工場が必要で、二酸化炭素(CO2)を排出することにもなるというデメリットがありました。

 一方、春山教授は、水の表面の水素原子が他の原子と反応しやすい性質に着目。空気に電気を流し、刺激を与えることで、空気中の窒素原子と水の表面の水素原子が結合して水中にアンモニアが溶け出すしくみだといいます。この手法のアンモニアの合成に実験室レベルですでに成功しています。

 また、共同研究する国内の企業と世界各国に特許を出願しているとのこと。さらに、現在は実用化に向け、実証プラントの建設を計画中としていました。
(アンモニアに新合成法 水と空気だけ、コスト大幅減 九工大の春山教授開発|【西日本新聞】 2019年01月19日 06時00分より)

 ただ、ラボテストで成功してスケールアップします…としつつ、プラントスケールまで行かないということはよくあります。それから、特許は実現性と関係ないというのも、STAP細胞問題や黄禹錫元教授の細胞問題で有名になったこと。慌てずにのんびり続報を待ち、うまくいってから喜びましょう。


●積水化学工業がゴミをエタノール変換する世界初の技術

2017/12/08:積水化学工業は12月6日、米LanzaTechと共同で、ごみを丸ごとエタノールに変換する生産技術の開発に世界で初めて成功したと発表しました。

 ごみを分子レベルに分解する「ガス化」の技術は、以前より確立されていました。微生物触媒を使ってこのガスを分解する技術もあります。しかし、収集されたごみは雑多で、ガスにはさまざまな夾雑物質(余計な物質)が含まれるため、微生物触媒の利用が難しいとされていたそうです。

 今回の技術の売りは、こうした点を克服したこと。ごみ処理施設に収集されたごみを分別することなくガス化し、微生物によってこのガスを効率的にエタノールに変換できるというものでした。熱や圧力を用いることないということで、「まさに“ごみ”を“都市油田”に替える技術」だとアピールしています。

 どうやってこれを成し遂げたのか?というと、夾雑物質(余計な物質)は今まで通りあるものの、リアルタイムでモニタリングしてそれらを特定して、微生物の方の生育状態を調整し、活性を一定に維持するといったものです。

 本格的な工場を建設する前の実験工場であるパイロットプラントは既にできています。2014年から3年間、実際に収集したごみを、極めて高い生産効率でエタノール化することに成功したとしていました。実用プラント稼働は2019年が目標だそうです。
(ごみを丸ごとエタノールに変換 世界初の技術、積水化学など開発 [ITmedia] 2017年12月06日 13時10分 公開より)


●積水化学工業の主張は本当なのか?懐疑的な声も

 こうした新技術の話というのは、わくわくしておもしろいのですが、あまり取り上げないようにしています。というのも、ほとんどのケースで実用化に至らないためです。

 当初書いていた二酸化炭素の話というのも、その後音沙汰ないというものでした。他にも、石油合成が胡散臭いと評判、元京大の今中忠行立命館大教授の経歴という投稿もしています。

 今回の件でもはてなブックマークで、懐疑的な声がいくつか出ていました。

hiroharu-minami これ、収率とか残渣発生量や処分方法がまるで書かれてないのがいかにも怪しく、結局実用時にそこが引っかかってコケるパターンじゃないのかと。
doramao 面白いので話半分に読んだ
jabberwock110 大量の電力を消費したりしない?前にゴミを圧縮してガソリンを作れる奴みたらコスパが悪かったけど

 プレスリリースについてのリンクもありました。“ごみ”を“エタノール”に変換する世界初※1の革新的生産技術を確立|新着情報|積水化学(2017年12月6日)というものです。

blueboy プレスリリース → https://www.sekisui.co.jp/news/2017/1314802_29186.html / コストは従来の石化製品とだいたい同じぐらいまで下がったそうだ。実証プラントを作って生産開始するらしい。/ 不純物があるので、食用にはならない。

 読んでみると、コストについては、「既存プロセスに比べ十分に競争力のあるコストでの生産を実現・実証」という書き方。また、当初の投稿であったCO2絡みの話もあり、従来のゴミ焼却に比べて、ライフサイクルアセスメント(LCA)評価でCO2排出を135%削減したとしています。

 それから、やはり当初の投稿で出てきたプラスチック利用についての話もあり、夢の技術的なところがあります。

"既存化学プロセスの活用でエタノールをエチレンモノマーやブタジエンモノマーに変換することで、身近なプラスチック等の有機化学素材に誘導することが可能"

 で、以降がその当初の投稿です。


●CO2削減の切り札CO2製プラスチック すごいけど、本当なのか?

2012/6/13:読み終わっていなかった2010年の日経ビジネスオンラインのメルマガをやっとこひと通り読み終えたところなのですけど、その中にすごくおもしろい記事がありました。そんなうまい話が本当にあるのか?と思いますが、CO2で格安プラスチック(要登録 日経ビジネスオンライン 2010年8月24日 水野 博泰)という記事です。

 「一般的なプラスチックの原料は原油」です。エネルギーの話で石油のような影響力の強いものは他にないと過去に書きましたけど、石油はエネルギーだけでなく、様々な製品によっても我々の生活に多大な貢献を果たしているところがまたすごいのです。

 そんな中で、"地球温暖化ガスとして忌み嫌われるCO2(二酸化炭素)"を"活用し、環境に優しいプラスチック(合成樹脂)を製造する技術を開発したのが、米マサチューセッツ州ボストン郊外に本拠を構える化学ベンチャーのノボマー"。実を言うと、ノボマー方式でもやっぱり原油を使うようです。

 しかし、ノボマー方式が十二分に夢のような話であると思えるのは、"重量比で半分をCO2で代替できる"ためです。プラスチックの大半の部分は炭素(C)・水素(H)・酸素(O)原子でできていますので、そのうちの炭素(C)・酸素(O)原子を主にCO2で賄うということでしょうね。

「米国で消費される原油の約10%がプラスチック製造に使われている。その半分を削減できるのに加えて、年間数百万~数千万トンものCO2を大気中に放出することなく有効活用できる」(ジム・マホニーCEO(最高経営責任者))

 ノボマー方式のCO2プラスチックの"応用範囲は飲料ボトルからコーティング剤・塗料、おむつに使われる吸水素材(原料に一酸化炭素を利用)まで幅広い"そうで、巨大なインパクトになります。


●「2011年前半には本格的な商用段階に入る」とされていた

 ノボマー方式で"カギとなる技術は、特殊な化学反応を誘発したり、反応を促進させるための「触媒」"です。「ベビーパウダーのような白い粉」と書かれていましたが、私はベビーパウダーがさっぱりわかりません。

 それは良いとして、この「ベビーパウダー」な触媒がまた調子の良い話で、「わずか1gで30kgのポリマー(重合体)を合成でき」、「触媒そのものは回収・再利用が可能」なんだとか。嘘をつくのならもう少しマシな嘘をつけよというほど、夢みたいな話の連続です。

 しかし、これだけではなく、CO2プラスチックには他にも売りがあります。プラスチックの新原料となるCO2は、当初は主にエタノール工場で入手する…というのが味噌。補助燃料として注目されるエタノールが、製造過程で大量のCO2を排出しており、これを利用するのが売りでした。

<これを高純度のまま回収して格安価格で購入。圧縮した状態で既存の石油化学プラントに運び込み、ノボマー製触媒を利用して様々なプラスチック製品を合成する。既存設備をわずかに改修するだけで済み、原料の半分がタダ同然で手に入るため、化学メーカーにとっては価格競争力を高められるという利点がある>

 2010年の記事なのに今の今まで全然知らなかったわけで半信半疑なのですけど、記事当時、以下のようなところまで行っていますから、ホラ話でもなさそうです。もし嘘だったらかなりスケールのでかい詐欺ですね。かなりお金を集めています。

<2009年にはシリーズB(商用化の直前段階)の資金調達で1400万ドル(約12億円)を集めたほか、コーツ教授らが研究開発を進めるための拠点(コーネル大学近く)を置くニューヨーク州からも補助金を得た。今年に入って、オランダの大手化学メーカーDSMとも製品の共同開発で合意。さらに米エネルギー省から米国再生・再投資法に基づき計2050万ドル(約17億6000万円)の補助金を得た>

 ちなみに「日本を含め世界の化学メーカーや消費財メーカーとも様々な商談が進行中」ともありました。これは「2011年前半には本格的な商用段階に入る」(マホニー氏)ということでしたから、予定通りであれば既に商用段階に入っているはずです。

 そして、今どうなっているのだろう?と気になり、過去1年以内で検索してみると、「ノボマー」でのヒットは僅かに7件。しかも、7件とも無関係の「ノボマー」か、リンク先を探しても該当するキーワードが不明というものです。じゃあ、私の言及が日本では今年初なのかも…。本当に夢物語のまま終わちゃったんでしょうか?


●二酸化炭素から簡単にエタノールを生成する方法を発見

2016/10/19:同じCO2絡みでの画期的というか、胡散臭い新技術のニュースがありました。CO2から簡単にエタノールを生成する方法が偶然みつかる。常温反応で高効率、低コストが特長 - Engadget Japanese( BY Munenori Taniguchi 2016年10月19日 10時45分)というものです。

 記事によると、米テネシー州のオークリッジ国立研究所の研究者が、意図せずして二酸化炭素(CO2)から非常に簡単にエタノールを生成する方法を発見したと発表しました。これまでは藻や光触媒などを利用する方法がありましたが、新しい方法ではナノサイズの銅とカーボン、窒素を用いる常温の反応だけでエタノールを作り出せます。

 The journal ChemistrySelectに掲載された論文について、記事では「ざっくり説明」してくれています。はシリコンの上に配置したナノサイズの銅と炭素に、ドーパントとなる窒素とわずかな電圧を供給するだけでCO2を溶かし込んだ水を63%という効率でエタノールに変換する連鎖反応を引き起こすことができるとのこと。

 この反応は常温で起こるうえ反応促進のための副反応が小さく、非常に純度の高いエタノールが得られるため、そのままアルコール燃料として利用したりちょっとガソリンを混ぜてフレックス燃料仕様の自動車を走らせるといった可能に。夢の技術ですね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■石油合成が胡散臭いと評判、元京大の今中忠行立命館大教授の経歴

【関連投稿】
  ■石油は植物の化石…は間違いだった?近年注目の石油無機起源説
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