手話を駆使するローランドゴリラがいて、虫歯についてもちゃんと伝えて治療してもらったという話がおもしろかったので、記録していました。
ココについて検索してみると、結構有名なようで他にもエピソードがあります。猫を気に入ってペットにしていて、死んだときに号泣したという人間のような話や、死について理解していていて死生観を語ったという話がすごいです。(2017/09/22)
2017/09/22:
●ローランドゴリラのココ、手話を交えて「歯が痛い」と訴え虫歯の治療を受ける
●ココは単独でWikipediaページもある有名ゴリラだった
●おねだりしてもらったペットの猫が死んで号泣
●死を理解し死生観をも語るココ
2019/03/02:
●手話を使うローランドゴリラのココの話は嘘やらせ?研究に批判
●動物が人間以上の賢さを示した研究は過去にも存在しない?
●ローランドゴリラのココ、手話を交えて「歯が痛い」と訴え虫歯の治療を受ける
2017/09/22:昔メモしたもので、URLは不明なのですが、毎日新聞の2004年8月9日の"<ゴリラ>手話で「歯が痛い」 米加州で治療受ける"(國枝すみれ)という記事の話。
アメリカのカリフォルニア州ウッドサイドに住む雌のローランドゴリラ「ココ」は、ゴリラの知能を研究するゴリラ基金で飼育されました。1歳のときから手話を学び始め、約1000の手話サインを習得。英語も約2000語のボキャブラリーがあり、話すことはできないが、言われたことは理解できるというので、嘘くさいと思うほどです。
このココは33歳のとき、手話で痛みを意味するジェスチャーと口を指さすしぐさを繰りかえしました。でも、飼育員は深刻に捉えなかったのか、約1カ月もそのままだったようです。
あまりに繰り返したせいか、飼育員がココに痛みのひどさを表すチャートを渡すと、「最も痛い」を意味する「10」を指しました。めちゃくちゃ痛い!と訴えています。そこでやっと3人の歯医者を含む12人の専門家が招かれ、ココの全身を検診し、問題の虫歯を無事抜くことができました。
彼女は麻酔をかけられる前、専門家たちとの面会も要求しました。赤い服を着た女性医師に「もっと近くに来て」と手話で話しかけ、女性が名刺を差し出すと、むしゃむしゃ食べたとのこと。これはゴリラらしいかどうは別として、人間っぽくない微笑ましい対応でした。
●ココは単独でWikipediaページもある有名ゴリラだった
検索すると、
単独でWikipediaページがありました。1971年7月4日生まれで、世界で初めて手話(アメリカ手話言語)を使い人間との会話に成功したゴリラであるとされているとのこと。
日本と縁があるわけではないようですが、本名のハナビコは「花火子」と書き、これはココの誕生日のアメリカ独立記念日にあがる花火からついた名前だそうです。日本人もペットに外国語の名前を使いますからね。そんな感覚なのでしょう。
2012年現在、使うことの出来る手話(単語)は2000語以上になり、嘘やジョークを言う事もあるとのことでした。
●おねだりしてもらったペットの猫が死んで号泣
このページにあったペットの猫のエピソードがすごいです。
飼育係のパターソンさんがココに絵本を読み聞かせていたところ、ココは絵本に出てきた猫を気に入ったようです。しかも、誕生日プレゼントに猫をおねだりしました。そこでおもちゃの猫を与えてみたものの、ココがこれを気に入ることはありませんでした。おそらく本物ではないというのが、気に入らなかったのでしょう。
ゴリラが別の動物をペットとして飼育することができるのかの実験も兼ね、本物の生きた子猫を与えることとなりました。 3匹の子猫が候補となり、ココはその中の自分と同じようにしっぽのない1匹を選び、ボール(ALL BALL)と名付け、2匹の生活が始まりました。
私も心配に思ったのですが、当初飼育員達は、ココがボールを殺してしまう事を危惧していたそうです。しかし、ココはボールの体を舐めたり、抱きかかえたりして、愛情を注いでボールの事を育てていました。
ところが、ボールは別の理由で亡くなります。車に轢かれて死んでしまったのです。飼育係のパターソンさんがそのことを手話でココに伝えたところ、ココは少しの沈黙の後に「話したくない」と答えました。
私はこの時点で涙が出たのですが、続けて彼女は手話でボールへの愛情や悲哀の言葉を繰返し、大きな声で泣き続けたとのこと。この時の様子は映像としても残っており、ココの悲しむ様子もハッキリと確認できるそうです。
●死を理解し死生観をも語るココ
上記の逸話でわかるように、彼女は「死」の概念も理解していました。手話で「ゴリラはいつ死ぬのか?」と問われると「年をとり 病気で」と回答。さらに「その時何を感じるのか?」という質問には「眠る」とだけ答えました。 そして、「死んだゴリラはどこへ行くのか」と聞くと、「苦痛のない 穴に さようなら」といった死生観を示しています。
なお、その後もペットとして猫を飼っており、LIPS LIPSTICK、SMOKY、と代替わりし、2015年頃はタイガー(TIGER)と名付けた猫と、仲良く一緒に暮らしていたとのこと。救われたというか安心する情報でした。
というか、ゴリラって長生きなんですね。メモが古かったので、てっきりもう亡くなっているものと思っていましたが、その情報はなし。1971年7月4日生まれとのことですから、2017年も存命なら46歳です。
●手話を使うローランドゴリラのココの話は嘘やらせ?研究に批判
2019/03/02:死亡情報がなくずいぶん長生きだと思ったのですけど、本当に死んでいなかったようです。2018年6月19日に46歳で死亡したとのこと。
また、私が以前見た時点のWikipediaにはなかった(履歴を見ると2018年9月1日に編集されたもの)のですけど、嘘やらせ捏造の類ではないかといった批判があるとのこと。この批判にはWikipediaルールで必要とされる出典が一切ないという怪しいところがあるものの、内容自体は説得力があるものです。
<研究方法について>
心理学者マーク・サイデンバーグによると、ココが手話を話せるかについては、発達心理学の研究者のフランシーヌ・パターソン博士らが独自に行なった研究であり、一般的な研究方法や査読をされた論文では報告がされていない。
<独自の手話>
ココが使用していた手話は一般的なアメリカ手話ではなく、ココが作り出したゴリラ手話というもので、ココの会話を読み解けるのはパターソン博士と数人だけだった。恣意的な読み解きをしていたのではないかという批判がある。
一般人と会話をするイベントも開催されていたが、全てパターソン博士が翻訳として入っている。さらに、会話が通じなかった場合に「嘘」や「ジョーク」として処理されていたのではないかとも言われている。
<猫の死で悲しむ映像>
TV番組で放送されたココが猫の死で悲しむ映像は、違う場所で撮影されたいくつかの映像を組み合わせたもので、ナレーションによって一連の映像のように編集されている。
●動物が人間以上の賢さを示した研究は過去にも存在しない?
当初の話で説明がなくて完全に勘違いしていたのが、「手話」というのが人間が使っている手話とは違うこと。こうなると、第三者が客観的に確認することはできません。というか、Wikipediaでは、「手話(アメリカ手話言語)」と明記してありましたので、そりゃそう勘違いするという話。この記述がまるっきり嘘だったってことですかね。また、信頼性の高い論文が出ていないというのは、疑似科学の典型的なパターンです。
こんなにすごい話が広く報じられていないというのはなぜだろう?不思議に思っていたのですけど、信頼性に問題があるからかもしれませんね。
最初にもちらっと「嘘くさい」と書いていたものの、深く調べなかったのは失敗でした。申し訳ありません。
人間より効率的にゲームを解くチンパンジーの研究があったので、あり得るのではないかと思ってしまいました。
なお、その後、
人間よりはるかにある種の記憶力が優れたカラスについての話も紹介しています。これも深く調べてはいないのですけど、一応、研究論文の中で出てきた話ですので、一定のレベルはクリアしています。
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