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日本の大手企業、コスト削減が目的化して必要なものまでカット


 ビジネスにおける本末転倒…な話をいろいろまとめ。コストカットが目的化して必要なものまでカットしまう日本の大手企業、節税が目的化して必要なものに使ってしまうという話、逆に利益を残さず使わなきゃ!と利益を使うことが目的となってしまうことへの注意などを書いています。

2019/01/30:
●コストカットにうるさい日本企業が頑なに拒んだ不思議な行動
●木を見て森を見ずなコスト削減 よく言われるコピー用紙の話
2020/07/01:
●日本の大手企業、コスト削減が目的化して必要なものまでカット
●むしろIT費用を増やした方がコストカットできる…提案にまさかの答え
2016/4/12:
●節税するより未来への投資を!「お客様を増やすこと」に使うべき
●でも利益の使い切りを目的とすると本末転倒になってしまう…


●コストカットにうるさい日本企業が頑なに拒んだ不思議な行動

2019/01/30:シンガポール移住前は、漠然と日本はシンガポールよりも優れていると思っていた税理士の大曽根 貴子さんは、次第にその考えを改めていきます。ローカルの税務署職員や大手会計事務所の所員と一緒に国際税務について学んでいて出てくる失敗事例がことごとく日本企業であったというのが、理由の一つ。

 国際税務について教えていた講師はよく、日本企業はロジカルではない、何年も赤字を垂れ流していても撤退しない日本企業は謎だと口にしていたそうです。日本企業は失敗の宝庫として、良いケーススタディになるといいます。

 当初は日本が優れていると思っていた作者の大曽根さんにも心当たりがありました。シンガポールに支店を持つ企業に対し、法人税の実効税率を下げるため支店から現地法人に組織形態を変更するようアドバイスしたところ、不可解な理由で断られたというケースです。

 シンガポールの法人税率は17%で、その支店の実効税率は12%。一方、現地法人にすれば8%以下になる試算。私は脱税はもちろん、租税回避行為についても良くないと思うのですけど、これは全然後ろ暗くない普通の対策でしょう。

 ところが、アドバイスに対してクライアントは、税金はいくらでも払うし、変更によって税務調査が入るようなことがあると嫌なので支店の形態を継続すると回答。コスト削減には厳しい会社なのにコストの一部である税金を減らすことよりも変化することを回避したことが印象的であったとともに、専門家としての無力さを感じたといいます。
(「日本企業」に失敗経営例を学ぶシンガポール人:日経ビジネス電子版(2018年7月19日)より)


●木を見て森を見ずなコスト削減 よく言われるコピー用紙の話

 この話は、日本企業は非合理的な決定をする…という話に追記しようかとも思いました。ただ、「木を見て森を見ずなコスト削減」ってテーマに繋げようかと新規作成することに。検索すると、ちょうど良さそうな〝セコい〟コスト削減は百害あって一利なし | 総務 | 総務・法務 | 企業実務オンライン – 企業の経理・税務・庶務・労務担当者の実務情報メディア(2016年7月29日 14:55更新)という記事がありました。以下のようなあるあるネタが載っています。

「経費削減でお中元等の贈り先を減らすように指示する一方で、社長は年間数百万円の交際費を使っている」
「社長は運転手付きの高級外車に乗りながら、社員には6か月単位で定期代を支給する」

 コピー用紙の裏紙を使うような、みみっちい節約に時給の高い正社員を使うのは無駄といった話もよく言われますよね。そういった文脈ではなく、「1円〜2円の無駄を目の敵にして制限ばかり設けていては、そこで働く社員の気持ちが窮屈になってしまいます」というものでしたが、コピー用紙に絡む話もありました。

・ある経営者は、女子社員がコピーに失敗した紙を捨てようとしているのを見て、「俺の紙を勝手に捨てるな!」と叱った。
・ゴミ出し用の段ボールに使うガムテープの長さを「○センチ以内にする」という社内ルールを作った経営者もいる。

 あと、今回はそういう話を見つけてこなかったのですけど、コストカット以上に本当は売上を増やし利益を増やす方が大事という観点も必要ですね。コストカットには理論上の限界がありますが、売上・利益の上昇にはその限界がありません。より大きく利益が変わってくるのは、後者の方です。


●日本の某大手製造業、コスト削減が目的化して必要なものまでカット

2020/07/01:古い投稿で「コスト削減の際に忘れてはいけないこと」というタイトルで書いていた話がここにまとめると良さそうな内容でした。IT「あたま」を丸くしよう 小西一有(ガートナー・ジャパン),ITmedia 2010/08/18という記事の話です。

 作者の小西一有さんは、某大手製造業のIT部門長からIT部門の「コスト削減方法」を考えるように依頼されました。この企業では、各部門が日々継続的にコスト削減に励んでおり、IT部門もまたそうだったのです。現時点でもコスト削減に努めているのですが、さらにコスト削減したいと依頼されたんですね。

 ただ、作者の小西一有さんから見ると、この企業の「IT費用の総額は、同業他社と比べても圧倒的に少ない」ものでした。無駄に使っているお金もないですし、「基本的に新規の案件は全て凍結」という状態でもあったそうです。

 IT費用が少ない理由としては、「効率的にやっている」ということも一般的には考えらますが、この某大手製造業の場合は明らかに「やるべきことをやらないで、ただ費用を圧縮している」というケース。木を見て森を見ずとか、本末転倒とかいった感じになっています。


●むしろIT費用を増やした方がコストカットできる…提案にまさかの答え

 そこで、小西一有さんは説得にかかります。「貴社にとってITとは何でしょうか」「貴社はITに何を期待されているのでしょうか」と尋ねてみました。ただ、「当社にとってITは、安ければ安いほうが良いのです」というズレた回答が返ってきます。

 これに呆れたのか、小西さんは、「IT部門をすべて部門長含めて全員リストラすればIT費用はゼロになる、きっと褒められますよ」という趣旨のことを言ってIT部門長を怒らせてしまいました。これはやりすぎでしたね。ただ、「IT費用を削減するためにITやIT組織が存在する」なんてことはあり得ないわけで、IT部門長の考えは明らかに変でした。

 一応、小西さんはこの時点では諦めておらず、その後も、ITへの費用はむしろ増加させて一般管理費のコスト削減を行えば全体としては大きなコスト削減になるといったことを説明。ただ、IT部門長は、ある意味ぶれておらず、以下のような発言をして、前述のような主張を繰り返したそうです。

「わたしは、そんなことをあなたに聞いていませんよ。わたしは、IT費用を削減する方法をお尋ねしたのです」
「わたしは、会社全体のOperation Costを削減するMission を持っていませんから、そんな説明はわたしには無用です」
「(Missionを変更してくれるように働きかけては?という提案に)Mission を変更するというMissionはわたしにはありませんから、それはできません」

 「読者の中には苦笑されている方もおられるでしょう」という極端な例ですし、本当にこんな日本企業は実在するのか?というすごすぎる話です。ただ、作り話だとしても、人の振り見て我が振り直せ…で教訓になるんじゃないかと思います。

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●節税するより未来への投資を!「お客様を増やすこと」に使うべき

2016/4/12:1日36万円のかばん持ち――三流が一流に変わる40の心得の宣伝を兼ねた記事。小山昇さんの話はもともと好きですが、今回の記事はタイトルだけ見て作者は知らずに読み始めたものです。

 そのタイトルというのは、ハウステンボス、ディズニーランド、旭山動物園……3つの共通点とは?|1日36万円のかばん持ち|ダイヤモンド・オンライン(016年3月3日)というもの。この3つの共通点は、"お客様が飽きないように「利益を未来に投資」して、アトラクションや施設を常に新設している"ということだとしていました。

 記事では、最初に「今年はそれなりに利益が出ました。税金を払うのがもったいないので、役員になっている私の母親を退職させようと思っているんです」という相談があったんですよ。(お好み焼・鉄板焼店「きん太」(20店舗)を展開する株式会社テイルの金原章悦社長の話だそうです。

 これは節税が目的でした。「役員退職金には分離課税などの優遇がある」ためです。しかし、節税するより未来への投資をという観点から、それより"お店の 「壁紙」 を全部貼り替えて、キレイにしなさい"と小山さんはアドバイスします。

<節税よりも、お客様がひと目見て、「あ、変わったな」と思うことに投資するのが、正しい。中小企業にとって大切なのは、「年々売上を伸ばし、未来のお客様に利益を投資していくこと」です。お金は、「お客様を増やすこと」に使う>


●でも利益の使い切りを目的とすると本末転倒になってしまう…

 節税にばかり目が行ってしまう人はいます。節税が目的ではないはずなのに、そっちがメインになっちゃうことがあるんですね。ただ、逆に「せっかくだから使わなきゃ…」というのも、実は結構難しいと思うんですよ。とりあえず、この記事の例ではもちろんうまく行った!といったものです。

<「壁紙を変えただけで、売上が10%上がりました。また、『飽きさせないこと』が重要なら、『メニューにも手を加えたほうがよいのでは』と考え、季節限定メニューを取り入れました。
 ホールスタッフは、お客様の注文を待っているだけではなく、『冬厳選食材を使った、広島産特濃生牡蠣 バター醤油焼が人気です』とお声がけをして、季節限定メニューの推奨販売をしています」>

 ただ、私が難しいだろうと書いたのは、「使う」ということに頭が行くと、不必要なことに使ってしまう「無駄遣い」になりやすいため。お役所なんかは特にそうですね。もともと利益を出す必要はありませんので、予算を使い切るのが仕事になってしまっています。普通に民間企業を対象としたものとしては、経費は無理に増やさない 税金はたくさん支払う方が利益も多いがそういう話でした。

 あと、料理店における壁紙の張替えはなるほど!と思ったものの、スーパーのようなところの陳列変更なんかは良くないらしいですよ…ということで、日本の店舗レイアウトに反時計回りが多い理由と間違っている理由を紹介しておきます。

 ここで使った記事によると、商品の陳列場所を移動する「レイアウト変更」をすると売上が落ちるんだそうです。レイアウト変更した方が新奇性があっていろいろ見てもらえる気がするので、これは意外でしょう。こういう例があることも、何に投資すべきか決めるのは非常に難しいということを示しています。簡単ではないですね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■経費は無理に増やさない 税金はたくさん支払う方が利益も多い
  ■日本の店舗レイアウトに反時計回りが多い理由と間違っている理由

【関連投稿】
  ■中間管理職・マネージャーいらない論 グーグルは必要・不要どちらと結論づけたのか?
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  ■ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ
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