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違法ダウンロードで罰則がつく場合Q&A


★2012/6/24 違法ダウンロードで罰則がつく場合Q&A
★2012/6/25 違法ダウンロードに刑事罰導入反対,日本弁護士連合会会長声明


★2012/6/24 違法ダウンロードで罰則がつく場合Q&A

 同じ趣旨のものを既に私的違法ダウンロード刑罰化で具体的に何が変わる?で書いているのですけど、よくわかんない法律ですし、知らず知らずに犯罪を犯しそうな危ない法律ですので、しつこくやります。

 反対意見、さらに賛成意見などは、また別で紹介する予定です。


 今回の記事は日経新聞の違法ダウンロード、刑事罰新設でどう変わる?(Q&A) 著作権法改正で10月から規制強化(2012/6/23 7:00)です。

Q 違法ダウンロードとは。

A インターネット上に置かれたコンテンツのうち、権利者に無断でアップロードされた海賊版の動画と音楽について、それが海賊版であると知りつつ個人がダウンロードすることを指す。2009年末までは、たとえ海賊版であってもダウンロードする行為は私的複製の一種とみなされ合法だったが、同年の通常国会で著作権法が改正され、10年1月から違法になった。

Q 違法ダウンロードに刑事罰が付くとはどういうことか。

A 海賊版の動画・音楽のダウンロードが違法化された10年1月以降も、個人による違法ダウンロード行為そのものに罰則規定はなく、民事上の損害賠償責任のみ負うことになっていた。

 今回、こうした個人による違法ダウンロード行為に刑事罰を設け、警察などによる取り締まりを可能にする。罰則は2年以下の懲役、200万円以下の罰金、またはその両方で、12年10月1日に施行される予定だ。


 問題は次の「Q どんな行為が対象になるのか」です。これはいくつかポイントがあります。


(1)著作権法で「私的複製」と定義づけられている、個人や家庭内などの行為。

 現行の著作権法でももともと刑事罰のある違法ダウンロード行為もありました。

 それは"入手した動画・音楽を家族以外の他人にあげたり売ったりする行為や、法人としてダウンロードする"違法ダウンロード行為の場合です。

 しかし、今回それにくわえて、個人の「私的複製」にも罰則がつくようになりました。


(2)動画と音楽のみが対象。

 "ネット上のコンテンツにはこのほか、新聞記事などのテキスト情報、電子書籍ファイル、パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)、家庭用ゲーム機などで動くプログラムなどがあるが、現時点では動画・音楽以外のコンテンツは対象になっていない。"

 "ネット上で海賊版の動画・音楽の配信サイトなどが広がっていることに対し、権利者が危機感を覚えていることが背景にある"と別のところに記載があり、主に音楽業界のための法律ということなのかもしれません。


(3)動画・音楽が違法にアップロードされた海賊版だと知りつつダウンロードしている、という要件がある。

 "ネット上にあるコンテンツには、正規版か海賊版か分かりづらいものもある。たまたまダウンロードしたコンテンツが海賊版だったというように、悪意のないユーザーが罪に問われることを避けるため、こうした要件を設けている。"

 これ、どうなんでしょうね?

 ユーチューブの例で出ていましたけど、前回の私的違法ダウンロード刑罰化で具体的に何が変わる?では、異なる解釈のように見えました。


(4)正規版が有料で提供されている、という要件がある。
(5)動画・音楽が配信サイトや、「Winny」「Share」といったファイル交換ソフトなどを通じ、ネット上で配信(自動公衆送信)されている、という要件がある。

 これらも前回はなかった話。個人サイトは関係ないって話ですかね?気になるんですけど、さらっとしか書いていませんでした。


(6)ストリーミング視聴や一時的にパソコンなどのキャッシュファイルとして動画・音楽データが残っていたりするだけの場合は対象外。

 これが(3)で書いた件です。

 "「YouTube」や「ニコニコ動画」などの動画共有サイトでストリーミング配信を視聴する場合の扱いは、改正案の条文そのものでは明確でないようにも見える"が、"現行規定と同様に動画・音楽のファイルをダウンロードした場合のみが対象でとなりそうだ"とのこと。

 どうも曖昧なみたいですね。私的違法ダウンロード刑罰化で具体的に何が変わる?では、対象内とみなしていました。


 それから、前回も出たマジコンなどの件。

Q 違法ダウンロードの刑事罰新設以外には、どのような改正がされたのか。

A 一般消費者に身近な改正内容としては、アクセスコントロール回避規制がある。これまで著作権法で保護の対象としていなかったDVDの暗号化技術「CSS」やゲームソフトの海賊版防止技術などを、新たに保護の対象とするもの。家庭用ゲーム機で海賊版ソフトを実行する外付け機器「マジコン」が広がったことを受けて改正する。

 市販のDVDに掛けられているCSSを回避してバックアップを作ったり、マジコンを製造・販売したりする行為を禁止する。もともとはマジコン対策として、不正競争防止法や関税法とともに11年の通常国会で改正予定だったが、東日本大震災の影響で著作権法のみ法案提出できず改正が遅れていた。

 このほか、(1)撮影した写真の中にキャラクターなどの著作物が写り込んでいた場合、その写真を2次利用する際にキャラクターなどの権利者の許諾を不要にする、(2)国立国会図書館が電子化を進めている書籍のうち、既に絶版となっているものについて各地の図書館などに配信し、さらに各地の図書館が利用者の求めに応じて複製することを認める――といった内容の改正を行っている。


 あとは反対意見などでしたが、今回はメインじゃないので「ネットユーザーの反応」だけ引用します。


・今回の改正が議員立法として成立した過程に問題がある。

 一般に著作権法の改正では、文化審議会での審議を経て閣法として改正案が国会に提出されることが多い。

 違法ダウンロードの刑事罰新設については、11年7月に行われた文化審の小委員会のヒアリングでRIAJなどの権利者団体が要望していたが、前回の改正から日が浅く状況を見極めるべきとの判断で、文化審では具体的な検討を見送っている。その後権利者側は民主党、自民党、公明党などの国会議員に働き掛けて議員立法に結びつけており、文化審の意向に反して刑事罰新設を強行したとネットユーザーに受け取られ不信を買っている。

 また、前回改正で刑事罰のない違法ダウンロード規定を新設した際も、ネットユーザーからは強い反発が出ていた。当時の文化審小委でもユーザー側委員が最後まで反対していたが、こうしたユーザー側の反発に配慮して「あくまで抑止効果を主眼としたものであり、刑事罰を付けず民事訴訟も慎重に行う」という条件を付け、影響が広くならないようにした経緯がある。今回の刑事罰新設がこうした経緯を覆す内容であったことも、ユーザーの反発を招いている。


 この他、

(1)海賊版対策の強化が正規の動画・音楽ビジネスの成長に結びついていない

(2)RIAJの推計は海賊版の被害を過大評価している

(3)改正案の提出から成立までが約1週間と短く、国会での審議がほとんど行われずに採決された

(4)改正案の条文が成立の数日前まで一般公開されなかった

 といった点にも非難の声が上がっているようです。


 「あくまで抑止効果を主眼としたものであり、刑事罰を付けず民事訴訟も慎重に行う」をあっさり覆してしまうと、もう何を言っても信じてもらえませんね。

 ここでは出ていませんけど、都合の悪い人物を狙った運用がなされるといった、法律の悪用の危険性があるというのも今回の法律の問題点です。

 法律の悪用というのは主に警察を想定しているのかな?と思っていましたが、こうなると権利者側の悪用も心配しなくちゃいけませんね。


★2012/6/25 違法ダウンロードに刑事罰導入反対,日本弁護士連合会会長声明

 違法ダウンロード刑罰化の関連です。

 以前はこちら。

  ■私的違法ダウンロード刑罰化で具体的に何が変わる?


 反対意見のところで目を引いたというか、こんなところも反対なんだとおもしろかったのが、日本弁護士連合会(日弁連)です。

 違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に反対する会長声明(2012年(平成24年)4月27日 日本弁護士連合会 会長 宇都宮健児)の冒頭では、

当連合会は、昨年12月15日付けで「違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に関する意見書」を取りまとめ、違法ダウンロードは、コンテンツ産業の健全な成長を阻害するおそれのある由々しき問題であるとの認識を持ちつつも、直ちに刑事罰を導入することに対しては反対の意見を表明した。

 とあり、会長個人の意見ではなく、日本弁護士連合会として反対であるようです。


 理由はいくつかあり、丸数字で示されていますので、改行して表示します。


①私的領域における行為に対する刑事罰を規定するには極めて慎重でなければならないところ、私人による個々の違法ダウンロードによる財産的損害は極めて軽微であり、未だ刑事罰を導入するだけの当罰性ある行為であるとは認識されるには至っていないと考えられること

②民事上、私的使用目的であっても例外的に違法とされている複製行為(著作権法30条1項柱書の適用が除外されている行為)のうち、ダウンロードのみに刑事罰を導入することは刑の均衡を失することになること

③違法アップロードに対する罰則規定の活用や著作権教育の一層の充実など、他により制限的でない違法ダウンロード規制手段が存在すること

④ダウンロードを民事上違法とした平成21年改正著作権法の適用の実態を見極める必要があること

⑤刑事罰には民事罰よりも抑止力が期待できるとの意見があるが、刑事罰の対象とするだけで違法ダウンロードを中止するかについては疑問があること


 また、以前のものでも指摘されていた"警察による恣意的な運用"にも触れられています。

仮に、違法ダウンロードに対する刑事罰が導入されたとしても、音楽関連ファイル数のみで年間推計約12億ファイルにも及ぶとされている(「動画サイトの利用実態調査検討委員会報告書」(2011年8月))違法ダウンロード行為者を全て検挙することは非現実的であり、警察による恣意的な運用がなされるおそれがあることから、国民のネットワーク利用に対する萎縮的効果は計り知れないものがある。

 この部分はまだ続きがあります。

また、インターネットの利用者には青少年も多いため、その影響についても考慮されるべきである。

海外において、刑事罰が定められている国においても、それが積極的には運用されていないという実態があり、国際的な比較からも、現時点で刑罰化を急がなければならないとは考えられない。

したがって、まずは、違法アップロードの検挙実績とその成果を慎重に検討し、違法アップロード対策をより充実させることを検討すべきであり、これを抜きにして違法ダウンロードを直ちに刑事罰の対象とすることは、あまりにも拙速と言わざるを得ない。

 これは"4月27日"のものであり、結局こういった声明が出ていたにも関わらず拙速に決まっちゃったのですが、6月21日にも同様に声明が出ていました。

 この冒頭では、

当連合会は、昨年12月15日付けで「違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に関する意見書」を取りまとめ、違法ダウンロードはコンテンツ産業の健全な成長を阻害するおそれのある由々しき問題であるとの認識を持ちつつも、直ちに刑事罰を導入することに対しては反対の意見を表明した。

 とあり、早くから反対意見を表明していたようです。

 理由はやはり丸数字でありましたが、先程の①、③、④と同じでした。

 その後には違う内容のものがあり、"違法ダウンロードで罰則がつく場合Q&A"でも指摘されていた手続きの不備について述べられていました。

特に、今回の著作権法改正案の審議については、その立法手続にも大きな問題があったと言わなければならない。すなわち、「違法ダウンロード刑罰化」の修正案は、政府提案の著作権法改正案とは全く関連性のないものであり、これが修正動議で提案されること自体、法律改正の在り方として重大な疑義がある。とりわけ、インターネットの利用に関して刑事罰を科すという国民生活に重大な影響を及ぼす可能性がある法律改正が、国民的な議論がほとんどなされないまま、衆参両院において、わずか1週間足らずで審議されて可決されたということはあまりにも拙速であった。このように、今回の立法には手続的にも大きな問題があったと指摘せざるを得ない。今後、このような形で私的領域における刑事罰の立法がなされることを、断じて許してはならない。

 そして、さらに"今後の課題"として、また丸数字で要望が記されていました。


①国及び地方公共団体並びに音楽・映像コンテンツ提供事業者に対して、違法ダウンロード防止の重要性に対する理解を深めるためより効果的な方法による啓発等を進めること、特に、未成年者が違法ダウンロードの防止の重要性に対する理解を深められるよう教育の充実を図ること。

②音楽・映像コンテンツ提供事業者に対して、インターネット利用者が違法なインターネット配信等から音楽映像を違法と知らずに録音録画することを防止するため、エルマークの使用及び周知徹底等により、容易に違法か否かを判別できるような措置を適切に講ずること。

③警察・検察に対して、捜査権の濫用が生じないよう慎重な運用を徹底すること、及び、インターネットを利用する行為の不当な制限につながらないように最大限配慮すること。


 一つ戻りますが、私は立法手続き上の問題というのが興味あるところです。

 その類のものとしては、審議すらなく官僚側で勝手に付け足された薬事法改正と医薬品ネット販売禁止が最悪事例だと思いますけど、これはネットでも全然注目されませんでした。

 ネットに絡む法律関連で私が力を入れていたのはこれだけであり、一般の人の興味と全然合いません。

 ただ、今回の違法ダウンロード刑罰化もどさくさに紛れて押し通した感があり、こういうのを許容してしまうと、民主主義の形骸化に繋がります。


 私はテレビをほとんど見ないんですけど、この問題の注目度ってどうなんでしょうね?

 思った以上に酷いものかもしれず、本来なら政治の監視役であるマスコミが機能すべきところなんですけどね。


 関連
  ■違法ダウンロード刑罰化の賛成理由(岸博幸)
  ■私的違法ダウンロード刑罰化で具体的に何が変わる?
  ■暴力団排除条例と暴対法には悪用の危険性あり
  ■アップル、スポティファイ(spotify)の音楽クラウドサービス、日本では違法か合法か?
  ■2ちゃんねる、ガジェット通信、未来検索ブラジルの関係と警察の強制捜査、撲滅作戦
  ■その他のインターネット、パソコンなどについて書いた記事

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