2012/6/29:
●IDOM(旧ガリバー)は社長2人!羽鳥由宇介・貴夫社長、父兼市が決定
●東京証券取引所「社長が2人いる会社は前代未聞」
●父の羽鳥兼市会長は親バカで会社の私物化?
●「後継者を絞りきれなかった親の愚行」というのはある程度正解
●「社長2人体制」の提案者は父の羽鳥兼市会長ではなかった?
●双頭体制ならヒトラーによるホロコーストもなかった?
●羽鳥兼市会長の考える2人社長のデメリットとは?
2018/11/20:
●ガリバーインターナショナル(IDOM)はその後どうなった?
●IDOM(旧ガリバー)は社長2人!羽鳥由宇介・貴夫社長、父兼市が決定
2012/6/29:ガリバーインターナショナルというとピンと来ませんけど、中古車のガリバーといえばみんなわかるでしょう。ガリバーインターナショナルは、自動車の買取・販売会社です。
(2018/11/20追記:その後IDOMに社名変更しています。
中古車ガリバーが謎の社名変更 IDOM(いどむ)で何に挑むのか?)
で、この会社、
なぜ2人の息子を同時に社長にしたか 理由を話します 羽鳥 兼市・ガリバーインターナショナル会長:日経ビジネスオンライン(2010年7月5日)という古い記事を読んでいて初めて知ったのですが、社長が2人もいるという妙ちくりんな体制を取っているんだとか。「そんな馬鹿な!?」と思います?でも、
オフィシャルの会社概要を見ても、しっかりと以下のように書いています。
代表取締役社長 羽鳥 由宇介
代表取締役社長 羽鳥 貴夫
●東京証券取引所「社長が2人いる会社は前代未聞」
Wikipediaには、以下の様な説明がありました。ただし、要出典つきです。
"2008年6月、羽鳥兼市社長が代表取締役会長兼取締役会議長に就任し、後任の代表取締役社長には長男の専務羽鳥由宇介、次男の専務羽鳥貴夫を揃って昇格させる。社長2人という体制になるが、東京証券取引所によると、社長を2名置いている上場企業は例がないという。なお会社法上、会社代表者は代表取締役であり、社内職称である社長については特に規定されていないため、法的には問題ない。ガリバーは「新会長が経営を監督し、社長2人体制で会社を牽引することにより、更なる株主価値向上につながる」と説明している[要出典]。"
●父の羽鳥兼市会長は親バカで会社の私物化?
冒頭の記事は当時の社長、先の会社概要だと先頭に名前の出ていた「代表取締役会長 羽鳥 兼市」さんがこのことについて説明した記事です。何だか一生懸命に言い訳しているような話でした。
"長男の由宇介、次男の貴夫を共に後継者とし、同時に社長へ就任させる――。2008年6月にそう決断したとき、マスコミや周囲からの批判にさらされることは覚悟のうえでした。
「社長が複数いる会社」なんて私自身、聞いたことがなかったし、外部から見れば「2人の息子かわいさに、後継者を絞りきれなかった親の愚行」と映ることは間違いありません。「羽鳥は何という親バカ」「上場企業としてあるまじき会社の私物化」……。この前代未聞の人事を発表した途端、そんな声が飛んでくるのは明らかでした"
●「後継者を絞りきれなかった親の愚行」というのはある程度正解
「後継者を絞りきれなかった親の愚行」と上記ではありました。実際に後継者を絞りきれていなかったというのは事実のようで、後半では以下の様なことも書いています。
"幼いころから、「会社を経営するとはどういうことか」についても繰り返し話して聞かせました。(中略)後継者として積ませた体験も全く同じです。(中略)
逆に言えば、だからこそ、彼らに事業承継を言い出されるまで、いずれは息子たちのどちらかを社長にしようと思いながら、結論を出せなかった"
●「社長2人体制」の提案者は父の羽鳥兼市会長ではなかった?
ただし、この「社長2人体制」は羽鳥兼市さんの発案ではないとのこと。「彼らに事業承継を言い出されるまで」とも上記に合ったように、「実は言い出したのは息子たち」なんだそうな。
"2007年の夏、社内研修合宿の帰り道でした。移動中の車の中で、「自分たち2人に社長をやらせてください」と突然、言ってきた。
そりゃあ最初は驚いたし、「あり得ない」と思いました。最初に言ったような世間体の問題もあったし、長男と次男を同時に社長にして失敗したときのリスクも大きい"
では、どうして今の体制にすることを決断したのでしょう? 羽鳥兼市会長は普通に1人を選んだ方が良いと思ったものの、息子たちは、「社長と副社長でなく、同じ権限を持つトップが2人いたほうが、会社は安定する」と主張したといいます。
確かにそれは一理あって、企業の衰退に限らず、世界の悲劇のほとんどは、絶対的な権限を持つ1人のリーダーが独裁的に判断を下すことから起きてきた、と考え納得したとのこと。
●双頭体制ならヒトラーによるホロコーストもなかった?
なお、「もしヒトラーと同じ力を持つ人間があの時代のドイツにいたら、ホロコーストはあったでしょうか」というヒトラーの逸話を出していたのですけど、これはだいぶ飛躍した話のような? 同じタイプがもう1人いれば、互いに失脚を謀って結局どちらかが粛清されたでしょう。
また、政治の話で言うのなら、双頭体制、三頭体制まで含めれば、政治ではいくつも例があります。さらに、実質的にそうなっている会社というのもあるでしょう。そして、それが理想的な結果になっているか?と言うと、そうではありません。
問題は双頭体制、三頭体制の維持が結局崩れてしまう、意図するにしろしないにしろ、権力バランスが変化してしまうということ。ヒトラーの話を持ち出すなら、政治ではこの失敗例があり、完璧な体制などではないと言えるでしょう。
●羽鳥兼市会長の考える2人社長のデメリットとは?
話がそれてきたので、決断した理由の続き。もちろんデメリットはあると認めています。
・責任の所在があいまいになり、大胆な戦略が打ちにくくなりかねない。(引用者注:逆に無責任な施策を取る可能性も)
・トップ2人の意見が対立し、収拾がつかなくなりかねない。
ただ、自分は息子たちに全く同等の質と量の経営者教育をしてきており、2人の「後継者としての経験の量」や「ガリバーの企業理念に対する理解」などが同じだとすれば、意見の対立はそう簡単には起こりえない、と自信があるとのこと。自信過剰な感じですね。
羽鳥兼市会長はもともとガリバーインターナショナルは「非常識」な会社なのだし、こういう体制もガリバーインターナショナルらしくて良いと前向きに捉えています。私もおもしろいと思いますし、みんなそれぞれなのだからそれで良いでしょう。
ただし、今のところうまく行っていると羽鳥兼市会長は言うものの、それはまだ羽鳥兼市さんが健在だからだとも思います。真価が問われるのは、父・創業者・会長という重しがとれたときでしょうね。
●ガリバーインターナショナル(IDOM)はその後どうなった?
2018/11/20:その後、ガリバーインターナショナルはIDOMに社名変更しています。これは、
中古車ガリバーが謎の社名変更 IDOM(いどむ)で何に挑むのか?で書きました。
また、会社概要を見てみると、羽鳥 由宇介さんと羽鳥 貴夫さんの2人社長体制は変わっていません。ただ、私がポイントと見ていた羽鳥 兼市さんはまだいらっしゃいます。現在は会長不在で、肩書が名誉会長となっていました。
それから、
IDOM (IDOM) 【7599】:決算/業績・財務推移 [通期/半期/四半期] | 株探で、連結決算の推移も見てみました。売上は伸びているものの、利益は伸び悩み。単年度要因かもしれませんが、特に2019年の予想は悪くなっています。(単位は100万円かな?)
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益
2015.02 155,681 5,325 5,345 3,286
2016.02 210,085 7,542 6,835 4,111
2017.02 251,516 4,498 4,160 2,247
2018.02 276,157 6,779 5,797 3,578
予2019.02 290,000 3,000 2,000 700
売上高の過去最高は2018年ですけど、営業益 ・経常益・最終益のピークはなんと2007年であり、それぞれ11,123 10,998 6,566という数字。赤字企業も珍しくないのでそこまではひどくはないものの、やや苦戦といった感じです。
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