地図に関する話をまとめ。<海外の地図がおもしろい!イランの地図にはイスラエルが存在しない>、<中国の地図で北方領土は日本領?ロシア領? 東工大生に聞くと…>、<韓国の首都はソウル、北朝鮮の首都はピョンヤン…ではなかった!?>などをまとめています。
●海外の地図がおもしろい!イランの地図にはイスラエルが存在しない
2012/7/1:私はほとんどテレビを見ないので、池上彰さんを知ったのは最近なんですよね。ブームになっていることを知りませんでした。未だにしゃべっているところを見たことがありませんけど、この頃池上彰さんが出てくる対談みたいなものはポツポツと読むようになってきたところです。
そんな中で最近読んだ
中国の世界地図が北方領土に塗った色 現代世界の歩き方(2) 東工大講義録から(要登録 日経新聞 2012/5/21 4:00)は動画でこそないものの、話して聞かせる形式です。本当わかりやすいですし、おもしろい…ちょっと雰囲気がわかった気がしました。
この講義、「2回目の講義は、国際情勢です」と言っているものの、そのまんま国際情勢を話すのではなく、みな地図に絡めた話になっています。こういう見方がまたユニークでおもしろいのですが、中でもおもしろかったのをいくつか。まず、一番わかりやすいのは、以下のような話。日本と韓国の関係でも竹島や日本海の表記なんかが違っているのと似た感じですね。
<イランの世界地図を見ると、イスラエルが存在していません。イスラエルの場所には「パレスチン」と表記されています。パレスチナです。イランは、イスラエルを国家として承認していません。対立関係にあります。イランとしては、「イスラエルの建国によって多数のパレスチナ難民が生まれた」という思いがあり、イスラエルを認めていないのです。
イランのアハマディネジャド大統領が就任したとき、「イスラエルを一刻も早く世界地図から抹殺しなければならない」と発言して世界を驚かせましたが、イランの世界地図では既に“抹殺”されているのです>
●中国の地図で北方領土は日本領?ロシア領? 東工大生に聞くと…
うちのタイトル見て読み始めた方は、表題にした「中国の地図で北方領土は日本領?ロシア領?」が気になると思いますが、池上彰さんはこれを学生たちに聞いてみたようです。
学生A 「ロシアの色」
池上彰 「どうしてかな?」
学生A 「中国とロシアは仲がいいから」
池上彰 「ほかには?」
学生B 「日本の色」
池上彰 「ほう、どうして?」
学生B 「日本人としては、日本の領土が広いほうがいいから」
池上彰 「おっと、願望と事実を混同してはいけないよ」
皆さんはどちらだと思いました? 中国とロシアの関係を考えず、日本のことを考えると、日本憎し!でロシア領だと考えそうなところです。しかし、そうではありませんでした。
<実は答えは、「中国の世界地図で北方領土は日本の色」なのです。(中略)
しばしば反日の姿を見せる中国が、なぜ北方領土に関しては、日本の言い分を認めているのか。それを理解するキーワードは、「敵の敵は味方」という言葉です。
かつての東西冷戦時代、中国とソ連は厳しく対立していました。(中略)双方とも、相手の国の包囲網を築こうとしていました。ソ連にとって、敵である中国は、インドと敵対していました。ということは、中国の敵であるインドは、「敵の敵」だから味方になります。ソ連はインドと手を結ぶことで中国を包囲しました。
一方、中国はインドの敵であるパキスタンと結び、インドを包囲しようとしました。(中略)
では、ソ連を包囲するには、どうしたらいいのか。ソ連と対立する米国、日本と関係を改善すればいいと中国の毛沢東は考えました。1972年、当時の田中角栄首相が中国を訪問し、日中友好ブームが巻き起こりました。これは、中国がソ連包囲網を築く一端だったのです。中国の敵であるソ連と北方領土問題で対立している日本との関係を改善するためには、北方領土を日本のものと認める。これが中国の当時の戦略であり、それがいまも地図の上に残っているのです>
上記の説明にあった通り、実を言うと「中国とロシアは仲がいい」ってのは、ちょっと怪しい見方なんですよ。共産圏同士でも、その関係は結構微妙なのです。これは同時に左派にも言えて、中国好きな人がロシアも大好きか?って言うとそうでもないってこともあるのです。
大概、自分の好きな話以外は興味ないので勉強しませんからそんなことは知らないのでしょうが、このことを勘違いしたまま左翼(?)を叩いている方をときどき見かけます。そもそも左派がどこかの海外の社会主義系の国を好きだとも限らないんですけどね。これも勝手な思い込みです。
(2022/10/20追記:その後、ロシアの中国接近が目立っており、本当にロシアと中国が仲が良い…という状態に近づいてきました。あと、私はロシアと中国を「共産圏同士」と書いていましたが、ロシアは厳密に言えば、旧共産圏ですね。最近はむしろ社会主義時代に批判的な見方も人気しています)
●韓国の首都はソウル、北朝鮮の首都はピョンヤン…ではなかった!?
皆さん大好き朝鮮半島の話もありました。池上彰さんは「さて、朝鮮半島の首都はどこでしょうか?変なことを聞くなと思ったでしょうね。韓国の首都はソウル、北朝鮮の首都はピョンヤンだと思いますよね」と前振り。ただ、この前振りでわかるように、これが違うんです!
韓国の地図では、朝鮮半島に首都はひとつソウルだけ。そして、北朝鮮の地図でも、朝鮮半島の首都はひとつ、ピョンヤンなのです。韓国も北朝鮮も、自分たちの首都が、朝鮮半島全体の首都であると主張していることが、これでわかります。
ただ、北朝鮮の場合、はちゃめちゃさはまだ終わりません。日本と米国だけ、国の色が塗っていないといいます。さっき書いたように、日本とアメリカは北朝鮮と国交を結んでいません。国交を結んでいないということは、建前としては、相手を国家として承認していないということになります。日本や米国の地図では、北朝鮮を独立国家として色を塗ってありますが、北朝鮮は建前にこだわり、色を塗っていない…というわけです。
●日本は日本が中心の地図!ただ、中心にするとまずい国までやっている
引用しなかった講義冒頭で日本は日本が真ん中の地図、英国はヨーロッパが真ん中の地図を使っているという話がありました。ただ、実際に皆がそうしているわけではないようです。オーストラリアの南北逆転の世界地図というのを池上彰さんが紹介していましたが、実を言うと、これはオーストラリアの子どもたちが、この地図で勉強しているというわけではありません。パロディーの世界地図でした。
これまで見てもらったように、世界各国・地域は、自国中心の世界地図を作製しています。だったら、オーストラリアを“世界の中心”にするには、どうすればいいのか。南北逆転の地図を作ればいい、というわけだったのです。
ただ、多少無理があっても本当にやってしまう国があるようです。これは日本が敵視する国や発展途上国…ではなく、アメリカでした! アメリカのアメリカ中心の世界地図では、インドシナからインド、パキスタン付近が分断され、右と左に分かれ、位置関係が不明確になるという非常にわかりづらいことに。大陸ぶった切ったらまずいでしょう! 米国人の中には、アフガニスタンやイラクの場所がよくわからないという人が意外に多いのではないかと思わせられる地図だと池上さんは言っていました。
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