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池の水ぜんぶ抜くで魚大量死問題…外来種駆除、実は非科学的?


2018/10/31:
●外来種駆除、実は非科学的?駆除で生態系が元に戻る…は単純すぎ
●外来種の駆除で在来種と生態系を守るどころかさらに問題に…
●池の水ぜんぶ抜く…外来種駆除のTV番組が人気も実は池の魚が「大量死」


●外来種駆除、実は非科学的?駆除で生態系が元に戻る…は単純すぎ

2018/10/31:鳥がいっぱいいると自然豊か…ではない 野鳥による生態系破壊もある理由は、「うっそうとした森」の方が豊かであり、かつ、オリジナルだというふうに想定しがちだが、そうではない、という話でした。では、オリジナルの状態に戻すために、外来種を駆除すべきか?というと、これがまた単純にはいきません。現実はもっと複雑なんですね。

「生態系の回復プロジェクトとしてやっている聟島(むこじま)列島での実践を通して、外来のヤギを駆除するとどういう海鳥が戻ってくるか、ネズミを駆除するとどうかといったことが分かってきているんですけど、かといってすでに絶滅した種もいますし環境も変わってしまっているので完全に元通りには出来ません。だとしたら、そこに出来ている生態系がちゃんと本来持っていた機能が揃っていて、今、絶滅せずに残っている在来の生物たちが維持できるのであれば、次善の策としてオリジナルの状態でなくともいいと思うんですよね」
(外来種の駆除を保全の目的にしてはならない理由:日経ビジネスオンライン 2018年4月7日 森林総合研究所 鳥類学 川上和人(3) 川端 裕人より)

 ケースバイケースでしょうから、外来種の駆除が生態系の回復に有効なときもあるかもしれません。ただ、このケースでは、すでに絶滅している種がいるため、駆除するだけで望ましい状態になるとは限らないという話。ただ、そもそもすでに絶滅している種がいる時点で、完全な「オリジナル」に戻るわけではないとも言えそうです。


●外来種の駆除で在来種と生態系を守るどころかさらに問題に…

 「ケースバイケースでしょうから」とは書いたものの、わかりやすい「外来種を駆除しよう」という考えは、かなり悪いみたいですね。外来種は「絶対的な悪」として、「外来生物を取り除くこと自体が目的になるのはダメだ」という理由について、森林総合研究所の鳥類学者、川上和人さんはさらに以下のように説明していました。

「絶滅してしまった生き物がいた生態系などでは、その機能を別の生き物に担ってもらわないと生態系の復元もできないんです。外来生物が在来種を脅かさずに新しい生態系の中で役割を担っているなら、それはよしとしなければならないことがありますね」

 これは先程と同じで絶滅した種がいるので元には戻らない…という話ですけど、「外来生物が在来種を脅かさずに新しい生態系の中で役割を担っている」というところはポイント。さらに一歩話が進んで、新たにできあがった生態系をぶち壊すことで、今までとは違う問題が起きる可能性を考えているのです。

 実際、生態系の保全や復元をする際、厄介者の外来生物を駆除すると、意外な副反応があり、別のひどいことが起きるような例が、これまで世界中で起きてきたといいます。先の聟島列島の場合、ヤギを駆除すれば外来植物が生えてきて、今度はそれが問題になってしまいました。駆除で即解決というのは、非科学的なようです。

 また、ヤギを駆除しても裸地になったところが自然に元に戻るのは数万年かかるため解決せず、土壌動物は生息地を失って絶滅することに。さらに、ある外来種を駆除すると、ライバルの別の種が今度は増えて、今までとは違う生物まで絶滅…といった危険性もあるそうです。ダメダメですね。


●池の水ぜんぶ抜く…外来種駆除のTV番組が人気も実は池の魚が「大量死」

 川上和人さんは外来種の駆除を絶対正義としていたことについて、「悪夢のような時代」と表現していました。今でも外来種の駆除が正しいと思っている人が多いでしょうし、ひょっとしたら「専門家」の人でもそう考えている人は残っているかもしれませんけど…。

「ちょっと前まで、外来生物を取り除くこと自体が目的化していたところがあるんですけど、実はそれは単なる手段であって、手段として外来生物のコントロールをするんだという認識は共有できるようになって、悪夢のような時代は終わったと思います」

 これで思い出したのが、<「在来」と「外来」の定義すら曖昧なまま「外来種駆除は環境に良い」イメージだけ広がった結果、こういう適当なバラエティでも賞賛する雰囲気になるの、どう言ったもんだかね>という感想が、はてなブックマークで出ていた以下のニュースです。

<テレビ東京の人気番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」の撮影が行われたイベントで、主催者および番組側の不手際により、池の魚が「大量死」する事態が起きていたとの報告が、複数の参加者から出ている。(中略)
 「岐阜県昆虫分布研究会」に所属する常川真さんは13日のJ-CASTニュースの取材に対し、「網で捕まえた魚を入れる容器が圧倒的に足らない。数少ない容器の中は酸欠でどんどん生き物が死ぬ。池の中も、一度に沢山の人が入り、泥水となり酸欠で小魚が大量に浮かぶ事態に」と現場の状況を生々しく振り返る>
(全文表示 | 「池の水ぜんぶ抜く」ロケで在来魚が「大量死」 「専門家がいない」現場を参加者告発 : J-CASTニュースより)

 こういう番組が人気になるのって、外来種を駆除する気持ちよさとか、わかりやすさとかもあるんじゃないかと思います。ただ、現実はもっと複雑だということを理解してほしいところです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■鳥がいっぱいいると自然豊か…ではない 野鳥による生態系破壊もある理由

【関連投稿】
  ■大人の嫌いな動物ランキング、蛇や虫はわかるが人気の動物も
  ■さまざまな動物の可聴域
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