仏教はインドでできた宗教ですので、インド神話の影響が大きく、閻魔もインド神話由来です。
サンスクリット語ではヤマ(Yama) で、これの音訳が閻魔(※1より)だそうですが、一見似ていません。
でも、はっきりとした「ア」音でなく、「エ」に近い「ア」音で「イェマ」だったら、「エンマ」と聞こえなくもありません。まあ、これは私の単なる想像で根拠はありませんが。
古代インドの聖典『リグ・ヴェーダ』ではヤマは人間の祖であり、その妹ヤミーとの間に最初の人類が生まれたとされます。人間で最初の死者となったゆえに死者の国の王となったそうですが、インドでは、古くは生前によい行いをした人は天界にあるヤマの国に行くとされたそうなので(※1より)、天国の王様みたいな感じで閻魔と少しイメージが違います。
しかし、同時に死者の霊魂を自らの住処・国に連行するイメージもあり、これが後に下界を支配して死者を裁き、地獄に落とす恐るべき神と考えられる様になり、さらに単なる死神としても描かれる様になったそうです。(※1より)ここらへんは日本に伝わってきた閻魔と近いですね。
ところで、先述の通り「人間で最初の死者となった」わけですから、当然妹であり妻であるヤミーはこの世に残されました。
その残されたヤミーの話(仏教説話?)がありましたので、紹介します。(以下、※2より)
ヤマが死んで、ヤミーはひどく悲しみました。神々は、早く忘れるように諫めましたが、ヤミーはそれができませんでした。
当時はまだ夜がなく、いつまで経っても翌日にならなかったので、ヤミーは「ヤマは今日死んだ」、「ヤマは今日死んだ」と、ずっと言って悲しみ続けていました。
そこで、神々はヤミーのために、夜を創ってやりました。夜が来るようになって、ヤマの死んだ日は、今日でなく昨日になりました。ヤミーは「昨日、ヤマが死んだ」と言えるようになりました。
そして、また夜が来て、昨日が一昨日になり、そしてさらに夜が来て・・・と日を重ねて、ヤミーはやっとヤマを忘れることができたのでした。
これは「悲しみは『時間』が癒してくれるということを教えてくれる説話」ということが書かれていました(※2)が、何とも印象深いお話です。
でも、あんまりきれいさっぱり忘れずに、たまには思い出してもらえるとヤマも嬉しいんじゃないかなと思いつつ、今日はここで終わりにします。
参考記事
※1
閻魔-Wikipedia※2
お盆と閻魔の妹(ナモの寺)
関連
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吉祥天、黒闇天姉妹の家族(閻魔とヤミーが出てきます)
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学校の七不思議 ~過去と未来~
Appendix
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