関連するものをいくつか書いていますが、まず一番最近の
国民は株主、政治家は社長、官僚は社員である。
ここで書いたように、本来上の人ほど失敗の責任もありますから、報酬にも反映させなくてはいけません。
会社の方針を決めているのは平社員ではなく、取締役なのです。失敗したときだけ部下のせいにはできないでしょう。
また、
日本人社長・経営者・役員の報酬は安くない,むしろ外国より高いによれば、日本人役員の報酬は働きに対して高すぎるという意見を紹介しました。
ただ、日本人が~と言うだけじゃなく、私は
ソニー・ストリンガー会長と外国人経営者の高額報酬で書いたように、日本企業の外国人役員の報酬にも懐疑的です。
そういう中で今調子が良い、結果を出しているのなら、高額報酬でも良いと書いてきた日産のカルロス・ゴーン社長。
ふざけるな!赤字無配なのに… 1億円プレーヤーがいる23社()によると、
「赤字や無配なのに1億円以上の高額報酬を出している会社は数多くあります。日産のゴーン社長も10億円近くの報酬を得ていますが、日産の単独決算は赤字です。投資会社のプリヴェ企業再生や商品先物の岡藤HDは、赤字に加えて無配でもあります。それでも1億円超えがいるのです」(東京商工リサーチ情報部の坂田芳博氏)
とのこと。
いや、それはマズいでしょ。
"12年3月期に1億円以上の役員報酬を得たのは172社、295人"で、"最高額はカシオ計算機の樫尾俊雄元会長(故人)の13億3300万円"(初の10億円超え)でした。
カシオ計算機の場合は"基本報酬が1400万円で、残りは退職慰労金"で、ここまで会社を大きくしたことへの報酬ではあるので多少違う話ではあるのですが、"連結ベースでは黒字を確保したものの、単体では約20億円の営業赤字を計上して"います。やはり赤字です。
会社をうまく後継へ繋ぐというのも大事なことであり、それを無視すると自分の退任までの間に利益を出しきり、退任後は赤字事業ばかりということにもなってしまいます。
業種によりますが、事業の完工時期を延長するなどで、ここらへんの細工は可能です。
カシオの見通しがよくわかりませんが、ちょっとどうかなとは思います。
この他"大赤字だったソニーやパナソニック、オリンパスにも1億円プレーヤーはいる"そうで、
「赤字は経営者の責任です。報酬を全額返上するぐらいの覚悟が必要なはずです。株主に無配を強いていながら、役員が高額報酬を得ているのも許し難い」(株式評論家の倉多慎之助さん)
という声もある通り、当然の怒りでしょう。
赤字または無配で1億円の役員報酬を出している会社は以下です。
【赤字企業(単独決算)】
◇社名/人数
◆日産自動車/6人
◆大日本印刷/4人
◆エイベックス・グループHD/4人
◆バンダイナムコHD/3人
◆ソニー/3人
◆セガサミーHD/3人
◆凸版印刷/2人
◆パナソニック/2人
◆旭テック/1人
◆ゼンショーHD/1人
◆住友化学/1人
◆フジプレアム/1人
◆日本板硝子/1人
◆オリンパス/1人
◆ホシデン/1人
◆スクウェア・エニックスHD/1人
◆日本水産/1人
◆岡藤HD/1人
◆プリヴェ企業再生グループ/1人
◆カシオ計算機/1人
◆ワイエイシイ/1人
【無配企業】
◇社名/人数
◆岡藤HD/1人
◆旭テック/1人
◆日本通信/1人
◆プリヴェ企業再生グループ/1人
◆シャクリー・グローバル・グループ/1人
◆オリンパス/1人
東京商工リサーチの調査
無配の場合でも、株価上昇で株主に価値を与えるということも一応できます。
ただ、それは主にぐいぐい伸びている新興企業の話ですけどね。
赤字企業の場合は言い訳もできません。
赤字の責任ではありませんが、海外では25億円のボーナスを放棄したという話がありました。
ただし、自主的にというよりは「圧力で」です。
バークレイズ前CEO、ボーナスの一部放棄―議会の圧力で(2012年 7月 11日 7:26 WSJ)
【ロンドン】銀行間金利不正操作問題で辞任した英金融大手バークレイズの前最高経営責任者(CEO)ロバート・ダイヤモンド氏は、議会からの糾弾圧力を受けて最大で2000万ポンド(約24億6000万円)のボーナスを放棄することに同意した。
(中略)
ダイヤモンド氏が放棄するのは2012年分のボーナスだけで、200万ポンドに上る退職手当や年金については受け取ることになる。エイジアス前会長は、この額は本来の契約で退職時に支払うとされた額から倍増されているが、これはダイヤモンド氏が退職後に顧問として同行にとどまる期間を延長することを承諾したことへの対価だと説明した。
(中略)
英議会の調査の焦点は、2008年の世界金融危機の最悪期にバークレイズがLIBORをどのように不正操作したかだ。LIBORは、主要銀行間が資金を融通し合う際に適用すると見込まれる金利を英国銀行協会に毎日報告し、それに基づき決定されるが、世界の数百兆ドルにも上る融資やデリバティブ(金融派生商品)取引の基準金利となっている。
この問題に関する調査は数行に及んでいるが、バークレイズは既に米英の規制当局に2億9000万ポンドを支払うことで合意している。
この辞退が妥当であったかは別として、会社に損害を与えればその責任を取るのは本来自然なことで、だからこそ高額の給与も認められているのです。
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