エアコン節電のコツと禁じ手 電源オフ禁止などを書くために読んでいた
エアコンのこまめなオフは禁じ手、ドライ運転も要注意 ガマンしないエアコン節電術(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年7月23日 和田由貴)ですが、それ以外にとても良い話が載っていました。
これは電力不足ということもあって単なる節電ではなく、ピーク電力の削減が大事という話です。
電力危機や停電の危険性などを考える際に大切な話なんですが、ほとんどマスコミでは報道されません。
周知の事実だから今更言わないということなのかもしれませんけど、心配です。
トータルの消費電力量は上がったって構わないから、ピーク時の消費電力だけは下げましょうくらい極端に言って良いと思います。
記事での該当部はこちらです。
単純に使用する電力量を減らしたいとか電気代を安くしたいということであれば、消費電力量を減らすことに徹すればいいのですが、今問題となっている電力の供給不足については消費電力の方に気を付けなければなりません。
発電施設の電力供給能力は、日中も夜間もほぼ同じ。ですが、当然ながら人が活動をする日中の方が電力の需要は大きくなります。特に夏場の日中ともなればエアコンの使用などで需要の差が非常に大きくなります。
電力はためておくのが容易でないため、夜間は電力が余っていても昼間に回すことはできません。そこで、今言われている電力不足に対応するには、ピーク時に集中して電力を使用することを避ける「ピークシフト」という考え方が大事です。
夏の電力需要が急増する時間は朝9時頃。そしてそれは夜20時頃まで続きます。特に13時から16時までの時間帯は年間を通しても最大。この時間に、瞬間的に大きな消費電力がかかる製品、例えば電子レンジ、IHクッキングヒーター、ドライヤーなどの使用を避けると、ピークの山を低くできます。電力会社はピークの高さに合わせて供給力を決めており、ピークを下げることが電力不足の解消につながるのです。
ですから、昼がピークの夏に早く仕事を終わらせるのは意味がなく、それどころか仕事が前倒しになり逆にピーク時間(13時から16時まで)の電力使用量が増えるおそれがあります。
そういう意味では昨年石原都知事などサマータイムを推している人がいたのが、私は不思議で堪りませんでした。
この記事いいなぁ。次もざっと載せます。
昼間、家にいる奥様が、エアコンをつけずに暑さをがまんしていたのに、ようやく外が涼しくなってきた夜に、帰宅したご主人が「この家、暑すぎるんじゃない?」と、エアコンのリモコンに手をのばしてスイッチを入れる。奥様のイライラは爆発、「私が電力不足に貢献しようと、どんな思いで我慢していたか、あなた、わかってるの!?」――。といった夫婦げんかの話を耳にします。奥様には気の毒ですが、ご主人の行動は電力不足には影響しません。
夜間は比較的電力供給に余裕のある時間帯。もちろん余裕があるから無駄に使っていいということではありませんが、昼間と違い無理に節電する必要はありません。
節電のために夜はエアコンを我慢して寝るという方もいますが、こちらもはっきり言って電力不足への貢献には意味なし。やみくもに消費電力量を減らすのではなく、昼間と夜とメリハリのある使い方で、ピーク時の電力需要を抑えることが大切です。
やはり勘違いしている人がいるのかな?という書き方ですが、私が昨年心配して少し書いたこともあったのは、こういう役に立たない節電で心身に負担をかけて体を痛める人が出ることです。
むしろ節電しなくて良い時間帯は積極的に使うのを奨励するくらいしないと、特にお年寄りなんかは命に関わると思います。
気になって検索してみると、
サマータイム、節電効果は?残業は減ったけど…(2011年9月9日00時29分 読売新聞)では、"サマータイムで懸念されたのは、出勤時間を早めたのに退庁時間が変わらず、労働時間が延びること"とどうでも良いことを気にしてます。
だから、残業時の電力は余裕あるんだって……。
そもそも対策が"都職員計約9500人を3グループに分け、出勤時間を30分~2時間繰り上げ午前7時半~同9時"という全然ピークと関係ない時間帯の話です。
他の記事何かないかなと検索してみます。
タイトルを見てこれは良さそうだなと思ったのは、
「サマータイムよりも昼休み2時間」が、 夏場のピーク時電力削減に大きな効果を上げる理由 (要登録 ダイヤモンド・オンライン 2011/4/22 古市勝久 [株式会社購買戦略研究所 代表取締役])です。
ピーク時間になるべく仕事をせず、その分むしろ帰りが遅くなる方が電力危機対策としては良いはずです。まあ、企業や人にとっては負担でしょうけど、本気で電力削減したい、余剰な発電能力を大量に持たないようにしたいならそういう話です。
私の書いているシリーズではデマンドレスポンスとかネガワット取引の話もそういう概念です。
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デマンドレスポンスとは?ネガワットとの意味の違いは? ■
デマンドレスポンスにはネガワット式・電気料金式などがある ■
ネガワット取引とは何か?スマートメーターとの関係 ■
ネガワット取引始動、関西電力・大阪ガス・NTTファシリティーズなど むしろピーク時間の概念を理解していないと全く意味がわからない話です。
さて、先ほどの記事の中身に入ります。
4月8日、官邸で開催された電力需給緊急対策本部において経済産業省は、『夏期節電対策の具体例』として大口・小口需要家ならびに家庭での節電対策の具体例を提示した。
今連載のテーマである企業(とくにオフィス)の節電に関する対策を見ると、
●空調温度の引き上げ(目安温度の設定)
●照明の削減
●OA機器の使用削減 etc.
となっている。
これらは東京電力のCMでも見られる内容だが、効率的かつ効果的に電力需要を抑制する対策としては、残念ながら、少々的外れのものが多い。
(中略)
今夏の節電の最重要ポイントは「ピーク時の電力需要を抑える」ことだ。この発想なくして計画停電を回避する大規模節電はなし得ない。
(中略)
たとえば経産省の対策を見て、「わが社では、この夏の就業時間中、朝から晩までずーっとエアコンの設定温度は30度にします」という対策をとったとしよう。残念ながら、この方針は皆に苦労を強いる割には、あまり効果がないと言える。
具体的な話はこの後。
言うまでもなく、四六時中オフィスの設定温度を上げても、それだけでは「ピーク時電力を抑える」ことの解決にはならない。一日中暑い思いをしても、仕事ははかどらない挙句、今、求められている節電効果もさして上がらない。企業にとっては、節電効果よりも業務効率や社員の士気の低下などデメリットのほうが大きいのだ。
今、必要とされているのは、設定温度を「つねに1度上げる」のではなく、「ピーク時に完全にカットする(使わない)」ための対策なのだ。
ちなみに、経産省ホームページによると、設定温度1度で得られる節電効果は、エアコン(6畳用・2.2kW エアコンの場合)「10 パーセントの消費電力を削減できます」とある。しかし、それでは真夏のピーク時を乗り越えるには足りないだろう。当たり前だが、エアコンを止めてしまえば、100パーセントの消費電源の削減になる。
「ピーク時」に的を絞る、年間の最大電力使用が見込まれる真夏に絞ると、いっせいに「使わない」が、最大の節電効果になるのだ。
一日の電力需要の最大ピークは13~15時の2時間。この時間帯のエアコン使用を、企業レベルでいかにして止めるかを、今まさに、真剣に考えるべきなのである。
これは昨年の話で、ゼロまでできるかは企業・人によりけりでしょう。
あと、ピーク時間は思ったより長く、最初の記事で見ると13時から16時までほぼ変わらなくなっていました。
さすがに4時間休むとなると負担が大きすぎますから、企業によって多少ズラすくらいが現実的だと思います。(私の会社は場所によって昼休み時間帯が微妙に異なります。多少違っても何とかなるんじゃないかと)
なお、記事では昼休み(12時頃から)に一瞬電力使用量が下がっていることを指摘しており、これは最初の記事に載っていたグラフでも同様です。
つまり、昼休みを長くすることに使用電力を下げる意味があるということです。
それから、記事でおもしろかったのは、昼休みの長時間化が新たな需要を生むという話です。
昼休み対策がもたらすものは節電効果にとどまらない。エアコンが止っているから、みんなオフィス以外の涼しい場所に集まろうとするだろう。
昼食は外で食べるようになる。そうすればランチ需要が高まれば、外食業も潤う。
また2時間も昼休みがあると、ランチの後、ちょっとしたショッピングもできる。一駅となりの百貨店に足を運ぶこともできる。本を読んだり、マッサージに行ったりする時間的余裕も出てくる。子育て世代のビジネスパーソンであれば、夕飯の買い物やクリーニング店などにも行けるのは助かるだろう。小学生の子供がいるご家庭なら、子供と一緒に昼食がとれるかもしれない。
昼休みの使い方そのものが変わることで、消費行動が活性化して経済が回る。
また、私と同じように逆効果という話も書いていました。
始業時間・終業時間をずらすだけのサマータイムでは、やはり意味がない。朝8時から仕事がはじまり、11時にランチ、12時から午後の仕事となると、最大ピーク時の電力需要に一切影響がないからだ。
それどころかピーク時の13~15時が、全員が出社を義務づけられるコアタイムになりかねない。各社が横並びでサマータイムを導入すると、下手をすると「ピーク時対策」としては、逆効果になりかねないのだ。
先に言った無理な節電でもそうですが、もちろん突然停電が起きても死者などが出るおそれがあります。(たぶんこっちの方が被害が甚大でしょう)
そういった事態が起きないように、正しく節電していけることを願っています。
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