2012/8/2:
●世界の新聞発行部数ランキング 日本の他、中国・インドなどが上位に
●世界一だけでなく世界2位も!読売新聞など日本の新聞が上位占拠
●「三大紙」と言う場合、読売新聞・朝日新聞とあともう一つはどこ?
●日本にあるとされる「押し紙」、中国にもある?
●アメリカは日本と違って「全国紙」がないと言われるが本当?
●実は日本の特徴…海外でよく売れるのはスポーツ新聞的な新聞
●世界の新聞発行部数ランキング 日本の他、中国・インドなどが上位に
2012/8/2:本体の記事は中国の話がメインであり、本筋ではないんですけど、
開かれることもなく廃品回収される中国共産党の機関紙 著名評論家のつぶやきが大きな反響を巻き起こした(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年7月27日 北村 豊)におもしろいものが載っていました。「世界の新聞発行部数ランキング」です。
<2011年世界の新聞発行部数トップ10>
順位 新聞名 発行部数
1位 読売新聞(日本) 1000万部
2位 朝日新聞 (日本) 750万部
3位 The Times of India(インド) 380万部
4位 毎日新聞(日本) 350万部
5位 参考消息(中国) 310万部
6位 日本経済新聞(日本) 300万部
7位 The Sun(英国) 295万部
8位 Bild (ドイツ) 290万部
9位 中日新聞(日本) 280万部
10位 Daiinik Jagran (インド) 275万部
(出所)WAN‐IFRA“2011 World Top 10 Newsapaper”
<注>発行部数は棒グラフから筆者が目算した概数
出処は「世界新聞・ニュース発行者協会(VAN‐IFRA)」が2012年4月17日に発表した“World Press Trends 2011”の「2011年世界の新聞発行部数トップ10」で、発行部数は棒グラフからの目算だそうですので、正確なものではないでしょう。まあ、大雑把な相対比較と順位であれば、これで十分です。
●世界一だけでなく世界2位も!読売新聞など日本の新聞が上位占拠
いやーさすがに新聞王国日本。いわゆる五大全国紙で、上位を占拠してしまっています。
1位 読売新聞(日本) 1000万部
2位 朝日新聞 (日本) 750万部
4位 毎日新聞(日本) 350万部
6位 日本経済新聞(日本) 300万部
で、さらにすごいと思うのは五大全国紙じゃないところまで…。日本の新聞紙の層の厚さを感じさせますね。
9位 中日新聞(日本) 280万部
…ん? ところが、五大全国紙が四紙しかありません。唯一いないのは産経新聞でした。どこ行った?と探しても出てくることはないわけで、「そうか、そんなに読まれていないんだ…」ってことですね。
ちなみに中日新聞はもちろん全国紙ではありません。東海地方を中心とする地域で発行する日刊新聞です。すげぇな、中日新聞。東京新聞を含んだ数字ではないかと思われますけど、いずれにせよ一般的には全国紙とは区分されていないところが全国紙の産経新聞より読まれている状態です。
●「三大紙」と言う場合、読売新聞・朝日新聞とあともう一つはどこ?
私はこの「五大全国紙」という理解で、検索すれば「五大全国紙」あるいは「全国五大紙」(こっちの言い方の方が多い?)という言い方は見つかります。しかし、
Wikipediaの全国紙では違う分け方も載っていました。
日本では、読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞・産経新聞の五紙が全国紙と称される。それぞれテレビ局のキー局と密接な資本関係若しくは提携関係を持ち、日本経済新聞以外はスポーツ新聞をグループ会社もしくは本体より発行している(日経は経済紙なのでスポーツ新聞社を持たない)。
また、このうち三大紙は読売新聞・朝日新聞・毎日新聞の3紙を指す。しかし、近年では毎日新聞に代えて、国内の最高級紙である日本経済新聞を三大紙の一つとする向きがある。産経新聞は東京都を主とした関東地方と大阪府を主とした近畿地方を主な販売領域としていて、それ以外での読者は少ないとされる。また各紙とも、沖縄県ではほとんど購読・販売はされていない。これは沖縄県では全国紙の印刷工場がなく多くは東京本社及び福岡県の西部本社(※産経新聞は西部本部※沖縄県は産経新聞大阪本社※日本経済新聞は西部支社)から空輸されていたが朝刊であっても午後、ないしは夕刊配達時でないと新聞が配送されてこないためである。ただし日本経済新聞は全国的な地方紙との提携の一環で(日本経済新聞社#印刷工場の項を参照)、2008年11月より琉球新報へ委託して現地印刷を開始するようになった。
なお新聞自体の発行主体ではないが地方紙を主体とした加盟報道機関により組織される共同通信社はニュースを全国の加盟報道機関に配信することから、ここで述べる全国紙と同等のメディアと扱われることが多い。
あと、産経新聞って関東と近畿、特に東京と大阪だったのか。へー、変わっていますね。だから、読者も少ないし、地方の取材力がないと言われるんでしょうね。
<日本では首都である東京に取材の拠点を置いているため国政の動向や国際情勢、大企業に関する記事が多い。このため、東京だけの視座に陥って地方都市や村落の視座を軽んじていると非難されることもある>という批判も載っていました。ただ、産経新聞の場合はそもそも地方に読者があまりいない状態のようです。
●日本にあるとされる「押し紙」、中国にもある?
ところで、新聞社は一貫して否定しており、存在が証明されていないものの、日本の新聞紙には「押し紙」という誰も読まない新聞紙を発行して、部数をかさ上げしていると言われています。この押し紙については、うちでも過去に書いています。
■
新聞の闇 新聞社が押し紙で水増しする理由は主に2つ ■
詐欺と脅迫で成り立つ新聞ビジネス…新聞社の押し紙問題 しかし、実を言うと、引用記事のメインは中国の押し紙的なものの話であり、数字が怪しいのは日本だけではないようでした。興味のない企業にまでノルマを決めて強制的に買わせているそうですから、中国の共産党系新聞紙(“党報党刊”)の極悪さは日本の新聞社以上でしょう。
5位 参考消息(中国) 310万部
●アメリカは日本と違って「全国紙」がないと言われるが本当?
また、たとえ押し紙があったとしても、日本が世界的に異常なほどの新聞紙好きということに変わりありません。例えば、以前アメリカのテレビは、日本ほど特定の局に偏って視聴されていないらしいと書きましたけど、新聞紙にも同じことが言えそうです。
先程のランキングを見ても、日本よりずっと人口が多いのにアメリカがランクインしていないというのは、そういった推定ができるでしょう。また、Wikipediaにおいても、以下のように書かれている部分がありました。地方の独立性が強いアメリカらしさとも受け取れます。
<日本で言うところの「全国紙」とは概念が少し違い(99パーセントが地方紙)、記事が全米規模で配信され"National newspaper"(全国的な新聞)とおおよそ呼ばれているのはUSAトゥデイ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、クリスチャン・サイエンス・モニター、ロサンゼルス・タイムズなどである。このうち、特定地方・都市に偏らず全米の読者を対象としているのはUSAトゥデイと経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルのみ>
●実は日本の特徴…海外でよく売れるのはスポーツ新聞的な新聞
あと、中国では上記の“党報党刊”(実は1紙ではなく何紙も種類がある)以外だと、いわゆるスポーツ紙のようなものが好まれるとありました。
日本のスポーツ紙は大衆紙とみなされます。大衆紙はタブロイド紙とも呼ばれますが、内容で分ける場合と、紙の大きさ(タブロイド版)で分ける場合があり要注意です。内容も大きさもという意味では、日本の夕刊フジ、日刊ゲンダイがタブロイド紙に当たります。
とりあえず、そういった理解で、先ほどのランキングを見ると、7位のThe Sun(英国)もタブロイド紙(大衆紙)であり、一般紙(高級紙)ではありません。また、ドイツのビルドもタブロイド紙でした。(ビルドについては2018/05/23追記)
こういう風に大衆紙ではない真面目な新聞が売れるというのも、日本の新聞の特徴と言えそうです。
【本文中でリンクした投稿】
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新聞の闇 新聞社が押し紙で水増しする理由は主に2つ ■
詐欺と脅迫で成り立つ新聞ビジネス…新聞社の押し紙問題【関連投稿】
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アメリカの新聞発行部数ランキング 日本と比較して極端に少ない理由 ■
全国五大紙、三大紙 全国紙は読売、朝日とあとはどこ?毎日・日経・産経・中日・東京新聞 ■
中国の新聞発行部数ランキング 有名な人民日報・環球時報は2位以下 ■
社会・時事問題・マスコミについての投稿まとめ
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