●京都大パン・リアンウエイ元研究員の論文で不正 画像データ捏造
2022/06/25:「リアンウエイ・パン」と「パン・リアンウエイ」でお名前が表記ブレしているのですが、中国系ですかね、おそらく外国人で名字を先にするかどうかでの違いだと思われます。
京都大で論文不正「見栄えよくするため」 元特定研究員が画像データ捏造|京都新聞(2022年6月24日)では、以下のように伝えていました。
<京都大は24日、理学研究科の元特定研究員が著者である植物に関する5本の論文で、画像データの捏造(ねつぞう)や改ざんの不正があったと発表した。京大は論文の撤回を勧告し、処分を検討している。
不正認定されたのは、リアンウエイ・パン元研究員(43)。論文は、シロイヌナズナの葉緑体に存在するタンパク質などを解析した内容で、2008~12年に国際科学誌に発表された。実験データを示す計11点の図で、コントラストや位置を加工したり、別の画像を挿入したりしていた>
パン・リアンウエイ元研究員は「図の見栄えをよくするためだった」などと説明していたとのこと。「だから良い」というものではありませんが、論文全体の結論に影響はなかったと京都大は説明。また、京大によると、いずれの不正も元研究員が単独で行ったという判断をしています。
ただし、確認を怠ったとして責任著者の鹿内利治教授(62)についても処分を検討する…とされていました。
京大元研究員の論文不正を認定 画像に捏造「見た目よくしたかった」:朝日新聞デジタルによると、鹿内利治教授については「責務を果たしていなかった」と認定されたとのこと。こちらでは以下のような情報もありました。
<京都大は24日、大学院理学研究科に2011年まで所属していたパン・リアンウエイ元特定研究員が08~12年に学術誌に発表した論文5本について、計11枚の画像に捏造(ねつぞう)・改ざんの研究不正があったと発表した。(中略)調査した結果、図の濃さの改ざんや、実験の元データにない画像を挿入する捏造などが確認された>
●中国系・画像の不正・結論には影響ない、京都大では過去にも…
今回の件で、
熊本地震でまた不正、林愛明教授の論文の図4つで改ざんや盗用を思い出しました。この教授は中国出身でしたし、図に関する不正であったことも共通点ですので連想しました。こちらの場合は結論に影響があったと認定されていたのは違う点ですが、本人は「論文の結論は間違っていない」と主張しており、ここも連想した理由のひとつです。
<京都大学は、理学研究科の林愛明教授(地震地質学)が2016年10月に発表した熊本地震に関する論文に、改ざんや盗用があったとの調査結果を発表しました。論文は米科学誌サイエンスに掲載されたもので、熊本地震を引き起こした断層のずれが、阿蘇山の直下にあるマグマだまりによって妨げられた可能性があるとの内容。もしマグマだまりがなければ、被害がより広範囲になった恐れがあると分析していました。
しかし、6つの図のうち4つで改ざんや盗用があったということで、ほとんどの図が不正。林教授は、防災科学技術研究所や東京大学の研究者が作製した断層の動きを示した図などを、自らの主張を裏付けるデータとして使っていたのですけど、これらを改変していた模様です>
<林教授は調査委に対し、四つの図が間違っていることを認めました。この改変により、地震を引き起こした地下の震源の位置が大きくずれるなど、結論を導き出す前提に問題が見つかったとされています。
しかし、林教授は「論文の結論は間違っていない」と主張。調査委もなぜか、一連の不正行為について「故意に行われたものかどうかは判断できなかった」としています。故意かどうかにこだわると話がおかしくなるので私はここを重視すべきではないと考えているものの、今回の件を故意ではないと解釈するのはそもそも難しい気がします>
●京都大の不正は中国系ばかり…と思いきや日本人教授はより悪質
過去に書いているように、不正は少ない方が良いのですが、不正発表が少なすぎる場合は隠蔽が疑われます。で、京都大は規模が大きい割に不正の発表が少なくて、なおかつ海外系ばかりなのは隠蔽されているからかな?と思ったのですが、日本人でより悪質な不正があったことを思い出しました。
これは、
京都大霊長類研究所の正高信男・元教授、大麻論文にデータ捏造疑惑 『ケータイを持ったサル』の著者の件。正高信男・元教授は京都大霊長類研究所による報復という陰謀論を主張していたものの、そもそも実験参加者が確認できないとされており、ゼロから全部捏造した最悪級に悪質な事例のようでした。
<京都大が正式に、霊長類研究所の正高信男・元教授)が、2014年から19年に発表した論文4本で、実際に実験をしていなかった捏造の研究不正があったと発表。京大は退職金支払いを止めており、今後、処分を検討するそうです。
不正があったのはいずれも、正高元教授が1人で執筆した論文。電子書籍と紙の本が読解力の発達に及ぼす影響の比較や、自閉症の子どもたちの美的・芸術的な感性の調査、対人関係に不安がある10代男女に大麻の合法成分カンナビジオール(CBD)を摂取してもらう実験をしたとする内容でした。
また、前回気になった捏造と認定した理由も判明。調査で、正高元教授から実験ノートなどの証拠は提出されなかったのですが、実験の参加者のリストとされる名簿をたどっても、実際に参加した人は見つからなかったとのこと。研究室の資料や経費関係の書類などを検証した結果、4本の論文で記載された実験は行われておらず、故意の捏造と判断したそうです>
【本文中でリンクした投稿】
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熊本地震でまた不正、林愛明教授の論文の図4つで改ざんや盗用 ■
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