2012/8/6:
日本人FX投資家は「買い」に偏っている
円安相場なら日本人も大儲け…のはずが現実は微妙
FXで儲けている人は2割だけ 初心者におすすめだなんてとんでもない
むしろ恵まれた取引条件なのに儲けられない現実
取引コストが気になるというのは相場が下手なため
●日本人FX投資家は「買い」に偏っている
2012/8/6:私がこの手の話を書くときは、手を出すなという話ばかりなのですけど、
FXの不都合な真実 「もうかっている人は2割」 編集委員 清水功哉(日経新聞 2012/6/1 6:00)というものを読みました。
本来片側だけに張るのであれば、それなりの準備をするべきなのですが、FX投資家の持ち高は、円売り・外貨買いが円買い・外貨売りを上回っているのが普通だそうです。
これは要するに米ドル円であれば、「米ドル・円の買い」という意味です。米ドル円はそうでもない(2012年当時)のですけど、他の通貨では金利差のせいで持っているだけで株で言う配当のようなもの(スワップ)が入ってきます。そのせいで多いのではないでしょうか。
ただ、それは微々たる金額で、値動きによる損得の方がずっと大きくなります。なので、本来ならこちらを気にするべきです。
逆に「米ドル・円の売り」などをすると、スワップがマイナスになることが多いので、心理的な抵抗感が大きいのかもしれません。ひょっとすると、単に「売りから入る」という形が違和感ある可能性もありそうです。その時点でもう素人ですからやめた方が良いと思うんですけど…。
●円安相場なら日本人も大儲け…のはずが現実は微妙
とりあえず、とにかくそういった持ち方ですので、実は2012年に入ってから4月までは、FX投資家の収支状況が改善しているとされていたようです。対ドルで一時8円も円安が進み、いったん1ドル=84円台を付ける局面もあったためです。
実際、12年1月~4月中下旬の損益状況を聞いた大手FX業者外為どっとコムの顧客調査でも、44%の人が「プラス」と答えていたとのこと。
「え?じゃあ、何でタイトルで2割だとか言っているの?」ということになるのですけど、実は上記の時点でもプラスの人は過半数割れでした。
そして、「プラス」とした人のうち最も多かったのは、年初来の収益率がわずか「1~5%」だった人で、その比率は16%。最近の円高でこの比率が再び低下したと考えられます。
●FXで儲けている人は2割だけ 初心者におすすめだなんてとんでもない
FXの投資家は、その華やかなイメージとは裏腹に、「利益をあげているひとはせいぜい2割程度」という話が、かねて業者の間で流れていたそうです。例えば、外為どっとコムが10年冬にまとめた顧客調査では、10年1月~11月中下旬の取引でもうかっている人は23%にとどまりました。マジで2割ですね。
その前年に当たる09年については、顧客の損益状況(実現損益ベース)を調べた業界の内部調査資料が存在するのだが、こちらも投資家の苦しい状況を示していました。
"業者(79社)に対して、個人向け稼働口座のうち損失が出た口座の比率を聞いたら、「60%以上70%未満」という業者が32%で最多だった。「70%以上80%未満」(25%)、「80%以上90%未満」(4%)、「90%以上100%未満」(1%)も加えると、合計で6割を超えた。評価損益も合わせたベースであれば、もっと悪い結果になっていた可能性がある"
円高が進んでいた2011年8月末に、「コピーは絶対に渡せませんが」と言いながら、大手FX業者幹部が顧客の日々の損益に関する内部資料を見せてくれたのですけど、これがまたひどいです。
11年に入ってからの
8カ月間で、顧客側の損益がプラスになった日はたった2日しかなかったというのです。「たった2日?」と思わず声をあげた筆者に対して、業者幹部は「あくまで顧客の損益を合計した数値であって、個別には利益をあげた人もいる。それでも比率にしたら1割くらいかもしれない」と語っていたといいます。
FXは初心者におすすめだなんて言う人もいるのですけど、とんでもない話です。
●むしろ恵まれた取引条件なのに儲けられない現実
「10年1月~11月中下旬の取引でもうかっている人は23%にとどまった」という話がありましたが、これは非常に短期間であるために数字が高く出ます。
つまり、1年で見ればもっと下がっている可能性が高く、私は2割未満だと思います。これをさらに数年で見れば…となると、悲惨な状況でしょう。2ヶ月でプラスだけじゃなくて、1年でプラスでも十分まぐれだと言って良いです。
記事では、恵まれた環境下にありながら、もうけている人はかなり少ないのが実情だとも指摘していました。
"個人がFXでドル・円取引を手掛ける際の売買コスト(スプレッド=買値と売値の差)は、一部業者では原則0.3~0.4銭程度に下がっている。生命保険会社など有力機関投資家や大手自動車会社など輸出入業者が為替取引をする際にも、1銭程度のコストを負担する例が多いだけに、異例の好条件といえる"
●取引コストが気になるというのは相場が下手なため
投資家の間には、業者が不公正な取引をしており、その犠牲になっているためだという不満を口にする人もいるもいるそうでした。FX会社が不正に行うストップ狩りがあるという主張です。
ただし、「この種の行為が多くの業者によって大々的に行われ、投資家の勝率を大きく下げる要因になっているわけではないという印象を受けた」と書いていたように、これが主因だとは考えづらい話。それ以前のもっと大きな問題があるのではないでしょうか?
今のFXはの取引条件は恵まれているという話が先程ありました。しかし、相場の技術がある人は手数料などのコストが安くなくて不利であるはずのFX以外の世界でも儲けることができますし、過去のもっともっと手数料が高かった時代ですら株などでうまく儲けている人たちが存在したのです。
手数料の差などは取引を繰り返せば膨大になるのは事実ですけど、取引の損益までを左右するものではありません。最初のスワップなんかがそうであるように、結局、値動きの方がずっと大きいのです。逆に手数料などに左右されるような利益しか出していないということは、技術が不十分だと言えます。
安易にFXを勧める広告などもある(というか、最近多くないです?)と思いますが、以上のことは理解した上で検討してください。私は推奨しません。
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