2012/8/26:
●他者に性的感情を抱かない無性愛者(アセクシュアル)
●無性愛者の割合はどれくらい?カナダの研究者が調査
●無性愛者とノンセクシュアルを混同した割合か?
●アセクシュアルとノンセクシャルの違いに注意
2019/01/07:
●Wikipediaの内容が強化されて無性愛の説明が明確に…
●無性愛者の割合は実はもっと多かった?異なる調査結果
●他者に性的感情を抱かない無性愛者(アセクシュアル)
2012/8/26:出典不明、独自研究のおそれなどで、あまりまだ良い内容ではないみたいですが、
Wikipediaにも無性愛という項目はあります。今回ところどころ引用していますので、信頼性に問題があることに注意しながら見ていってください。
とりあえず、Wikipediaでは、無性愛(むせいあい)とは、『他者に対して恒常的に恋愛感情や性的欲求を抱かない』ことと説明。用語も安定していないようで、無性愛の性質を持っている人のことを無性愛者、またはエイセクシュアル、ア・セクシュアル、Aセクシュアルともいうとのこと。略称としてAセクを使うこともあるそうです。
これは同性愛者とは明確に異なるものでしょう。Wikipediaでは、「異性愛者で無性愛者」「同性愛者で無性愛者」「両性愛者で無性愛者」「全性愛者で無性愛者」は成り立たない、としていました。恋愛感情を抱かないのが無性愛者であり、これは異性愛者だけでなく、同性愛者とも異なります。
ウェブで見ていると中には「無性愛」を「無愛」と捉えたのか、「無性愛者」は「人を愛せない人」だと思っている人もいますが、そうではないでしょう。たとえば親子の愛は通常「恋愛感情や性的欲求」と理解されているでしょうか。違いますよね。
●無性愛者の割合はどれくらい?カナダの研究者が調査
ところで、無性愛の話を知ったのは、
(IRORIO(イロリオ)公開日時:2012年08月22日 09時37分 更新日時:2012年08月22日 09時37分 木村 加代)でした。
ここでは、世界の人口の約1パーセントが他者に対して性的欲求を抱かない“asexual(無性愛)”であることが専門家の調査で判明した、としています。
書籍「無性愛を理解する」ではこれらの無性愛者の人々は“第4の性的性向”と分類。この本の著者、カナダのブロック大学のアンソニー・ボガート教授によると「無性愛については現在研究中であり、彼らは性的特色が溢れた今の文化から疎外感を感じています。社会は性愛者、無性愛者の両方の存在を認めるべきです」とのこと。彼は無性愛を性的衝動の欠如と定義づけています。
ボガート教授は2004年にイギリスで18000人を対象に行われた性的衝動に関するアンケートを分析。1パーセントの人が「これまでに誰にも性的衝動を感じたことがない」という項目に賛成していたとのことで、これが1パーセントの根拠でしょう。
ある専門家は「実はかなりの人数の無性愛者が存在すると思われますが、社会が以前よりもリベラルになったので、今カミングアウトし始めたにすぎません」と語っていたそうです。
●無性愛者とノンセクシュアルを混同した割合か?
アンソニー・ボガート教授の定義は「性的衝動の欠如」でした。これはWikipediaとは違い「恋愛感情」については触れていません。
記事には他に"また親密で持続的な感情を他者に抱いている無性愛者で、性的関係を持たずに、体外受精を利用して子供を持つことを望んでいる人もいるという"ということも書かれていました。
この親密な感情を恋愛感情と捉えるかどうかは微妙ですが、先のWikipediaでは以下のように、これとは違う解釈を思わせる部分もあります。わかりづいらいですね。
"「他者に対しての恋愛感情は有り得ても、恒常的に性的欲求を持たず性的行為を望まない」性質のことは、「非性愛」という。「非性愛」の場合は、「異性愛者で非性愛者」「同性愛者で非性愛者」「両性愛者で非性愛者」「全性愛者で非性愛者」が成り立つ。しかし、用語が曖昧で「無性愛」と「非性愛」の違いが理解されにくかった頃の名残として、今なお非性愛者がAセクシュアルと呼ばれたり、恋愛感情有の性愛者がAセクシュアルを自称したりする誤認識が存在する"
●アセクシュアルとノンセクシャルの違いに注意
Wikipediaによると、それぞれ以下のように違うとの説明でした。ここらへん、ややっこしいですね。
<Aセクシュアル(無性愛者、アセクシュアル)>
他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない人をいう。つまり、性的指向が無く、異性愛者としての性質も同性愛者としての性質も持っていない人をいう。ここでいう恋愛感情とは、性愛者が性的指向の対象に対して抱く情緒的で親密な関係を希求する感情のことである。
元々「asexual」という言葉は、「sexual」に否定形の「a」を付けたもので生物学的に性別が存在しない(無性)ことや、性とは無関係であることを示す言葉であったが、転じて上記のような利用がなされるようになったとみられる。
<ノンセクシュアル(非性愛者)>
「他者に対しての恋愛感情は有り得ても、性的欲求を恒常的に抱かない」性質のことはノンセクシュアル(非性愛者)と言い、Aセクシュアルとは同一ではない。ノンセクシュアルの中でさらに恋愛感情さえも持たない人がAセクシュアルである。
なお、性欲自体がないことを指してWSD(Without Sexual Desireの略、一種の和製英語)という言い方がある。また、性的なものや性的行為に嫌悪感を抱くことを性嫌悪という。Aセクシュアルの中にはそのような人も存在するが、全てのAセクシュアルが無性欲や性嫌悪であるわけではない。また、性的指向と切り離した他者との性的な関わりをするAセクシュアルもありうるだろう。
Wikipediaはまだ怪しい内容のようですが、そもそもこの言葉自体がきちんと整理されていない部分を多く残している、成長途上の新しい言葉ということかもしれません。
●Wikipediaの内容が強化されて無性愛の説明が明確に…
2019/01/07:アンチセクシャルという言葉もあるみたいですね。ただ、これはさらに浸透しておらず、よくわかりませんでした。Wikipediaでは項目どころかヒットゼロ。とりあえず、
アンチセクシャルという選択肢 - MY MINORITYで、以下のような説明がありました。
"ある大学の先生が「私とアンチセクシュアル」というタイトルで作文を書くよう、学生に課題を設けていたことだ。アンチセクシュアルという語は英語圏の発祥であり、ここで使われている定義は、英語のantisexualismとは異なる。性欲や性行為に反対するという意味を超えて、人はみな恋愛・性欲・性的身体を持っており、それぞれ標準的なあり方が存在することを前提とする社会に違和感や反感を持つという意味で使われている"
あと、
無性愛 - Wikipediaを見ると、出典不明・独自研究といったタグがなくなってブラッシュアップされたみたいです。ポイントとしては以下。
・研究者は一般的に無性愛を「性的な魅かれや性的関心の少ないこと」と定義。冒頭でも、他人に対する性的な魅かれの少ないこと、または性的な行為への関心や欲求が少ないか、あるいは存在しないこと、という説明。
・一般人では、「性的な欲求が少ないか、もしくはない人」、「性的な行為が少ないか、もしくはしない人」、「恋愛的な関係・性愛的でない関係のみを持つ人」、「性的な欲求および行為の両方がない人」など、様々な定義がされている。
●無性愛者の割合は実はもっと多かった?異なる調査結果
ボガート教授の定義は最初のときの記事だと「性的衝動の欠如」と訳されていましたが、Wikipediaでは「性的な魅かれを経験していないこと」といった訳でした。これだと恋愛感情だと理解できるので、ノンセクシャルとの混同がなかったことがわかります。
ただし、ボガート教授は先の調査のために接触した人々の30%が調査に参加しない選択をしたことを指摘した上で、「この1%という数字は、無性愛者と自認する可能性のある人口を正確に反映したものではなく、その割合はおそらくずっと大きい」と推測。同性愛者と両性愛者の人数の合計も、他の調査よりはるかに小さかったため、その可能性は高そうです。
一方で、2013年に出版されたアイケンさんらの調査によれば、2000〜2001年のNatsal-2のデータに基づくと、英国における無性愛者の割合は16〜44歳の年齢層でわずか0.4%。この割合は、10年前の同じ年齢層で収集されたNatsal-1のデータから決定された0.9%という数字からの減少を示しています。ボガート教授による2015年の分析でも、Natsal-1とNatsal-2のデータの間に同様の低下が指摘されていました。
算出された比率の違いはともかく低下傾向は一致しているということで、
日本とアメリカの同性愛者の人口・割合 ホモ増加は高度な文明の証と違う方向性。意外な結果です。
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