2012/8/28:
●なぜか頭脳労働の説明がないところも…肉体労働の説明なら多い
●肉体労働の対義語・反対語は頭脳労働で良い?精神労働という語も
●もう一つ別のの使われ方がある頭脳労働・肉体労働という言葉
●頭脳労働・肉体労働はブルーカラー・ホワイトカラーの職種に対応?
●なぜか頭脳労働の説明がないところも…肉体労働の説明なら多い
2012/8/28:
感情労働の問題点とバーンアウト対策 教師・客室乗務員・看護師などを書いていて気づいたのが、Wikipediaには頭脳労働と肉体労働の項目がないということ。そこでWikipedia以外ではどう書いているかを見てみます。
はてなダイアリーの辞書はてなキーワードを見ると、肉体労働の項目はあるものの、頭脳労働はなぜかなし。ということで、はてなキーワード以外も含めて、項目が存在する肉体労働の方から先に見ていきます。別名を「筋肉労働」とも言うそうですけど、こういう言い方してしまうとなんか脳筋っぽさがありますね。
デジタル大辞泉の解説
にくたい‐ろうどう 〔‐ラウドウ〕 【肉体労働】
からだを使ってする労働。筋肉労働。
大辞林 第三版の解説
にくたいろうどう【肉体労働】
肉体をつかってする労働。筋肉労働。
↔ 精神労働 (
コトバンクより)
physical [manual] labor
体を使った作業を伴う労働。
(
はてなキーワードより)
●肉体労働の対義語・反対語は頭脳労働で良い?精神労働という語も
大辞林では「肉体労働」の対義語に「精神労働」というものを挙げていて気になりました。じゃあ、「頭脳労働」はどこ?と思いますが、以下を見てわかるように、実は「肉体労働」と「頭脳労働」はイコールとして扱われるようです。なので、肉体労働の対義語・反対語は頭脳労働と考えても間違いはないのでしょう。
デジタル大辞泉の解説
ずのう‐ろうどう 〔ヅナウラウドウ〕 【頭脳労働】
主に頭脳を使ってする仕事。
精神労働。大辞林 第三版の解説
ずのうろうどう【頭脳労働】
知力や判断力を必要とする仕事。
(
コトバンクより)
大辞林 第三版の解説
せいしんろうどう【精神労働】
知的活動による労働。 ↔ 筋肉労働 ・肉体労働
(
コトバンクより)
●もう一つ別のの使われ方がある頭脳労働・肉体労働という言葉
主な頭脳労働者、肉体労働者の職業といった分類表のようなものがあるかな?と探したんですけど、そういったものは皆無でした。厳密に分類することはあまり意味がないと思われますが、それにしても何か例があればと思ったんですけどね。
あと、皆さんの使い方を見ていて気をつけなくちゃいけないなと思ったのは、頭脳労働・肉体労働に二つの使い方があることです。前述のような分類というのは、ある職業を頭脳労働・肉体労働のどちらかに分けようという理念。しかし、そうではなく個々の細かい作業に対して、一つ一つ頭脳労働・肉体労働のどちらかを与えるという使用法も見られたのです。
つまり、「ある職種が頭脳労働」「ある職種が肉体労働」という使い方ではなく、同じ労働者が場合によって頭脳労働をしたり、肉体労働をしたり、あるいはその両方を同時にしたり(?)するということがあるということ。この二つの使い方の経緯については、先の
コトバンクの世界大百科事典 第2版の解説がわかりやすいです。
せいしんろうどう【精神労働】
<もともと人間の労働には,(1)労働対象に働きかける方法を考える頭脳的エネルギーの支出と,(2)その働きかけそのものである肉体的エネルギーの支出という二つの要素がある。資本主義の発展とともに技術が進歩するにつれて,この2要素はしだいに分業化され,(1)を主要な内容とする精神労働が,機能を(2)に限定された肉体労働とは区別される職業として自立するようになった。技術の創造と応用,生産組織の企画と運営,医療や教育,芸術的創作などが,その具体例である>
●頭脳労働・肉体労働はブルーカラー・ホワイトカラーの職種に対応?
なお、Wikipediaには頭脳労働・肉体労働の項目がないと言いましたが、Wikipedia内で検索してみるとそれぞれホワイトカラー・ブルーカラーの項目へと飛ばされるようです。ホワイトカラーの場合は実際に、先の「精神労働」に対応する「精神労働者」の言葉も見えました。ただし、ブルーカラーでは「肉体労働」の言葉はなく、肉体とともに精神についても触れられています。
こちらのブルーカラー・ホワイトカラーもまたあまり分類にこだわっても仕方ないものだと思いますけど、参考のためにいくらか引用します。以下はまず
ホワイトカラー Wikipediaの説明です。こちらはある程度、頭脳労働と対応すると考えているようです。
ホワイトカラー(White-Collar 白い襟)とは、主に事務に従事する人々を指す職種・労働層を指す言葉。業務内容で、例えると、精神労働者になる。対義語にはブルーカラーが挙げられ、関連語にはサラリーマンが挙げられる。
概要
これらの職種は主に(白を基調とした)ワイシャツを着用する事からこのように呼ぶ。一方、現業で作業する人はブルーカラーと呼ばれる。ステレオタイプ分類の一種であり、厳密にどの職種がホワイトカラーに相当するかは話し手により異なる。
又、技術系職種の中でも研究開発職等のいわゆる高学歴層が中心の理系職はホワイトカラーに属するのかブルーカラーに属するのかメタルカラーの範疇に加えるべきなのか迷うところではある。これらの職種は清浄・快適な空間で作業していることが多いため、ホワイトカラーに属するという見方がある(少なくともブルーカラーには属さない)。
一方で一部のプログラマのように過酷な作業内容からIT土方などと蔑称される職種もあり、室内・室外、事務・現業、安全・過酷などといったステレオタイプの分類になじまない職種も多い。公務員のうち警察官の上級職(刑事や役職付き)や消防吏員は白いシャツを着用する事もあるが、あまり意識してホワイトカラー(主に事務職)とは呼ばれない。
続いて、
ブルーカラー Wikipediaの説明も見てみましょう。検索すると飛ばされることを考えると、こちらが肉体労働と関係が深いと考えられているようでした。
ブルーカラー(Blue-collar :青い襟のこと・色彩を意味する color ではない)は、主に現場の作業員など現業系や技能系の職種で、業務内容が主に肉体労働が主体である者を指す。対義語はホワイトカラーが挙げられる。
概要
これに属する職種では、雇用側から提供される制服や作業服の襟色に青系が多いことから付けられた。これに類するとされる職種は土木・建築関係や、ビルメンテナンス、警備、運転手・工員・メカニックエンジニア(整備工・修理工・広義の技術者)など多岐に渡る。(中略)
ブルーカラー職種の再評価
その一方で、バブル崩壊後の1990年代半ばから2000年代初頭にかけての深刻な不況の中で、ホワイトカラーの職種では労働力の供給過剰から、大量リストラも見られるようになった。またホワイトカラー職種の労働環境が往々にしてストレスが多く、精神疾患や過労死が社会問題として取り沙汰されるようになり、必ずしもブルーカラー職種よりも快適だとはいえないとみなされるようになった。しばしば脱サラに絡んで、ホワイトカラー職種への嫌忌感も見出され、相対的に第一次産業とブルーカラー職種の社会的重要度や職場環境も見直される風潮も出ている。
繰り返しますけど、曖昧な概念であり、あまり一生懸命分類するようなものでもないと思うんですよね。ただ、片側を特権的に扱う、あるいは差別的な意味合いで使うという人が多いので、そう思い込んでいる方は分類にこだわりがありそうです。
私としては、厳密な分類にこわだるよりも問題点とその解決策が重要だと考えています。上記のWikipediaでは、問題点が書かれていました。
感情労働について書いた話の方も同じで、ある種の労働に共通して見られる問題を考えていきましょうというのが主目的であり、分類自体は瑣末なことだと思います。
【本文中でリンクした投稿】
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