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アップルVS日本の特許訴訟 イーパーセル、Googleに勝利


 以前も出ていたんですが、あまり読まれないかなと思って書かなかったイーパーセル。

 今回、日経新聞でも取り上げられていましたので、さらっと紹介します。


 前に読んだときには確か日経ビジネスオンラインもあったと思いますが、まず、グーグルなど13社を訴えた 国産ベンチャー驚異の実力 (要登録 ダイヤモンド・オンライン 2012/4/16 週刊ダイヤモンド編集部)から。

 "社員わずか8人のイーパーセル"という日本のベンチャー企業が、2011年4月、米国テキサス州で、特許侵害に関するある訴訟を起こしました。

 相手は"世界のIT産業をリードする""グーグルやヤフー、AOL、AT&T、そしてアカマイ・テクノロジーズなど、検索サービス大手からインターネット接続事業者、コンテンツ配信企業に至るまでの13社"です。


 しかも、勝算の低い売名行為的な訴訟ではなく、勝てる見込みも高かったようで、"6月から本格的な訴訟手続きに入ると、8月には"早くも"携帯端末「ブラックベリー」を製造するリサーチ・イン・モーション(RIM)"が白旗。

 "イーパーセルはRIMと特許ライセンス契約を結び和解"に至ります。


 "イーパーセルの事業は、容量の大きなデータを企業向けに配送するサービスで、いわば「電子宅配便」とも呼べるもの"です。

 前述のとおり社員は僅かに8人ですが、"顧客は、日産自動車やコマツをはじめとする約600社"。

 これを可能にしているのは、システムがほぼ自動化されているということですが、この中には"世界を驚かせる特許技術が詰まっている"ようです。


 例えば、以下のようなものです。

・データの受信を通知する技術をはじめ、他人のパソコンを遠隔操作する技術。(スマートフォン上でメールを受信したり、バージョンアップしたりした際には当たり前のようにポップアップが現れる)

・ネット上で個人の嗜好や習性を収集・解析する技術。(個々の検索結果に関連した広告)


 これは4月の時点の記事でしたが、日経新聞はごく最近の2012/8/16 7:00のもの(タイトルはグーグルにも「勝利」――IT特許訴訟、日本のベンチャー快進撃 電子データ配信のイーパーセル)。

 新しい情報としては7月25日、Googleともライセンス契約を結んだという話があります。"イーパーセルの狙いは損害賠償請求ではないため、事実上の勝利"です。


 日経新聞では、さらに

"「本命はアップル」。イーパーセルの北野社長は次なる標的を打ち明ける"

 とありましたけど、実はダイヤモンド・オンラインのときにも

「日本にも世界に誇れる技術があることを知っていただきたい。近い将来、時価総額世界1位のアップルにも、わが社の特許技術を提供したい」(北野譲治社長)

 と言っていました。


 イーパーセルは1996年の創業時点(米ボストン)で既に、"ネットの爆発的な普及で電子取引の時代が到来することを予感し"ていた企業のようです。(ただし、アメリカでの会社は失敗して撤退、日本だけ残りました)

 "創業者は三菱電機出身でマサチューセッツ工科大学に留学した小畑浩志"さんで、"。インターネットビジネスの先を見据えたアイデアマンの小畑氏の呼びかけで"、"世界プログラミングオリンピックのチャンピオンや、数学オリンピックの選手権参加者ら世界14ヵ国の最高峰の頭脳"が集まったそうです。(最後の引用部以外は、この後の日経新聞から。他はダイヤモンド・オンライン)

 "98年から2001年にかけて米国特許11件を次々と取得"、特許の大切さも知っているようですが、

「そもそも経営は安定しており、ライセンス料を得ても訴訟や弁護士の費用を差し引けばもうけはほとんどない。それよりも、自社の『知的資産』を積極的に活用するための経営戦略である」(北野譲治社長)

 ということで、"和解で得られる数千万円の特許ライセンス料ではない"みたいです。

 "ベンチャー故に金融資産が少ない分、訴訟などを通じてこうした知的資産を世界に認めさせることで、ブランド価値を高めていく"という戦略だそうです。


 なぜこういう戦略を取るに至ったかは、日経新聞でもう少し詳しいです。

 2004年に就任した北野社長は"事業が安定してくる中で""ベンチャー企業の壁"に気づきました。

「気がつけば大手企業に市場を押さえられ、いずれはつぶされるか取り込まれてしまう」

 そこで、特許訴訟を通じ、"争って有効性を認められ"ることで、"知的資産として価値"を作る、"知名度向上とともに事業拡大のチャンスは確実に広"げようというもののようです。


 "名前を出せば誰もが知っている巨大IT企業"など、"特許訴訟での快進撃で「イーパーセルを買収したい」という打診が相次ぐ"そうですが、「売るつもりは全くない」とのこと。

 ベンチャーの壁を突き破って、誰しもが知る有名な会社になれるといいですね。


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