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日本の農業はこれ以上効率化できないから企業の参入が失敗する?


2018/12/13:
●日本の農業はこれ以上効率化できないから企業の参入が失敗する?
●農家に転身した技術者、農業の作業効率の低さに愕然
●黒字の野菜工場は1割ではなくもっと多い 太陽光型は特に良い
2021/01/17:
●今の農業が最高なんだから新技術なんか興味ない…農業従事者の思い
●本当に今の農家は効率的?若者たちが食えなくて農業をやめていく現実
●不正している農家より生産量が圧倒的に多いカゴメのトマト栽培植物工場


●日本の農業はこれ以上効率化できないから企業の参入が失敗する?

2018/12/13:農業参入企業では、黒字が1割でトントンが2割、7割が赤字。農業参入企業で利益を挙げているのは1割程度に過ぎないそうです。この理由について、以下のように書いているブログさんがありました。

・どうして失敗するかというと、まず現状の農家を「非効率で時代遅れ」と決め付ける、企業や国の現状認識が間違っている。
・先進国で日本の農業は最も生産性が優れていて、補助金を除く農家収入は世界最高。アメリカの農業は、どの農作物を見ても5割から9割が政府補助金。アメリカの農業は日本の農家より、ずっと効率が悪く生産性が低い。日本の農業に競争力が無く衰退しているのは、国が補助金を出していないから。
・農作業という仕事は同じなのに、コンピュータで管理すると効率化するという珍理論も、怪しすぎて正気とは思えない。
・「野菜工場」と称して工場を建設して農作物を育てている会社もあるが、何かの脱税ではないかと疑ってしまう。
・家族数人が朝から晩まで一年中農作業をして、やっとまともに収穫できるのが農業なので、効率的な農業なんか存在しない。
・企業が農業に参入しても9割が失敗する理由は、「既に農業は効率化されているから」。
(企業の農業参入が9割失敗する理由 既存の農家が充分に効率的だから  2016年02月19日10:34 より)


●農家に転身した技術者、農業の作業効率の低さに愕然

 「日本の農業に必要なのは欧米と同じく政府の補助金で農家を儲かる職業にする事で、背広を着た高学歴の人たちでは無い」ともありました。ただ、実際に「背広を着た高学歴」だかはわからないものの、自動車部品メーカーのソフトウエア技術者から農家に転身した小池誠さんの話がおもしろかったんですよ。

 小池さんの農業への印象は、「日本の農業は効率的」といったものとは全く逆。30代となり実家の家業を継いだものの、当初は「農業の作業効率の低さに愕然とした」としていました。

 ただ、「既に農業は効率化されているから」という主張とも、一応この時点ではまだ共存する可能性があります。これ以上の改善は不可能だというのが最初の主張ですので、一見非効率に見えても限界であるのなら、やはりそれ以上は効率化できないと言えるでしょう。

 ところが、技術力がある小池さんは、これを改善してしまいました。厳密には、小池さん自身はソフトウエア技術者であるだけで「AIに関しては素人」だったのですけど、グーグルのAIを学習して2万円程度で、キュウリの自動仕分け装置を自作してしまいました。
 
 収穫のピーク時には仕分け作業に追われることになるほど非効率だったキュウリの選別作業。判定精度は約8割であり、最終的には小池氏自身が選別していますけど、「作業効率は4割程度高まった」といいます。しかも、今後はキュウリ収穫の見逃し防止、梱包までの自動化といったことまで目指しているそうです。
(開発費2万円、AIでキュウリを仕分ける農家:日経ビジネスオンラインより)


●黒字の野菜工場は1割ではなくもっと多い 太陽光型は特に良い

 ちょっと短いかなってことで、もう少し別の話も。最初のブログさんでは、「野菜工場」についてもけちょんけちょんでした。実際、苦しいところが多いようで、残念なことです。ただ、ブログさんで書いていた「黒字が1割でトントンが2割、7割が赤字」よりは良いようでした。

 6割赤字、植物工場の問題点 人工光と太陽光の大きな違いとは?でやった話ですと、以下の通り。うまく行っていない人工光型植物工場でも上記より良く、太陽光型ではかなり数字が異なります。

太陽光型 48%が黒字で、14%が収支均衡、39%が赤字
人工光型 17%が黒字で、25%が収支均衡、58%が赤字

 あと、既存の農家さんの黒字・赤字の割合がどの程度なのか?といったところは、今後調べてみたいところ。また、「日本の農業に競争力が無く衰退しているのは、国が補助金を出していないから」も極端ですけど、事実上の補助金である「関税」について触れられていないのも気になります。税金的にも農家には優遇があったはずで、植物工場の方が税金面で不利なところがあると過去には指摘されていました。


●今の農業が最高なんだから新技術なんか興味ない…農業従事者の思い

2021/01/17:吉田 忠則さんは、農業を取材していると、いまも「アグリテック」などの言葉に抵抗感を抱く人が多い…としていました。ただ、この続きとなっていた文章の意味がよくわからず。「気持ちがわかるのは、現実の農家の多くはこれまで通りの農作業をこつこつこなし、日本の食料を支えているからだ」と書いています。

 最初さっぱり意味がわからなかったものの、最後に以下のような話が出てきて、やっと上記で言っていることの意味がわかりました。どうも植物工場は失敗が多いし、自分たちの今までやってきたやり方の方が優れているに決まっているから興味ない…ということだったみたいですね。

<農業の取材をしていると、カゴメが日本に導入したセミクローズドの施設や植物工場など、これまでの常識を覆す収量を達成する技術について、あまりにも無関心だと思うことが少なくない。とくに植物工場は失敗例が多いため、自分たちを脅かす可能性のある技術だと感じている農家はほとんどいないと思う。そして、昨日と同じ営農が明日も続く>


●本当に今の農家は効率的?若者たちが食えなくて農業をやめていく現実

 ただ、本当に今のやり方が優れているのかは怪しいところがあります。というのも、日本の農政の失敗で若者の農業離れ 若者が農業をしない理由は?で追記した「若者の農業離れ」に関する話では、若者たちが食えなくて農業をやめていくことが多いことを認めていたため。生活もできない状態…というのは、到底現在の農業が効率的に行われているとは思えません。

 また、このとき使った記事では、稼げないことを認める一方で、農業という「大事な仕事なのにおろそかにされている」と批判し、精神論で農業をやらせようとしていて驚きました。稼げないという現実にある問題は放置して、食材の背景にある物語を消費者に伝えて農家に誘う…ということで、キラキラストーリーで若者を農家にさせようというスタンスなようです。

 さらに近代化を批判したり、このままだとロボットを使わなくちゃいけない…とロボット導入に批判的だったりと、現状が利益を出しづらい状況であることを放置しているだけでなく、現状を改善して効率化することを徹底的に拒否している感じですらありました。かなり驚くような記事だったんですよね。


●不正している農家より生産量が圧倒的に多いカゴメのトマト栽培植物工場

 先程の農業従事者はアグリテックに抵抗があるという話があったのは、トマト栽培を10年で黒字化、カゴメの未来工場:日経ビジネス電子版という記事でした。2018年10月19日のものなので、今でも本当にうまく行っているのかは不明なのですが、カゴメが画期的なことをやったのではないか?という内容の記事みたいです。

 画期的だというのは、栽培技術をカゴメが提供し、山梨県北杜市の農業法人のアグリマインド(藤巻公史社長)が運営する「明野菜園」。2014年12月に稼働しています。最大の魅力は、突出した生産性。付加価値の高い高リコピントマトの生産量は1平方メートル当たり70~75キログラムで、一般の施設の10キログラム未満に比べると、格段に多くできます。他の種類のトマトなら収量はもっと増えるとされていました。

 高収量の秘訣は、二酸化炭素(CO2)の濃度のコントロール。これまでの施設でもやっていたものの、温度や湿度を調節するため、天窓を頻繁に開け閉めしていたため、制御しきれていませんでした。明野菜園の場合は空気そのものを作っているために、ベストな状態を作ることが可能。虫が少ない・低農薬で済むというメリットもあるそうです。また、小規模施設ではない1.9ヘクタールの施設でこれができたというのがすごいともされていました。

 この他、ロボットを使って効率化も試みている最中。日本で普及しているオランダ型では熟練の手作業がいる部分があるそうですが、これも改めているといいます。また、ハチに頼らない受粉として、こちらもまた機械的にやることを試みているとのこと。このハチはグレイゾーンの脱法行為でやっている農家がほとんどという衝撃的な話もありました。これが本当なら企業より農家の方がよっぽど邪悪ということになってしまいます…。

<受粉に使うハチは生態系を守るため、原則として在来種を使う必要がある。だがその育成が国内では難しいため、カゴメはオランダやベルギーにハチを送り、繁殖させて逆輸入している。ふつうの農家はそれができないから、違反すれすれのやり方で外来種を使っている>


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本の農政の失敗で若者の農業離れ 若者が農業をしない理由は?
  ■6割赤字、植物工場の問題点 人工光と太陽光の大きな違いとは?

【関連投稿】
  ■食料自給率が低い農業輸出大国オランダに日本が真に学ぶべきもの
  ■地産地消のデメリットと危険性 国産信仰と合わせて野菜高騰給食中止の理由に
  ■日本農業の補助金は高くない?PSE(生産者支持推定量)と関税という視点
  ■岡山県・富山県・熊本県などで用水路死亡事故が多いのはなぜ?
  ■食べ物・飲み物・嗜好品についての投稿まとめ

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