おもしろい!ユニーク!と思って過去に書いた企業やサービスの話を少しまとめ。ただ、「おもしろい」などだと笑えるものを期待されそうなので、「すごいと思う」というタイトルにしています。(2018/02/21)
1. 海外注目の新しいカプセルホテル「ファーストキャビン」
2. レンタルが市場を広げる!おかりなレンタルでルンバをお試し
2012/9/3:
●無名でもすごいと思う日本の企業・サービスが続々誕生している!
●1時間800円・ドアなし・稼働率90%なのに高級感のファーストキャビン
●ファーストキャビンの元ネタはロンドンだけど高級感はオリジナル
2020/04/26:
●新型コロナウイルスの影響でファーストキャビンが倒産!
2012/8/29:
●レンタルが市場を広げる!おかりなレンタルでルンバをお試し
●お試しできるレンタル需要はある!「ロコンド」「ジャバリ」などの例
●無名でもすごいと思う日本の企業・サービスが続々誕生している!
2012/9/3:最近、発想が新しく工夫されていて独創性を感じ、かつ応援してあげたくなるような日本の企業やサービスの記事を、最近立て続けに読んでいます。
たとえば、
バルミューダの優しい風の扇風機GreenFan2、市場に革命を起こすのバルミューダだとか、"レンタルが市場を広げる!おかりなレンタルでルンバをお試し"(後述)のおかりなレンタルだとか……。
読んだ時期はこれらより古いものの
オフィスグリコの置き菓子は創意工夫のびっくり箱のサービスもおもしろかったです。
こういった新しいものが出てくるのは嬉しい限りで、できることなら長く低迷している日本経済に刺激を与えてくれたらなと思います。
なんか最初から終わりのようなテンションになりましたが、まだ今日の記事のタイトルも出していませんでした。
空きビルに舞い降りた「ファーストクラス」 1時間800円、ドアなし、稼働率90%の宿泊施設とは?(日経ビジネスオンライン 2012年8月23日 三田村蕗子)という記事です。
●1時間800円・ドアなし・稼働率90%なのに高級感のファーストキャビン
これは新ジャンルのホテルというべきものであり、名前はファーストキャビン。ところが、記事の最初の方は新しさも、すごさもさっぱりわからないものとなっています。
表面的なスペックだけを見る限りは、ファーストキャビンはカプセルホテルとあまり代わり映えしないように思える。
宿泊料金は4500円~5900円。デイユースは1時間800円~1000円。部屋は、4.2平方メートルの「ファーストクラスキャビン」と2.5平方メートルの「ビジネスクラスキャビン」の2種類。4.2平方メートルというと3畳以下だ。
どちらの部屋も人が立って入れるだけの高さはあるが、窓はなく、しかも、完璧な個室でもない。部屋と通路を隔てるのはスクリーンカーテンのみ。当然、音漏れはする。通路を歩く人の足音や話し声も聞こえてくる。貴重品はベッドの下に鍵をかけてしまうことができるが、部屋自体に鍵をかけることは不可能。やろうと思えば、他人の部屋に侵入できないこともない。プライバシーを完全には保てないのだ。
狭い上に個の空間が保たれていない宿泊施設のどこがどう新しいのか。なぜ海外からも注目されているのか。そう疑問を持つ人も多いだろう。
カプセルホテルと違うのは……と言うか、私はカプセルホテルって見たことないんですけど、まあ、とにかく違うところはこの後からだそうです。
しかし、実際に足を運んでみるとわかるが、ファーストクラスキャビンにはカプセルホテルにありがちなチープ感はゼロ。ロビーやフロントは一流シティホテルのようだ。部屋は決して広くはないが、テレビ、照明、LAN、アメニティなど必要な機能はすべて揃い、リラックスするに足る上質なスペースが確保されている。トイレや共用の大浴場も清潔そのもの。女性なら、充実したスキンケアのアメニティに顔がほころぶはずだ。
完全に仕切られていないのにラグジュアリーにまとめられ、快適に過ごせる空間は、何かに似ている。そう、飛行機のファーストクラスだ。他人の気配は感じるが、それぞれの空間の中で客が思い思いにリラックスして時間を過ごすことのできるあの空間だ。ファーストキャビンは、ビルの中に機内のファーストクラスを模した空間を創造した、低価格の簡易宿泊施設なのである。
↓カプセルホテルがわからんので私はあれですが、動画も。
●ファーストキャビンの元ネタはロンドンだけど高級感はオリジナル
設備だけでなく、従業員も"キャビンアテンダントのイメージ"だそう。前述のように音が漏れたり、鍵が掛けられないという点は、どうしても本当のホテルには敵わない仕様です。ですから、その代わり"採用にも教育にも時間をかけ"、サービス面に力を入れたということでした。
あと、意外な魅力として、"フロントから先は男性ゾーン、女性ゾーンに完全に分けられている"ことがあります。「廊下をすっぴんで歩けると女性客に好評」だそうで、キャビンウエア(寝間着)を着たまま気兼ねなく廊下を歩き、大浴場にも行けるということです。
このファーストキャビンはプランテック総合計画事務所というところのグループ子会社。プランテックグループを率いる建築家の大江匡さんが、"ロンドンのヒースロー空港で見かけたコンパクト型ホテル、「ヨーテル」がファーストキャビンの発想の元になった"とのことですが、経緯を聞いていると高級感というテイストはここが元ではないようです。
ファーストキャビンの来海忠男社長は、"ファーストキャビンは空き室に悩むオフィスビルの活性化策として誕生した施設"だとも言っており、次のような話をしています。
「ヨーテルの料金体系は安価で時間貸しもしています。ただ、このままの形では東横インやアパホテルと差別化できない。また、ホテルを作ろうとすれば、法律上、個室には窓や単独の水回りが必須となり、建物の窓側にしか部屋が作れません。それでは初期投資がかかりすぎ、効率も悪い。そこで考えたのが、カプセル形式でありながらもう少しラグジュアリーな居住空間です。これなら初期投資が少なくて済む上に、どんな形状のオフィスビルにも部屋を並べることができますからね」
"日本の古いビジネスホテルのシングルルームの広さは平均約13平方メートル。ここから水回りや廊下部分をカットして、清潔でデザイン性の高い居住空間を作れば必ず需要はあるはずだーー。こうしてファーストキャビンの構想が固まった"
"ホテルを作ろうとすれば、法律上、個室には窓や単独の水回りが必須"なんですね、知りませんでした。ですから、今日のタイトルに新しいホテルとしましたけど、正確にはホテルではないようです。
記事冒頭では、"カプセルホテルに似ているがカプセルホテルではない。ホテルのようでホテルでもない。まったく新しい宿泊施設"といった言い方をしています。
羽田店は"翌朝の早い便に乗るため前泊で利用するケースが多い"そうで、"当初から「最適な立地」として空港を想定していたそう"ですが、どれくらい広がっていくか楽しみです。
●新型コロナウイルスの影響でファーストキャビンが倒産!
2020/04/26:以上のような話を書いていたのですけど、ファーストキャビンが潰れてしまいました! "カプセルホテル「ファーストキャビン」が破産 宿泊需要が急減、再開めど立たず"(ねとらぼ / 2020年4月24日 16時53分)という記事が出ています。
ホテルは、19年末時点で26店舗まで拡大。フランチャイズ店もあったようです。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響が響き、国内外の宿泊需要が急減して破産してしまいました。稼働率は前年の10%程度に落ち込んでいたとのことです。ものすごい減り方ですね。
その割に政府に危機感がないんですけど、宿泊業界は新型コロナウイルス問題で最も苦しい業界のひとつですからね。すでに多数倒産しているホテル・旅館がありますし、さらにこれからも倒産するところが出てくるでしょう。なお、フランチャイズ店は各社の判断だそうで、こちらがファーストキャビンとして生き残る可能性は一応ありそうでした。
実を言うと、ファーストキャビンは、かなりうまく行っていた時期もあります。日本人客に加えインバウンド需要も取り込み、17年3月期には年間売上高約15億7900万円を計上。ただ、新型コロナウイルス問題の前の時点でも、施設数の急拡大に対し稼働率が想定を下回り、人件費も重荷になって営業赤字に転落していたといいます。
ファーストキャビンの魅力の一つは価格であり、海外からの宿泊客は特に重視したのではないかと思われます。ただ、ここに設立時にはなかったライバルが登場。民泊です。外国人はこの民泊をよく使ったと予想されます。よくある拡大路線の失敗が最も理由として大きそうでしたが、記事では、民泊の普及などで競争が激化した、とも書かれていました。
https://news.infoseek.co.jp/article/itmedia_nlab_20200424125/
●レンタルが市場を広げる!おかりなレンタルでルンバをお試し
2012/8/29: 知名度が低く、あまり読まれないかな?と思ったのですけど、ビジネスモデルが気に入ったので
おかりなレンタルというサイトを紹介します。
これを知ったのは
ルンバが3500円、“お試し”が広げる新市場 モノを買わせる「安心」のチカラ(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年8月17日 中川雅之)。"ベンチャー企業のフォレストワン(東京都台東区)が2011年6月に運営を始めたもの"ということですから、まだ1年ちょっとといったところです。
「おかりなレンタル」は一言で言うと、家電のレンタルサービスだと言えます。しかし、家電製品のレンタルサービス自体は以前からありました。それは次のようなものです。
"一人暮らしを始めた学生や単身赴任者などが、冷蔵庫や洗濯機など生活に必要な家電一式を一時的に使うケースがほとんど"
"それらの多くは利用期間を数カ月~1年単位としており、借りることができる家電製品も最低限の機能に絞った低価格品が主流"
一方、「おかりなレンタル」が新しいのは、"扱っている製品を新型で話題性の高いものに絞っている点"。狙いは「興味は引かれるが、手を出すには勇気がいる」といった類の製品を、手頃な値段でお試しできるようにすること。ルンバやゴパンのほか、「羽のない扇風機」「高級炊飯器」「ミラーレス一眼カメラ」「スチーム式美顔機」といった製品を取り揃える一方、既に普及が進んだ基本的な製品は扱っていません。
さらに利用期間も異なります。
数カ月単位の長期利用も原則的に想定していない。借りた商品を気に入った場合は、返品してほかの販売店で改めて購入するか、あるいはフォレストワンが提示した金額でそのまま買い取ることを促す。購入する場合の価格は、レンタルした商品がどれだけ人の手を渡ってきたかにもよるが、家電量販店などの実勢価格の7割程度にすることが多いようだ。
レンタルだけでなく、販売も行なっています。と言うか、これが狙いでしょうか? どちらにしても、レンタルした人が気に入れば、新たな顧客を開拓できたということになります。
●お試しできるレンタル需要はある!「ロコンド」「ジャバリ」などの例
フォレストワンの森川義明社長は「買い物で失敗したくないという需要に応える」とサービスの狙いを説明しています。マスコミなどに取り上げられることが多い新型の家電製品は、"広く一般の興味関心を呼ぶ半面、数万円以上と高額なことがほとんど"。不安が多く購入のハードルが高い商品に絞ったサービスで、目の付け所が素晴らしいと思います。
記事では"お試しできる安心感をテコに、消費者を取り込もうとしているのは同社だけではない"として、他に「ロコンド」やアマゾンジャパンの「ジャバリ」、眼鏡の通販サイト「Oh My Glasses」を運営するミスタータディを挙げていました。
「ロコンド」やアマゾンジャパンの「ジャバリ」については、以下のような"実際の店舗に勝る"魅力を挙げていました。
"店頭では、接客する店員に商品を何度も倉庫に取りに行かせることに気兼ねして、試し履きする商品を絞る傾向がある。だが自宅に商品が届くのであれば、ちょっと気になったものも気軽に履きやすいという利点がある"
また、「Oh My Glasses」では"百貨店の丸井の店頭でフレームの調整といったアフターサービスを受けられる仕組みも整え"、"「いかにすれば店舗と同等以上の安心感を消費者に提供できるか」というネット事業者の工夫"が見られました。
ただ、私は発想の新しさ・おもしろさとしては、やはり「おかりなレンタル」を推します。猿真似する会社が出るくらいにヒットするとおもしろいんですけど…。
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