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アイン・ランド ティーパーティーの母・20世紀アメリカで聖書の次に影響力を持った小説


 ティーパーティー関連の話をまとめ中です。

アイン・ランド ティーパーティーの母・20世紀アメリカで聖書の次に影響力を持った小説 2012/9/6
アメリカ大統領選挙2012 ~ティーパーティー(茶会)、ペリー、ケイン(ケーン)、サラ・ペイリン~ 2011/12/20
アメリカ大統領選挙2012 ~ミット・ロム二ー元マサチューセッツ州知事、ニュート・ギングリッチ元下院議長~ 2011/12/21


●アイン・ランド ティーパーティーの母・20世紀アメリカで聖書の次に影響力を持った小説 2012/9/6

 アイン・ランド(1905年2月2日 - 1982年3月6日)というアメリカの小説家の方を知り、興味を持ちました。

 彼女(最初、生涯の項目を飛ばして読んでいててっきり男性だと思っていました)の小説はティーパーティーの思想的根拠になっていたり、20世紀アメリカで聖書の次に影響力を持った小説と紹介されたりしているということです。

 Wikipediaを中心に引用していきます。


 アイン・ランドさんは"リバタリアニズムの代表的作家"と言われているそうです。

 リバタリアニズムはリバタリアン・パターナリズムの例で少し書きましたので、そこで使ったものを再使用します。こんな感じです。

リバタリアニズム……他者の権利を侵害しない限り、各個人の自由を最大限尊重すべきだと考える。政治や経済などの分野で、自由主義思想の中でも特に個人主義的な自由を重視する政治思想。


 ところがどっこい、"本人はリバタリアニズムとは距離を置き、自らの哲学を"Objectivism"(日本語では、「客観主義」と訳されることが多い)と呼んだ"そうです。

 リバタリアニズムの代表的作家なんて思われることは、アイン・ランドさんにとっては迷惑千万かもしれません。


 まあ、この理解はともかく、"客観主義には、一般のアメリカ人の間に、熱狂的な信奉者"がおり、"オバマ政権(黒人であり、リベラルな民主党の政権)に対抗して2009年以降にアメリカ全土に広がったティーパーティー運動の参加者にも、ランド主義者は多い"そうです。
2010年の中間選挙のティーパーティー系共和党の躍進においても思想的根拠として保守系のラジオショーのホストらに参照されることが多く、現在も熱狂的なファンが多い。

 政治的な思想としては、以下の部分に少しだけ書かれています。
政治においては、武力の行使を糾弾し、あらゆる形の集団主義と国家主義と戦い、冷戦下のアメリカにおいて、個人の権利を守る社会制度としてレッセフェールの資本主義の道徳的正統性を主張し続けた。

 レッセフェールとはフランス語で「なすに任せよ」で、自由放任主義と言われます。経済分野でよく用いられる言葉です。


 前述のようにアイン・ランドさんはティーパーティーの熱烈な支持を受けているのですが、多くの共和党員(もともとティーパーティーは共和党支持とは限らなかったはずですが、ほとんどの場合は共和党候補を推しています)が絶対に受け入れられないであろう部分も見えます。
ランドは理性が唯一知識を獲得する方法であるとし、あらゆるかたちの「信仰」と「宗教」を否定した。

 熱心なキリスト教徒にとっては頑(かたく)なな否定は頭に来そうなものです。


 ただ、実際のところは、キリスト教徒からも支持を受けています。

 アイン・ランドさんを知ったのはその支持者ピーター・ティールさんに関する記事ですが、彼は熱心なキリスト教徒でもあるそうです。

 宗教全否定のところは、無視しちゃって良い部分なのかもしれません。

(ついでに言うと、ピーター・ティールさんの押した共和党大統領候補はロン・ポールさんです。ロン・ポールさんはやはりティーパーティーに大人気でしたし、今調べ直すとリバタリアンの代表格でもあったようです。

 ただし、ティーパーティーは結構割れていて、いろいろではあります。応援する候補が次々と負けるせいでもありますが…。(後述の投稿を参考)


 あと、Wikipediaの評価の項目では、"文学的評価はこれまで高いとはいえず、二十世紀のアカデミアでは無視されてきた"とありますが、以降それと矛盾する記述が続きます。

 "発表当時から1970年代までは若者が熱狂し、通り過ぎる文学という位置づけ"であり、最初は確かに低かったようです。

 しかし、"1980年代、レーガン政権では最も影響力の大きい思想家とされたこともあり、1990年代のアメリカ経済の象徴でもあったアラン・グリーンスパンはランドを思想的母とあおいでいた"そうです。

 レーガン大統領はやはり共和党で、グリーンスパン議長もその元での任用(ただし、クリントン政権でも続行)です。


 さらに決定的なのは最初でも紹介した話、"1991年のアメリカ議会図書館の調査で、「20世紀アメリカで聖書の次に影響力を持った小説」と紹介されている"ことです。

 これらは"アカデミアでは無視されてきた"けど、大衆からは支持を受けてきたという意味かもしれません。


 もう一つ、20世紀中には"1998年のランダムハウス/モダンライブラリーの「アメリカの一般読者が選んだ20世紀の小説ベスト100」で『肩をすくめるアトラス』が第一位、『水源』が第二位を獲得し、また10位内に4つの作品がランクインした"というのがあります。

 ただし、こちらは"「組織票を反映しているのではないのか」という声もある"そうです。

www.さとなお.com(さなメモ(2007年05月18日(金) 12:27:28)

(中略)少し疑わしい部分もあるかも、とのご指摘をメールでいただきました。

(中略)
ランダムハウス/モダンライブラリーの委員会が公式に選定したリストにランドの著書はリストアップされておらず、読者投票ではいきなり1,2,7,8位に4冊がランクインしているのです。
ランディアンとかランドロイドと呼ばれるカルト的ファンがいるアイン・ランドであるので、これは一種の集団投票かもしれません。メールを引用すると「報道された(委員会メンバーの)リストを見て『なぜここにランドが入ってない!』と激昂してお友だちに呼びかけ…といった反響もあったかもしれないですしね」とのこと。その可能性もありますね。あまりに不自然だし。というか、インテリの集まりであろう委員会にはランドは相手にされていない、ということですね。

ということで、この引用データが怪しい可能性があることをお知らせしておきます(繰り返しますがデータ自体は事実です)。
また、アメリカの基礎教養と書きましたが、これも怪しいかもなので、訂正しておきます。まぁ700万部(本の帯より)は事実だと思うので(いまアマゾンで調べたら500万部と書いてあった。どうなんだろう?)、異様な数売れていることは確かですが。

 日本で500万部以上売れたと言っている本は1冊じゃなく、数冊あります(1位は1000万部、ノルウェイの森など)。人口がおよそ倍ってことを考えると、アメリカ人は日本人と比べてあまり本を読まないのかもしれません。


 あれ、何の話してたんですっけ?と思っちゃいましたが、そうだ、アイン・ランドです。

 先の投票については確かに不自然さもありますが、憶測に過ぎず何とも言えませんね。

 ただ、"アメリカの基礎教養"みたいなのは思想的に分裂しそうな支持層(オバマ憎しのティーパーティーなど)からすると、間違っていると考えた方が安全そうです。


●アメリカ大統領選挙2012 ~ティーパーティー(茶会)、ペリー、ケイン(ケーン)、サラ・ペイリン~ 2011/12/20

 メディアの報道も控えめですし、どれくらい読まれるかなぁと不安なんですが、アメリカ大統領選挙2012の共和党候補の話です。

 最近新しい記事を読んだので慌ててまとめているのですが、今日は既に終わった話ばかり。

 まず、2ヶ月半前の2011年10月6日13時54分 読売新聞のサラ・ペイリン前知事、米大統領選に不出馬から。

ペイリン氏は08年大統領選で副大統領候補になり注目され、草の根保守派の「茶会運動」を中心に大統領選出馬を求める声が強かった。ペイリン氏の不出馬で、共和党の候補者指名争いは、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)、テキサス州のリック・ペリー知事(61)らが軸となる構図がほぼ固まった。


 記事にもありますが、私はこのときティーパーティー(茶会)の動向が気にかかりました。

 私はこの活動をすごく気にしていて、これが出始めた頃に書こうかと思ったのですが、あまりにも需要がないだろうと思ってやめたことがあります。

 でも、最近になってウォール街抗議デモとセットですが、少し触れています。

  ■「ウォール街抗議デモ」(オキュパイ・ウォールストリート)と「茶会」(ティーパーティー)はそれぞれ左派と右派の運動?

 ついでにこちらでは大統領選の話も。

  ■「ウォール街抗議デモ」(オキュパイ・ウォールストリート)の大統領選への影響は?


 で、ティー・パーティ運動が気になった私は検索してみて、先の記事の少し前の2011年9月19日米大統領選挙 ティー・パーティ運動の影響力(持田直武 国際ニュース分析)というのを当時読みました。

共和党の大統領候補は保守派のペリー・テキサス州知事か、あるいは穏健派のロムニー・マサチューセッツ州元知事に絞られてきた。ペリー知事は保守派の草の根運動ティー・パーティが強く支持しているのに対し、ロムニー元知事は共和党の穏健派エスタブリッシュメントの支持がある

 これは再掲載記事で「(ペイリンさんと両方出て)茶会同士で票を割らせることはないですものね」とは当時の感想です。

 サイトでは、候補者の簡単な紹介がありました。

穏健派のロムニー元知事
"実業界で成功して巨万の富を築いたあと、共和党員として政界に転身。03年から07年までマサチューセッツ州知事。同州の財政再建に取り組み膨大な財政赤字を解消したことや、全米で初めて州民全員を対象とする医療保険制度を制定して無保険者の一掃をはかるなど実績を挙げた。大統領選挙に立候補するのは08年に次いで2度目、前回は予備選挙でマケイン上院議員に敗れたが、知事時代の実績を評価して副大統領候補に推す動きもあった。

 ロムニーという名前は覚えていなかったですけど、前回の予備選でもモルモン教の人はいたのは覚えていました。医療保険制度ってむしろ民主党な印象があり、中道的なのはわかる気がします。

保守派のペリー知事
兵役に就き空軍パイロットになった。77年空軍大尉で退役して牧場経営に参加。84年から政界に入り6年間民主党の州議会議員。その間、共和党に党籍変更して90年公選の州農業コミッショナーに当選。98年に共和党のブッシュ知事(その後大統領)の副知事に就任した。そして00年、ブッシュ知事が大統領に当選したあと後任の知事に就任。08年選挙で3選を果たし、共和党の全国知事会議の議長に選出された。知事としては、リーマン・ショック後のテキサス州経済をいち早く立て直し、雇用の創出に成果を挙げたと評価されている

 最初は民主党だったのに、むしろ保守派っておもしろいですね。

 その他の解説としては、以下のとおり。

"ロムニー元知事はじめ穏健派は「社会保障制度は改革して維持せざるを得ない」という立場だ"

"社会保障制度は財政面の問題はあるが、年金生活者など米国民の多くの生活がこれに懸かっている。だが、保守派の中には市場経済信奉者が多く、社会保障制度をはじめとする公営制度を社会主義として忌避する考えが根強い"

"ワシントン・ポスト(電子版)も15日「共和党の主流派はペリー知事の過激な発言に不安を深めている」という論評を掲載した。ペリー知事が社会保障制度などで過激な発言をすることは、ティー・パーティ運動の参加者を喜ばせるが、一般有権者は背を向けかねないという不安があるのだ"

"ティー・パーティがこの目標達成のため期待している候補の1番手がペリー知事だ。同知事はティー・パーティ運動と並ぶもう1つの草の根組織キリスト教福音派にも多くの支持者がいる。発言が過激に過ぎることもあるが、これら草の根運動の支持が揺るがなければ共和党の大統領候補の指名を獲得するに違いない。ロムニー元知事は共和党主流派エスタブリッシュメントの中に支持者を持つが、草の根運動との関係は薄い。ティー・パーティの集会に招かれるのは最近になってからだ。また、敬虔なモルモン教信者ということもあって、キリスト教福音派との交流もほとんどない。ただし、予備選挙で勝って共和党の大統領候補になれば、オバマ大統領と互角以上の戦いが可能だとみられている"


 しかし、この後こんなニュースが出てきて、私はびっくらこきました。

米NBCテレビなどは12日、次期米大統領選の共和党候補指名争いの世論調査で、元ピザチェーン経営のケイン氏が支持率27%で首位に立ったと発表した。ロムニー前マサチューセッツ州知事が23%で2位、テキサス州のペリー知事は16%で3位にとどまった。

 主要世論調査でケイン氏がトップになったのは初めて。しかし同日発表されたロイター通信などの調査ではロムニー氏が23%で首位、ケイン氏は19%で2位。ペリー氏は10%で4位。

 政治経験がなく泡沫候補とみられてきたケイン氏の支持率は急上昇しているが「一時的な人気」(共和党筋)との見方も。


ケイン氏首位の調査も 米共和党候補指名争い(共同通信 2011年10月13日)より

 あれ?一切名前出ていなかった人が出てきちゃいました。

 気になったのですが、同じ日に9-9-9プランで大ブレイク中の次期共和党大統領立候補者ハーマン・ケインとは (market hack)も読みました。market hackは金融市場関係がメインだと思うんですけど、こういった現在の情報や、歴史など詳しいですし、おもしろいです。この前、スティーブ・ジョブズさんの話も紹介しましたし、良いサイトです。(関連:スティーブ・ジョブズの性格2 社外編 ~子供っぽい一面も~)

ハーマン・ケインが注目を集めている理由は「9-9-9プラン」という奇抜な税制を提唱しているからです。

9-9-9とは連邦所得税、法人税、消費税を全て9%にしよう!という案です。

今日の連邦所得税の最高税率が35%、法人税が35%であることを考えればこれは大胆な減税となります。

一見、連邦政府の税収が激減しかねない、危険な提案のように思われるのですが、実際は裕福層はいろいろな税金の抜け道があり、まじめに税金を払っている人は少ないです。税率を極めてシンプルにしてしまうことで抜け道を塞ぎ、裕福層からしっかり税金を取る一方で企業への課税も減税することで先行投資や雇用の拡大を図ろうというのがその狙いです。

もちろん消費税の9%というのは低所得者層にとっては苦しいですが、9-9-9が起爆剤になって雇用機会が増えれば生活保護に依存するぶらさがりの人間が減るという計算がそこには存在します。


さて、このハーマン・ケインという人物ですがもともとアメリカ海軍で弾道計算をやっていた技師で、数字にメチャクチャ強いです。

その後コカコーラを皮切りに飲料、食品関係の企業を渡り歩き(中略)

フランチャイズ経営畑を歩んできた人なので中小企業の経営や雇用の実態をどの大統領候補より現場で知り尽くしています。

先の討論会ではケインの叩き上げの知識と自分でソロバンを弾いて数字を詰めた9-9-9プランに関する深い理解と自信がTVの視聴者のこころにグッと来たというわけです。

 税制度をシンプルにしようという案は、確か日本でホリエモンあたりが言っていた気がします。企業はこれでわずらわしい仕事を減らせるのですが、それを飯の種にしてきた人は反対するでしょうね。

 しかし、非常におもしろい提案で、アメリカで実施すれば他国にとっては壮大な社会実験となります。うまく行っても行かなくても見物(まあ、今は世界中の繋がりが強いので、失敗すれば影響アリアリですが)です。 

 見てみたいなぁというのが、当時の私の正直な感想でした。


●アメリカ大統領選挙2012 ~ミット・ロム二ー元マサチューセッツ州知事、ニュート・ギングリッチ元下院議長~ 2011/12/21

 今回の記事は再評価? 単なる敵失? ギングリッチ氏が支持率トップに 「最後に勝つのはロムニー氏」との観測は消えず(登録要 日経ビジネスオンライン 高濱 賛 2011年12月14日(水))なのですが、

 共和党の大統領候補指名争いで、一度は撤退寸前まで追い込まれたギングリッチ元下院議長(68)がここにきて支持率トップに立っている。「本命候補」と目されてきたミット・ロム二ー元マサチューセッツ州知事(62)を抜き去ったのだ。

 というわけで、ギングリッチさんというまたもや今まで全く話題に上らなかった人がトップに。入れ替わり立ち替わりですね。

 ギングリッチさんの浮上してきた理由は以下です。

 1つは、共和党保守派、特に保守草の根の「茶会」支持者の間にある「ロム二ー嫌い」だ。ロム二ー候補は穏健派で発言にぶれが目立つ。加えて、一部のプロテスタント原理主義者が異端視するモルモン教の信者であることが「ロム二ー嫌い」を招いていると言っていい。

 12月6日にギャラップが公表した世論調査結果で、保守派の41%はギングリッチ支持(ロム二ー支持は20%)。「茶会」支持者のギングリッチ支持は47%(ロム二ー支持は17%)となっている。("Gingrich 37%, Romney 22% Among GOP Voters Nationwide," Gallup,)

 共和党内の保守本流の間には、「最終的にはロム二ー候補が指名されるだろう」といった見方がある。しかし、この声は今のところ、前面に出ていない。関係者によると、11月下旬にフロリダ州で開かれた全米共和党州知事会議に出席した知事26人のうち、ロム二ー支持は6人、ペリー支持は6人、残りの14人は態度留保だったという。

 また、茶会(ティーパーティー)ですね。

 でも、ティーパーティーはペイリンさんを捨てて、ペリーさんに一本化したんじゃないの?と思うと、

 第2は、ライバルたちが次々と脱落していったことである。ロム二ー嫌いの共和党支持者たちは、7月後半にはリック・ペリー候補に期待を寄せていた。同候補は強硬保守派。テキサス州知事として実績もある。一時は支持率首位に立った。しかし、討論会での失言や失態が重なり、9月下旬に転落。

 して、その後再び浮上できなかったようです。茶会は過激な発言が大好物ですが、それはこういう危険と隣り合わせです。

 一方、私の期待したケインさも、残念ながら脱落したようです。

 代わって弁舌さわやかな黒人実業家のハーマン・ケイン候補が急浮上したが、セクハラ問題で打撃を受け、外交音痴ぶりもさらけ出して、脱落した。

 そうした中で、ギングリッチ候補が不死鳥のごとく支持率を伸ばしてきたのだ。つまりこの段階になっても、確固たる「本命候補」が見つからない共和党の人材不足ぶりの結果と言える。


 そして、最後の理由。
 第3は、2011年春以来、何十回となく行なわれてきた公開討論会だ。共和党員や支持者は、テレビを通じて見たり聞いたりした各候補の発言や態度を基に、支持・不支持を決めてきた。ミシェル・バックマン下院議員にしろ、ペリー知事にしろ、ケイン候補にしろ、度重なる討論会の中で、人の上に立とうとする者としてはあまりにも一般常識に欠けていたり、知性がないことを露呈した。

 そうした中で共和党員は、当初は「昔の名前で出ている」といった感じだったベテラン政治家で、大学で教鞭を執ったこともあるギングリッチ候補の、ぶれない主張や政策力を認識し始めたのだろう。


 「敵はオバマ(大統領)だ。党内でのいがみ合いやめるべきだ」。ある時は、頭に血が上り、ライバル攻撃に走る他の候補をなだめる。また、ある時は、候補者間の違いをことさら目立たせようとする質問に終始するテレビの司会者を厳しく批判する。「君たちは、共和党を分裂させるようなことばかりやっている。少し自重したらどうだ」。ギングリッチ候補は、テレビ中継の討論会で、こんな円熟した役割をしばしば演じた。

 元々南部、中西部には東部インテリが牛耳る主要メディアに対する反発が根強い。それだけに、司会を務める著名なキャスターを相手にギングリッチ候補が繰り出すメディア批判は、草の根保守層には小気味よかったようだ。


 しかし、ギングリッチさんには不安も山ほどあるようです。

ギングリッチ氏は、議長を務める傍ら、1993年からジョージア州のケネソー州立大学でアメリカ文明史を教えていた。ところが同講座に対する非課税助成金を政党政治資金として乱用していたことが発覚。下院論理委員会が徹底究明に乗り出した。同氏は脱税容疑のほか委員会に対する偽証罪など84件の容疑をかけられた。この件は、国内歳入庁(IRS)が1999年、同氏に罰金刑を科すことで終了した。

 今回、ギングリッチ氏が共和党大統領候補として脚光を浴びたことから、先の乱用事件当時、下院倫理委員会メンバーとして脱税の実態を調査したペローシ下院民主党院内総務は、「ギングリッチ氏の違法行為に関する未公開資料は数千ページある」と脅迫まがいの発言をしている。「前歴」をめぐっての民主党からの揺さぶりだ。


 ギングリッチ氏は、クリントン大統領(当時)の不倫容疑――相手はホワイトハウスの実習生だったモニカ・ルインスキー嬢――が発覚した時、下院議長として辞任要求の先頭に立った。ところがその時、ギングリッチ氏自身、自分の女性秘書と不倫の真っ只中だった。この件は、結局、うやむやに終わっている。クリントン不倫問題の影響もあって、米メディアはギングリッチ不倫問題に手が回らなかった。予備選では再び取り上げられる可能性が大だ。


 引退後、2003年に「医療保険政策転換のためのセンター」(Center Health Transformation)を設立。21世紀の医療保険の在り方を国民大衆に啓蒙するとの目的を掲げ、ワシントンに居残った。その傍ら、元下院議長の肩書きをフルに使ってロビー活動を開始した。その後、連邦住宅貸付抵当公社・フレディ・マックから多額の顧問料を受け取り、違法なロビー活動をしていた疑いが表面化。この疑惑もなんとなくうやむやに終わっているが、予備選では再びメディアの追及を受けそうだ。

 不倫を攻撃しつつ自分も不倫って笑っちゃいましたが、痛いところはまだあります。

 1つは「過去」だ。2回の離婚と不倫。草の根保守派が生活基盤としている「家庭を中心とした健全な市民社会」とは縁遠い半生である。宗教的にも新教ルッター派、バプテスト、そしてカトリックと3度にわたって宗旨替えをしている。

 共和党保守派、ティーパーティー(茶会)の好みを考えると、やや弱いところがあります。


 では、「ギングリッチ候補がすべての難関をクリアして、8月の党大会で指名された場合、民主党の大統領候補であるオバマ大統領を相手にする本選挙で勝ち目はある」のでしょうか?

 記事では小見出しに「ギングリッチが共和党候補になれば、オバマ再選の確率は増す!」としていますが、ちょっと記事の内容とは違うように思えます。

 これは記事本体のタイトルや、間に挟むタイトル、区切り方を編集側で作者に断りなく別にやっているから、ちぐはぐになったんだと思われますが、本文はこうです。

 ワシントン政界の動きに精通する超党派シンクタンク、「ニューアメリカ財団」副理事長兼研究主幹のスティーブ・クレモンズ氏は、次のように予測する。

 「ギングリッチの負の遺産は確かに本選挙において再び俎上に乗せられるだろう。だが、オバマ嫌いの保守層は、それでもギングリッチを支持するかもしれない。特にバージニア、ミシガン、オハイオ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、フロリダといった大きな票田では、民主党支持者よりも共和党保守派が多い。もし経済が回復しなければ、これらの州をオバマが取ることは極めて難しくなってくる
 

 私の感想としては、ロムニー候補にしても、ギングリッチ候補にしても、現実的なところが残ったなと思います。

 民主党の立場として楽な候補を私が選ぶなら、真っ先に脱落したペイリン候補やペリー候補です。バリバリの共和党保守や茶会の好む候補は共和党支持者から人気があっても、過激で危うい物言いはそれ以外の有権者を広く取り込むことは難しいでしょう。

 そういう意味ではむしろ茶会から嫌われるくらいのロムニー候補や、インパクトは欠いても冷静な態度を示せるギングリッチ候補の方が、非共和党員への訴求力があるのではないでしょうか?

 オバマ大統領にとっては、ロムニー候補、ギングリッチ候補、どちらが出てきても、手強いと思います。


 関連
  ■リバタリアン・パターナリズムの例
  ■アメリカ人の食事と肥満 ~自分以外は皆太り過ぎだと思っているらしい~
  ■スティーブ・ジョブズの性格2 社外編 ~子供っぽい一面も~
  ■アメリカの友好国はどこ?
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