FC2ブログは管理画面で各ジャンルでの自分のサイトの順位(おそらくある期間におけるページビュー数による)を見ることができます。
それによれば、私のブログは学問・文化・芸術の16495人中3位だそうです。(ジャンルは迷って最初の頃はあっちこっちウロウロしていました。学問・文化・芸術が相応しいかと言うと、最近は違うような気がしますが、面倒で変更していません)
そういった感じで閲覧者が多くなってきていますのでより一層下手なことは書けず、気を遣わなくちゃいけません。
で、今日のテーマは下手するとデマゴギーの発端となり兼ねないものですので、十分注意して読んでいただきたいとおもいます。
昨日尖閣諸島関連の反応をいくつかの場所を覗いてみたのですが、陰謀論のオンパレードだったり、論理的に破綻していたりで、あんまりためになる話はない感じでした。
でも、その中で一つ気になったのが、日本への食品テロの可能性(その人は断言していたかもしれません)への言及です。これはちょっと考えられるかもしれません。
最初に書いたようにパニックを起こしかねない話題ですが、目にしておいて隠しておくのもまた良い判断かというので悩みました。
今回は断定はしない形で検索して出たものを並べることとします。
まず、食品テロなどの言葉の意味。
食品テロとバイオテロを併用して使っている場合もありますが、こちらは意味が違います。
バイオテロ ばいおてろ (一般)
生物兵器を使ったテロリズム。
最近では米国における炭疽菌郵送テロが知られる。
はてなキーワード バイオテロは害を与えるものに着目していて、例として出ている炭疽菌郵送テロなんかは食品とは無関係です。
食品テロの方は混入されるものに着目していて、害を与えるものに関しては問わない格好です。
ただし、併用して使っている例を見かけると書いたとおり、バイオテロのターゲットとしては食品は有望であり、相性が良いです。(その他、農業テロという言葉もいっしょに見かけます。こちらも結局食品となりそうです)
一方、食品テロへの対策としては、フードディフェンスや食品防御という言葉があるようです。
フード‐ディフェンス 【food defense】
食品への意図的な異物の混入を防止する取り組み。原料調達から販売までのすべての段階において、人為的に毒物などが混入されることのないように監視するもの。食品防御。FD。→食品テロ
コトバンク 財団法人 食品分析開発センターSUNATECが"フードディフェンス(食品防御)について"と題して、この概念の説明を行なっていますが、ここで出てくるのがいわゆる中国毒餃子事件です。
これがあるせいで、中国と食品テロというイメージが結びつきやすくなっています。
2007年12月から2008年1月にかけて千葉県や兵庫県において高濃度の有機リン系殺虫剤メタミドホスに汚染された中国製冷凍餃子の中毒事件が発生し、人為的な混入が疑われたことは記憶に新しいと思われます。(中略)。これを機に食品事業者の間では、これまでの「食の安全・安心」の概念とは異なる「食品防御(以下フードディフェンス)」という考え方に大きな関心が寄せられるようになりました。その結果、フードディフェンスに関する講演、著述が増え、より身近に考えなければならない問題として取り上げられるようになりました。本号では、食品産業で新たな課題となってきましたフードディフェンスについてご紹介いたします。
ここによると、食品の安全性は3要素あります。
(1)フードセキュリティー(食の安全保障)
(2)フードセーフティー(食の安全)
(3)フードディフェンス(食の防御)
そして、(1)(2)は性善説、(3)は性悪説に基づいたものだと説明していますけど、前にちょっと書いたようにこの性善説・性悪説の用法は本来は間違いです。
気になるんですが、まあ、意味が通じるので日本語が変化したということでしょう。要するに(3)は最悪の場合を考える、安全サイドで対策するということです。
具体的な取り組みとしては以下が挙げられていました。(ここでもやはり炭疽菌事件の話が出ています)
(1) 米国では、2001年の9.11テロや同年の炭疽菌事件以降、テロへの危機感が高まった。またアルカイダの所持していた書類から食品がテロのターゲットであることが判明した。過去に米国では1984年に宗教団体が選挙の妨害を狙い、サルモネラ菌を故意に混入させたテロ(オレゴンサラダバー事件)があったが、上記9.11テロ事件を機に食品テロ対策への認識が高まった。また2002年6月12日にバイオテロリズム法が制定された。USDA(農務省)やFDA(食品医薬品局)でも組織的に取り組みが行われている。
(2) 世界保健機関(WHO)では、2002年に「食品テロに対するガイドライン」を作成された。
(3) アジア太平洋経済協力会議(APEC)では、フードディフェンス・ワークショップが開催されている。
(4) EU圏内では、広範囲にわたる法律があり、特別なシステムを作る必要はないが、バイオテロの脅威を視野に入れたシステム改善が求められている。
(5) 日本では、奈良県立医科大学の今村知明教授を中心に厚生労働科学として、「食品によるバイオテロの危険性に関する研究」(平成17年度~平成20年度)により人為的な食品汚染に対して、どのような自己防衛必要か調査研究をされている。なお、今村先生には本年5月15日当財団が主催した「食の安心・安全セミナー」で「食品防御とは何か ~食品安全のための新しい課題~」という演題でフードディフェンスに関する基調講演をいただいた。
あと、他の日本国内での食品テロの例が
食の安全コラム|規格書タイムズ|ASP規格書システム(徳永 均)にありました。
・ 09年の年末から10年の年始にかけ、千葉県内のスーパーに陳列されているK食品のおでんパックから縫い針が相次いで見つかった。
・ 10年1月以降、埼玉県内のスーパーMの店舗で、食品から縫い針やカッターの刃の混入が連続して発生した。
・ 10年2月、埼玉県内のスーパーSの店舗で購入したマグロの切り身を食べようとした男性が、マチ針を発見。
こういう針発見はそう言えば以前からありましたね。
で、気になるのはいかに食品テロから身を守る、フードディフェンスを行う……なのですが、検索して出てくるのは皆業界向けの対策しかありません。
食品テロにどう備えるか? 食品防御の今とチェックリスト
(今村 知明 (著) )という本があったのですけど、やはり業界向けです。
本書は、編著者である今村知明氏が主任研究者としてかかわった「食品によるバイオテロの危険性に関する研究」(食品の安心・安全確保推進研究事業 平成17年度~平成20年度)により調査研究された内容を分かりやすく書き下ろしました。
「悪意」をもった人が、食品に対して意図的に毒物を混入するような、いわゆる「食品テロ」。
“性悪説”(※1)を前提にせざるを得ないケースには、多くの弱点が残されています。食品防御に関する意識の啓発、食品テロへの対策を始める契機となる一冊です。
食品工場における食品テロの脆弱性を確認できる「食品工場における人為的な食品汚染防止に関するチェックリスト」も収載しています。食品産業にかかわる方々必読の一冊です。
文中の※1ってのは性悪説の意味が違うよっていうツッコミです。
さっきの引用もこの本をベースにしたようで、どうもそのせいで用法を間違えていたんだと思われます。
さあ、弱りました。
我々はどうすればいいんでしょう?自衛は不可能なのでしょうか?
最初に書いたようにそういう事態にはなってほしくないのですが、パニック的になるおそれがあるものの、中国製食品を避けるということしか思い浮かびません。
まち針みたいなのなら「気をつけて食べる」である程度行けそうですが、毒物だとねぇ……う~ん、「妙な味がすると思った場合には思い切って食べるのを止める」くらいのものでしょうか?
もちろんすべての毒が変な味とは限らないですので、このやり方は完璧ではありません。
ストレスでも結局健康を害しますので、不安ばかり煽るのは良くないと思う(週刊誌やネットでよくある健康不安煽り系記事は、他人の健康のことなんてこれっぽっちも考えていません)のですが、この程度しかわかりませんでした。
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