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日本人が10年以上連続でイグノーベル賞!過去の日本人受賞者一覧


 2012年に"6年連続でイグノーベル賞に日本人受賞者 過去の日本人の受賞一覧"というタイトルで書いていたものですが、その後も毎年受賞者が出ていましたので、2017年に全体に書き直して追加しています。(2012/9/23、2017/09/16)

中ほどに追加
2022/09/18追記:
●「つまみ」の実験で受賞!32人が太さの異なるつまみ45本を回転 【NEW】


●本家ノーベル賞より強い!日本人が10年以上連続で日本人受賞者

2017/09/16:2007年以降の日本人受賞者の一覧です。2013年は2組の受賞がありました。これらのうち、一部の賞については、あとで当時の記事などを紹介しています。(2022/09/18などに追記)

<2007年>
<化学賞>
ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究
山本麻由(国立国際医療センター研究所研究員)

<2008年>
<認知科学賞>
単細胞生物の真正粘菌にパズルを解く能力があったことを発見したことに対して
中垣俊之(北海道大学/理化学研究所) 小林亮(広島大学) 石黒章夫(東北大学) 手老篤史(北海道大学/Presto JST) 山田裕康(名古屋大学/理化学研究所)

<2009年>
<生物学賞>
ジャイアントパンダの排泄物から採取したバクテリアを用いると、台所の生ゴミは、質量で90パーセント以上削減できることを示したことに対して
田口文章(北里大学名誉教授)ら

<2010年>
<交通計画賞>
鉄道網など都市のインフラストラクチャー整備を行う際、真正粘菌を用いて、輸送効率に優れた最適なネットワークを設計する研究に対して。中垣俊之、小林亮、手老篤史の3氏は2008年の認知科学賞に続いて2度目の受賞。2010年受賞のこの研究は、2008年の研究を継続・延長させたもの。
中垣俊之(公立はこだて未来大学) 小林亮(広島大学) 手老篤史(科学技術振興機構さきがけプロジェクト) 高木清二(北海道大学) 三枝徹(北海道大学) 伊藤賢太郎(北海道大学) 弓木健嗣(広島大学)ら

<2011年>
<化学賞>
火災など、緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発 今井真(滋賀医科大学講師)、 漆畑直樹、種村秀輝(シームス)、 田島幸信(香りマーケティング協会理事長)、 後藤秀晃、溝口浩一郎(エア・ウォーター防災)、 村上純一(琵琶湖病院)

<2012年>
<音響賞>
自身の話した言葉を、ほんの少し遅れて聞かせることで、その人の発話を妨害する装置「スピーチジャマー(Speech Jammer)」を発明したことに対して 栗原一貴(産業技術総合研究所)、 塚田浩二(お茶の水女子大学)

<2013年>
<化学賞>
たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると、涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究
今井真介 柘植信昭 朝武宗明 永留佳明 澤田 博(以上、ハウス食品) 長田敏行 東京大学名誉教授(法政大学教授) 熊谷英彦 京都大学名誉教授(石川県立大学長)

<医学賞>
心臓移植をしたマウスに、オペラの「椿姫」を聴かせた所、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも、拒絶反応が抑えられ、生存期間が延びたという研究
内山雅照(順天堂大学・帝京大学) 平井敏仁(東京女子医科大学) 天野篤(順天堂大学) 場集田寿(順天堂大学) 新見正則(帝京大学)

<2014年>
<物理学賞>
床に置かれたバナナの皮を、人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究に対して
馬渕清資(北里大学教授) 田中健誠(北里大学) 内島大地(北里大学) 酒井里奈(北里大学)

<2015年>
<医学賞>
キスで、アレルギー患者のアレルギー反応が減弱することを示した研究に対して
木俣肇(開業医)

<2016年>
<知覚賞>
前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると、実際より小さく見える「股のぞき効果」を実験で示した研究に対して
東山篤規(立命館大学教授) 足立浩平(大阪大学教授)

<2017年>
<生物学賞>
雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫(トリカヘチャタテ)の存在を明らかにしたことに対して
吉沢和徳(北海道大学教授) 上村佳孝(慶應義塾大学教授)

<2018年>
<医学教育賞>
堀内朗が自ら内視鏡を操作し、座わって自分の大腸検査した論文「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」に対して
堀内朗(昭和伊南総合病院消化器病センター長)

<2019年>
<化学賞>
典型的な5歳の子供が、1日に分泌する唾液量の測定に対して
渡部茂(明海大学保健医療学部教授) 大西峰子 今井香 河野英司 五十嵐清治

<2020年>
<音響学賞>
ヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見したことに対して
西村剛(京都大学霊長類研究所准教授)

<2021年>
<動力学賞>
歩行者同士が時には、衝突することがある理由を明らかにする実験を実施したことに対して
村上久(京都工芸繊維大学助教) 西成活裕(東京大学教授) 西山雄大(長岡技術科学大学講師)

<2022年>
<工学賞>
つまみを回すときの直径と指の本数との関係に対して
松崎元(千葉工業大学教授)
(イグノーベル賞日本人受賞者の一覧 - Wikipediaより)


●過去の日本人受賞者一覧、1992年から2005年まで

2017/09/16:イグ・ノーベル賞の開始は1991年からとのことです。日本人の受賞は翌年からでした。1997年と2005年は2部門受賞していますので、1年に1人以上が受賞するという多さです。このうち気になった「ミニ恐竜」「夫のパンツで浮気発見スプレー」「鳥が嫌がる銅像の研究」は、この後補足します。

<1991年>
受賞者なし

<1992年>
<医学賞>
「足の匂いの原因となる化学物質の特定」という研究に対して
神田不二宏 八木栄一郎 福田實 中嶋啓介 太田忠男 中田興亜(以上、資生堂研究員)

<1993年>
受賞者なし

<1994年>
受賞者なし

<1995年>
<心理学賞>
ハトを訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功したことに対して
渡辺茂(慶應義塾大学教授) 坂本淳子(慶應義塾大学) 脇田真清(慶應義塾大学)

<1996年>
<生物多様性賞>
岩手県の岩石からミニ恐竜、ミニ馬、ミニドラゴン、ミニ王女など1000種類以上に及ぶ「ミニ種」の化石を発見したことに対して。「ミニ種」はいずれもすでに絶滅しており、体長は0.3mm以下だったという。
岡村長之助(岡村化石研究所)

<1997年>
<生物学賞>
「人がガムを噛んでいるときに、ガムの味によって脳波はどう変わるのか」という研究に対して
柳生隆視(関西医科大学講師)ら

<経済学賞>
「たまごっち」により、数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせたことに対して
横井昭裕(ウィズ) 真板亜紀(バンダイ)

<1998年>
受賞者なし

<1999年>
<化学賞>
夫のパンツに吹きかけることで浮気を発見できるスプレー「Sチェック」を開発した功績に対して
牧野武(セーフティ探偵社)

<2000年>
受賞者なし

<2001年>
受賞者なし

<2002年>
<平和賞>
犬語翻訳機「バウリンガル」の開発によって、ヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績に対して
佐藤慶太(タカラ) 鈴木松美(日本音響研究所) 小暮規夫(獣医師)

<2003年>
<化学賞>
「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」。兼六園内にある日本武尊の銅像にハトが寄り付かないことをヒントに、カラス除けの合金を開発した。
廣瀬幸雄(金沢大学教授)

<2004年>
<平和賞>
「カラオケを発明し、人々が互いに寛容になる新しい手段を提供した」業績に対して(歌によって相手に苦痛を与えるためには、自らも相手の歌による苦痛を耐え忍ばなければならない)
井上大佑(会社経営者、大阪府)

<2005年>
<生物学賞>
131種類の蛙がストレスを感じているときに出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化した、骨の折れる研究『においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査』に対して
早坂洋司(オーストラリアワイン研究所)

<栄養学賞> 34年間、自分の食事を写真に撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析したことに対して 中松義郎(ドクター中松)
(イグノーベル賞日本人受賞者の一覧 - Wikipediaより)


●「つまみ」の実験で受賞!32人が太さの異なるつまみ45本を回転

2022/09/18追記:ここ数年書いていなかったイグノーベル賞の話。でも、相変わらず毎年日本人の受賞がありり、記録を16年連続に伸ばしています。2022年はつまみ回してイグ・ノーベル賞 「面倒くさいこと」続けた学者の軌跡:朝日新聞デジタル(水戸部六美 2022年9月16日)といったものでした。

<つまみを回すときの指の使い方を研究した千葉工業大学の松崎元教授(デザイン学)らが「工学賞」に選ばれた。(中略)
 受賞した研究は、松崎さんが大学院生だった約20年前に取り組んだものだ。発端は、回すタイプの水道の蛇口のハンドルだった。同じ大きさでも、指をかける溝の数が異なるなど、さまざまなデザインのものがある。松崎さんは、どれが一番使いやすいのか、気になった。
 つまみの直径によって、使う指の本数は変わるはず。それにより使いやすいデザインも違ってくるのでは、と仮説を立てた>

 < イグ・ノーベル賞」に千葉工業大グループ “つまむ”を分析>(2022年9月16日 9時37分 NHK)によると、結果は以下の通りで、やはり我々は無意識につまみの大きさによって使う指の本数を変えていた模様。男女32人の学生に太さの異なる「つまみ」45本を時計回りに回転させてもらって観察したそうです。

<直径が1センチ未満だと親指と人さし指の2本、1.1センチを超えると3本、2.6センチを超えると4本、5センチを超えると5本の指すべてを使う人が多数となり、直径が9センチ以上ではほぼ全員がすべての指を使って「つまみ」を回したということです>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220916/k10013820061000.html

 修士論文ではここまででしたが、その後も「つまみ」の位置が真正面や側面の場合についても詳細に調べ、改めて論文にまとめ、学会誌に発表。さらに、現在では傘やカバンの持ち手など、つかんだり握ったりする部分のデザインを探求し、企業と共同でより使いやすい製品づくりに取り組んでいるといいます。デザイン工学です。

 あと、これと同年のイグノーベル賞受賞の研究で興味を惹かれたのは、「美術史賞」。オランダなどの研究グループが、古代マヤ文明の陶器に描かれている、かん腸の儀式について、さまざまな学問の知識を使って分析したといいます。その他、以下のあたりも気になりました。

<人生で成功するのは、なぜ多くの場合、能力のある人ではなく、運がよかった人になるのか、数学的に説明したとして、イタリアの研究グループが「経済学賞」>
<「物理学賞」に、カモなどのひながどのようにして列をつくって泳ぐのか、解明しようとしたとして、中国などの2つの研究グループ>


●自分の子供などの幼稚園児の唾液を測定した親が受賞して13年連続に

2019/10/13:5歳児の唾液は1日500ミリリットル 日本人、13年連続イグ・ノーベル賞:朝日新聞デジタル(2019年9月13日16時30分)という記事が出ていました。日本人の連続受賞は続行しています。自身の息子の協力も得て、子どもの唾液(だえき)の量を推定した明海大の渡部(わたなべ)茂教授(68)らが化学賞に選ばれました。

 今回受賞した「5歳児の1日の唾液生産量の推定」という論文は1995年に発表されたもの。だいぶ前ですね。幼稚園児30人に、ご飯やリンゴ、クッキーなど6種類の食品をかんでは紙コップにはき出す実験を繰り返してもらい、分泌される唾液量を測定しました。

 結果は、1日500ミリリットル。小さな子は唾液が多いイメージが強かったそうですが、大人の量は1日570ミリリットル。子供は唾液腺も口の表面積も小さいため、実際、大人よりも唾液が多いという予想通りの結果に(説明が逆だったので2022/09/18修正)。唾液には歯を守る大事な役目があり、ちゃんと真面目な研究だったようです。


●「自分で尻から内視鏡」で12年連続で日本人がイグノーベル賞

2018/09/15:「日本人枠がある」などとも言われていますけど、2018年も無事日本人が受賞。これでなんと12年連続です!

 そして、今年はユニークさがわかりやすいものでした。「医学教育賞」をもらった長野県駒ヶ根市の昭和伊南総合病院の消化器病センター長、堀内朗医師は、座った姿勢で自分で尻から内視鏡を入れて大腸の状態を診ることが可能か調べ、個人的な経験としては簡単に効率的にできた、と論文にまとめたことが評価されました。

 ただし、堀内さんは、内視鏡の検診が楽になる方法を試行錯誤する中、研究を行ったということで、いたって真面目だった模様。「受賞に戸惑っていますが、これをきっかけに多くの人が検診を受け、大腸がんで亡くなる人が減ってほしいと思います」と話していました。

 今年のその他の受賞者ももちろんユニーク。以下のようなものがあったそうです。ジェットコースターの話は記事だと結果が書かれていないなかったので調べましたが、どうも「効果あり」という結論のようでした。

「医学賞」ジェットコースターに乗ることで腎臓にできた結石を早く排出できるかどうか調べた
「人類学賞」動物園にいるチンパンジーが、見学に訪れた人がチンパンジーのものまねをするのと同じくらいの頻度で、人間のものまねをしていると突き止めた
「化学賞」絵画などの表面についた汚れを唾液を塗って、きれいにできるか調べた
「文学賞」複雑な製品を使う人のほとんどは、取扱説明書を読まないことを証明した
「平和賞」車を運転しているときに叫んだり、悪態をついたりすることの頻度や効果などを調べた
(イグ・ノーベル賞「自分で尻から内視鏡」日本人医師が受賞 | NHKニュースより)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180914/k10011629651000.html


●雌雄が逆に見える虫の研究で、日本人にイグ・ノーベル賞

2017/09/16:2017年に受賞した雌雄が「逆転」した昆虫について研究は、吉澤和徳・北海道大准教授(46)、上村佳孝・慶応大准教授(40)と海外の研究者のチームが行ったもの。ブラジルの洞窟で見つかった新種の虫の雌が「ペニス」のような器官を持ち、それを使って雄と交尾することを解明したとのことでした。

 最初勘違いしたのですが、性転換するというわけではなく、メスがオスに見える行動をして、オスがメスがやるような役割をしているということみたいですね。魚類など性別自体が変わる生き物はいるものの、このような生き物は知られていないとしています。

 吉澤さんらは交尾の際、雄が精子と一緒に栄養分を雌に渡すことに着目。この栄養分を得るため、雌が進んで交尾をコントロールできるよう進化したのではないかと推測していました。

 この虫は日本でも住宅など身近な場所にいる「チャタテムシ」の仲間。男女の入れ替わりを描いた平安時代の古典「とりかへばや物語」からとって、和名を「トリカヘチャタテ」と名付けたそうです。
(雄と雌「逆転」の虫を研究、日本人らにイグ・ノーベル賞:朝日新聞デジタル 森本未紀、小堀龍之 2017年9月15日08時06分より)


●イグ・ノーベル賞は日本人の十八番?

2012/9/23:日本のベンチャー・起業環境への海外の評価、実は良いでは、「最もクリエイティブでイノヴェーティブなものが生まれるのはダントツに東京だ!」とエバーノートのフィル・リービンCEOがベタ褒めしていました。また、ストレートな褒め言葉ではありませんが、日本人はHENATI的だと見られています。

 そういった感じですので、イグ・ノーベル賞の連続受賞というのは、ユニークな研究をやらせると日本人は非常に優秀なのかな?と思えるものでした。
イグ・ノーベル賞に日本の研究者 9月21日 13時23分 NHK

ノーベル賞のパロディーとして、人を笑わせ、考えさせるような独創的な研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」に、おしゃべりな人を黙らせようという装置を開発した日本の研究者2人が選ばれました。

「イグ・ノーベル賞」は、アメリカの科学雑誌がノーベル賞のパロディーとして21年前に始めたもので、人を笑わせたり深く考えさせたりする独創的な研究を毎年表彰しています。

20日、アメリカのハーバード大学でことしの授賞式が行われ、10の部門で賞が発表されました。

このうち「音響賞」には、おしゃべりがうるさい人を黙らせようという装置を開発した、茨城県つくば市の産業技術総合研究所の栗原一貴研究員(34)ら2人の日本人研究者が選ばれました。

栗原さんたちが開発した「スピーチ・ジャマー」という装置は、マイクで拾った人の声を0.2秒遅らせてスピーカーに出すという仕組みで、自分の声が間を置いて聞こえてくるとしゃべりにくくなる現象を活用しています。

イグ・ノーベル賞での日本人の受賞は6年連続で、主催している科学雑誌では「おしゃべりが止まらない人をどう黙らせるかという人類の根源的な欲求に応えようとしたことが評価された」としています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120921/k10015182951000.html

 栗原さんは「とても光栄です。実用レベルではありませんが、この技術が円滑な対話のために活用されることを期待しています」とコメントしていたんですけど、本気で実用化する気なんでしょうか?

 どういう状況で誰が使うのかちょっと想像つきません。おもちゃですかねぇ?


●アメーバ生物がパズルを解く能力…というのは迷路の話

 2008年の「単細胞生物の真正粘菌にパズルを解く能力があったことを発見したことに対して」ってどういうこと?と思って検索して読むと、聞いたことがあるような研究でした。ただ、パズルじゃなくて迷路であり、最短ルートを取るという話です。パズルと言うと、ちょっと違う感じしません?
理化学研究所 北海道大学 平成12年9月26日
粘菌が迷路を最短ルートで解く能力があることを世界で初めて発見

 理化学研究所(小林俊一理事長)は、アメーバ生物である真正粘菌変形体が迷路を最短ルートで解く能力があることを発見しました。この発見は、当研究所のフロンティア研究システム(FRS)局所時空間機能研究チーム・中垣俊之フロンティア研究員と、北海道大学電子科学研究所の山田裕康講師(FRS制御系理論研究チーム・フロンティア研究員[非常勤])らによって行われました。

 粘菌変形体には脳や神経系はなく、原形質と呼ばれる物質の塊のみからできているため、高度な情報処理能力は無いと思われてきました。ところが原形質の持つ物理化学的な性質(例えばリズムやパターン形成)が巧みに組み合うことによって、迷路を最短ルートで解くという高い情報処理能力を発揮していることが分かりました。この成果は、生物の情報処理機能を物質レベルから解明する糸口を与え、かつ新しい機能性材料の設計原理につながることが期待されます。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2000/000926/index.html




●「ミニ恐竜」は狂気入っていて笑えないかも…

 気になったのは、まず「ミニ恐竜、ミニ馬、ミニドラゴン、ミニ王女」。これは最初ジョークじゃないかと思いました。
岡村長之助

岡村 長之助(おかむら ちょうのすけ、1901年6月2日 - 1990年代頃?)は、日本の古生物(化石)研究者、医師。愛知医科大学(名古屋大学の前身)卒。

市井の化石研究家であり、岡村化石研究所を主宰していた。本業は内科医師。病院と研究所は名古屋市にあった。


研究業績

岩手県大船渡市から出土した石灰岩より、4億年前の1mmに満たないミニ人類、あらゆる種類の動物及び工芸品等の微化石を発見し、独自の進化論に昇華させた。1970年代から1980年代には古生物学会において数度の発表を行うとともに、国内外の多数の大学に論文を寄贈した(B5版の薄い研究論文の冊子。地質学研究室が設置されている大学の研究室・図書館に保存されていることがある。)。岡村は研究成果を『人類および全脊椎動物誕生の地-日本』として、1983年に自費出版した。その後、1996年にイグ・ノーベル賞(生物多様性賞)を受賞して、世間に知られるようになった。


古生物学会の反応

日本古生物学会では、事前に題名を登録するだけで発表が可能であったが、岡村の発表後には提出方法が改められ、論旨を付すことが必須事項とされた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E6%9D%91%E9%95%B7%E4%B9%8B%E5%8A%A9

 ああ、なるほど。審査ないから出鱈目な研究が発表できたってことですね。お医者さんって結構マジで変わった人出てきますし、この人はジョークというより本気なのかも。

サイコドクターあばれぶらり旅 2007-06-15 [Fri]

「次に早くも出現したのは、図5の人類の完全な典型的標本である。現代女性のプロフィールとどこが違おうか。(中略)眼は入り目で両眼は鼻根に接するまでに近接して前方を見、そのため両眼視域は諸生物中最大値を示し、そして虹彩、強膜までも黒眼、白眼として識別できる。全く現代人そのままの姿であり、これは従来の化石としての概念を遙かに打ち破るものであって、既述のように屍蝋化後の石灰化が永く密封状態に置かれたものと解すべきで、微化石が幸いした現象ではなかろうか。口唇は割合に小さく見え、直線的に強く後方に退き、軽いオトガイ隆起を見せている。頭髪は波状で豊富に残っており、特にパーマネントしてあるようにも見える。パーマが肩の辺りまで垂れ下った姿は、現代女性の美を意識しての身ごなしと変りはない。(中略)」

 だんだんついて来られなくなってきているのではないだろうか。最初の化石ではまだまがりなりにも骨格について語っていたが、今度は黒目白目や髪の毛まで識別できるというのだ。それって……化石?
http://psychodoc.eek.jp/diary/?date=20070615#p01

 うーん、手の凝ったジョークという感じもしなくもないです。しかし、上記を見てわかるように至って真面目な文体。サイトの作者さんに適切にツッコまれています。

 Wikipediaを見ると岡村長之助さんは、何度も発表しているので冗談じゃなく本気ではないかと。イグノーベル賞は「人を笑わせ、考えさせるような独創的な研究」ですが、何かむしろ怖いものがあります。


●本物なら実用性抜群の「夫のパンツで浮気発見スプレー」

 あと、すごく役立ちそうな研究である"夫のパンツに吹きかけることで浮気を発見できるスプレー「Sチェック」"。検索してみたら売っていてびっくり。
業界最安値 7,350円 浮気調査 ゼロリサーチ|精液判定試薬 チェックメイト 格安販売 Sチェック 浮気チェック

◆精液判定試薬・精液鑑定調査の概要

誰と何処で不貞行為をして居たかが分からなくても、その日に射精があったか、なかったかの有無だけが知りたい場合や定期的に浮気チェックする場合に絶大な効果を発揮します。
男性は、射精が終わりシャワーで体を洗い流してもペニスに残留している精液が徐々に排出され下着に付着します。
女性の場合、膣内に射精された精液が下着に付着している場合や衣類に付着している精液からチェックができます。
精液判定試薬は水に10倍薄められたものでも検出可能です。
その日に衣類や下着のチェックが出来なくても検出物を洗わずに保存していれば精液のチェックは可能です。
チェックメイト(精液判定試薬・Sチェック)は安価で気軽にチェック可能な商品です。

◆精液判定試薬・Sチェック・チェックメイト
現在、当社では精液判定試薬(チェックメイト)1種類のみを取り扱っています。
Sチェックの取扱はございません。

精液判定試薬 チェックメイト

商品名:チェックメイト
酸性フォスファターゼの持つ燐酸エステルを加水分解する機能を応用し精液を検出します。
10倍に薄まった精液ならびに前立腺分泌液の検出が可能です。
衣類や下着など付着した精液は、付着後約1週間位まで検出が可能です。
http://www.zeroresearch.com/seieki.htm


 でも、本当なのかなぁ?何となく信じられない気も。検索しましたが、評判みたいなのは全くなしです。

 気になって下書きの後にもう少し調べましたが、そんな安い値段じゃできないという話もありました。また、別所では浮気の判定能力は低いということ。まあ、そりゃそうですね。浮気かどうかわかりませんし、何もしなくてもつく可能性がありそうです。裁判などでは証拠にならないかもしれません。


●ハトが寄り付かない銅像がある理由

 最後、"「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」。兼六園内にある日本武尊の銅像にハトが寄り付かないことをヒントに、カラス除けの合金を開発した"というもの。 
2010年12月14日 (火) 研究と教育と追憶と展望
ヒ素を含む合金をハトが避ける理由

発見のヒントになったのは、兼六園にある日本武尊像である。他の銅像がハトの糞で汚れているのにもかかわらず、日本武尊像だけ汚れていないことを不思議に思い、改修工事の際に含有元素を分析したのだった。その結果、ハトの寄りつかない日本武尊像だけ、ヒ素の含有量が異常に高いことが分かり、ヒ素を同じように含む合金を作って、ハトのそばに置いたところ、予想通りハトは寄りつかなかったのである。
http://tsuyu.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/nasa-8a47.html

 あらぁ、ヒ素なんですね、これはそうそう使えないですわ。実際、ご本人もそう言っていました。
2004年02月19日 鳥が嫌がる銅像の研究で「イグ・ノーベル賞」

45年前、広瀬教授がまだ金沢大学の学生だった頃、兼六園にある多くの銅像の中で「日本武尊」の像にだけ全くハトが寄りつかなかったことに、広瀬教授は気付きました。
以来ずっと気になってはいたそうですが、研究するまでには至りませんでした。
それから30年、今から15年前に修理のために銅像が解体されたとき、広瀬教授は銅像の合金の成分にヒ素が大量に含まれていることを突きとめました。
そして、去年、知人のスーツに鳥のフンが付いているのを見て、「銅像と同じ物を作れば、鳥は来ない。」と言ったところ、「化学者らしくない」と一蹴されてしまったそうです。

この出来事が逆に研究への意欲をかき立て、実験を開始。
研究は権威ある科学雑誌「ネイチャー」にも掲載され、それが今回の受賞につながりました。

ヒ素を扱うことは大変危険なため、すぐに実用化とはいかないものの、広瀬教授は何とか実現しようとアイディアを練っているそうです。
http://www.tbs.co.jp/radio/stand-by/attack/20040219.html

 なお、私の書いた印象とは異なり、「日本人は独創的でユニークな研究は苦手」と言われてきたとした上で、「日本人の発想力は他の国の研究者と比べてもけっしてひけをとらない」と言っていました。

 また、今は「水虫」の研究に取り組んでいるとのこと。そのきっかけもユニークで、ある本に本物のノーベル賞は、水虫を治したらもらえる、と書かれていたからとのこと。「イグ・ノーベル賞」と「ノーベル賞」のダブル受賞を狙っているようでした。


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本のベンチャー・起業環境への海外の評価、実は良い

【その他関連投稿】
  ■日本もイグノーベル賞なら経済学賞受賞は可能?日銀に期待感
  ■国別ノーベル賞受賞者数ランキング 日本は8位、上位はどこの国?
  ■日本はノーベル賞ランキングで3位、大学は圏外 該当の受賞者とは?
  ■日本人ノーベル賞受賞者、団塊の世代だけいないは本当か 老害説強化?
  ■まるでブラックユーモアのようなダーウィン賞
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