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中国の反日デモは官製デモ?尖閣諸島問題の政治的手段、ガス抜き、覇権争いなど、反日デモの多面性


★2012/9/25 中国の反日デモは官製デモ?尖閣諸島問題の政治的手段、ガス抜き、覇権争いなど、反日デモの多面性
★2013/2/25 中国の尖閣諸島活動家団体、政府にマークされて盗聴・活動制限されていた


★2012/9/25 中国の反日デモは官製デモ?尖閣諸島問題の政治的手段、ガス抜き、覇権争いなど、反日デモの多面性

 中国の反日デモの本質 現状への不満・鬱憤と政府・共産党への批判を書いた後、関連した記事をダーッと読みました。使う予定なのは12,3記事ですが、とりあえず一部で言われている「官製デモ」をメインテーマにいくつかピックアップしています。

 異常に長くなりましたが、切らない方がわかりやすいかな?と思ったので1回で。本当長いので覚悟してくださいね。…といった感じで、前置きは以上。


 前回の中国の反日デモの本質 現状への不満・鬱憤と政府・共産党への批判でも既に十分に多面性を持っていたのですが、反日デモにはいろいろな側面があります。

 「ガス抜き」という比喩を使われることがありますが、この言葉が一番わかりやすいですね。


 現在、中国も景気悪化してきており、不満というがガスが溜まり風船が膨らみやすい状況です。

 破裂する前に抜いてやらないといけないわけですが、そのガスが中国共産党・中央政府に向かうことはもちろん望みません。

 ですから、ガスが向かっても良い日本という国や企業に向けて発散させようというのが、反日デモを許可する大きな理由の一つです。

 中国政府は反日デモをコントロールすることを望みますが、デモはコントロールしきれずに政府批判にもなります。

 ここらへんはガスを抜かないと政府への不満が爆発、ガスを抜くと政府批判への転換の可能性が増えるという難しい舵取り、諸刃の剣というやつですね。


 前回も言った通り、もちろん反日感情がないわけではなくしっかりあるのですが、上記の構図が基本です。

 で、今日は官製デモの件。官製デモであれば、上記の構図は嘘っぱちとなります。

 そういやあまりライターの人って、政府批判と官製デモを同時に触れていないなぁと思いましたので、私が勝手に想像して書きます。

反日激化は中国当局の仕掛け デモ隊に「報奨金」の証言
2012/9/21 19:32

 中国で吹き荒れた反日デモの嵐が沈静化の動きを見せている。当局がデモ禁止を通達し、破壊行為をしたとされる人物を拘束し始めた。

全土で同時多発的に起きたデモ。それが当局の鶴の一声で収まってしまう不思議。中国事情に詳しい専門家の間では、これだけ大規模な動員は、当局の関与なしにはあり得ないとする意見が出ている。

(中略)

 当局の「鶴の一声」で収まったデモだけに、実は「官製」だったのではないか――。こんな見方を裏付ける報道が徐々に出ている。

例えばミニブログ「微博」で、警察学校に通う生徒が学校側からデモ参加を命令されたと書き込んだと、9月20日付の日本経済新聞電子版が伝えた。上海では当局がバスを用意し、デモ隊を日本総領事館前に輸送したという。極めつけは、福建省のデモに参加した男性が、「100元(約1250円)をもらった人がいる」との証言だ(共同通信9月20日付)。事実であれば当局が金銭を払って動員をかけたことになる。

(中略)

 9月20日に放送された「報道ステーション」(テレビ朝日系)で、産経新聞中国総局特派員の矢板明夫氏は、中国各地で反日デモを実施するのは当局の指示なしでは考えにくいと指摘した。同氏が注目したのは、中国共産党の中央弁公庁という機関だ。日本政府の官房長官に似た、各部署の調整役を果たす重要なポストで、「あらゆる部署に(中央弁公庁が)指示して調整を図った」という。同氏の見立てが正しければ、党内の高いレベルで反日デモ実施の意思決定がなされていたことになる。

 中央弁公庁では9月初めに人事異動があった。新たにトップに就いた人物が、次期指導者とみなされる習近平氏の側近だという。こうなると、習氏の意向を受けて中央弁公庁がさまざまな調整を図り、デモや漁船団の準備を進めたと解釈できる。「裏で陣頭指揮を執っていたのは習氏」と矢板氏は話す。推測の域は出ないが、ほかにも「習氏黒幕説」を唱える専門家はいる。

 もともと習氏は対日強硬派とも言われる。米国のパネッタ国防長官との会談では、「日本の尖閣国有化は茶番だ」と厳しく批判し、尖閣問題では一歩も引かない構えを見せた。

http://www.j-cast.com/2012/09/21147310.html?p=all

 これはかなり単純化して官製デモですよという記事です。

 もう一つ似た論調を載せますのでその話は後でしますが、習近平さんの話が出ていますので先にこちらをちょっと。

 実はややっこしいことに、反日デモには政府内の権力争いという側面があることもときどき指摘されています。本当ごっちゃごちゃです。

 こちらも後でもう一回触れます。


 もう一つ似た論調というのは個人サイトです。

反日デモ
其他 / 2012-09-16 23:51:49 鞦韆院落

(略)

ただ、ネットやメディアでは確かに大騒ぎしていますが、肌で感じる印象としてはやはり昨日と同じで、外はいたって普通です。
大使館付近や日本人が集まっているところ、日系スーパーなどはきっと緊張していると思いますが、それはターゲットにされているからであって、それ以外の場所ではまったく実感というのがありません。
これは、一般人の感覚と、デモに参加している人たちの間に温度差があることも表していると思います。
庶民の感覚とずれた、非常に違和感のあるデモが行われていて、気持ち悪いと思っている人がたくさんいます。

(中略)
ニュース番組では、街頭インタビューと称して一般市民を装う人が「べつに日本の商品が優れているわけじゃないし、私は国産を買うわ」なんて話している様子を毎回流しています。
国をあげて日本製品不買運動をしろと、政府が指示しているわけです。
新聞も同じで、どの新聞も同じ内容の記事を並べているだけです。

特にスーパー襲撃などが明らかになってからは、デモの動きに違和感を感じる人たちが実態に迫ろうとしている様子が感じられます。
例えば、デモ隊の先頭にたって日本車を壊すように皆を煽っている人は何者なのか、顔写真を撮って微博に晒し、個人を特定してやろうという人が出てきます。
ところが、明らかな犯罪行為をしている犯人なのに、その書き込みは即座に当局から削除されます。
まるで当局が犯人特定を恐れているかのように。

(中略)
大使館へ向かうデモ隊には、途中でペットボトルの水が配られます。
大使館へ着くと、それを投げるのです。

昨日の西安のデモは、夜に街が閉鎖されるほどの混乱を見せました。
その西安で、スピーカーを手にデモを煽っていた中心人物の顔写真が晒されたのですが、それが西安のある派出所所長にそっくりだということで、所長と顔を比べる写真が出回りました。
確かに、他人のそら似ならびっくりするほどそっくりです。
その書き込みは拡散され、そしてすぐに削除され、それが繰り返されています。

(中略)
日本では当局が制御できなくなっていると報じられていますが、果たしてどうでしょう。
シャッターを壊して突入しようとする暴徒を、ものすごい数の武装警察がだまって見ていたのはなせでしょう。
激しい焼き討ちや略奪が各地で行われているのに、ケガ人がでたという情報はほとんどありません。
私が知る中でケガ人が出たというデモは、人々が市政府に突入しようとして催涙弾が飛んだという深センのデモだけです。
(略)

http://blog.goo.ne.jp/dashu_2005/e/d133e4045bb0ac65d80d617e979f9bd0

 こちらも官製デモ支持説です。

 なお、コメント欄では否定的な人もいました。
僕は現在上海に住んでいます、(中略)書いている記事や情報も聞いているし、ネットで見ていました。
ただ、真偽のほどは誰も分からない。
インターネットのお陰で、情報は早くそして広くは伝えるようになりましたが、けして全部正しい情報ではない。
(中略)やはりデモに参加する現地の人はほとんどいないようで、地方の出稼ぎ労働者や地方から来た学生さんや、さらにたまたま上海にいる出稼ぎ労働者や地方の学生さんたちを訪ねて来た親戚や親たちが、デモ隊に加えているだけ。普段から感じているいろいろな不平不満、ここぞとばっかりに発散してましたね。
今回のデモ、注目すべき点は都市部しか起きてないところではないでしょうか?
今の中国で一番貧富の差を肌で感じているのは都市部での就職、住まい、学校などでの違いです。
デモ隊には変装した役人や警察は加わっていますが、彼らは監視役しか過ぎず、デモを主導するには……言い過ぎかも知れないです、一部の右寄りの人たちはそう望んでいるかも知れないが、現地にいる僕はそう感じていません。すみません!
でも、確かにデモはある意味、今の中国に貧富の差を感じ、不平不満を持った人たちのガス抜きに中国当局に利用された感は否めない。

 この方は前回の中国の反日デモの本質 現状への不満・鬱憤と政府・共産党への批判で書いたように、根底には現状への不満があるという説です。


 さて、その前の官製デモの話ですが、完全な官製デモである場合、先ほどの最後の市政府に突入しようとしたという話がおかしくなってきます。

 上部に支持されて参加した体制側の人間が、同じ体制の部署を襲うというのは腑に落ちない話です。

 また、次の記事で見られるような政府批判スローガンが見受けられることも説明がつきません。

中国人「日本のAV女優も愛するが、釣魚島はもっと愛する」
2012.09.20 07:00

(略)

「日本のAV女優も愛するが、釣魚島(尖閣諸島)はもっと愛する」――。

 香港や中国大陸のデモでは信じられないようなスローガンが掲げられていた。

「野蛮田佳彦、強盗め、早く尖閣諸島を返せ!」――。これは、野田首相の名前をもじったスローガン。

 香港紙『リンゴ日報』が報じたところによると、大陸各地では、さらに笑えるスローガンが掲げられていたという。

「3000人の兵士を得れば、尖閣諸島を取り戻してみせる。500人の腐敗役人を預けてくれれば、日本を食い潰すことを保証する」

 これは、中国にはいかに腐敗がひどいかを物語っている。

 9月18日は満州事変の発端となった柳条湖事件の記念日だったが、こんなスローガンも。

「柳条湖事件は毎年記念するが、6月4日は」

 6月4日はご存じ、天安門事件の記念日。

「医療保険も社会保険もないが、心のなかには釣魚島がある」

「政府は年金保険を実現する気はないが、釣魚島を取り返す気はあるようだ」

「人権や物権はなくても、釣魚島には主権がある」

「労働改造所を廃止して、取り戻した釣魚島を労働改造所にしろ」

 などなど、いずれも中国政府を痛烈に批判するものばかり。

(略)
http://www.news-postseven.com/archives/20120920_144219.html

 「野蛮田佳彦」は日本人でも政治家の名前を馬鹿にするあだ名をつける人が多く(野田総理はよく「野ブタ」と書かれています)、同じレベルだなと笑っちゃいました。

 こういう品の無いものは良いとして、

「500人の腐敗役人を預けてくれれば、日本を食い潰すことを保証する」

「柳条湖事件は毎年記念するが、6月4日は」

「医療保険も社会保険もないが、心のなかには釣魚島がある」

「政府は年金保険を実現する気はないが、釣魚島を取り返す気はあるようだ」

「人権や物権はなくても、釣魚島には主権がある」

 あたりは見事な風刺・政府批判です。


 中国の反日デモの本質 現状への不満・鬱憤と政府・共産党への批判では「反日デモ」という言葉に引っ張られすぎると実態を見失うと書きましたが、「官製デモ」も同様です。

 また、前回や今回の最初の説明でも「反日デモだけはデモが許されている」といったことを書きましたが、この許可不許可の選択の時点で既に官製デモ的な一面を持っています。


 おそらく中国政府は体制側の参加者を増やして、本当なら完璧な「官製デモ」をやりたいくらいなんじゃないかと思います。

 そうすれば、デモ参加者が暴走して、政府批判に変わることもありません。

 そして、次に出てくるように、参加者が暴徒と化すこともありません。

「火事場泥棒だ」イタリア領事館も被害、暴徒化する反日デモに市民が批判


【大紀元日本9月18日】尖閣諸島の国有化を受け、中国国内で過激化する一方の反日デモはついに日本と関係ない国、企業に飛び火した。広州市にあるイタリア領事館の公用車、香港企業が相次ぎデモ参加者に襲撃された。国内各メディアは香港紙・信報の記事を引用して報じた。暴徒化する参加者の行動について、市民から批判の声が高まり、一部では政府批判の書き込みがインターネットで相次いだ。

 報道によると、イタリアの広州領事館の車は16日に襲撃されたほか、香港に本拠地を置くドラックストアのワトソンズ、ファーストフード店のマクドナルド、仏スーパーのカルフールがデモ参加者に店舗一部を破壊されるなど、日本資本ではない企業にも被害が出ているという。

 犯罪とも言えるこれらの行動に、市民や有識者から批判の声が噴出している。

 「愛国の看板を掲げる強盗だ。厳罰しなければ、国の安定はない」
 「心から彼らを蔑視する」
 「日本製をボイコットすると同時、これらのバカ者もボイコットする」
 「火事場泥棒だ。中国はますます諸外国に見下されることになる」

 一方、政府の対応に矛先を向けた市民もいる。
「一生の蓄えで購入した住宅が強制的に取り壊されても反抗しないのに、行く機会もない島を命で守るなんて、信じられない」
 「義和団の再来だ」

(中略)

 反日デモが政府批判に「変質」することを懸念している当局はついに、これまでの容認方針から締め付けへと転じた。北京晨報18日付の記事によると、広州市、西安、青島、長沙各地で襲撃・略奪に関わったとして参加者から逮捕者が続出したという。

http://www.epochtimes.jp/jp/2012/09/html/d20163.html

 大紀元は中国政府批判のために怪しい記事を作ることがあるので気をつけなくてはいけませんが、ここですら官製デモ説は取っていないようです。


 記事のような行動は完全な暴走です。反日デモでも何でもありません。

 果たして官製デモがこのようなことになるでしょうか?
中国、韓国の「過剰な愛国心の叫び」が招くもの 今の会社を辞めるべきではない人の共通点 (要登録 ダイヤモンド・オンライン 2012/9/20 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授])


 連日の中国の反日デモを映像で見る限り、「デモが暴徒化している」というより、「暴徒がデモをしている」と思わざるを得ない。

 破壊や略奪、放火、著しく品性に欠ける言葉や行動。映像を見て世界中の人たちは驚きとともに中国に対する幻滅を感じるに違いない。さらに、そんな暴挙を制御しないばかりか逆に容認しているようにも見える政府や党にも強い不信感を持つであろう。

 こちらの記事では「暴徒がデモをしている」という印象を書いていますが、そう感じても仕方ありません。

 ただ、問題なのは「暴挙を制御しないばかりか逆に容認しているようにも見える政府や党」という見方です。

 先ほどの個人サイトでもそういう感じだったのですが、デモの容認と破壊行動の容認は別です。

中国、デモ容認の構え…主要紙は「理性的に」
(2012年9月18日07時35分 読売新聞)

 【北京=大木聖馬、広州=吉田健一】日本政府の尖閣諸島国有化に反対する抗議デモが中国全土に拡大し、一部で日系企業への放火や略奪が起きるなど過激化している事態を受け、共産党機関紙・人民日報など中国主要紙は17日、「理性的な行動」を一斉に呼びかけ、公安当局も暴徒の摘発に乗り出した。

 満州事変につながった柳条湖事件から81年となる18日も大規模デモが計画されており、胡錦濤(フージンタオ)政権はデモが制御不能となる事態は避けたい考えだ。

 中国外務省の洪磊(ホンレイ)副報道局長は17日、反日デモの暴徒化で日系企業に大きな被害が出たことについて、「その責任は日本が負うべきだ」と述べ、「(今後)事態が深刻化するかどうかは日本の対応にかかっている」と強調した。

 胡政権は18日の反日デモも、一部を除き基本的に容認する構えで、全国民が日本への反発で団結する姿を突きつけ、対日圧力とする思惑とみられる。

 一方、タカ派の論調で知られる国際問題専門紙「環球時報」は17日、「一切の街頭での暴力に断固反対すべきだ」とする社説を掲げ、「この数日発生した破壊行為は、当面の対日闘争を弱めるだけで、中国の一つの汚点だ」と批判した。「新京報」も「愛国の熱情、抗議は日本政府の違法行為に向けるべきで、国内や中国に滞在する日本人、企業に矛先を向けるものではない」と自制を呼びかけた。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120918-OYT1T00166.htm?from=main2

 これは「新聞だから」と言うかもしれませんが、先の個人サイトでも

"国をあげて日本製品不買運動をしろと、政府が指示しているわけです。
新聞も同じで、どの新聞も同じ内容の記事を並べているだけです。"

 と、新聞記事に意志が込められているといった書き方をしていました。(なお、環球時報は政府系の国際部門担当新聞であるため、日本関係の記事が多い印象です)


 最初の風船ガスの構図を思い出してほしいのですが、そもそも今は経済状態が良くなくて不満の溜まりやすい状況です。

 そして、そんな中での非日本企業への破壊攻撃は、ただでさえ弱まっている中国経済をさらに弱まらせるものとなります。

 外国企業としては当然ですね、そんな国と付き合うのはリスクが高すぎますから。

 ですから、官製デモであれば、自己保身のためにもこういった破壊行動は防ぎたいはずです。


 この関係で言うと、日本企業への破壊行動も微妙になってきます。

 ここらへんは政治的な駆け引きとの兼ね合いで「認める」という選択肢もあるかもしれませんが、同時に日本企業はもちろんそれ以外の海外企業にも、野蛮な国中国という実態を知らせてしまうことになります。

 広く海外でデモがされているように、デモだけではそういった見方はされません。しかし、暴動となると別です。

 まあ、海外は先進国でも略奪があるので微妙なところ(ただし、まるで発展途上国のようといった表現があるので先進国ではそうあってはならないという自覚はあるはず)ですが、中国政府としては企業の撤退で経済悪化が進むことも結局マイナスであり、やはり諸刃の剣といった面がありそうな気がします。


 で、こういった面は、先にあった政府内の権力争いにも関係してきます。

 本当多面的でわけわかんないのですが、現在の政府の失態が有利になる人もいるわけで、ここらへんが権力争い説の一つとして上がっています。

(追記:ちょっとここは不十分だったのでもうちょっと読んでみましたが、一般的な見方としては「胡錦濤国家主席の院政を防ぐために、習近平時期国家主席が反日強硬で指導力を見せた」というもののようです。

 これプラスデモ収束でも習近平時期国家主席が存在感を見せた説、私の書いた政権の汚点としたい説、胡錦濤国家主席こそが強いところを見せるために妥協しなった説など、いろいろあります。まあ、やはりややっこしいところで、みんな様々なことを言っています)


 あと、ついでにもう一つ指導者層の人について言うと、あまり日本に優しい決定、反日的でない決定をすると、今度は自分が批判にさらされるという可能性もあります。

 中国の反日デモの本質 現状への不満・鬱憤と政府・共産党への批判で日本が中国を追い詰めるという話をちょっと書きましたが、既にかなり追い詰められて反日的な対抗策を取らざるを得なくなっている部分もあるかもしれません。


 すごく長くなりましたが、やっと終わりです。

 以上のように、反日デモは反日デモと捉えるのも、政治的な手段である官製デモと捉えるのも、不満の捌け口である反政府デモと捉えるのも単純化しすぎであり、いずれも妥当ではないと思います。

 こういったいろいろな側面が組み合わさった多面的で複雑なデモが、中国の反日デモの実態だと考えています。


★2013/2/25 中国の尖閣諸島活動家団体、政府にマークされて盗聴・活動制限されていた

 もう少しで読み終わりますけど、日経ビジネスオンラインの昨年10月の記事でまだ見ていないものが残っています。

 これもそのころの話です。
中国政府の“弱腰外交”に憤る愛国者たち 憤青(怒れる青年)の憂鬱
福島 香織 2012年10月10日(水) 日経ビジネスオンライン

 今回のコラムも尖閣問題の話題で引っ張ってしまう。今回の一連の尖閣問題で、かつて強烈な存在感を放っていた中国民間保釣(釣魚島防衛)連合の影が見えないことに気が付いた。民族主義的愛国者であり企業家の童増氏が会長として資金を出し2005年の反日デモのときは日本メディアへの露出も高かった。2004年には彼らの組織によって馮錦華、張立昆ら7人が尖閣上陸を果たし、英雄扱いもされた。

 彼らは当時、憤青(怒れる青年、アングリーヤングマン)と呼ばれ、愛国者、憂国の士として活発に活動していた。

 先日、北京に滞在しているとき、彼らはどうしているんだろうと、ふと思い立って、民間保釣のスポークスマンをしていた李楠氏に電話を入れてみた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121009/237792/?mlp

 あんまり関係ないですけど、おもしろかったので手土産の話。
 受け取るかな、と心配しつつ手土産に日本の煎茶をもって行った。「抵制日貨(日貨排斥)運動中?嫌だったら受け入れられる人にあげるなり、家にもって帰って焼くなり、好きにしていいよ」と渡すと、苦笑いして「まあ、カメラ機材なんかは日本製に代わるものはないし、なんのかんの日本製品を完全には排除できないよ。着るもの、食べるものは気をつけて日本製品を避けているけど、受け取るよ」と答えた。

 日本人も反日企業排除がたいへんですけど、中国人も脱日本ではやっていけないようです。

 さて、本題はここからです。
 8月15日の香港民間活動家の尖閣上陸、そして、その後続く反日デモにどんなふうに関わったか、聞いてみた。

 すると、関わったどころか、今回の一連の上陸活動やデモ参加については政府側から圧力がかかり、身動きもとれなかったという。彼らも香港から船を出して尖閣上陸を試みるつもりだったが、香港民間組織の船は出航し、彼らの船は出させてもらえなかった。

 この話は以前も書きましたね。

 続きですけど、デモも禁止のようです。
 反日デモも、「民間の自発的デモはいいが、民間保釣連合による組織的参加は許さず」と政府から事実上禁足令が出たという。

 そんな話をしているときに、彼の携帯電話に誰から電話がかかってきて、こう答える。

 「この電話は盗聴されているんだよ。別に通じるけどさ。怖いなら、この電話にはかけずに、某氏に連絡をいれたらいい。それでも連絡は通じるから…」

 そして、私に向かって、「電話が盗聴されていてね。昨日も知人が電話をかけてきて俺に会いに来ると言ってきたんだが、ここにたどり着く前に警察につかまっちゃって…」と説明した。(中略)

 かつて英雄視された彼らも、今はこんなに虐げられているんだなあ、とちょっと同情してしまった。(中略)私の知る限り、2006年に安倍政権に替わって日中関係が改善するにつれ、彼らは当局に圧力を受けるようになり、中国のインターネット言論空間では、糞青(憤青と同じ発音の蔑称)と呼ばれるようになり、現実世界でもネット上でも完全に居場所を失いつつある。

 彼は戦争を望んでおり、中国政府は弱腰だと言います。
 日本人にしてみれば、中国はけっして弱腰外交などではないと思うのだが、彼は「いや、弱腰だ。今の中国は戦争をする気がない。戦争というのは何も軍事的戦争だけでない。経済制裁も戦争だ。そういうあらゆる手段を一緒に使って、初めて外交的譲歩が引き出せる」と主張する。

 また、大荒れに見えた反日デモは、政府の弱腰外交のせいだとしています。
彼は、今回のデモが、焼き討ちや略奪を引き起こすほど荒れた背景として、日本が中国を刺激した、という理由以外に、政府の弱腰外交への不満と社会矛盾の顕在化をあげた。

 「今回のデモで毛沢東主席の写真がたくさん出ていただろう。あれは毛沢東の頃の強い中国に戻ってほしいからだよ。毛主席の時代、中国は国力が弱くとも外国に対しては強硬姿勢を貫いた…」

 以前私は反日デモ激化の理由をいく通りも書きましたが、その中の一つ、胡錦濤国家主席批判的な話にここから繋がっていました。

 まず、胡錦濤国家主席が対日重視だったという話。以前の船長逮捕の件が絡んでいて、ここはちょっとおもしろいです。
 福田康夫政権では、懸案の東シナ海ガス田について共同開発合意を結んだ。日本ではあまり評価されなかったが、この合意は中国内では日本への大幅譲歩と見られ、胡錦濤政権は軍部から猛烈な批判を受けた。このあと日中間で尖閣問題がホットイシューとして突如浮上したのは東シナ海ガス田開発譲歩で苦境に立たされた胡錦濤が国内外の関心を東シナ海ガス田からそらすための目くらましだったが、2010年秋に漁船船長が暴走し、また民主党政権の船長逮捕という中国側が予期せぬ事態に、尖閣問題の方がこじれてしまったのだとか。これは某北京駐在記者の解説である。

 そして、今回の反日デモ。
 こういう状況が8月19日を境に大きく変わったのは、やはり中国国内の事情、陳腐な言い方だが、つまり権力暗闘も関係あるのだろう。9月の激しい反日デモの背景については、いろんなメディアがいろんな推測を書いているが、李楠の言うように、胡錦濤政権の対日重視外交を弱腰外交と批判する面があったのかもしれない。

 私は権力闘争説の中でも確か3通りの説明を出しましたけど、その中の一つ習近平派の批判と繋がる話でしょうか?

 だとすれば、習近平さんが国家主席になった今、激しい反日デモが起こる可能性は低いと言えるわけですけど、反日デモは権力闘争説だけで説明できるほど単純ではありませんので、そこまで言うと問題がありそうです。

 また、もともと対日強硬派と言われる習近平さんが批判していたのであれば、今後はもっと強引な外交が展開される可能性があるということです。

 反日デモが起きる危険性が少ないとしても、日本とってはあまり素直には喜べませんね。


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