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ふるさと納税のメリットは本当? デメリット・問題点指摘で論破


2019/05/21:
●ふるさと納税で返礼品がおかしい理由 そもそもは寄付である
●地場の特産品・伝統産業への注目で地域活性化など、ふるさと納税のメリット
●ふるさと納税のメリットは本当にメリットと言えるのか?
●デメリット・問題点の指摘でふるさと納税のメリットは完全論破
●ふるさと納税、実は高所得層の節税手法 政府高官も認めていた
2020/05/27:
●返礼品を巡って2000万円以上の賄賂か?町職員や親族を逮捕
●ふるさと納税担当者、一部の業者や親族のお店を優遇した疑い


●ふるさと納税で返礼品がおかしい理由 そもそもは寄付である

2019/05/21:ふるさと納税の返礼品の問題点についてメモ的な感じで。ふるさと納税自体が良い制度かどうかも検討が必要だと思われますが、とりあえず、返礼品はそれ自体が制度の趣旨に反しているでしょう。本来、ふるさと納税は希望自治体への「寄付」なのです。

・ふるさと納税とは、日本に於ける寄附金税制の一つ。”納税”という名称だが制度上の実態は「寄付」。本来納税すべきである居住する地方自治体に申告して寄付分を控除することにより、希望自治体に事実上の”納税”をするというもの。
・地方間格差や過疎などにより、税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するためといった意図があった。
・制度設計当初には想定されていなかったが、寄付者に対して寄付金の額に応じ主にその地域の特産品を返礼品として送付する自治体が現れ、返礼品の内容をアピールして寄付を募る自治体が増えた。
(ふるさと納税 - Wikipediaより)


●地場の特産品・伝統産業への注目で地域活性化など、ふるさと納税のメリット

 ふるさと納税についての賛成意見としては、以下のようなところがWikipediaで挙げられていました。ただ、いずれもスパッと納得できるようなものではなく、これがそもそも「ふるさと納税自体が良い制度かどうかも検討が必要」というところです。

<メリット・賛成意見>
・成長して生まれ故郷を離れても、その地域に貢献することができる。
 ・地方などでは、成人までの教育に税金を注いでも、就職する(=税金を納めるようになる)にあたって他地域に転居してしまうために、注いだ税金分の「元が取れない」という声もある(教育に支出される税金を「先行投資」と捉え、その回収を意図しての賛成意見である)。
・条例などで使途を限定している場合も多いため、現住地へのものであっても、使い道に納税者(寄付者)が関与できる。
・納税ではなく寄付であるため、一定以上の金額を寄付した場合に特典を設けている自治体もある。
・自治体が寄附のお礼として提供する返礼品は地場の特産品を採用しており、低迷する地域経済の活性化に繋がる。
・伝統産業への注目のよる知名度上昇と需要が発生して、地元の伝統工芸が活性化する。


●ふるさと納税のメリットは本当にメリットと言えるのか?

 返礼品は返礼品競争により、本来の趣旨と異なる方向に進みました。メリットとは言えそうにありません。ただ、他のメリットとされるものも私は疑問なんですよ。

 都市から地方へ税金を回すという役割は、一見もっともらしいです。しかし、なぜふるさと納税制度でなければいけないか?という疑問には答えられないでしょう。制度としてもっとスマートな、要するに人件費などがかからない方法でできる可能性があります。さらに、ふるさと納税では、ネット仲介会社がかなりの取り分でお金を持っていっているという話も聞きました。寄付が目減りしており、効果的な地方分配方法とは考えづらいです。

 寄付がかなり目減りしているというのが問題なのは、本来であれば居住地域の自治体に入るはずの税金だったため。その税金でネット仲介会社を太らせているというのですから、本来の趣旨とは全然違ってきています。

 また、公平性にも問題ありと言えるでしょう。結局、都市部から寄付金を集められる自治体とそうではない自治体で分かれてきます。地方へお金を回すというのが狙いの制度で、これがふさわしいのか?というところ。年度によって金額も大きく異なる可能性があり、計画も立てづらいでしょう。

 地場の特産品・伝統産業への注目も、税金をかけてやるべきか検討が必要ですが、一番マシですね。ただ、これもより直接的な方法があるのではないか?という話。やはり税金を目減りさせてやる、ふるさと納税制度が適切だとは考えづらいです。


●デメリット・問題点の指摘でふるさと納税のメリットは完全論破

 メリットの時点で、ほぼ全部デメリットだとしてしまったのですけど、Wikipediaであったデメリットは以下のあたり。思った以上にきつい指摘がされていますね。一番マシだと書いた「地場の特産品・伝統産業への注目で地域活性化」も一刀両断されており、メリットゼロといった感じです。

・市町村に比べ、都道府県はふるさととしての愛着が持たれにくく、寄付が集まりにくい可能性がある。また、市町村に寄付した場合、寄付をしていない都道府県民税分も控除対象となるなどの問題も起きる。
・行政サービスを受ける住民が税を負担する「受益者負担の原則」の観点から逸脱する。ふるさと納税を利用する人間は利用しない人間より安い納税額で居住地の住民サービスを受けられることになる。
・ふるさと納税による減収分が増収分を上回った場合、本来実施できたはずの公共サービスが実施できない事態となり、この影響はふるさと納税を行っていない居住者にも及ぶ。ふるさと納税を行った納税者は返礼品という「対価」を受け取っているのに対して、ふるさと納税を行っていない納税者は公共サービスの低下を一方的に享受せざるを得ず、不平等が生じる。
・自治体の税務が煩雑になる。特に、他の自治体分の業務については、当該自治体の収入にならない分の業務に当たることになるという矛盾がある。
根本的な地方活性化や地方間格差を是正するための対策にはなっていない。
・税収の少ない地域が受けている地方交付金を合わせると、人口あたりでは現状でも都市部の税収と大差がない。
・納税者(寄付者)の在住する自治体ではふるさと納税の25%分の税収が減ることとなる(75%分は地方交付税で補填される)。また地方交付税の不交付団体では補填されることがないため、ふるさと納税分全額が減収となる。
・政府税制調査会委員を務める一橋大学の佐藤主光教授は、制度利用者の関心が返礼品に集中しており、財源を必要とする自治体への寄付が行われていないと指摘する。


●ふるさと納税、実は高所得層の節税手法 政府高官も認めていた

 もともと書くきっかけとなった記事は、ふるさと納税、安倍1強のひずみ:日経ビジネス電子版(尾島 島雄 日経ビジネス副編集長 2019年4月4日。ここではふるさと納税のデメリットだけでなく、政権の問題も指摘されていました。先にそちらを軽く。

・高市早苗総務相は、返礼品の価格比率を抑え、換金性の高いものも控えるよう自治体に通知。しかし、次の野田聖総務相は、「自治体に任せるのが当然」と発言し、多くの自治体は返礼品競争の容認に転じたものと受け止め、返礼品競争が過激化した。

 私が一番気にしている、ふるさと納税制度自体の問題点としては、以下がポイントでした。

・ふるさと納税に詳しく、関連著書がある金森重樹氏は「高所得層の節税の手法になった」と指摘。自己負担2000円で所得税や住民税から控除される上限は年収が高くなるほど上がり、1000万円なら夫婦と高校生1人の世帯で15万7000円が目安。返礼率が6割超の自治体もあったから、年間10万円近い商品を受け取れる計算だ。

 政府高官も「増税に不満を持つ層(引用者注:高所得者)の憂さが晴れるなら、許容できる」と話していたとのことで、いわば政府公認の高所得者向け節税策でした。こんなん当初の趣旨と全然違いますわ…。


●返礼品を巡って2000万円以上の賄賂か?町職員や親族を逮捕

2020/05/27:まるで良いところがないふるさと納税。今度は逮捕者が出ました。言われてみりゃそりゃ不正も誘発するよな…という制度であり、ふるさと納税は最悪ですね。メリットがない制度を作って、税金を目減りさせてなおかつ不正まで誘発しているということで、悪いことばかりになっています。

 さて、具体的な話。ふるさと納税めぐり2千万円超収賄容疑 町職員再逮捕へ:朝日新聞デジタル(2020年5月25日 12時02分)によると、高知県奈半利(なはり)町のふるさと納税の返礼品を巡って、贈収賄が疑われています。

 高知県警は、受託収賄罪などで起訴した町職員男性について、自らの親族を通じて2千数百万円を不正に受け取っていた疑いがあるとして、収賄容疑で再逮捕。さらに親族5人を新たに逮捕したということで、一族全滅状態ですね。町職員の父、母、兄が収賄容疑、精肉店を営んでいた親族2人が贈賄容疑だそうです。


●ふるさと納税担当者、一部の業者や親族のお店を優遇した疑い

 町職員は、ふるさと納税を担当する地方創生課の元課長補佐でした。2017~18年ごろ、町内の2返礼品業者に対し、返礼品となる精肉や肉の加工品について精肉店経営の親族から仕入れるよう指示した疑いがあります。また、返礼品の取り扱いを優遇する見返りに業者から現金約180万円を受け取ったことも疑われていました。

 なお、捜査関係者によると、柏木容疑者の父母や兄は、複数の返礼品業者から返礼品の加工、発送の業務などを請け負っており、兄の口座にこれらの返礼品業者らから1億数千万円が振り込まれていることを確認しています。この全額を賄賂とはせず、2千数百万円を賄賂とみなしているのですけど、こうした金額の大きさから相当儲けがでかい制度であることがわかるでしょう。

 また、この件は、ふるさと納税に選ばれる品の選択が不透明であることも示しています。このことからすると、他の町でも賄賂を受け取っている案件がある可能性がありますし、そこまで行かなくても不適切なふるさと納税品の選択がありそうな感じ。透明かつ公平な選択の証明ってかなり難しいと思いますよ。制度そのものに問題があると感じます。


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