日本の不動産・土地が台湾・中国など外国に人気で、海外資金が殺到しているという話。ちゃんと儲かっているようなのですけど、そうじゃなかったとしても資産を守るという意味で、価値が高いんだそうです。(2012/9/29)
このたとえマイナスでも購入するということに関連して、"マイナス金利、実際に存在することが証明される"(2012/8/24)をセットにしました。(2018/02/27)
2012/9/29:
●日本の不動産・土地が台湾に人気の理由
●台湾・中国など外国に人気で海外資金が殺到
●円高がむしろ日本の魅力を高めている?
●海外に買われることは良いこと?悪いこと?
2019/09/27:
●中国人が日本の土地買い占め?「西成を買い占める謎の中国人」という記事
●西成区の商店街の中華街化を目論む…防衛策で日本人も空き家購入
2012/8/24:
●マイナス金利、実際に存在することが証明される
●大惨事で資産が消し飛ぶよりはちょっとマイナスの方がマシってこと?
●中央銀行が導入するもう一つのマイナス金利
●日本の不動産・土地が台湾に人気の理由
2012/9/29:「直感に反するかもしれないが、こうしたアジア地域の緊張の高まりから恩恵を受けるのは日本のようだ」という主張の記事がありました。
[FT]海外資金が殺到する「変わらない日本」の不動産(2012/9/18 7:00 フィナンシャル・タイムズ Henny Sender)という記事です。
なぜそんなことが言えるのか?と言うと、"例えば、台湾マネーが最近、日本の不動産市場に流れ込み始めた"といった根拠のようです。
"多くの台湾人は中国が、反抗的な一地方と見なす台湾を力ずくで正式に併合するのは時間の問題と考えて"おり、"手っ取り早い稼ぎを狙う投機資金ではなく、没収を恐れて安全な避難先を探す逃避資金"が日本に集まっているというのです。
過去20年間、日本が柔軟性を欠き、変われないことは明白だった。だが、まさにその安定性のために、他のアジア諸国の不安定さを恐れる人にとって日本は魅力的な目的地になった。(中略)
もはや投資とは、最高の技術と最も魅力的な製品を擁する企業の株を買うことではなく、これ以上大きく下がりようのない資産の購入なのだ。
●台湾・中国など外国に人気で海外資金が殺到
例えば、"現在、(日本人が自国のシャンゼリゼと見なす)表参道などの東京の一等地は、部分的に台湾人が所有している"と記事では書きます。
"投資家は地元の銀行や日本の銀行からたった2%の金利で資金を借り入れ、5~6%の利回りで投資できる"とのこと。これは、"日本国債の利回りが0.7%の世界では、立派なリターン"です。つまり、儲かる!ってことですね。
そして、こうした投資をしているのは、台湾人だけではありません。「本土の中国人も日本に押し寄せている」というのです。
ブラックストーンは中国の政府系ファンドの代理人として、日本の不動産ポートフォリオを購入した。一方で中国本土から日本に流れ込む逃避資本も多く、買い手は現金払いやデビットカードで不動産を取引している。
プライベートエクイティ(非上場株)投資会社のTPGが投資家に宛てた直近の書簡によると、同社は市場価値に約25%上乗せした値段で、不良債権化した不動産ポートフォリオを複数購入した。米ワシントン州は、日本と中国の不動産に投資する会社を支援している。香港に拠点を構えるパシフィック・アライアンスとセキュアード・キャピタルは、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から表参道のしゃれたビルを買い取ったばかりだ。
●円高がむしろ日本の魅力を高めている?
"円が比較的強いという事実は、外国人投資家にとって資産購入を割高に"します。これは今の日本に不利なはずです。しかし、記事では、"これは同時に投資の魅力を高めてもいる"としていました。
"円は紙幣増刷に消極的な中央銀行が裏づける数少ない主要通貨の1つで、近く下落する可能性は低いと見られるからだ"とのこと。これは多くの日本人がマイナスだと言っていることで、岩田規久男・日銀副総裁などはそれゆえに海外からの投資はあり得ないといった論調でした。
フィナンシャル・タイムズも"こうしたセールスポイントは日本人自身にとってそれほど明白ではない。実際、日本人投資家は自国市場を信用しておらず、米国のREIT市場に500億ドルの資金が流れ込んだ"としています。
●海外に買われることは良いこと?悪いこと?
上記を読んでわかるようにフィナンシャル・タイムズは、こういった状況を良いことだとしています。
これは海外からの企業買収についても似たような傾向のようで、自国の企業が海外から買われることを前向きに捉えるイギリスやアメリカの記事を読みました。
しかし、日本では正反対であり、飽くまで海外から買われてはいけない、買われたら負け、日本は終わったみたいな姿勢を取っており、興味深い考え方の違いだと思います。どちらが良いのかわかりませんが、欧米あたりと日本では捉え方に大きな違いがあるようです。
2018/02/27追記:と書いていましたが、イギリスではその後EU離脱を決定。海外の購入を歓迎しているのは知識人層だけで、一般人としては普通に外国嫌いである可能性を感じました。
●中国人が日本の土地買い占め?「西成を買い占める謎の中国人」という記事
2019/09/27:
大阪・西成を買い占める謎の中国人:日経ビジネス電子版(篠原 匡 日経ビジネス副編集長 2019年8月8日)という話があったのでここに追記。ただ、本文見ると、「西成を買い占める」はかなり大げさで非常に局地的なものです。
書いてあったのは、動物園前一番街(正式名称は飛田本通商店街)や二番街のお店がカラオケ居酒屋に転換する店舗が急増しているという話。飛田本通商店街振興組合の村井康夫理事長によれば、一番街では既に11店がカラオケ居酒屋だそうです。そして、ここを経営しているのが、中国系の不動産屋さんだという話でした。
ここは、もともとは隣接する「あいりん地区(通称・釜ヶ崎)」に集まる日雇い労働者らを主に対象としたビジネスでした。しかし、歌って飲んでも2000円程度という値ごろ感もあり、最近は新世界や天王寺界隈から流れるサラリーマンなどの2次会需要でにぎわっているといいます。ビジネスがうまいですね。
●西成区の商店街の中華街化を目論む…防衛策で日本人も空き家購入
記事では、これまで過小評価されていたような不動産も買われていると表現されていました。日本人が見向きもしなかったのにいざ買われると大げさに大騒ぎ…という感じのタイトルは、
中国など外国が日本の水資源を狙って森林土地買収、驚きの調査結果のことを思い出します。そっちの離しはもっとひどく、日本人詐欺師が、二束三文の土地を中国人に買わせていたという話でした。
西成区に戻ると、中国系の不動産業者が店舗を積極的に取得するため、動物園前一番街・二番街の物件価格は上昇しました。「ビジネスがうまい」とさっき書いたのですけど、記事では、<地元の不動産業者からは驚きともやっかみともつかない声が漏れる>という書き方もしていました。嫉妬があるようです。
あと、西成区のあたりの「買い占め」というスケールのでかい話で私が思い出すのは、中国ではなく日本の星野リゾートでした。すると、記事でも触れていました。星野リゾートは2017年に、西成区である新今宮駅の北側(浪速区)に観光特化型のホテルを開業すると公表しています。
なお、さっきの不動産屋さんには、動物園前一番街・二番街を中華街にするという発想もあるようですが、当然、当初からいる商店街の人は反対。また、隣接する飛田新地の飛田新地料理組合は中国人による買収対策として、空き家だった近隣のビルを取得、防災用の備品を備蓄する防災会館に転換。買わせないようにと対策しているそうです。
●マイナス金利、実際に存在することが証明される
2018/02/27追記:フィナンシャル・タイムズの主張はわかりづらかったのですけど、金儲けだけでなく資産を守るという意味では価値があるということだと思われます。似たような例として、マイナス金利なのに望んて購入する行為をこのとき挙げていました。日本でマイナス金利が話題になるだいぶ前の話。この投稿を今回セットでまとめています。
2012/8/24:
定着するマイナス金利、銀行再編の引き金となるか 滞留するマネーを刺激する劇薬の合理性(日経ビジネスオンライン 2012年8月8日 倉都 康行)によると、"ほんの少し前まで、マイナス金利とは1970年代にスイス中銀が為替管理の一環として用いていた歴史上の遺物でしかなかった"そうです。
"金利はゼロが下限であるというのが市場の常識"だったわけです。ところが、最近"実際にマイナス金利が存在し得ることが欧州で証明された"ため、"国際金融市場の注目を集め始めた"ようです。
マイナス金利というのは、例えば「1年債の利回りがマイナス0.1%」ということは、1年後の償還金10万円を確保するために10万100円支払う、ということ。100円の損です。機関投資家ならば10億円投資で100万円損することになるということで、めちゃくちゃマイナスです。
なので、"とても有り得ない話のように聞こえる"ものの、あのドイツで"マイナス金利が定着している"といいます。しかも、"ドイツだけでなくオランダやスイス、フランス、オーストリア、フィンランドそしてデンマークといった国々の短期国債で観察されている"とのこと。もちろん「定着」ですので、ある程度長く観察されているということです。
"これは従来の債券市場では考えられないことであり、一時的な異常現象だという人も少なくない"ものの、"なかなか修正される気配は出てこない"と記事にはありました。
●大惨事で資産が消し飛ぶよりはちょっとマイナスの方がマシってこと?
たとえば、"最初に国債市場にマイナス金利が表れた"ドイツでは、"2012年1月初めに行った6カ月もの国債入札結果がマイナス0.0122%と"なりました。"流通市場ではまれにマイナス金利が生まれることがあったが、入札でのマイナス金利は初めてのこと"だったそうです。
これは"ギリシヤ不安などを背景としたややパニック的な異常現象だという見方が強"かったものの、"6月以降、このマイナス金利が流通市場に定着"。初めは"6カ月や12カ月という短期債に限定されていた"ものの、"2年債にも見受けられるように"なりました。
その後今度は"オランダなど他国の2年債市場にも波及"。作者の倉都康行さんは"もはや「一時的現象」「異常現象」という言葉では説明しきれないのではないか"としています。
このマイナス金利の理由としては、倉都康行さんは"ユーロ危機が「想定外の景気後退を引き起こす大惨事リスク」を市場が意識し始めたのだと捉えることもできる"と説明していました。
「想定外の景気後退」が起きた場合、多少マイナスでも全く受け取れないよりは受け取れた方が良いってことですかね? 正直イマイチよくわからなかったんですけど、とりあえず、そんな感じで読んでいました。
●中央銀行が導入するもう一つのマイナス金利
記事ではもう一つのマイナス金利の話が出ていました。"リーマンショックが発生した翌年の2009年7月に、スウェーデン中銀が政策金利の引き下げと同時に、預金ファシリティ金利のマイナス金利を導入"(日本で言えば、日銀の当座預金にマイナス金利が適用)という話です。
これは銀行が金融政策の一環として中央銀行に置いておく必要のある準備金であり、"使用使途のない資金が必要準備の水準を超えて中銀に置かれる"のであれば、"手数料を徴収する、といったメッセージ"のように一見見えたそうです。
ただし、"実際には同国の銀行超過準備ほとんど中銀オペによって吸収されており、このマイナス金利で銀行にコストが掛かるような話ではな"かったのです。
話はこれで終わり…かと思いきや、"先月デンマーク中銀が同じように預金ファシリティ金利をマイナスにする、と発表し"ました。そして、今度は"スウェーデンと違って銀行に実損が出ると予想されて"います。"実質的に「預金課税」を意味するマイナス金利"は、"何とかして運用先を増やさねばな"らないといのこと。
"マイナス金利の下で皆がおカネの有効な使い道に知恵を絞るようになれば、実体経済が意外な方向へ動き出す可能性"があるわけです。ただし、倉都康行さんはそれは不可能に近いことで、実質的には弱い銀行潰しじゃないかと考えているようです。
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