●ギャンブル依存症の最大の快感は勝ったときでなく勝負中にある
2012/9/30:正式には「ギャンブル依存症」ではなく、「ギャンブル障害」と呼ぶそうですが、この症状の人は意外なことに勝利のときに大きな快感を覚えているわけではないそうです。彼らの最大の喜びというのは、勝つか負けるかという勝負をしている最中にあるとのことでした。
こういった話があったのは、
ギャンブル依存症の最新の定義は「プロセス依存」ダイヤモンド・オンライン(井手ゆきえ [医学ライター])。"脳の報酬系が最も活性化するのは、勝った瞬間ではなく「勝つかもしれない」というひりひりするような「報酬予測」の段階"だとありました。
素人が重要と考えがちな「勝ちの快感」については、"その「おまけ」にすぎない"とまで言われています。「勝つかもしれない」が重要なため、"興奮が収まれば即、次の報酬予測を渇望するようになる"ということで、困ったことに勝っても負けても止まりません。だから「依存症」だと言われるんでしょうね。
また、「大損をしたらやめるだろう」というのもこれまた素人考えのようです。実際には、"逆に「次は取り返す」と深追いする理由になるだけ"であり、余計悪い模様。大儲けや大損といった結果はギャンブル依存症の人には重要ではなく、「プロセス」が問題となっているようです。
●「ギャンブル依存症」はプロセス依存という依存症の一種
記事は以上のような話だったのですが、この記事はちょっとタイトルが良くなかったかもしれません。タイトルでは<ギャンブル依存症の最新の定義は「プロセス依存」>とあったものの、結構前からプロセス依存とされていた感じなんですよね。最近になって言われだした…というものではなさげなのです。
ギャンブル依存が欧米で注目され始めた1960年代当時は、"不合理な行動をやめたいのにやめられず、繰り返してしまう「強迫性障害」の一つ"と考えられていたそうです。"診断名は「強迫性ギャンブリング」という名前"でした。この頃でしたら、確かにプロセス依存という考え方は一般的ではなかったようです。
その後、位置づけが変わりつつ、"2013年に改定された最新のDSM-5では「ギャンブル障害」の診断名で、アルコール依存症と同じ「物質関連障害と嗜癖性障害」に分類された"ということで、タイトルに「最新の定義」としたのだと思われます。
ただ、(
デジタル大辞泉では、プロセス依存を<依存症の種類の一つ。キャンブル・仕事・買い物・万引き(中略)など、高揚感をもたらす行為にのめりこむこと>と説明。比較的情報の更新が遅い辞書なんか見ても、「プロセス依存」の例で真っ先に挙げられており、「最新」というのを強調しすぎるのは勘違いをもたらすかもしれません。
●仕事へ依存することがギャンブル依存症の予防になる?
なお、デジタル大辞泉の説明で「依存症の種類の一つ」と書いていたことでわかるように、依存症としては、プロセス依存以外のものもあります。
依存症の種類と分類|依存症治療の専門病院 大石クリニックによれば、「物質依存」「行為・プロセスの依存」「人・関係の依存」の3つだそうです。
上の説明でも「物質関連障害」といった説明があったアルコールは、ギャンブルの「行為・プロセスの依存」とは異なる「物質依存」となっていました。他にたばこ、薬物などがあります。もう一つの「人・関係の依存」では、DV・ストーカーなどの例があり、当たり前かもしれませんけど、悪いものばかりです。
ただ、デジタル大辞泉の「プロセス依存」の例では、買い物・万引きなど、ハマるとよくなさそうなものが多い中で、「仕事」というものも。また、最初の記事では、"他の健康的な依存先へ代替することが病的依存の防波堤になる"として、「仕事」と「庭で野菜を育てること」を提案してました。妙な感じですけどね。
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