あんまり引っ張るネタじゃないかなぁと思いつつも
アップルiPhone5のiOS6の酷すぎる爆笑地図アプリリンク集 パチンコガンダム駅、マクドナルド駅、ハングル語などの続編です。
今回は真面目な話もあるんですが、まずは前回多量に書いた後にさらに見つけた笑える話から。
何という心遣い。アップルの優しさが身に染みますね。
ついでと言っては何ですが竹島も二つあると良かったんですけど、それはさすがに望み過ぎというものでしょうか。
一方、お次は「ホラー」という全然違うサービスを提供してくれているという見方です。
iOS 6のアップル独自地図でホラーと化した世の中
2012.09.20 13:00
一体、世界はどうなってしまったのでしょうか!
iOS 6からアップルはGoogle Mapから独自地図へと移行しました。すでにあちこちでアップル地図とグーグル地図との比較はあがっていますけれど、まさか世界がこんなことになっていたとは...。
消えた自由の女神
落ちたブルックリン橋
グニャングニャンのマンハッタン橋
なんかへんな階段でシャグシャグになってるビル
突如白黒になる街
(略)
http://www.gizmodo.jp/2012/09/ios_6_4.html これは前回分と被っているのが多いですが、たぶん「なんかへんな階段でシャグシャグになってるビル」あたりは初紹介でした。
あと、リンク先には写真があるので、いいね!と思ったような気がします。
残りはメインの話である"iPhone5の地図はなぜコケたのか?"という記事なのですが、こちらでも新情報が少しありました。
なぜにこんなになってしまったのか?と言うと、"元データの提供元がやり玉に上がっていたり、測地系の違うデータをまぜこぜにしているという指摘がされたりしているが、米ギズモードの記事などを参考にすると、こんなふうに推理できる"として、作者の海部美知さんが以下のようにまとめていました。
皆様御存知のとおり、アップルは従来、グーグルの地図をiPhoneに搭載していたが、今や最大のライバルとなったグーグルへの依存度を下げるため、自前で地図を作ることにした。
これはにわかに始めたことでもなく、アップルは2009年から地図データベースや3D航空写真の会社などを買収して、着々と準備してきた。また、今回の地図の基本となるデータは、日本ではインクリメントP社、欧米ではパーソナル・ナビゲーション機器の世界大手、仏トムトムから調達している。
トムトムといっても、もとはテレアトラスというオランダの会社で、2000年代半ばまでは、同社と米ナブテック(現ノキア傘下)の2社で、世界のカーナビ向け地図データをほぼ寡占していた。テレアトラスはグーグルに対しても、米国は2009年まで、欧州は2011年末まで、地図データを提供していた。従って、この部分ではグーグルと比べてアップルがそれほどの遜色があるとは思えない。
(中略)
ただしテレアトラスは、カーナビ向けが主力であるために道路のデータには強いが、位置情報業界で「面白い場所(Point of Interest, POI)」と呼ばれる、店舗・主要施設・観光地などといった「非道路系」のデータはグーグルに比べて弱い。
(中略)ちなみに日本のインクリメントP社も、どうやらカーナビ向けが主力のようだ。
一方、グーグルは、地図だけをやっているのではない。地形の基礎データは米国なら連邦国勢調査局など政府系のものを使っているが、これに店舗の検索や広告販売などを通じて自身で集めて保有する、多くの関連データを加えている。
こうしたデータを多くのソースから集めて整合性を持たせ、優先順位をつけて地図に分かりやすく表示する、というのは同社の得意とするところだ。このあたりは、おなじみの「ビッグデータ」の技術力である。
アップルでは、自社だけではこうした主要建物や店舗のデータをカバーできず、いろいろなソースからかき集めてきたはずだ。この部分が、本拠アメリカではそれでも一応データが集まったが、欧州や日本では十分でなく、元データそのものの質もバラつきがあり、さらにこれらを縫い合わせて不整合が起きないように調整する「コンフレーション」という作業が不十分だったのだと思われる。
このために、道路のナビゲーションはしっかりしているのに、駅・線路・主要建物などの非道路系に間違いが多い、島が2つ出現したり逆に消えてしまったりする、日本語とハングル語が混ざる、といったトラブルが起きているのではないかと思う。
なお、アメリカの道路写真がぐにゃぐにゃなのは、買収した3D航空写真の会社のデータが「不安定」であるから、と言われている。
あら、まあ、何年も用意周到に準備してきてあのレベルだったんですね。これもまた驚きです。
海部美知さんはこれはアップルの「伝統的弱み」であって、スティーブ・ジョブズがいたとかいないの問題ではないと書いていました。
要するに元からこんなレベルなんだそうです。
その証拠に"ビッグデータの世界では、ほかのウェブ系大物企業がいずれも何らかの存在感を発揮しているのに対し、アップルだけは全く姿が見えない"、つまりアップルの一人負け状態だとも書いていました。
また、もう一つの大きな理由は「検索・絞り込み」の得意不得意で、これは名前でわかる通りGoogleの得意中の得意であり、やはりアップルがビッグデータを処理・加工する能力を有していないという分析です。
さらに"既に地図サービスでグーグルに7年遅れている差はなかなか埋められない"という見方が強いとも紹介しており、そう簡単に使い勝手は改善されないのかもしれません。
(10/24追記:別の解説記事もありました。もう1回書く程でもないので、追記で。
「ガンダム駅」なぜできた アップル地図騒動の真相 2012/10/17 7:00 日経新聞 電子報道部 富谷瑠美
「アップルへの地図データ提供会社がゼンリンではないから」「ウィキペディアの地図版『オープンストリートマップ(OSM)』を採用しているからでは」――。
アップルが問題の地図を搭載した新OS(基本ソフト)「iOS6」の配布を開始したのは、先月19日のこと。国内でも、OSをアップデートしたユーザーから次々に驚きの声が上がり、不具合の原因についても様々な臆測が流れた。しかし、地図データ提供会社のデータそのものに問題があるという見立ては誤りのようだ。
位置情報を活用した業務用アプリを提供するオークニー(横浜市)の森亮社長は「問題は地図データ提供会社ではなく、アップルにある」と断言する。(中略)
今回の騒動について、森社長は「過去20年間、各社が向上させてきたデジタル地図の品質をリセットするような、とんでもない代物を出してきた」と憤りを見せる。(中略)
古橋氏は、「OSMのデータを調べたところ、アップルは2年以上も前に取得した地図データを更新せず、そのまま利用している痕跡があった」と指摘する。
(中略)日本以外の地図についても、同様に古いデータが使われていた。10年ごろにOSMのデータをコピーして独自のデータセットを作り始め、以後最新データを取得することなくそのままリリースしたのではないかと氏は推測している。
デジタル地図は複数のデータを結合して作られることが多い。(中略)
まず考えられるのが「測地系」の変換ミスだ。日本では02年まで、緯度経度を日本独自の基準(日本測地系)で表示してきたが、全地球測位システム(GPS)などに対応した国際基準(世界測地系)と450メートル程度のずれがあった。国土地理院は02年4月1日から「世界測地系」に移行することを決めたものの、国内の地図データはかつての日本測地系をもとに作られているものもある。
異なる測地系のデータを結合する場合は、経緯度を変換する処理などであらかじめずれを補正する必要がある。(中略)
アップルの地図はこの処理を怠り、旧日本測地系の経緯度のまま、正しい位置から450メートルほどずれて表示される駅などが散見される。(中略)
さらに読み仮名と漢字などの重複データの名寄せや、駅と商業施設のカテゴリー分けについても誤りが見られ、デジタル地図の知識を持ったエンジニアが担当していない可能性もあるほどの「初歩的なミス」(古橋氏)が重なっているという。
インターネット上で騒がれた「ガンダム駅」の場合はさらに複雑だ。数百メートル離れた場所にある「パチンコゴールドエックスあきしま」によると、同店は2006年ごろまで「パチンコガンダム」という名前で営業していたという。6年ほど前の古い建物データが使われている可能性が高い上、何らかの原因で位置が線路上にずれた。「駅」という公共施設と「商業施設」の属性は大きく異なるが「何らかの自動処理などで『線路の上に配置される施設情報は駅』と置き換わってしまった可能性もありうる」(古橋氏)。他にも「マクドナルド駅」など、同様に店が駅に置き換わる事例が見られた。
万が一こうした処理がされてしまった場合でも「通常は主要都市のサンプリングチェックで気づくはず」(森社長)。今回はそれすらされていない可能性が高く「ありえないエンジニアリングプロセスだ」(同社長)。
エンジニアリングのプロセスだけが問題だったわけではない。森氏や古橋氏は、アップルの「唯我独尊」的な態度にも問題があったと指摘する。
(中略)
08~09年ごろ、位置情報サービスの普及を目指す「ジオメディアサミット」には、グーグルのマップエンジニアと見られる20~30代の男性数人が熱心に参加していたという。地図の専門家ばかりではなかったが「『良いサービスを作りたい』と教えを請う熱意が彼らにはあった」(森社長)。
(中略)
一方アップルは、こと地図に関しては「こうした貢献は皆無」(古橋氏)。OSMのデータを使っていることすら知らされなかったといい「(情報交換さえしていれば)そもそもデータ結合時に初歩的なミスを犯すことはなかったはずだ」(同氏)。
お粗末なエンジニアリングに、コミュニケーション不足。これに、ビジネス上の「事情」も追い打ちをかけた。
不完全なものを、なぜ今、出さざるを得なかったのか。背景には、「アップルはユーザーの位置情報の獲得競争を、グーグルやマイクロソフト相手にせざるをえなくなったという事情がある」というのが海外の通信事情に詳しい情報通信総合研究所の小川敦研究員の見解だ。ユーザーのスマホから取得した位置情報は、今後カネを生む可能性が高いビッグデータだ。自社製地図の機能をアプリ開発者に組み込んでもらい「OSとセットで囲い込みたいという意図がある」(同研究員)。
(中略)
前OSまでの標準地図アプリはグーグルマップだったため、アップルはこの宝の山をみすみすグーグルに渡してきた。
(略)
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO47270450V11C12A0000000/)
追加
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