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高齢化社会と年金制度 スウェーデンは日本の半額 日本の制度はファンタジー


 日本の人口減少は怖くない むしろ豊かになる部分も?の続きで、悲観すべきでない日本の人口減少(原田泰内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)の"高齢者社会のコスト引き下げ"の部分です。

 ここの部分の最初の"人口が減少すること自体は、少しも問題ではない"は前回で見たように、言い過ぎの感があります。

 ただし、次の指摘は本質的です。

"人口が増加していくことを前提にした制度を作ってしまったことが間題なのである。"


 高齢社会に向かっていくことは前々から言われていました。にも関わらず、何十年も有効な対策なしに放っておかれてきました。これこそが問題です。

 政治家は景気の良いときはそれを理由に予算をばら撒き、景気が悪いときは景気を良くするためにと言ってばら撒きます。

 景気が良くなったらしますから後回ししていますと説明しますが、過去の良かったときを見てもそれは期待薄です。

 なぜかと言うと簡単で、予算を増やすことには有権者は喜ぶけど、減らすことには喜ばないからです。

 当然今回の"高齢者社会のコスト引き下げ"もとんでもなく反発を食らうものとなっています。


 ここで出てくるのは"高齢社会の主要なコスト"である"医療、介護、年金"のうち、原田泰さんが最も重要とする"年金"についてです。
年金という制度は、現役の勤労世代が退職した高齢世代を養う仕組みである。現在の制度では、すでに高齢の世代は収めた年金保険料の割には有利な年金がもらえ、現在の若年世代では収めた年金も返ってくるかわからないという状況にある。年金は引き下げる必要があるが、では、どれだけカットすればよいのか。他の先進国をみると、最も高いスウェーデンでも、日本の53.4%であり、イギリスでは、29.6%である。日本の年金給付水準は諸外国の倍以上である。更に、各国の物価水準の違いを考慮して購買力平価により円換算して比較してみても、日本の受給額はやはり世界一高い。日本についで最も高いのは物価の安いアメリカになるが、それでも日本の75.8%でしかない。また、日本は現時点では60歳支給である。受給者が平均寿命程度生きるとすると、60歳から80歳までの20年払いになる。他国はすでに六五歳支給になっているので、80歳まで生きても15年払いである。総受給額は3割(20年÷15年)高いことになる。つまり、アメリカに比べて、購買力平価で見た月額が3割高いうえ、受給期間で3割高いことになり、実質的な格差は1.7倍ということになる。

(中略)スウェーデンですら年金保険料は18.5%で固定しているのに、2025年に25%に引き上げるなどという日本の制度が維持可能とは思われない。一方、日本の年金を世界的水準にすれば、年金負担を上げる必要がなくなる。具体的には、支給開始年齢を毎年6ヶ月ずつ遅らせて10年で65歳にし、支給額を毎年2%ずつ減らして10年で20%カットすれば、年金保険料を引き上げる必要はなくなる。

 福祉国家スウェーデンの嘘 年金・医療・介護の支出は日本と変わらないという話を書きましたが、医療・介護を除いて年金に限って見ると日本は圧倒的であるようです。

 どうも日本の社会保障のイメージ自体が海外でのそれとは乖離しているようで、日本人の思う高福祉を世界の高福祉国家に当てはめると大きな間違いをおかしそうです。


 そう言えば、スウェーデンの年金では、スウェーデンの社会保障 年金は破綻?という話も書いていました。

 上記でもスウェーデンでは65歳とは書いていませんけど、以前の引用記事によれば以下の支給年齢です。

"同国の法定退職年齢は67歳。年金の支給開始は61歳以降であれば自由に決められ、65歳での退職が一般的とされる"

"61歳で年金を受給し始めるか、67歳まで働き続けるかを労働者自身が選択できる"


 スウェーデンと年金で検索して見つけたスウェーデンシニアレポート > スウェーデン少子高齢化の問題(デイチャーム株式会社)もどうぞ。
日本と同様、少子高齢化が進むスウェーデンでは年金制度に関する試行錯誤が行われている。スウェーデンの年金は、基本的に日本のそれと同じような3階建ての構造となっている。

一番ベースとなる1階部分は、いわゆる『国民年金』で、全国民が受けることのできる最低限の保証。
2階部分は日本でいう『厚生年金』のようなもので雇用主が賃金の一部を年金として積み立てる。ちなみにこれは雇用主の義務ではないが、現在は90%の雇用主が行っている。
そして3階部分は日本の『企業年金』や『国民年金基金』と同じように各個人が『投資』のような形で積み立てていくものである。

 1階部分は"全国民が受けることのできる最低限の保証"とありますので、これは皆同じ額か?と言うとそうではないようです。
スウェーデンの国民年金は、2つの部分から成り立っており、一つは全ての国民が受けることのできる『基礎年金』部分で、もう一つは現役時代に支払われた保険料(所得の18.5%)に応じて支給額が変化する『所得比例年金』と呼ばれる部分である。以前は『基礎年金』部分は所得に関わらず一定であったが、99年の改革により『所得比例年金』が中心となる仕組みに変った。

 支払いが少ないと、年金も少ないのです。

 この自分の老後は自分で……という流れはさらに加速していくようです。
以前のスウェーデンの年金システムは働く世代が100%年金世代を支える図式であったが、現在では働く世代の保険料の支払いの一部は自分の将来の年金のために積み立てられる仕組みに変った。

さらに将来的には自分が将来受け取る年金額の100%を現役時代の自身の保険料でまかなうような仕組みに移行していくことを目指している。

 "働く世代が100%年金世代を支える図式"というのが、まさに少子高齢社会で破綻する方式です。"自分の将来の年金"とする方が、理に適ったやり方でしょう。


 また、スウェーデン国民もあまり理解していないそうですが、これはかなり大きな改革であったようです。

 スウェーデンの改革では将来の自分のためにうまく投資しないと、受給額に大きな差が出てしまいます。

 しかし、それが成功したとしても、"自動的に年金生活者として天国のような生活が待っていると考えることはできない"そうです。

たとえ投資の選択に成功したとしても、それが自動的に年金生活者として天国のような生活が待っていると考えることはできない。あくまでもそれは適切な生活水準をキープできるだけのことだ。

国際経済学者であるヨーラン・ノールマン氏の2006年のレポートによると、将来、ほとんどの年金生活者は現役時代の収入の半分、またはそれ以下の年金支給額で満足しなければならなくなるだろうと述べている。

(中略)

国や雇用主はこの年金制度の変化及びそれにおける個人の責任の重大さをより明確に訴えていく必要がある、とスウェーデンの専門家は訴えている。

またその場合には、将来の年金支給額が現在考えられているものよりもおそらく低いものになるであろうことも同時に明らかにするべきである。

 レポートではこの認知不徹底を批判していますが、制度そのものは批判していません。

 日本のように財政的に成り立たないファンタジーな制度を作っても仕方ありませんしね。

 逆に言えば、日本人もいつまでも夢を見ているわけには行かないということでもあります。


 関連
  ■日本の人口減少は怖くない むしろ豊かになる部分も?
  ■福祉国家スウェーデンの嘘 年金・医療・介護の支出は日本と変わらない
  ■スウェーデンの社会保障 年金は破綻?
  ■寝たきり高齢者問題は欧州にない 理由は延命しないため
  ■年金問題 ~改革は必要、無責任な反対論は自殺行為~
  ■その他の政治(全般)について書いた記事

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