メモ程度で、軽く。
以前書いた世論調査関連の記事には、
世論調査による世論操作術があります。
2ちゃんねるの世論調査総合スレッドというのが、意外にきれいにできていておもしろかったのでメモ。
世論調査総合スレッド263
1 + 4:無党派さん[sage] 2012/08/05(日) 09:05:36.92 ID:rzqE6Jn(6)
■ここは世論調査、世論調査結果、及び世論調査結果に基づく情勢判断を扱うスレです。■
(中略)
2:無党派さん[sage] 2012/08/05(日) 09:06:45.27 ID:rzqE6Jn(6)
■世論調査の誤差の目安
サンプル数(回答数)Nが十分大きく、調査結果の値がpである場合、
偏りのないサンプリングでの調査なら、68.3%の確率で上下
σ=√(p*(1-p)/N)
の範囲、95%の確率で
1.96*σ=1.96*√(p*(1-p)/N)
の範囲に本当の値が入る。
例えば、回答数1000の調査で支持率などの調査結果50%なら、
1.96*√(0.50*(1-0.50)/1000)=約3ポイント
すなわち
50±3%
の範囲に真の値がある確率が95%。同様に、
回答数1000、結果が12%または88%なら、約2ポイント。
回答数600、結果が50%なら、約4ポイント。
☆実際には、調査日時とかサンプリング方法とかでランダムサンプリングと
言えなかったり、未回答分に偏りがあったり、対象者が空気を読んだりするけど、
それらは無視した最良の場合。もちろん鉛筆なめなめもなし。
よって実際の誤差はさらに大きい。
当然ネットのようなランダムサンプリングでない調査は埒外。
ざっくり言って新聞などにみられる世論調査では
±3ポイントぐらいは十分誤差の範囲。
http://read2ch.com/r/giin/1344125136/ "未回答分に偏りがあったり"とありますが、実際には未回答は数割に及ぶと聞きました。
ということは、かなり当てにならない気がするんですけど、どうでしょう?
それを考慮した上での±3ポイントなんですかね?
おもしろかったのが、ここ。各社の違いがわかります。
4:無党派さん[sage] 2012/08/05(日) 09:07:58.83 ID:rzqE6Jn(6)
■各社の世論調査方法の違い@RDD定例調査 (アエラ調べ)
※「重ね聞き」と「選択肢の読み上げ」は内閣支持率を聞くときの場合
【読売】
調査日数 金~日の3日
調査時間帯 原則9~21時半
回答標本目標.. 1000
重ね聞き.. 有
選択肢の読み上げ 無
電話をかける上限回数 5~6回程度
拒否者に再度かけるか 「今忙しい」などの場合、かける
集計の際の補正 無
【朝日】
調査日数 土~日の2日
調査時間帯 9~22時。予約があれば最大23時
回答標本目標.. 2000
重ね聞き.. 無
選択肢の読み上げ 無
電話をかける上限回数 最大6回
拒否者に再度かけるか かける
集計の際の補正 性・年代別・地域別で補正
【日経】
調査日数 3日
調査時間帯 9~21時半
回答標本目標.. 900以上
重ね聞き.. 有
選択肢の読み上げ 無
電話をかける上限回数 状況に応じて
拒否者に再度かけるか 状況に応じて
集計の際の補正 無
【毎日】
調査日数 2日
調査時間帯 9~21時
回答標本目標.. 1000
重ね聞き.. 無
選択肢の読み上げ 有
電話をかける上限回数 上限は定めていないが、8回以上のときも
拒否者に再度かけるか かける
集計の際の補正 (答えられない)
【共同】
調査日数 原則2日
調査時間帯 原則9~21時
回答標本目標.. 1000以上
重ね聞き.. (答えられない)
選択肢の読み上げ (答えられない)
電話をかける上限回数 (答えられない)
拒否者に再度かけるか かけない
集計の際の補正 一部補正
【NHK】
(調査の方法については同業他社の取材に応じません)
もう一つ、アンケートととの違いに関して。
5 + 3:無党派さん[sage] 2012/08/05(日) 09:08:28.67 ID:rzqE6Jn(6)
■アンケート形式と標本抽出の違い
要するにYahooなどで実施されている投票式のネットアンケートは,統計学として『世論調査』とは
認められません.
ネット世論調査と銘打っているところもありますが,統計的に意味のあるものではないのです.
一方,新聞やTVなどマスコミの間で行われているアンケートは,回答者のランダムサンプリング
(無作為抽出)を行っているので,統計学的に意味のある調査となります.
そこで総務省統計局の高校生用学習サイト「Howto統計」を紹介して置きます.
[2]標本抽出(サンプリング)
--------------------------------------------------------------------------------
標本調査では,母集団から偏りのないように標本を取り出す工夫と調査結果の精度を保証する必要が
出てきます.
このため,標本調査には,調査結果の精度を保証し,正確な標本を選び出す標本抽出法(サンプリング;
samplingmethod)が用意されています.
この標本抽出法は,どのようにすれば標本のみから全体を知ることができるか,それが信頼性,客観性
を持つためには,いかなる処理が行われるべきかの方法を提供してくれるものです.
母集団の特徴を調べるために,母集団から標本を取り出し,分析しますが,その際,標本は母集団の
縮図になるように,何の作為もなく選び出す必要があります.
こうした選び方を無作為抽出(ランダム・サンプリング)といい,抽出される個体がすべて同じ確率で
選ばれる抽出法です.
こうして無作為抽出された標本を無作為標本といいます.
通常,統計調査での標本といえば無作為標本を指します.
--------------------------------------------------------------------------------
これに対し,投票式のネットアンケートは標本抽出という行為自体を行っていません.
意味合いとしては単なる人気投票でしかないのです.
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq13r02i.html#15585
本当にメモだけなので、飛ばしたんですがリンク集が間に挟まっていました。
3:無党派さん[sage] 2012/08/05(日) 09:07:26.02 ID:rzqE6Jn(6)
■世論調査の仕組み
「朝日RDD」方式とは
http://www.asahi.com/special/08003/rdd.html
NHK:世論調査について
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/yoron/list_yoron1.html
日経:調査の方法
http://www.nikkei-r.co.jp/phone/method.html
【参考図書】
「世論の曲解なぜ自民党は大敗したのか」(光文社新書)(新書) 菅原琢(著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433403537X/
【世論調査の具体的・技術的な論点】
シリーズ研究会「世論調査」
①峰久和哲 朝日新聞編集委員
世論調査の役割と限界
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=402
②萩原雅之 ネットレイティングス株式会社エグゼクティブフェロー
世論調査にハイブリッド方法を
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=411
③西平重喜 統計数理研究所名誉所員
世論調査は勝負審判ではない
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=408
④松本正生 埼玉大学教授
世論調査へのエール
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=417
【その他】
菅原研究室紀要
http://blog.livedoor.jp/sgt/
菅原研究室/研究業績
http://freett.com/sugawara_taku/v.html
http://twitter.com/sugawarataku
こういった状態でも私は世論調査の操作は可能だと思います。
世論調査とは呼べないあまりに酷い例ではありますが、極端なものとしては次のようなものがあります。
第6回 離職率を隠す企業の事情とは?
上西 充子 日経ビジネスオンライン
2012年10月5日(金)
(略)
経済広報センターに登録している社会広聴会員を対象としたこの調査では、下記の通り、「七五三現象」(早期離職の現象)をどう考えるかを聞いた上で、その主な原因を尋ねている。
(中略)
この調査の尋ね方が「誘導的」であることにはお気づきだろうか。(1)の最初で「『石の上にも三年』ということわざがありますが」と、「最初の三年間はとにかく忍耐強く勤めるのが大事」という価値観を示した上で早期離職の問題性を問い、その後に(2)でその早期離職の原因を尋ねている。つまり、「石の上にも三年」を耐えることができないイマドキの若者、という意味づけを行った上で原因を尋ねているのだ。若者側に問題があると回答者が答えるのは、自然な流れである。
さらに言えば、「最近では…『七五三現象』が見られるようになってきました」という(1)の 設問の記述も、本記事冒頭のグラフの通り、事実に反する。「最近」だけの傾向ではない。なのに「最近では」という表現を使うことによって、「イマドキの若者は…」という連想を促す結果となっている。
この経済広報センターの調査ではさらに「若者自身やその周辺に原因がある」と回答した者に「どのような点が早期離職の原因だと思いますか」と尋ねている(2つまで回答)。
結果は「下積みの仕事に意義を見出せず、つらくても、がまんするといった精神的なタフさがないから」がトップで61%。「『石の上にも三年』ということわざがありますが」で狙った通りの結果だ。
こういう誘導的な調査の結果が経団連の会員企業に広報され、「困った若者の問題」という固定観念を強化する方向に働いているのだろうかと想像すると、暗澹たる気持ちになる。
(略)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121001/237468/ 前述の通り、これは極端な例ですが、聞き方によってある程度操作できるということは、考慮しておいた方が良いでしょう。
また、世論調査は盛り上がっている時期に行われますので、その時点での報道の空気にも支配されやすいのも注意です。
アンケートは言うまでもなく、世論調査も都合よく利用される危険性があることは承知しておいてください。
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