最近、ドイツ税関では二つのバイオリン押収が問題になりました。
ドイツの心象悪化は確実なため、財務相などは信頼の回復に躍起です。
バイオリン押収騒動続かず=独財務相が表明
(2012/10/11-20:24) 時事ドットコム
ドイツのショイブレ財務相は11日、都内で会見し、フランクフルト国際空港で、バイオリニスト、堀米ゆず子さん使用の名器など、バイオリンが税関当局に相次ぎ押収された問題について、「高価な物を持ち込んだ場合には各国の税関に従って届け出をしなければならない」としながらも、「こうした混乱が今後も続くとは思わない」と述べ、日独間で起きたバイオリン押収騒動に終止符が打たれるとの認識を示した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012101100922 しかし、税関職員は納得しているわけでなく、この財務相は告発されています。
ドイツ:バイオリン返還で財務相を告発 税関職員
毎日新聞 2012年10月09日 10時31分(最終更新 10月09日 11時05分)
【ベルリン篠田航一】ドイツ・フランクフルト国際空港の税関で8月に音楽家の堀米ゆず子さん(54)の高額バイオリンが押収された後、財務省の指示で無償返還されたことに対し、押収した税関当局の職員が、返還を決めたショイブレ財務相を「音楽家の脱税行為を助けた」として脱税ほう助の疑いで検察当局に告発した。
独メディアは、9月に同空港で差し押さえられた有希・マヌエラ・ヤンケさん(26)の高額バイオリンについても返還指示が出たと報道。一連の押収騒動は財務省と下部組織の税関との内部対立に発展している。
同空港では、8月にベルギー在住の堀米さん、9月にドイツ在住のヤンケさんの愛器が押収された。税関などによると、430ユーロ(約4万3000円)以上の価値を持つ高額物品を欧州連合(EU)域内に持ち込む場合には申告が必要だが、2人とも無申告で税関を通過しようとしたため、密輸などの疑いを持たれたという。
堀米さんは評価額1億円の名器ガルネリを押収され、約1900万円の関税支払いを求められたが、その後正当な購入証明書などを提出し、無償で返還された。評価額6億円の名器ストラディバリウスを押収されたヤンケさんは約1億1000万円を払うよう求められ、返還に向けて交渉を続けている。
http://mainichi.jp/select/news/20121009k0000e030113000c.html ガルネリの方の海外の反応や、日本の反応を一つ掲載します。
2012年08月24日08:00 暇は無味無臭の劇薬
「ドイツ税関が日本人バイオリニストの一億相当のバイオリンを押収した上、返還に1900万円を請求」海外の反応
独税関、1億円のバイオリン押収=堀米ゆず子さん、返還求める
(中略)堀米さんはバイオリンの時価100万ユーロ(約1億円)の19%に当たる19万ユーロ(約1900万円)の輸入関税の支払いを求められているという。
堀米さんによると、東京からブリュッセルに向かう途中、16日に乗り継ぎのために同空港に到着した際、手荷物で持っていたバイオリンについて、仕事道具であることを示す証明書や高額商品の持ち込みに必要な書類を携帯していなかったとして押収された。(中略)
税関当局は、堀米さんはバイオリンの輸入関税を過去に支払ったことを証明する書類を所持していなかったと説明。また、「購入価格を示す書類もなかったため、推定評価額を基に税額を算出した」としている。罰金を科す可能性もあるという。
堀米さんは「これまでの演奏旅行でこのような処遇を受けたのは初めて。体と魂の一部をもぎ取られたようでとても悲しい」と話し、早期返還を訴えている。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201208/2012082200829
Comment by pool92
「ドイツ当局のスポークスマンの発表によりますと、このバイオリンが彼女の仕事に必要不可欠だと認められる場合は返却される可能性があるとのことです」
あー、俺は彼女はエアバイオリンのパフォーマンスで仕事してるとは思わない。
彼女の仕事のためには必要だろ!
(中略)
Comment by Irish0625
これを何とか説明しようとしたらアレだ。
ドイツはギリシャを救済するために金が必要だってことじゃないの?
Comment by texaspoet
ドイツがクソすぎる
Comment by mikextra
ドイツが今までやってきたことの中じゃ最悪の行為だ。
(中略)
Comment by chase2020
いや一番驚くのはこういうことがアメリカ合衆国で起きてないってことだろう。
Comment by CrazyEyedCustodian
僕、ドイツ人だけど大変申し訳ない・・・
Comment by YouMad
おいみんなドイツを見てみろよ。
ロシアやアラブの腐敗具合にドイツも追いついてるぞ。
(中略)
Comment by Pwag
ドイツがマイノリティに対して証明書の提示を強制するのは今に始まったことじゃないだろ。
これはニュースなんかじゃないよ。歴史っていうんだ。
(中略)
Comment by MrMoth
アメリカ合衆国で起きたことじゃないからスレを高評価しといた。
(中略)
Comment by Killscreen3
僕はアメリカ人
海外にも常識の欠落した国家があるって知れてよかったよ。
Comment by blankemp
↑俺も同じこと思った。外国にもくだらない国があって良かった。
Comment by DMercenary
「ドイツ当局のスポークスマンの発表によりますと、このバイオリンが彼女の仕事に必要不可欠だと認められる場合は返却される可能性があるとのことです」
何言ってんだこいつ。
バイオリニストが
バイオリンを持たないで
どうやって仕事ができるっていうんだ
この文章でスポークスマンを叩こうとは思わないけど、こんな言い訳を思いついたやつはボロクソに言ってやる。
Comment by Aitioma
ドイツ市民だけど理由を聞こうともせずに馬鹿げた官僚的な手続きの順守とこんな愚かな行為をしたということは非常に恥ずかしく思う。
Comment by ayellowbunny
ここ数年、ドイツは坂を転げ落ちてるよなー。
こんなのドイツが滅茶苦茶になってることのほんの一例に過ぎんよ・・・
http://blog.livedoor.jp/drazuli/archives/5862424.html アメリカ人はみんな似たような反応していますね。いつもは叩かれる方という……。
日本の反応の方は証明する書類を持っていなかったことを批判するものも、かなりありました。
しかし、有希・マヌエラ・ヤンケさんの場合は、
輸入証明書や貸与契約書もあったのに押収されています。 もうどうしようもありません。
それ以外の日本の反応をいくつか。
21. 名無しさん 2012年08月24日 08:36 ID:Wp32AxmJ0
押収された事に関してはバイオリニストの方にも非があると思うから何も責められないけど、もう事情がわかっただろうから税金払えなんて言わずに早く返してやって欲しいな。
こういう楽器ってのは保管する温度や湿度にかなり気を使わないといけないから、適当に放ったらかしておいたら手遅れになってしまう。
もしどうしても1900万円払わないといけないなら価値のあるバイオリンを守るために寄付したい。
23. 名無し 2012年08月24日 08:41 ID:T7memxIV0
骨董品と判断したみたいだけどこんな金払えるわけないだろ。朝鮮がやったら大変なことになってたな
41. 無味無臭なアノニマスさん 2012年08月24日 09:05 ID:4nrYlZOc0
いや、俺も最近ドイツ人の他国への悪口ぶりが鼻についてる。
あいつらやっぱアジア人とか馬鹿にしてるよ
昔はドイツびいきだったけどさ
味方だと勘違いしてると、手ひどく裏切られるのは間違いない国だと思う。
42. 無味無臭なアノニマスさん 2012年08月24日 09:05 ID:duw.1rf40
これはちょっと酷いと思う
このニュースを見た時、
ドイツは財政が厳しいから単に金が欲しいだけじゃないの?って思ったわ
書類を揃えたのならバイオリンを彼女に返してあげなよ
バイオリニストがバイオリンなくて何しろってんだよ!
日本もこういうことあるけどドイツもちょっとは融通を利かせろ(´・ω・`)
50. 無味無臭なアノニマスさん 2012年08月24日 09:13 ID:mw2M3fkz0
一発目に押収したのは当然のことだが
その後で必要書類を提出したのに返還してないから
叩かれてるんだろ
役所仕事でかたずけられる問題じゃない
その他のコメントの中で気になったのは、「旅行好きの間ではドイツの空港が地雷だってことはだいぶ前から言われてる」ということです。
バイオリンだけの問題じゃなく、一般の旅行者にとってもたいへんなことのようです。
kom’s log
08-10-2012 フランクフルトの税関
10日前私が日本からドイツに戻ってきたとき、見事にフランクフルト空港ターミナル1の税関で引っかかった。私は近年税関で捕まることは滅多にないのだが、今回はいかにも移民風な安い布製のでかいスーツケースにボロい小さなボストンバックだったんで、怪しい、と思われたんだろうな、と捕まった瞬間に思った。(中略)
今回なにが問題になったかというと、(中略)バックパックのMacBookPro。2年半前のモデルだった。
その金髪の女性税関職員が「これどこで買った?」というので、研究所の予算で買ったものであると答えた。
「領収書は?」
「そんなもの持っているはずがない。二年半前のものだ」
「税金払ってもらいます」
(中略)
「今ただちに消費税払ってもらいます」
「研究所のものだから、私は絶対払わない」
「証明書がないじゃないですか」
「ある。これは研究所の予算で買ったことは後で証明できる。ラップトップ没収していいですよ。あとで書類持ってきます」
「それだと書類作成が面倒なんですよ」
「面倒でもいい。明日は時間がない。あさってにでも書類持ってくるから、これ置いていきます。さあ、没収してください。今週ワークショップで教えるんでこまりますが、研究所に事情は話します。受講者たちにも説明します。だから没収の書類を早速つくるように」
「困りましたね。払ってください。」
「冗談じゃない、困るのはこっちだ。没収してください。絶対払わない。」
「… じゃあ、まあ今回はよしということで。次回からはかならず領収書を持参するように」
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20121008 「書類作成が面倒なんですよ」ってのは笑いました。
先のサイトでは「税関は真面目に仕事しているんだ。責める方がおかしい」という人が多かったんですが、こういうのを見ると真面目というのもちょっと違うんじゃないかと思います。
やっぱり「いかにしてうまくお金をむしり取るか」というところに、重点が置かれているんじゃないですかね?日本の警察の検挙ノルマみたいな目標があるんじゃないかと思うくらいです。
上記のケースはブログ作者さんがドイツ在住のためであり、ドイツ国外の人は消費税ではなく関税だそうです。
そのための対策をブログ作者さんは提示してくれています。
というわけで日本に在住している人がドイツへの往復でラップトップを所持している場合にはどうすればよいか(いちばん一般的に問題になりそうなのはバイオリンではなくラップトップだ)、EU非在住であること、機器が職務上必要であることを書類で示せることに注意すればよいだろう。なにしろ書類が重要な国である。なかったら書類はつくってでも持っていく。会社の備品ならば会社の財務にその旨英語で書いてもらってサインをもらう、とか。
・EUに住んでいないこと、短期滞在であることをフライトチケットで証明する。
・日本で購入した証明をするため、日本語でもいいから領収書を所持する。値段だけでなく型式がプリントされているとなおよい。日本語キーボードのラップトップだったらまず問題ないだろう。
・ラップトップが職務上必要であることをなんらかの形で示せるようにする。学会参加の登録書類、訪問先とのやりとりのメールなど。
・遊びでラップトップ持っている場合は、うまくいくかどうかわからんが「旅行中にネット情報にアクセスすることが必須である」とか、理屈を用意しておく。
- 落ち度がないのならば譲らない。
あとは、バゲッジクレームの税関のゲート通るときに、目を皿のようにしている意地悪そうな係員がいたら、「申告なし」の緑ゲートではなく「申告あり」の赤ゲートで自分から係員に話しかけ「ラップトップありますが」と申告すること。で、仕事で使う、日本に持って帰る、日本に住んでいる、といえば良い。ドイツの役人は現場の裁量が大きいので、係員の性格で処分が大きく左右される。この点ご注意を。
さらに別のところを見るとそちらでは「申告なし」ではなく、必ず「申告あり」にするように勧めていました。
日本からドイツ入国時のご注意
旅行ガイドなどでも注意を喚起されているのでご存知かも知れませんが、ドイツ入国の際は税関申告にご注意ください。(ドイツは欧州の中でも税関が厳しいので有名です)
(中略)
特に日本からICSにお越しの方は、ラップトップやデジタルカメラ、ビデオカメラ等をご持参される方が 多いと思われますが、たとえ中古品や会社の備品であっても、また日本の免税店や機内免税店で購入した 物品であっても、EU外から持ち込む物品の価値が合計430ユーロ(15歳以下は175ユーロ)を超える場合は 原則として申告が必要となります。
ただし短期滞在者が個人的に使用する物品は原則として非課税となりますが、「短期滞在だから 非課税になるはず」だからと言って、申告を怠ることはできません。
(中略)
また、乗り継ぎ等で別の国へ行く場合でも、最初にEU圏(正確には「シェンゲン協定域内」ー参考:Wikipediaシェンゲン圏)に入る地点で申告義務が 発生します。特にノートパソコン、デジカメなど機内持ち込みの物品についても入国審査直後に設置され ている機内持ち込み荷物用の税関窓口で申告しなければなりません。 「窓口に気づかなかった」「知らなかった」は、ドイツの税関ではまず通りません。
(中略)
このようにラップトップ、デジカメ等の高額機器を持参される際は(たとえ短期滞在、中古・個人使用であっても)、必ず税関申告の通路(ミュンヘン空港の場合は赤色の表示のあるカウンター)を通り、旅程と帰国便のチケット、ホテルの予約書類など短期間の滞在であることを説明できる資料を用意し、これら機器は滞在期間中に個人で使用し、帰国時には持ち帰る物品で、販売や贈与を目的とするもでないことを税関係員にご説明ください。
また特に喫煙される方やアルコールなどをお土産や自分用にと持参・購入される方は、日本から持ち込まれるタバコやアルコール類(日本出国時に免税店や機内販売で購入された分も含めて)が、「シェンゲン協定域内」の免税範囲(例:紙巻きたばこだと200本)を超えないようご注意ください。
http://web.ics.ei.tum.de/~kura/direction2ICS_jp.html 乗り継ぎの場合でも……って面倒くさいですね。
実際に行かれる方は上記のサイトの他、いくつか見て回って感覚をつかんでおいた方が良いと思います。
関連
■
違法コピー支持政党ドイツで躍進など 政治こぼれ話 ■
ドイツ電気料金上昇、太陽光発電普及は減速の公算 ■
中国人観光客などの来日外国人が増えると、親日家も増える? ■
海外の反応 ~世界への良い影響を与える国日本、旅行で人気の都市京都~ ■
おならとゲップどちらが失礼? ■
その他の海外について書いた記事
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|