Appendix

広告

Entries

パチンコの将来 日本のカジノとギャンブル性(射幸性)の低下


 パチンコの違法性 合法な三店方式をやっているパチンコホールは僅か数十社の続きで、「パチンコホール初上場」、苦難の道のりを語る 申請拒否の挫折から7年、ダイナムHD社長の執念(要登録 日経ビジネスオンライン 2012年9月28日 金田信一郎)のダイナムジャパンホールディングス佐藤洋治社長インタビューです。

 今回でやっとシリーズの最後になります。


 ガラっと話が変わってパチンコの将来と日本でのカジノについて。

 これも記者さんが鋭い質問だと思いましたが、佐藤洋治社長もちゃんと先を見据えているようです。
――最後に教えていただきたいんですけど、業界の未来についてです。私自身は、アミューズメント産業は高い将来性を秘めていると思うんです。ただ佐藤さんもお感じになっていらっしゃると思うんですけど、日本ではパチンコだけでなくて、芸能界もプロ野球も、アミューズメント業界がビジネスとして捉えられてきませんでした。はっきり言えば、危うい商売と見ていたんだと思います。プロスポーツが、やっと「ビジネス」として研究対象になってきましたが。

佐藤:そうですね。

――でも、一番有望な産業だと思うんです。それでうかがいたいのは、パチンコ産業を考えると、業界自体は市場が縮小しています。一方で、「カジノをやるべきだ」という話もあります。カジノとパチンコが、どういう形で将来的にビジネスとして融合するのか分かりませんが、狭義のパチンコ市場、広義のカジノ産業、あるいはアミューズメント産業がどうなっていくのか。その中で、ダイナムはどんな成長戦略を取っていくのか。

(中略)

佐藤:今、業界では、3年前から警察庁の指導で、「射幸性を落とし、時間消費型レジャーとして日本で定着してほしい」という意向が伝えられている。やっぱり、カジノ構想が浮上して、なおさらです。カジノは、リミットなしのギャンブルです。パチンコは、時間消費型レジャーで「娯楽」として定着してほしい、と。そこで、パチンコ業界は、貸玉を1玉1円とする「1円パチンコ」を広めてきました。従来は1玉4円ですから、大当たりしないと、1時間に2万円近いカネをつぎ込んでしまう。

 1円パチンコなら、当たり確率100分の1の台なら、1時間1000~2000円で遊べるんです。こういう時間消費型レジャーにするという指導の方向に進んだ結果、今年3月で全国のパチンコ台数の35%が「低貸し玉営業」と言われる1円パチンコになりました。ここまで来たわけです。ダイナムの場合は、3月時点で55%が1円パチンコです。

 ですから業界の中で、将来の形に近づいてビジネスを組み立てている。ただし、時間消費型のビジネスは、売り上げも利益も数字は下がります。だから、コストコントロールを徹底しないと利益が出ないんです。

 ですから、ダイナムの356店の全国ネットで、あらゆるコスト削減策を努力してきた結果、1円パチンコでも利益が出せる体制になったんです。今、喫水線を漂っている会社はつらいと思います。

 でも、時代の要請として、そっちに移行している。お客様のニーズも、4円のパチンコ客になっていた人の可処分所得が年々落ちているんです。10年前の小遣いよりも下がっている。4円の客が減っている現実があります。1円の方は逆に増えているんです。

 この結果、3年前は遊技人口が1500万人と言われていたのが、今は1割増えて1650万人ぐらいです。これをうまく育てていくことによって、遊技人口は増えると思います。そして大衆娯楽の在り方として、ビジネスモデルが整理されていけば、社会の中でもっと調和が取れる業界になるのかな、という思いがあります。

――そうすると、カジノというギャンブル性の高いものとは一線を画して、パチンコが時間消費型の大衆娯楽として成長していく、と。

佐藤:本来、そうだったんです、パチンコというのは。もともとが。パチンコが発生した終戦直後、それこそ「時間潰し」だったんです。会社が終わって1~2時間、パチンコをやって、小遣いでタバコぐらいもらって、というのが本来の姿だった。それがおかしくなったのは、プリペイドカードの普及を何とかしたい、という辺りです。当時、警察庁の平沢勝栄課長(後の衆院議員)のあたりから、プリペイドカードが普及しないので、ダブルスタンダードでプリペイドの機械だけは射幸性が高いものがオーケーになってしまって、それからずいぶん変わった。

 平沢勝栄さんがパチンコを悪くした=諸悪の根源といった感じです。

 今関係ないんですが、平沢勝栄さんって自民党を出ていた気がしたんですけど、調べたら普通にずっといました。私は誰と勘違いしたんでしょう?

 なお、Wikipediaでのパチンコについての記述は下記のみです。

2008年には「パチンコ業界の位置づけを真剣に考えていく」ために、自民党内に「遊技業等の営業の健全化に関するプロジェクト会議」を立ち上げた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%B2%A2%E5%8B%9D%E6%A0%84

(12/5追記:パチンコと政治家 平沢勝栄、安倍晋三、前原誠司、石破茂で補足しました)

 切っちゃったのでちょっとわかりにくいですが、次は先ほどの「射幸性が高いものがオーケーになって」の直後です。

佐藤:それが良かったかどうかは時代が検証することでしょう。でも「本来の姿に戻ってほしい」というのが警察庁のスタンスです。ダイナムもその方が、日本社会の中で安定してこの業界が定着できると考えています。ただし、そのビジネスモデルは簡単にはできないので、相当努力しないといけません。でも、ほかの業界も全部そうですよね。コストを下げて、お客様に安く提供して利益を上げていく。この当たり前の努力が、この業界にも今まさに要請されていると。そのきっかけをダイナムが上場によって作ったと思っています。また、環境がそういう場所にダイナムを置いたと言っていいかもしれません。

――やっぱり1店、2店でやっているパチンコホールは難しいわけですね。コストを下げるのも。

佐藤:利益を取るのが大変難しい。ですから、喫水線を漂っちゃうんです。あともう1つは、それでも利益が出るために、パチンコホールと遊技機メーカーと周辺機器メーカーと、すべてが経営努力を続けて、確実に収益が上がるというね、コストを下げる努力をする。

 例えば、機械代が今1台30万円から40万円します。これを1年で償却していくとなると大変です。1円パチンコでは無理なんです。4円の高額レートでやってもらって、ある程度の額を店が稼がないと、入れられないんです。ですから1円パチンコ用の、1台10万円、20万円の機械を開発していただくことも、業界が生き残る方法なんですね。普通、どんな商品でも、例えばテレビでも電卓でも、どんどん安くなっているじゃないですか。ところが、パチンコの機械だけはどんどん高くなる。

(中略)

佐藤:ねえ。パチンコの機械は、液晶テレビよりももっとシンプルになるんじゃないですか。

 パチンコの非ギャンブル化という方向性は強調されていますね。


 さて、以降はカジノの話へと移ります。

佐藤:カジノは、アジアで100カ所ぐらいあります。特に、新興国ではカジノが増えている。(中略)もう世界の観光産業として、「一大エンターテインメントの中のカジノ」となっており、日本も時間の問題だと思います。

 実は日本のカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)の先生方からレクチャーを受けているので、状況は分かるんですが、カジノ法自体はもう完成度が高いものが出来上がっている。あとは、政権が安定さえすれば、カジノ基本法が上程されるはずです。その上で、今後、細かな施行規則などが出てきます。これで、さらに1~2年かかると思います。

 その後、基本法ができてから、ラスベガスやマカオの大手カジノ会社が、日本の地方自治体と一緒になって青写真を描くようになると思います。ダイナムとしては、直接カジノと競合するとは考えていません。ダイナムは、むしろ時間消費型レジャーの方向に向かっていますし、カジノはあくまでも瞬間的に大きな金額のやりとり(が起きる)ということで、動機がまったく違う。だから、競合するとは考えてないんですね。

 ダイナムは1989年から大卒採用を続けていて、毎年200~300人、多い年には500人を採用し、生え抜きの部長クラスに育ってきている。全国の店舗の責任者は、全て大卒です。そういう意味で、お客様を接客するサービス業で、人材を豊富に抱えているので、もし日本でカジノが解禁になれば、ダイナムは大手のカジノと一緒になって「カジノオペレーター」として参加したいと考えています。

――カジノオペレーターとは、具体的にどのような事業になるんですか。

佐藤:要するにカジノ経営です。経営する側に立つ。何%か分かりませんが資本を入れさせていただき、一緒になってカジノを運営していくことを考えています。

 でも、カジノとパチンコは客層など全然違うよと言おうと思ったら、以下でちゃんと言っていました。(ただし、後の方で「(日本は)シンガポールを意識して」と出てくるようにやり方によります。ラスベガスなんかは地元の一般人も取り込むスタイルであり、これであれば客層だけは一部重なります。この話もおもしろいのでいつか書きたいです)
佐藤:ただ、カジノは簡単ではない。難しいです。非常に難しいです。例えば、ラスベガス、マカオ、シンガポールを見学に行ってバックルームを見せてもらうと、客席以上に広いんです。そこには大きなホテルがあり、レストラン群があり、物販業があり、コンベンションセンターもある。だから、1つの施設に、働いている人が1万人近くいるんですね。24時間営業ですから、3交代制で食事を賄う。しかも中華料理、和食、西洋料理、イタリアンと、いろいろ食べられる。ものすごい規模です。

 あと、制服も毎日洗濯するため、大工場があるんです。服の中にチップが埋まっていて、カードをかざすと、出した洗濯が電動式で出てくるとかね。それから教育も大変です。1万人の従業員がいると、毎日辞める人と、新たに雇う人がいる。その教育の場が必要になります。

 それから、1つのカジノで、恐らく数千台の監視カメラが設置されていて、お客様だけでなく従業員も厳しくチェックしている。こういった仕組みを日本の企業ができるだろうかと言ったら、まず無理だなと。経験してないと無理ですよ。

 従業員監視なんぞしたら、たいへんですよ。郵政民営化のときに大騒ぎでしたからね。

 ただ、コンビニなんかはそんな感じですけどね。


 変なところで茶々入れましたが、続き。
――巨大娯楽施設を運営するノウハウが詰まっている。

佐藤:それとマカオやシンガポールのトップクラスのカジノは、中国のハイローラー(カジノで多額の賭け金を使う顧客)の方を、いかに連れてくるかによって売り上げがまるっきり変わってしまう。実は、カジノ経営はハイローラーだけで成り立つんだ、と。大衆のために大きなカジノの面積はいらないというぐらい、ハイローラーが大事なんだそうです。そうした上得意客を、どうやって連れてくるか。これも、専門の業者が必要であると。専門業者をどう使って、どのくらいバックリベートを出すのか、といったプロじゃないと分からないことがたくさんあるんです。

――同じように見えて、パチンコ経営とは違う面が多い、と。

佐藤:違います。これは、やはり大手のカジノと一緒になって、「お手伝いをさせてもらう」というスタンスでしか成り立たないだろうと思います。

 また、外国人目当てだという話を次に。
佐藤:そうですね。それで、日本のカジノ基本法に、シンガポールを意識して、「入場料を取る」という条文が入るのではないかと言われています。ということは、もともと日本の法律の成り立ちというのは、観光としてスタートしているわけです。外国人観光客にお金を落としてもらう、観光に来てもらう。ですから、カジノが主というよりは、総合エンターテインメントの中にカジノがあって、それはほんの一部だという形なんでしょうね。

 それで、日本の人たちに対して「入場料」を取るという発想です。シンガポールは地元の方から入場料を取るんです。入場を制限するわけですね。少し高めの入場料で。地元の人が頻繁に来ないように。確か1回につき、かなり高く設定されていて、日本円にして1~2万円ほど取っていたと記憶しています。年間パスポートは、20万円ぐらいじゃなかったかな。

 その他省略しましたが、「カジノは、アジアで100カ所ぐらいあります」という話もありました。

 世界的に見てカジノは有力な成長産業の一つと言われているのは、こうやってすごい勢いで増えているせいです。

 しかし、逆にどんどんできているということはライバルが多いということでもあり、日本が勝ち抜けるかもわからないという不安もあります。

 日本の立法スピードを考えると、それだけで不利になりそうですね。


 追加
  ■パチンコと政治家 平沢勝栄、安倍晋三、前原誠司、石破茂

 関連
  ■パチンコダイナム香港上場の理由と経緯 日本・シンガポール・韓国ではダメだった
  ■パチンコ業界の企業の上場 警察は賛成・ヤクザ(暴力団)は反対?
  ■パチンコは脱法的 違法以外はみな合法と言えるのか?
  ■パチンコの違法性 合法な三店方式をやっているパチンコホールは僅か数十社
  ■パチンコ換金脱違法の三店方式は大阪が発祥
  ■その他の人生・生活について書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由