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離職率の高さは就職時や辞めるときの就職環境が大きい 若者自身の問題というのは俗流若者論か?


 大学卒の就職率、9割の統計と6割の統計がある理由で使った記事のシリーズですが、上西充子さんは本当良い記事を書かれるなぁと思います。

 世間で出回っている一般論ではなく、きちんとデータに当たり(おそらく膨大なデータ)、そこから真実の姿をあぶり出しています。

 いいなぁと思うので、今回のもの以外に別の記事についても引用しています。


 で、今回は離職率の話です。

第6回 離職率を隠す企業の事情とは?
上西充子 日経ビジネスオンライン
2012年10月5日(金)

 就職活動で応募企業を検討するとき、多くの大学生は離職率を気にかける。「離職に至るかどうかは本人の心がけ次第なんだから、離職率なんて気にしてもしょうがない」のだろうか? また、離職率を公表していない企業の実態は、わからないのだろうか?

 「若者問題」を語る際、「フリーター・ニートの増加、早期離職の増加…。」などと語りだされることが多い(そして、勤労観・職業観の育成、キャリア教育…と続きがちである)。しかし実際は、早期離職率は年々高まっているわけではない。

 厚生労働省「平成24年版労働経済の分析」(2012年9月14日公表)の第3-(1)-18図「新規学卒者の在職期間別離職率の推移」を見ると、1994年大学卒業者あたりから3年離職率はやや高まりその後横ばい状況になったが、2005年卒以降は低下に転じている。

 「平成24年版労働経済の分析」では、この動向について分析を行い、2つの傾向を指摘している(p.215-217)。

 ひとつは、新卒時の大卒求人倍率が低いほど離職率が高まる傾向であり、これは「世代効果」と呼ばれている。学校卒業時の就職環境が厳しい世代は、不本意な就職先に就職した者が多いために将来の離職が増える可能性がある、というものだ。

 もうひとつは、離職時の有効求人倍率が高いほど離職率が高まるという傾向である。

 この2つの傾向により、1992~96年、1999年及び2000年で卒業時の就職環境の厳しさが離職率を高めており、2000年代後半の離職率の低下は、卒業時の就職環境が改善したことと、離職時の就職環境が良くないことが影響していることがわかる、としている。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121001/237468/?P=5

 「新卒時の大卒求人倍率が低いほど離職率が高まる傾向」はわかりやすいですね。不本意なところに入れば、そりゃあ辞める確率も高まります。

 私は仕事が人を作るという面を否定しませんし、誰もが羨む職業につくのはほんの一握りであり、ないものねだりをするのは愚かだと思います。(同じ上西充子さんの記事を引用した就活の企業エントリーの仕方・エントリー数 就職情報サイトは信じるな!なんかは後者に関係します)

 しかし、相対的に見て希望するところに入りやすかった年と比べて、入りにくかった年の離職率が高まるのは至極当然です。


 もうひとつの「離職時の有効求人倍率が高いほど離職率が高まる」は、最初「あれ、何でかな?」と考えちゃいました。

 ただ、これは単に「次の仕事を見つけやすいから辞める」という風に、簡単に考えればよいでしょうか。
 つまりは、就職時の就職環境や、辞めたいと思ったときの就職環境によって、離職率の変動(特に就職後1年目の離職率)の多くは説明できる、ということだ。

 しかし一般的には、早期離職は労働市場の問題ではなく、若者自身の問題であると捉えられがちである。

 ここらへんは省略しますが、酷い偏見が多いようです。いわゆる俗流若者論的な若者=悪の構図ですね。


 ここで一度やっておきたいと思っていた俗流若者論を紹介しておきます。

 個人的にはあんまりいいネーミングだとは思わないんですけど、この言葉を編み出したのは後藤和智さんという方です。

後藤和智 Wikipedia


後藤 和智(ごとう かずとも、1984年11月15日 - )は、日本の評論家。岩手県釜石市生まれ、宮城県仙台市出身。

社会全般に流布する、若者を批判した言説を「俗流若者論」と名付け、その研究・検証を行っている。

(中略)

言論の傾向と評価

主に、後藤本人が論理的ではない、もしくは根拠が曖昧と見なした言説とその発言者に対して矛盾点を指摘、批判を加えている。

「俗流若者論」を豊富に収集し、矛盾点等を丹念に調べる姿勢は、『「ニート」って言うな!』の共著者である本田由紀や内藤朝雄の他、社会学者の宮台真司も評価をしている。中でも、宮崎哲弥は朝日新聞の書評で、『「ニート」って言うな!』を絶賛した。また、ブログ上で評論活動を続けてデビューした経歴に触れてネット時代の言論のあり方として記念碑的であると評している。後に内藤朝雄と共に月刊誌『サイゾー』の宮台と宮崎による対談「M2」にも登場した。

他にも、フリー編集者・ライターの安原宏美は、インタビューを通じて後藤に賛同している。

(中略)

俗流若者論

後藤が提唱した概念であり、社会全般に流布されている若者を批判した言説のこと。この語は後藤が運営するブログで生まれたもので、後藤の著書や雑誌の記名記事の中にも、この語が繰り返し用いられている。

後藤は、1990年代当時の女子高生であるコギャルの服装や言動、ブルセラや援助交際などの逸脱した行動がクローズアップされたことから始まり、1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件を皮切りに、マスメディア上で当時の青少年を一種の理解不能な“怪物”扱いする報道、フリーター、パラサイト・シングル、引きこもり、ニートといった造語の多用などがあり、それらのいずれの語も批判的な報道で一括りにされることが多く、次第に大衆の憎悪の標的とされるようになったと分析している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E8%97%A4%E5%92%8C%E6%99%BA




 後藤和智さんがおもしろいのは若者擁護論すらも批判していることです。
またこうした偏った論調に対して、これら青少年を寧ろ擁護する向きの論調も出されているが、後藤はこうした主張にも根拠や実証に欠け自らの主張や価値観を青少年に投影しているだけに過ぎないと指摘している。

 これもまた俗流若者論に含めるかわかりませんが、批判・擁護を問わず「論理的ではない、もしくは根拠が曖昧と見なした言説」であれば、なるほど「俗流若者論」という呼称は的確かなと思います。

(なお、「ニート」って言うな!に関しては、ニートの定義とは? 無職・ひきこもり・バイト・専業主婦の扱いでも触れており、いくつかレビューも転載しています)


 離職率からはちょっと離れてしまいましたが、思い込みじゃなくてちゃんとデータを見ようねという話でした。

 最初の記事は他にブラック企業の見分け方みたいなおもしろいものもありましたので、もう一つ書く予定です。


 追加
  ■企業の離職率を知るにはどうすれば良いか?離職率の調べ方を知り、ブラック企業を見分ける

 関連
  ■ニートの定義とは? 無職・ひきこもり・バイト・専業主婦の扱い
  ■就活の企業エントリーの仕方・エントリー数 就職情報サイトは信じるな!
  ■大学卒の就職率、9割の統計と6割の統計がある理由
  ■就活の内定辞退の方法 人事との対決FAQなど
  ■内定辞退メールは禁忌、引き止めという名の嫌がらせも
  ■その他の仕事について書いた記事



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