2022/04/22まとめ:
<買ってもいい金融商品はほとんどない 普通預金・MRFなど>など
●日経平均株価を買うことができるインデックス投資とは何か?
2012/11/1:最初にインデックス投資についての説明を少し。
インデックス投資とは はてなキーワードでは、以下のような説明でした。ただ、正直これだと少々わかりづらいです。なので、この後、実例を挙げた説明もしますのでお楽しみに…。
<特定の市場を代表する指数(インデックス)に対する投資。インデックスそのものを直接売買することはできないので、実際にはインデックスに連動する先物などのデリバティブを利用したり、インデックスを構成している証券、商品を使ってインデックスに連動するポートフォリオを作る。市場と同等のリスクで、市場と同等のリターンを得ることが目的>
さて、実例を挙げた説明です。インデックスの代表的な例は日経平均株価(日経225)やTOPIX。そして、この日経平均株価などの特定の株価指数に基準価格が連動するように運用される投資信託などの金融商品に対して投資することが「インデックス投資」です。日経225系の銘柄を買えばいいだけなので、非常に簡単にできる投資です。
●インデックス投資がおすすめの理由は「プロより儲かるから」
このインデックス投資はよく推薦されています。投資で人生を壊す人が多いので私の場合は投資そのものを推奨していませんが、どうしてもやりたいならインデックス投資がマシだと思っています。この理由は
Wikipediaの次の一文でよくわかります。
<
大多数の投資信託の運用成果はインデックスに及ばない。このことは学界では知られていたが、バートン・G・マルキール(Burton Malkiel)が1973年に著した『ウォール街のランダム・ウォーク』(A Random Walk Down Wall Street)によって一般に広く知られることとなった>
「投資信託」や「ファンド」と言うとすごく儲かりそうな気がするんですが、実はむしろ運用成績は良くないらしいんですよ。投資のプロが特別に銘柄を選んでいない機械的なインデックスの方がむしろ優秀なのです。あと、ついでにWikipediaのインデックスファンドの説明も載せておきます。
<インデックスファンドとは、ファンドの基準価額がある指標(インデックス)と同じ値動きを目指す運用をする投資信託のこと。パッシブファンドとも呼ばれる。
通常当該ファンドがベンチマークとする株価指数に採用されている銘柄群と全く同様の銘柄構成を採り、各企業の株式のファンドへの組み入れ比率も株価指数への影響度に比例した割合となる>
●インデックス投資がおすすめ…は嘘で実際には儲からない?
ということで、おすすめのインデックス投資ですが、「インデックス投資はむしろお勧めできない」という記事を読んだのが今回の記事のきっかけ。これは
TOPIXが26%下落する間に全上場企業の60%が上昇していた 2012.09.29 07:00 ※マネーポスト2012年秋号という記事でした。
<日経平均株価やTOPIXの値動きへの連動を目指す「インデックス投資」は、依然根強い人気がある。しかし、残念ながら、この10年間でTOPIXは26%も下落するなどまったく振るっていない。そうしたなか、同じくこの10年間で全上場企業の60%近くの株価が上昇していることをご存じだろうか。
2001年9月末~2011年9月末までの10年間で、データがとれる上場企業2618社の値動きをみると、インデックスの低迷を尻目に、その半分以上に当たる1493もの銘柄が上昇しているのである。(中略)個別銘柄がこれだけ上がっているにもかかわらず、なぜインデックスが下落しているのか。
そもそも「インデックス=市場平均」と思われているが、それ自体が間違っている。TOPIXは全銘柄の加重平均といいながら、輸出ハイテク関連、金融など時価総額の大きな大型株の影響が強いし、日経平均は数多ある銘柄のなかの225銘柄の平均にすぎない。(中略)インデックスファンドといわれるものでも、実際は大型株に偏った「大型株アクティブファンド」といって過言ではない。
最大の問題は、それら大型株のなかに、株価が好調な企業がほとんどないことである。リーマン・ショック後の3年間で、株価が上昇した会社は1217社あるが、時価総額3000億円以上の大型株に限ると、わずか35社にすぎない。(中略)
インデックスだから安心というわけではないし、「安全でお堅い」イメージの強い大企業への投資だからといって、決して安全ではないのだ>
●個別銘柄だとそもそも倒産してる企業があるんですけど…
ちょっとびっくりな話…ですが、「どうかな?」と思う話。"まったく振るっていない"というのは事実ではありますが、だからと言って個別銘柄を買えば良いというわけでもありません。結局、問題はどの銘柄が伸びるかわからないことであり、結果論で良い銘柄だけ挙げて「ほら儲かってない」とするのは反則的です。
また、倒産するなど市場から退場している銘柄や暴落している銘柄が多数あるわけで、それを選んだ時点で大損確実。先の「上場企業2618社の値動きをみると、(中略)その半分以上に当たる1493もの銘柄が上昇」には、暴落している銘柄があることを考慮していないというまやかしがありそうです。
そもそもインデックス投資の売りはリスクを賭けて大儲けしようというものではなく、個別銘柄と比べて安全性が高いということでしょう。ミスリードな批判な気がします。とりあえず、インデックスが従来型の企業を中心としており、急成長するようなことは考えづらいという指摘はわかりますけどね。
特に現在の日本のように従来型企業が伸び悩んでいる状態では、やや魅力が落ちるかもしれません。ここらへんはわかります。ただ、そもそも日本のインデックスを買う必要はないので、そのときには海外のインデックスで投資すりゃ良いだけな感じ。アメリカのインデックスファンドなんかは手数料も安いですからね。
●投資業界が「インデックス投資がおすすめ」と言いたくない理由
2018/11/28:最初のときに書いていなかったのですが、上記の記事は結論ありきなものだったかもしれません。というのも、この記事を掲載していたマネーポストは、「インデックス投資がおすすめ」としてしまうと商売が成り立たなくなってしまう雑誌であるため。ここは個別株を買う推奨記事を載せている雑誌なんです。
また、
ヘッジファンドが市場で荒稼ぎ…は誤解 運用成績は7年連続で負け、インデックスファンドの方が良いなどで書いているように、現実には、プロが作っているファンドなどはインデックスに負けてますからね。投資信託の運用成績もひどいです。
同じような話としては、
投資信託はおすすめできない 人気銘柄含めて運用成績が悪すぎるも関連するという投稿。「インデックスより上がってる銘柄がこんなにある」というのと、「プロがそれを予想できた」というのは別の話なんですよ。プロのファンドや投資信託が稼げてないんですから説得力ゼロです。
●リスク軽減…インデックス投資の本当のメリットはミスを減らすこと
2012/11/1:上記の記事よりは、
インデックス投資はなぜ良い投資成果を残せないか?(2011年11月17日01:18 マーケットハック)の方が良い内容でした。まず、「伝統的なロング・オンリー(=買いから入る投資手法)のアクティブ運用をするくらいならパッシブ運用(=インデックス投資)の方が遥かに良い」としています。
インデックス叩き記事を掲載したマネーポストなど、投資情報の推薦では「買い」ばかりおすすめするのですけど、これがそもそもおかしな投資の仕方。ロング(買い)・オンリーの運用は、より沢山ミスを犯した選手が負ける「敗者のゲーム」だと言われるとして、以下のように書いていました。
<ロング・オンリー投資の場面でのミス>
1.無駄な売買を繰り返し、手数料コストばかりかかる
2.そもそもフィーの割高な金融商品に手を出す
3.相場のタイミングを誤り、怖くなって安値で売ってしまう
「無駄な売買を繰り返し、手数料コストばかり」ってのは、典型的なミスだと思います。そもそも投資情報や業界の関係者は、いろいろな個別銘柄を推薦して手数料を稼ぐことで儲けていますからね。売買を繰り返すのは負けパターンですし、いろいろ買うより自分のよく知る得意な銘柄に絞った方が成功しやすいのです。
今回の記事によると、インデックス投資を長期に渡って実行すると、これらのミスを軽減することが出来ることはすでに広く受け入れられている定説だとのこと。相場が良い時も、悪い時も、淡々と継続することで、マーケット・タイミングのリスクを軽減できるといいます。
多くの人がやりたがる「買い」だけの手法でしたら、「インデックス投資の方が良い」のですから、この時点でほとんどの人がインデックス投資の方が良いということでしょう。
●インデックス投資だと物足りなく感じるが…
ただ、記事では、チャールズ・エリスやジョン・ボーグルなどがインデックス投資を提唱した時代は、右肩上がりで伸びていた時代だったとしていました。インデックス投資でも大儲けできた時代があるんですね。なので、そこから見ると今は物足りないのかもしれません。
インデックス投資の弱点は「マーケットは長期では右肩上がりである」ことを前提にしている点であり、万年低成長が定着し、今後も当分の間、高い成長が見込めないこんにちの状況では投資成果に対する期待は抑え目にした方が良い、ともされていました。
インデックス投資は飽くまでミスを減らすだけで、決してファインプレーが増えるわけじゃないのです。この説明が一番すっきりですね。「今の時代はインデックス投資がダメだから個別銘柄を買おう」と言うよりは、「今の時代は投資技術のない人は儲けられない」と捉えた方が良いでしょう。
2018/11/28追記:なお、「期待は抑え目にした方が良い」であり、「インデックス投資を抑えめにした方が良い」ではないことに注意。
投資は本当に儲かる?個人投資家で利益が出ているのは1割未満という事実など、他の投稿で書いているように、投資で儲けている人は1~3割程度しかいません。投資で稼ぐ技術のない大多数の方にとっては、インデックス投資の方が安全で向いていると思われます
●買ってもいい金融商品はほとんどない 普通預金・MRFなど
2012/7/25:ここから他の投稿でも追記した、<買ってもいい金融商品はほとんどない 上場株式・インデックスファンド・普通預金・MRFなど>というタイトルで当初書いていた投稿の話を。楽天証券の山崎元さんによる数少ないオススメできる投資商品の中に、インデックスファンドも入っていたためです。
山崎元さんは"まず、「短期の金利物」のカテゴリーでは、銀行の普通預金(ただし、1人1行1000万円が上限)、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)の二つ"としていました。このうち普通預金は皆さん知っていますね。リスクはほぼゼロです。問題は、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)の方でしょう。
MRFは確か元本保証がないはずです。じゃあ危険か?というとそうではありません。なぜかというと、ほとんど普通預金みたいなものであるため。MRFは日本国債を中心に運用していますから、やはりあまりリスクはないと考えられるのです。
読み直してみると、<投信であり信託銀行に資産が保管されているので、販売金融機関の経営リスクを心配しなくていい>とも説明がありました。以下の
Wikipediaは、マネー・リザーブ・ファンドは非常に換金性・流動性の高い公共債型投資信託の一種とした上で、以下のように説明しています。
<日本の証券口座では、株式や投資信託など金融商品を買い付ける際のプール資金(銀行での当座預金に該当)として、従来は「預かり金(預かり勘定)」と言う証券会社に無利息で資金を預ける方法しかなかった。「預かり金」は金融商品購入に充当するか、顧客が払い戻し(出金)を求めるまでは証券会社(法人)の私有財産となるため、その証券会社が倒産した場合は預かり金残高が保証されないリスクが存在した。
そのため、1990年代に信用度の高い日本国債などの短期債券を投資対象とし、換金性に特化したMRFが開発され、証券口座の入出金に応じてMRFを自動的に購入・売却する仕組みが図られた。なお、運用期間は1日で、毎日決算が行われて残高に応じて分配金が支払われる(利回りがきわめて低いため、元本が少額であれば切り捨てられる)。そして1日単位で自動継続されている。
MRFは普通預金に近い商品であり、1円以上1円単位で購入及び即時解約が可能で、購入手数料は不要である。プール資金としての性質からローリスク・ローリターンであり、預金での利子に相当する分配金の運用利回りは円建てMMFよりも相対的に低い>
●ペイオフ対策であれば個人向け国債「変動10年」型も
普通預金とMRFの他には、流動性的には短期とはいえないが、半年単位で金利が変動する個人向け国債「変動10年」型もペイオフ対策であれば良いと記事では書いていました。たぶん変動だからという意味でしょうけど、将来金利が上昇したら、これらの商品と普通預金は利回りの差が今よりも大きくつきそうだとしています。こちらはこの後やる「中・長期の金利物」でも再度触れられています。
なお、この後にも定期預金については一切触れられていませんでしたが、ちらっと出た"将来金利が上昇した"場合には相当不利になる場合があります。その点、普通預金やMRFは柔軟性があるってことでしょう。とはいえ、日本では金利が上がる気配はないんですけどね。
そして、「中・長期の金利物」では、"個人向け国債の「変動10年」か「固定5年」か、新型窓販国債"とされていました。あと、利回りで定期預金が不利という話があったものの、後日、
インフレリスクなら定期預金より投資は嘘?物価上昇や株価を比較すると…という話をやっています。
●上場株式の分散投資もOK、でもインデックスファンドが良い理由
「リスクを取って高いリターンを目指す運用資産」としては、"別業種の数銘柄以上に「分散投資を十分行う」を条件として"、「上場株式」が挙げられていました。うーん、でも、個人的には普通の株はオススメしたくないですね…。株のようなものでしたら、次で出るインデックスファンドの方が良いと思います。
「投資信託」は"(3)または(4)の理由から、投信商品全体の1%にも満たない"が、"TOPIXあるいは日経平均のインデックスファンドで手数料が安い数本のファンドだけ"は良いとされていました。「(3)または(4)の理由」というのは、
前回やった(3)同類の商品よりも手数料がはっきり高い商品(4)手数料が高過ぎる商品というNG要素です。
しかし、"積み立て投資"かつ" ネット証券などで、ノーロード(購入手数料ゼロ)で買うときに限る"という条件付きのインデックスファンドであれば、これらのダメな条件に引っかかりません。また、「分散投資を十分行う」なら「上場株式」もOKと先程されていたものの、インデックスファンドというのは1つ買うだけで分散投資になっていますので、私は個別株よりこっちの方が良いと考えています。
●金額がまとまればETF(上場型投資信託)の方が優位性がある
さらに、"金額がまとまれば、ETF(上場型投資信託)が優位"ともされていました。私もよくわからないのでETFの
Wikipediaを見てみました。以下のとおりです。こっちでもインデックス投資が可能というか、私はETFでのインデックス投資を想定していたんですよね…。
<上場投資信託(じょうじょうとうししんたく)とは、証券取引所で取引される投資信託の事。ETF(Exchange-Traded Fund)という略称がよく用いられる。上場投信ともいう。
(広義の)投資信託
1.一般的な投資信託
2.上場投資信託(ETF)
1.指数連動型上場投資信託
2.(指数連動型以外の)上場投資信託
場投資信託は、指数連動型上場投資信託と、それ以外のものに分けることができる。指数連動型上場投資信託とは、その価格がTOPIXやS&P500指数などの株価指数、商品価格、商品指数などの指数(インデックス)に連動するようにつくられ、上場されている投資信託である。証券取引所に上場している株式と同様に取引できる>
これ以外に外国株の"株価指数のインデックスファンド"や"ETF"は、「(4)手数料が高過ぎる商品」の条件がぎりぎりだけど、買えるものもあるとされていました。やはりインデックスファンド系は良心的なんですね。なお、手数料の関係では、メジャーなインデックスファンドだと安いことが多いと思われます。
●不動産投資よりREITがマシ程度…基本、買えない投資商品だらけ
"後は、判断がやや難しいが、個別の不動産投資と比較するとREIT(不動産投資信託)がましだ、と思える場合がある程度だ”ともありました。ただ、これはあまり推奨しているような書き方ではないですね。一応、REITも
Wikipediaから引用しておきますが、基本的に大体みんな買っちゃマズいみたいです。
<REIT(Real Estate Investment Trust、リート)は、不動産投資信託を意味する日本語の表現。特に、日本の国内法に則った日本版REIT(J-REIT)のことを単にREITと指す場合がある>
<REIT」は不動産からの収益を投資家へ還元する金融商品のうち、とくにその受益権が証券として扱われる不動産特定目的会社、及びこの会社が発行する証券を指すこともある。
REITとして設立された「特定目的会社」は、法人税を免除されるかわりにその業務内容や会社の運営に法的な制限がある。具体的には会社の営業項目が不動産運営に関するものに制限され売却を目的とした不動産の開発・分譲が原則できないこと、投資者への収益還元割合の下限設定などがある。REITと一般の株式会社の主な違いは、高配当義務とひきかえに法人税が優遇される点である。上場されたREIT株は市場において取引される。REITの収益の大半が保有不動産の家賃による。そのため一般の株式にくらべて大幅な配当増、証券価格の乱高下は期待しにくい。一方、不動産賃貸契約は一般的に安定しておりリスクが小さいとみなされている。そのため投資家のポートフォリオのリスク分散に貢献する新たな投資先(financial vehicle)として認識されつつある>
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