2009/8/31:
豊富な品揃えと24時間営業という特徴
むしろ田舎こそ便利でなくてはならない
過疎地で24時間営業も非常識だが本当に需要がある
豊富な品揃えと24時間営業は狙ったわけではない
●過疎地なのに豊富な品揃えという特徴
2009/8/31:
AZスーパーセンター1 敢えて過疎地へ出店する理由…牧尾英二社長の説明から引き続き、AZスーパーセンターの話を。
前回書いたとおりAZスーパーセンターは過疎地へ出店しているわけですが、過疎地のお店といえば品揃えが少なくて、営業時間も短いのが普通です。
ところが「前例否定」のAZスーパーセンターは、常連客が「ここに来れば何でもある」と言うように品揃えも豊富なのです。(※1より)考えられません。
例えば「お菓子コーナーの売場には普通の食品スーパーで 1,000品目あれば多いほう」であるにも関わらず「A-Zあくね」では4000品目もあるそうです。また、お酒コーナーも専門店顔負けのアイテム数には驚くほどとのことで(※1より)、むしろ人口の多いところの普通のスーパーよりも品揃えが多いようです。
●むしろ田舎こそ便利でなくてはならない
品揃えの豊富さについて、牧尾英二社長は以下のような説明をしていました。
「売れ筋に絞り込めば、経営効率を高めることにはなります。しかし、それでいいのでしょうか。本来、小売業の使命は、お客さんが必要とする商品を、より安く、欲しいと思うタイミングで提供するところにあります。ですから、私どもは、売れ筋でなくても、お客さんが欲しいと思う商品は、一年に一個しか売れないようなものでも置いてあります」(※4より)
どうも初めから品揃えが多かったわけではなく、「お客さんの要望に応じて商品を増やしていった結果」(※2より)とのことです。これは社会貢献的なところもあるんでしょうね。
マキオの牧尾英二社長は「商店が少なく、日常の買物に不便を感じているからこそ、大型店が必要」(※2より)と述べており、むしろ田舎こそ便利でなくてはならないと考えていました。
●過疎地で24時間営業も非常識だが本当に需要がある
さらにマキオの牧尾英二社長は「夜中に買物をしたい人もいるはず。便利な都会にいる人には理解できないだろう」(※2より)ともおっしゃっていました。この「夜中に買物をしたい人」のため、AZスーパーセンターは24時間営業を行っていまるのです。
「A-Zあくね」では漁業に携わる人たち、看護師や医師、三交替制の工場に勤務する人たちなど生活スタイルの違う人たちがいて、それらの人に合わせるために1日中開けているとのこと。(※1より)
私が学生のころ24時間営業を始めたスーパーがあり、興味があってわざわざ夜中の2時か3時ごろに見に行きましたが、店内はガラガラでとても採算に合うようには見えませんでした。
しかし、AZスーパーセンターでは深夜の売上げが全体の約3割を占めるとのことで(※1より)、人件費、光熱費が通常よりかかる深夜営業でも成功を収めているようです。
●豊富な品揃えと24時間営業は狙ったわけではない
これらについて牧尾社長は、次のように語っています。
「画一的に『過疎化が進む町への大型店の出店により、あるいは24時間営業に取り組んだことで業績を伸ばしている』といった報道をされる。しかし、販売戦略として取り組んだことは何もありません。効率を見ればアイテム数は絞り込んだ方がいい。営業時間にしても、今は深夜に3割を売り上げるようになりましたが、時間帯によっては大赤字です。お客様より従業員のほうが多い。でも1日の中でお客様にとって大事な時間はそれぞれ異なります。大事で無い時間帯に買い物をしていただくには24時間営業しかありません。A-Zはたまたま今生き残っています。しかし、お客様からそっぽを向かれればつぶれてしまうでしょう。」(※3より)
これらの成功は狙って行った戦略的な成功ではなくて、客の要望に応え続けることによって得た信頼とか情だということでしょうか?
AZスーパーセンターは「利益第2主義」(※1より)という理念があるそうです。このような理念が「建前」に終わらず、きちんと利益にも繋がっていると言うのはおもしろいし、喜ばしいことです。
参考記事
※1
大手も注目する企業・(株)マキオ 躍進の秘密(DATA MAX、2009/1/27~、(2)以降のリンクは記事下部)
※2
「前例否定」で躍進するマキオの経営に学ぶ-その1-(富士通、経営コンサルタント疋田文明、2005/11/10)
※3
過疎の町に24時間営業の巨大不夜城 討ち死に覚悟で天職を全う 上(DATA MAX、2009/2/27~、中下のリンクは記事下部)
※4
「前例否定」で躍進するマキオの経営に学ぶ-その2-(富士通、経営コンサルタント疋田文明、2005/11/10)
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