●正しい歯磨きの方法 食後すぐの歯磨きは危険、理由は酸蝕歯
2012/11/11:
正しい歯磨きの方法 ブラッシングが良ければ噛んでも口内炎にはならないの続きで正しい歯磨きの方法第二弾。<食後すぐの歯磨きはNG 虫歯予防の新常識>(日経新聞 2012/2/16 7:00 鴻知佳子)では、以前推奨されていた食後すぐの歯磨きはむしろ良くないとされていました。
これは虫歯、歯周病に続く第3の歯の病気として注目される「酸蝕歯}(さんしょくし)の関係です。欧米では20年前、つまり、1990年ごろから対策がとられてきたそうですが、日本は遅れていた模様。食生活の欧米化に伴い酸性の飲食物が増えた日本でも6人に1人は何らかの症状があるとされています。
<口の中が酸性になっても、唾液の力で中和されて溶けたエナメル質も復活する。ただし、30分ほど時間がかかる。食後すぐに歯をゴシゴシと磨くと軟らかくなったエナメル質を削り落としかねない。とはいえ、自分が食べた食事が酸性かどうか見分けるのは難しい。そこで「食後は歯磨きまで30分ほど置くのが安全策」(北迫助教)。
体を思って毎日とる黒酢やかんきつ類、夏の熱中症予防に小まめに飲むスポーツ飲料など、酸性の飲食物は意外に多い。歯も気遣って口の中が酸性の時間はできるだけ短くしたい。ダラダラ飲食を控える、酸性と分かっている飲み物はストローで飲む、飲食後は水やお茶で口の中を軽くすすぐ、といった予防策がある>
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO38714960Q2A210C1W13001/●食後に3回磨くよりも寝る前の1回 一方で5回推奨する人も…
記事によると、歯を磨くタイミングだけではなく、回数についても常識は変わりつつあるとのこと。よく「毎食後すぐに3分間」といわれたそうですが、「なんとなく3回磨くよりも1日1回、特に寝る前に口の中から徹底的に汚れを出すことが大事」と鶴見大学の桃井保子教授は強調していました。
1日1回で良いというのは前回のものと同じですね。ただし、私が最近見た別のところは、1日5回を勧めていましたし、やはりいろいろ。完全には置き換わっていないし、最近の説の方をむしろ間違っている!と否定する人もいると思われます。専門家によって違うということは、珍しくありません。
なお、食後に毎度磨かなくてもよい理由については、今回の記事でまだ説明がありました。口の中の食べカスが歯垢になるまで48~72時間かかるということで、急ぐ必要はないという説明。これは、前回のものであった1日はさぼっても大丈夫というのと、同じ根拠だと思われます。
●「歯を傷つけるから歯磨き粉は良くない」は俗説?本当?
私は歯磨き粉は良くない…とも聞いたことがあったんですね。これは俗説と思いきや、過去に実際に言われていたとのこと。ただし、これも現在ではまた考え方が変わっており、やはり歯磨き粉を使った方が良いとされているそうです。ここらへんはいろいろと変わっています。
<歯磨き粉についても考え方は変わってきた。かつては研磨剤が歯を傷つけることや、素早い泡立ちが磨けた気にさせることなどで否定的な意見が多かった。最近は技術の進歩で研磨剤なしでも汚れが落とせるようになり、歯を丈夫にするフッ素入りも増えた。成分表を見れば簡単に分かるので「フッ素を大いに活用すべし」と桃井教授はいう。
2センチメートル大の歯ブラシのヘッドなら、その3分の2くらいにたっぷり歯磨き粉を絞り出して歯茎に塗り込む感覚で使う。水で流れないように磨いた後の口のすすぎは最小限に抑える。低濃度でも歯が長時間フッ素に接することで効果があるので、毎食後に歯を磨ける人は歯に小まめにフッ素を与える機会になる>
●歯磨きで大事なのは食べかす除去ではない!細菌とりが目的
さらに、別記事<朝の歯磨きのベストタイミングって?>(2011年2月2日 07時00分 田幸和歌子 エキサイトビットコネタ)というものも読んでみました。渋谷区幡ヶ谷の坪田歯科医院・坪田泰幸院長はまず「歯を磨くことについて、『食べカスをとる』というイメージを持つ人が多いですが、本当は、歯ブラシはプラーク(歯垢)、つまり細菌のかたまりをとるためにするもの。プラークと食べカスは違うんです」と説明しています。
こちらでは、1日に歯磨きする回数は1~3回が一般的で、歯科医や歯科スタッフには「毎食後と寝る前にもう一度=4回」という人も多いとしていました。上記までと矛盾すると思うかもしれませんが、<いちばん大事なのは「寝る直前の歯磨き」>という説明については同じです。
「寝ている間は唾液の分泌量が大きく減少しますが、唾液には殺菌作用があるため、唾液が減少すると口の中の細菌の数がどんどん増えてしまうんです。だから、寝る前に少しでも細菌の数を減らすことが大切なんですよ」(坪田歯科医院・坪田泰幸院長)
「朝起きたときがいちばん口の中が汚れているから、起きた直後に歯磨きするのは良いことだと思います。また、食事で食べカスができるから、朝食後に磨くのも良いですよね。朝食前か朝食後かは、歯科医によっても考え方が違いますし、一概には言えません」(坪田歯科医院・坪田泰幸院長)
●歯科医や歯科スタッフは1日4回が多い…やはり多く磨くべき?
では、朝起きてすぐと朝食後とどちらも歯磨きするのが理想かと言うと、そうではありませんでした。先程歯科医や歯科スタッフは1日4回が多いとされていたものの、「朝食前と後、両方磨いているという人も患者さんには多いですが……実は最近は磨きすぎの人も多く、それも問題なんですよ」と指摘されているのです。
「食事をとると、口の中のPHが酸性に傾きます。なかには、朝食がフルーツとヨーグルトだけなんて人もいますが、酸性が強くなっているときに歯をガシガシこすって磨くと、表面が削れて溶けてしまい、『酸蝕』になるとも言われているんですよ」
「最近は、歯をいためる危険性もあるため、食後30分は歯を磨かないほうが良いという意見もあります。また、本当は1日1回歯磨きを“完璧”にできれば良いのですが、歯科医でも歯科衛生士でも、完璧にはなかなか磨けないもの。そこで、1日3回やることで足りない分を補う意味があるんです。あとは、1日1回十分な時間がとれるとき、できれば夜寝る前にきちんと磨くことです」
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1295888146379.html 前回の投稿では議論百出と書きました。ただ、きちんと読んでいくと、ほとんど矛盾がないように見えます。それでも、まだいろいろなことを言う人がいるとは思われますが、だいぶ歯医者の世界も研究が高度になって、定説が確立されてきたのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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