相当前に書いた
がんの年齢別罹患率では、「高額当選くじの逆バージョンで、ギャンブルするようなもの」と書きました。
その投稿自体はがん保険が役に立つ機会自体は極めて少ないということを示す内容だったのですけど、「だからと言って、保険に入らなくて何かあっても責任持てません。ごく僅かな確率でも大きな支出になりますからね」といった感じでバランスを取るものでした。
しかし、その後私のような意味ではなく保険自体がギャンブルだという書き方の記事があり、紹介しようと思っていました。
……が、すっかり忘れて1年ちょっと。
今回似たような感じの記事を見つけましたので、それとセットでお送りします。
まずは新しい方から。これは
がん保険の嘘 300万円かかる人はごく僅かで使った記事と同じシリーズのものです。
このシリーズはどうやら
だまされない保険 安心できるおトクな商品はこれだ!の宣伝みたいですね。
2012年10月3日
週刊ダイヤモンド編集部 保険商品特別取材班
「医療保険」や「特約」の実情は分の悪いばくち!
安心という幻想にムダなお金を払うのはやめなさい
「医療保険は“幻想”を買っていると思ったほうがいい」──。
そう切って捨てるのは『生命保険はこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)などの著作があるファイナンシャルプランナー(FP)の内藤眞弓氏だ。だが、大半の人々がこの幻想を追い求めているのは間違いない。
民間保険会社(かんぽを除く)の医療保険・医療特約への加入世帯率は約93%。同様に、がん保険・がん特約も約60%に上る(生命保険文化センター調べ)。
(中略)
医療保険の標準保障内容は、入院日数に応じて支払われる入院給付金、手術ごとに所定の金額が支払われる手術給付金、手術に伴う通院日数に応じて支払われる通院給付金などで構成される。
だが、これら代表的な給付金でさえ、契約者のもくろみ通りに給付されることはまれ。入院給付金の落とし穴は、入院日数そのものが現在、急激な減少傾向にあることだ。
厚生労働省の調査によれば、病院の退院患者の平均在院日数は1990年が47.4日。しかし、2008年は37.4日と、20年弱で10日も減少した。しかも、平均50日を超える年代は70代以上。15~34歳で13日、働き盛りを含めた35~64歳でも29.5日と1カ月に満たないのだ。
(中略)しかし、医療保険は相も変わらず、1入院限度日数60日型、120日型、そして180日型の3タイプが主流のままだ。
(中略)
「大半の人には60日型でさえ、元を取ることが難しい」という。
一方、手術給付金は、たとえまったく同じ診断書を提出しても、保険各社の判断によって、給付額が大きく異なるのが実情。
また、入院給付金も入院すべてに給付されるわけではない。
通常のお産入院や介護施設への入院などは給付されず、保険各社所定の対象となる入院をした後に受け取れるという条件がついていることが多い。
このように、医療保険には標準の保障内容であってもさまざまな制約がかけられ、しかも、契約者はその制約に直面して初めて知るケースが後を絶たないのだ。
http://diamond.jp/articles/-/25546 私も入院日数は減っているという話は知っていましたので、こちらは低くするようにしていました。
また、何だかんだあって給付されない……ってのも嫌ですね。
日本でボロ儲けのアフラックに金融庁が長期検査みたいな会社もありますし……。
もう一つ、昨年の方の記事です。
保険は“99%が外れる宝くじ”
保険コンサルタント 後田亨 日経新聞
2011/7/22 7:00
「保険は、当たりたくない『宝くじ』や競馬の『馬券』のようなもの、宝くじや馬券を買い込んで『きっと当たるから、何があっても安心』とする人がいたら問題でしょう?」
セミナー等で、こんな発言をするとお客様には「わかりやすい!」と言ってもらえます。その代わり(?)同業者には嫌われます。
しかし、私はウケ狙いの発言をしているのではありません。保険の契約に絡む様々な思いをいったん横に置いて、虚心にお金の流れを見ると、やはり宝くじや競馬に似ていると思わずにいられないのです。
それは、端的に言うと「賭けに負ける人たち」が支える仕組みです。
たとえば、30歳の男性が毎月1300円強の料金を支払うことで、向こう10年間、万が一の際に1000万円の保障を確保できる保険があります。契約から1カ月後に、お客様がお亡くなりになると、ご遺族にはお客様が負担した料金の7600倍を超えるお金が届けられます。
(中略)とはいえ、保険にこんなことができるのは、保険金を受け取らない加入者が多数を占めているからです。まさに、宝くじの賞金が、くじにはずれる大多数の人のお金から出ているのと同じだと感じます。
厚生労働省が公表している「第20回生命表」によると、30歳の男性が40歳までに亡くなる確率は1%です。健康状態が問われる保険加入者の場合、死亡率は1%未満でしょう。
ということは、30歳の男性がこの保険に加入することは「99%以上の確率ではずれるクジ」を買う行為だとも言えます。
http://www.nikkei.com/money/household/hokenhonto.aspx?g=DGXNMSFK1101O_11072011000000 うーん、ただ私が「高額当選くじの逆バージョンで、ギャンブルするようなもの」と書いたように、保険に入らないことはその1%未満に入らない方に賭けることです。
備えがない人はたいへんなことになってしまいます……と思ったら、そこらへんはさすがに保険コンサルタント。良いアドバイスをされています。
このように考えると、保険との付き合い方は明らかです。「保険にしかできないこと」を求めて利用する、つまり、当たる確率は低いけど、賞金の額が大きいクジだけを買う、他は極力買わない、それだけです。
一般の方には、5日目からではなく1日目、あるいは日帰りからの入院保障といった、より多くの「当たり」が出そうな保険を望む傾向がありますが、逆です。たとえば、50歳の男性が入院1日あたり1万円支払われる「持病がある人でも入れる保険」に入ると、保険料は年間14万円を超え、毎年2週間入院しても元がとれません。想像しやすいリスクに保険は不向きなのです。
したがって、子供が自立する前の健康な世帯主の急死に備えるくらいでいいことになります。競馬でいうと「大穴」狙い、オッズが1倍強の「本命」は無視するのがポイントです。
(中略)
コストとパフォーマンスの両方を伏せたまま、勧められる契約がある場合、予算が許す限り活用すべきでしょうか? それとも、最低限の利用にとどめるべきでしょうか? 答えは明らかだと思います。
既に書いている通り、私はこの考え方に賛成です。
どうしても支払えないあるいは支払いで人生設計が狂うような事態に備えるというのが、保険の本質だと思います。
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